GEとXtreme Powerが、NaMxバッテリー”Durathonバッテリー Durathon Batteries”を市場展開へ
GEは、今年の7月にニューヨーク スケネクタディ(Schenectady)に1億7000万ドルをかけてNaMxバッテリーのシリーズ”Durathon Batteries”の製造工場をオープンさせました。そして、今回充電システムやコントローラーの技術を保有するエクストリームパワー Xtreme Power 社との共同体制でこのナトリウム金属ハロゲン化物(NaMx)を含む電力貯蔵システムを開発の営業展開を行うことを発表しました。
NaMxバッテリーは、一応、高温エネルギーのバッテリー技術として、NaSや融解塩タイプと同じカテゴリーのバッテリーであるとのことです。しかし、車などの移動体用に利用されることからもわかるとおり、取り扱い易く、実際に安全性も高いとされています。もともとベンチャーのBeta社をGEが買収した時点では、Beta社は輸送機器のためにバッテリー技術を開発していたということです。どの程度安全化については、簡単にわかるデーターを見つけられませんでしたが、興味ある特徴です。NaMxバッテリーのシリーズ”Durathon Batteries”は、電力関連だけでなく、今後も電気自動車やハイブリッド車などで使われる可能性もあるようです。
基本の蓄電池と制御部のモジュールを組み合わせることで、kWからMWクラスのバッテリーシステムを構築することが可能だということです。デュラソンバッテリー Durathon Batteriesのサイクル寿命は、80%の放電深度(80% DOD)で3500回を誇り、エネルギー密度も高く、温度管理も容易で安全だということです。電力用大型バッテリーの分野では、安全性の高いことが大きなメリットになります。文字通りなら、注目のバッテリーシステムです。基本モジュールである、20kWH(最大10kW)のDurathon E620 Battery Moduleは、サイクル寿命が4,500回。フロート充電での寿命は、15年。大きさは、H*W*L 320*550*950mm、重さ 245kgです。
プレスリリース / GE Energy Storage, September 10, 2012
・GE and Xtreme Power Form Strategic Alliance to Deliver Energy Storage for the Grid
-----image(”. Durathon E620 Battery”) : GE Energy Storage : Power Generation Technical Specifications - Durathon E620 Technical Specifications(PDF) より
"GE Energy Storage, a unit of GE Transportation (NYSE: GE) and Xtreme Power, a privately held Austin, Texas company have formalized a strategic alliance to work together to provide cutting-edge energy storage solutions. The alliance combines GE’s Durathon* battery technology for grid energy storage systems and Xtreme Power’s extensive experience as an integrated energy storage turn-key solutions provider. The new GE Durathon battery products, which can last up to ten times longer than conventional lead acid batteries and store more energy in half the space, are the result of a $100 million initial investment in battery technology developed at GE’s Global Research Center in Niskayuna, NY. GE’s Durathon battery technology, when paired with Xtreme Power’s Xtreme Active Control Technology** (XACT), should enable safer and highly efficient storage of massive quantities of electricity at low cost for grid applications. XACT is an innovative proprietary control system architecture, XACT that offers sophisticated control algorithms, real time response, remote monitoring, and optimized power management. Together, GE and Xtreme Power expect to tap a global segment looking for effective and efficient energy storage on the electric grids of the world, both old and new.
......... "
関連
・Xtreme Power / System Integration
・GE Energy Storage : Power Generation Technical Specifications
"Durathon E620 Technical Specifications(PDF)
Durathon DC1kWh Series Technical Specifications(PDF)
Durathon DC1MWh Series Technical Specifications(PDF) "
- Performance Profile
-----image : GE Energy Storage : brochure「Durathon Batteries」より
・Durathon Battery-----Ecomagination
・GE Battery Symposium / GE Transportation Hybrid Locomotives, OHV and Marine Tugs
Hybridization of Industrial Transportation
GE Battery Symposium
October 23, 2008
[ http://www.ge.com
/battery/resources/pdf/RajRajiyah.pdf ]
・Another Day, Another Win for Xtreme Power-----Forbes,9/13/2012
・GE Builds a Better Battery-----BusinessWeek,July 11, 2012
参考
・GE、世界的な鉱業関連事業部門を設立-----GE Transportation(GE Mining),September 25, 2012
"..........
当社のDurathonTMバッテリー*は、採鉱のためのさまざまな電力需要に、クラス最高レベルのエネルギー密度と実績を提供します。このバッテリーをGEのInvertexTM地下推進システムに接続することで、熱、ディーゼル微粒子、排気がもたらすトラブルを著しく低減させることができ、地下鉱山での換気コストを削減します。DurathonバッテリーとInvertex交流駆動システムは、GEによるフェアチャイルド・インターナショナルの買収後1カ月を経ないうちに、フェアチャイルドの地下採鉱事業用ショベル機器への搭載が始まっています。
.......... "
GE Opens New Plant to Manufacture Next-Generation Durathon Batteries
(GEreports, 2012/07/20)
"In July, GE opened a new $170 million factory in Schenectady, New York, that will produce next-generation industrial batteries and employ 450 workers. The business was born from a single idea, like a Silicon Valley start-up, inside GE Global Research labs in nearby Niskayuna."
コメント続き
日本のNaS電池での火災事故のように、大型バッテリーの技術的な問題だけでなく、将来を有望視されてきたバッテリー関連の事業者が資金調達難に陥るなど、蓄電池事業の難しさも明らかになってきた。電気自動車関連でさえ、A123システムズやベタープレイスの事業の先行き不安が伝えられています。ましてや、これからの産業としては注目されるものの、コストや技術力が問われる電力用の蓄電池となると、どこの国のどの事業者がよりよいソリューションと製品を世に送り出すことに成功するのか? と数年後にせまってきたといわれる電力用の蓄電池システムの開発からかえって目が話せない。
再生可能エネルギーの分野では、蓄電池は重要だが、それ以前にエネルギーの総合的なマネージメント技術の確立や規格、そしてなによりも身になる再生可能エネルギー発電源の確保が急務だ。それまでは、あまったら”捨電”というシステムを考えるほうが蓄電よりも、当分や有利だ。
とはいえ、この分野は日本の得意分野でもあったはずだ。安価で安全でメンテしやすい、そんな蓄電池システムの開発にも期待しております。
参考エントリー
・日米スマートグリッドプロジェクト、ロスアラモスで設備が完成し、本格的な実証運転を開始-----ソフトエネルギー、2012/09/24
・住友電工、200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)および5MWhの大型蓄電池などの実証運転を開始-----ソフトエネルギー、2012/07/30
[ カテゴリー : 電力変換/蓄電、蓄熱、水素など ]
参考情報
・米A123システムズが破産法適用申請、政府支援企業の破綻相次ぐ-----ロイター、2012年 10月 17日
・中国の万向集団、破綻の米A123システムズ取得へ再び関心表明-----ロイター、2012年 10月 18日
・IHI、東京消防庁の都内の消防署33か所にA123 Systemsのリチウムイオン蓄電システムを一括納入-----しなやかな技術研究会、2011/11/21
おすすめエントリー
・週刊GreenPost 44号 - しなやかな技術研究会 2012/10/15-19日版
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