自然エネルギー財団、ドイツ視察報告書 "Energiewende" エネルギーヴェンデ(大転換)を進めるドイツを公開
自然エネルギー財団は、9月23から28日まで、ドイツの電力市場・電力システム改革に関する現地調査を実施し、10月18日にその調査報告書をとりまとめ公開しました。再生可能エネルギーや電力における制度とシステムの改革で日本より20年先行しているといわれるドイツの足跡と脱原発を実現するための課題など、もっとも参考になる国の貴重な情報です。
・ドイツ視察報告書 "Energiewende" エネルギーヴェンデ(大転換)を進めるドイツ-----自然エネルギー財団、2012年10月18日
"自然エネルギー財団は、9月23から28日まで、ドイツの電力市場・電力システム改革に関する現地調査を実施しいたしました。この度、調査報告書をとりまとめましたので、お知らせいたします。
今、日本では、東日本大震災とそれに伴う福島原子力発電所の事故を受けて、電力市場や電力システムのあり方が問われています。日本と同じように、長い間、垂直統合型・地域独占の電力システムに支えられてきたドイツは、1990年代の終わりから小売りの全面自由化を実施、2005年からは本格的な発送配電の分離に取り組んでいます。
自然エネルギーを基幹電源とした電力供給体制を実現するためには、公平で競争的な電力システムを構築し、新たな技術やサービス、アイディアを持つ全く新しい事業者が市場に参入できる環境を整備することが必要です。
2050年に80%を自然エネルギー電力から供給することを目標として掲げるドイツは、すでに今年前半で25%の供給を実現、将来をバックキャスティングする形で、自然エネルギーの最大化・最適化に向け、送電網の構築、市場デザイン、法整備などを、実施している最中です。
日本に大きく先んじるドイツの現在をまとめた本報告書が、日本の新しい電力システム構築のための一助になれば幸いです。報告書全文はこちら (PDF)
ポイント
1.ドイツは2050年自然エネルギー財団比率80%に向けて次のステージへ移行中
..........
2.発送電分離により公平な競争環境が実現し、新規参入が促進されている。また、送電部分への規制強化が自然エネルギーの導入にも奏功していた。
..........
3.電力会社は自らが送電部門を売却するなど所有分離を進める仕組みを整備
..........
4.送電網強化が喫緊の重要課題
..........
5.日本への提言「10年でドイツに追いつくことが可能」
..........
-----image : 報告書「ドイツ視察報告書 “Energiewende”(エネルギーヴェンデ(大転換))を進めるドイツ 第 1 版」カバー
”目次
ポイント 1
1. 自然エネルギーの拡大 3
2. 電力自由化・発送電分離の経緯 7
2.1. 欧州電力指令 7
2.2. ドイツにおける電力自由化・発送電分離の経緯 8
3. ドイツにおける電力市場の概況 12
3.1. 電力市場の概況 12
3.2. 新規参入の現状 16
4. 送電網の強化 17
5. ヒアリング議事録【暫定版】 19”
-----image : p4「図 2 ドイツの 2020 年における電源構成見通し」
.......... "
関連
・自然エネルギー財団 News
"「今、そして将来世代のための効率的エネルギー」トーマス コーベリエル理事長講演 (12月4日 福岡)
2012年10月18日「ドイツ視察報告書 "Energiewende"(エネルギーヴェンデ(大転換))を進めるドイツ」をアップしました。
2012年09月14日報告書 「ニュージーランドにおける地熱発電 -日本への教訓-」をアップしました。
2012年09月10日9月6日 自然エネルギー財団 国際シンポジウム「2030年とその先の未来へ」へのご参加、ありがとうございました。
2012年09月07日9月6日 自然エネルギー財団 国際シンポジウム「2030年とその先の未来へ」の情報を更新しました
2012年08月14日『「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する意見募集』に際し、意見書を提出しました
2012年08月10日「エネルギー・環境に関する選択肢 - 原子力の発電コストに係る検証」をアップしました
2012年06月28日理事選任に関するお知らせ
2012年06月20日 トーマス コーベリエル理事長講演 (6月13日)
「日本における自然エネルギー促進と電力システム改革への提言」の資料等をアップしました
2012年06月18日 書籍発刊のお知らせ
「孫正義のエネルギー革命 自然エネルギー財団監修」6月18日より発売予定
2012年06月01日FIT制度による負担と投資について考えるワークショップを開催します (6月4日(月))
2012年05月18日「国と特に密接な関係がある」公益法人への該当性について
2012年04月23日FIT制度における木質系バイオマス発電に係る提言をアップしました
.......... "
- 2012年04月05日3月6日開催 ドイツのFITに関する国際シンポジウムの会議結果報告書をアップしました
参考エントリー
・ドイツの自然エネルギー / おまとめサイト #renewgermany120404-----自然エネルギー、2012/04/04
・Bookmarks「ドイツの自然エネルギー / おまとめサイト」用-----自然エネルギー、2012/04/06
・ドイツの再生可能エネルギーへの取り組み / 資料-----自然エネルギー、2012/05/30
・ドイツの再生可能エネルギーの電力に占める割合は20%を超えた模様。エネルギー消費比では、約12%を達成-----ソフトエネルギー、2012/01/11
・ドイツ、全原発廃止を閣議決定。7月の上下院審議でも通過の見通し-----ソフトエネルギー、2011/06/07
[ カテゴリー : ドイツ ]
コメント続き
わが国に先行するドイツ。先駆者としての苦悩もまた先行して経験している。ドイツの再生可能エネルギーの振興策により、電力料金の負担感が欧州経済危機の元でさらに大きくなる。このまま我慢大会が続き、さらになにか大きなイベントがあれば、政権交代時などに、ドイツの脱原発政策をも揺るがす事態さえ考えられる。
かの地が先行していて、多くの問題を解決しようと懸命に知恵をしぼっている。ここで本来の意味で国際協力ができればいいのだが、野田政権はエネルギーの選択肢をあいまいにしてしまった。国民の選択は、意味や内容が薄められ、日本の政権交代時には、原発推進へと舵をもどそうと考えている勢力が勢い付く可能性があります。
先行者の轍を研究して、あなぼこやら、障害となる石を避ける賢明さを発揮できるかが今後の日本の課題です。グリーン・ポストは、ドイツの再生可能エネルギー関連の情報をツィッターでクリッピングしています。Twilogで一覧できます。
・Twilog @GreenPost : renewgermany
おすすめエントリー
・週刊GreenPost 45号 - しなやかな技術研究会 2012/10/22-26日版
・国土交通省、小水力発電の農業用水路を利用する場合の手続きを簡略化する方針----自然エネルギー、2012/10/22
ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。
greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2-----しなやかな技術研究会 まとめ
[PR]
| 固定リンク
コメント