日立造船ら6社1協会、洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究を開始
日立造船ら6社1協会は、洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究会として「地域振興型アクア・ウィンド事業化研究会」を設立すると発表しました。構成-役割は以下をご覧ください。
日立造船株式会社-海洋構造物(着床式/浮体式)
一般財団法人日本気象協会-環境影響評価、風況調査
株式会社東芝-風車設備
JFEスチール株式会社-鋼材
住友電気工業株式会社-海底送電ケーブル
東亜建設工業株式会社-洋上施工技術
東洋建設株式会社-洋上施工技術
この「地域振興型アクア・ウィンド事業化研究会」は、着床式洋上風力発電事業に関して、今年度内に有力と考えられるフィールドを選定して風況観測を実施し、次年度には、風況観測結果および建設費・運営費の試算結果に基づいて経済性の評価を行い、研究会として最終的な事業化の可否を判断するということです。
事業化が可能と判断された場合には、別途、特別目的会社(SPC)を設立し具体的な事業の実現を目指して活動を行い、同時に研究会メンバー企業の他、エネルギー関連企業や地元企業・団体等からの出資も募るということです。
順調ならば、洋上風力発電所を数箇所に建設、10年後には数百MW規模の洋上ウィンドファームの建設を目指すとしています。
さらに、浮体式洋上風力発電にも研究開発段階として取り組むことを発表しました。具体的には、浮体動揺に対する風車挙動の検討、コスト低減に向けた検討、洋上風車設備のメンテナンス手法の構築などを実施するということです。
実証試験に関しては、着床式パイロットプラントのフィールドや供用可能な設備を活用し、さらに試験終了後の設備利用を可能とする試験計画の立案を行うとのことです。
国でも浮体式の実証実験が開始されたり予定されてまうが、浮体式は世界的にみても、これからの技術として位置づけられています。まず、着床式というアプローチは至極まっとに思えます。こちらの民間プロジェクトが、今後どう見積もって、具体化していくのか、大いに注目されます。
プレスリリース / 日立造船、2012年09月04日
・洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究について ~ 6社1協会による「地域振興型アクア・ウィンド事業化研究会」の設立 ~
-----image(”洋上風力発電施設のイメージ”) : 同リリースより
"日立造船株式会社(略)、一般財団法人日本気象協会(略)、株式会社東芝(略)、JFEスチール株式会社(略)、住友電気工業株式会社(略)、東亜建設工業株式会社(略)、東洋建設株式会社(略)の6社および1協会は、洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究会として「地域振興型アクア・ウィンド事業化研究会」(以下、研究会という)を設立しました。
研究会は、地域協調や地域経済の活性化など地域振興に寄与する洋上風力発電事業の実現に向けた調査・検討を行い、各社の特性や技術力、知識を結集して洋上風力発電に関する事業提案を行うことを目的としております。
主な活動内容は以下のとおりです。
1.着床式洋上風力発電事業に関する事業提案について
今年度内に有力と考えられるフィールドを選定して風況観測を実施する予定です。次年度には、風況観測結果および建設費・運営費の試算結果に基づいて経済性の評価を行い、研究会として最終的な事業化の可否を判断します。
事業化が可能と判断された場合には、別途、特別目的会社(SPC)を設立し具体的な事業の実現を目指して活動していきます。SPCには、研究会メンバー企業の他、エネルギー関連企業や地元企業・団体等からの出資も募ります。
以上のように、洋上風力発電に適したフィールドの選定、風況観測と事業性評価から、SPCによる事業遂行までを民間主導で実施します。数年後には、7.5MW未満のパイロットプラントを数箇所に建設し、10年後には数百MW規模の洋上ウィンドファームの建設を目指します。
2.浮体式洋上風力発電の技術開発と実証試験について
浮体式洋上風力発電は、現時点で研究開発段階と捉えており、技術開発と実証試験に向けた取り組みを実施します。研究会では、浮体動揺に対する風車挙動の検討、コスト低減に向けた検討、洋上風車設備のメンテナンス手法の構築などを実施します。実証試験に関しては、着床式パイロットプラントのフィールドや供用可能な設備を活用し、さらに試験終了後の設備利用を可能とする試験計画の立案を行います。
なお、6社1協会の主な役割は下表のとおりです。メンバー企業 主たる担当項目
日立造船株式会社 海洋構造物(着床式/浮体式)
一般財団法人日本気象協会 環境影響評価、風況調査
株式会社東芝 風車設備
JFEスチール株式会社 鋼材
住友電気工業株式会社 海底送電ケーブル
東亜建設工業株式会社 洋上施工技術
東洋建設株式会社 洋上施工技術洋上風力発電は、再生可能エネルギーの一つとして温室効果ガス削減の観点からも注目されてきましたが、東日本大震災以降は電力供給の側面でもより大きな注目を集めています。日本は、排他的経済水域面積が世界第6位の海洋国であり、洋上は平均風速が大きいことや乱れが小さいことから、安定的・効率的な発電が見込まれ、着床式ならびに浮体式の洋上風力発電が期待されております。
日本でも本年7月より固定価格買取制度が開始されていますが、研究会では、地域と発電事業者がWin-Winの関係で地域社会全体の活性化に貢献することを目指し、電力の安定供給と温室効果ガスの排出削減に向けた大規模洋上風力発電の事業化に積極的に取り組んでまいります。
.......... "
関連
・Google検索 : アクア・ウィンド事業化研究会
・洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究について-----東芝、2012年09月04日(風車設備)
- 参考 韓国・ユニスン社への資本参加について-----東芝、2012年05月29日
・洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究について -----日本気象協会、2012年09月04日(環境影響評価、風況調査)
・洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究について-----JFEスチール、2012年09月04日(鋼材)
・洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究について-----住友電気工業、2012年9月4日(海底送電ケーブル)
・洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究について-----東亜建設工業、2012年9月4日(洋上施工技術)
- 参考 土木技術 : 港湾施設の建設・海岸保全
・東洋建設 / 12.9.4 「洋上風力発電建設技術および事業化に関する共同研究について」を発表しました(洋上施工技術)
- 参考 土木実績 : 05.港湾・エネルギー
・6社1協会で洋上風力発電の共同研究会を設立、SPCでの事業化も計画-----モーニングスター、2012/09/04
参考エントリー
・茨城県鹿島港洋上風力発電公募事業、5MW50基で250MW。実施事業者決定! 2017年に稼動をめざす-----ソフトエネルギー、2012/08/30
・2012年は、日本における洋上風力発電開発の幕開けの年 !?-----ソフトエネルギー、2012/08/16
・京大、戸田建設ら、環境省の五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを開始-----ソフトエネルギー、2012/06/14
・福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業の2015年までの内容と実施体制が発表されました-----ソフトエネルギー、2012/03/07
・浮体式洋上風力発電 Floating Wind Turbine 再生可能エネルギーまめ知識
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