米オレゴン州に日本企業も参画し845MWのShepherds Flat風力発電所が完成
アメリカ、オレゴン州に日本企業も参画し建設が進められてきた、シェファード・フラット風力発電所 Shepherds Flat Wind Farm が完成し、地元や関連企業の関係者が集まりセレモニーが開催されました。シェファード・フラット風力発電事業は、アーリントン近郊、オレゴン州の北部中央に位置するギリアム郡とモロー郡にまたがる30平方マイル(約80平方キロメートル)の広大な土地に展開する世界最大規模(アメリカで2番目)の風力発電所です。GEの2.5MWの風力発電機が338基立ち並ぶ姿をみたいと、まず、Googleマップで検索してみました。
-----image : Googleマップ Shepherds_Flat_Wind_Farmより、下は一つの風力発電機の拡大-----
壮観ですね。平坦で森もなく、乾いた草原がどこまでも広がっています。まさに、風力発電所建設の適地です。
この事業には、日本関連では伊藤忠商事と住友商事の現地法人が参加、さらにGoogleやGEエナジーなどが加わったアメリカでも大きな事業で、こんごしばらくこの規模の大型案件はアメリカでも当分見られないだろうといわれている規模です。
プレスリリース / 伊藤忠商事、2012年9月25日
・世界最大級の風力発電事業「ケイスネス・シェファード・フラット」本格稼働開始
-----image("式典当日、関係者一同にて") : 同リリースより
"伊藤忠商事株式会社(略)が米国子会社のティア・エナジー社を通じて、ケイスネス・エナジー社、GEエナジー・フィナンシャル・サービス社、米国住友商事、グーグル社と共に米国オレゴン州にて進めている発電事業におけるケイスネス・シェファード・フラット風力発電所がこの度完工し、去る9月22日に関係者列席のもと現地にて完工式典が挙行されました。
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関連
・Caithness Shepherds Flat Commences Official Operations; Becomes One of the World's Largest Wind Farms-----GE Energy,Sept. 22, 2012
・Sumitomo Corporation of America
"Shepards Flat, Largest On-Shore Wind Farm in the World, Begins Operations
Arlington, Oregon, September 24, 2012 -- SCOA executives were on-site to mark the kick-off operations of Shepards Flat Wind Farm, one of the largest on-shore wind farms in the world, generating up to 845 MW of clean wind energy. SCOA joined co-owners, Caithness Energy, GE Energy Financial Services, Google and Tyr Energy, Inc., as Shepards Flat began operations in Oregon."(PDF)
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Caithness Shepherds Flat
Caithness Shepherds Flat, LLC ("Shepherds"), an affiliate owned by Caithness Energy, LLC was created to develop, finance, construct, own and operate a wind power generation facility with capacity of up to 909 MW located immediately south of the Columbia River in north-central Oregon, on approximately 32,000 acres in Gilliam and Morrow counties.
When completed, Shepherds will be the largest wind facility in Oregon.
Shepherds has secured all land rights, interconnection and transmission rights and material permits (which are non-appealable) required for construction of its three phases. On August 14th, 2008, the Company entered into three long-term power purchase agreements with Southern California Edison.
In conjunction with Caithness Shepherds Flat is Columbia Wind, LLC, an affiliate owned by Caithness Energy, LLC which was created to develop, finance, construct, own and operate a wind power generation facility with capacity of up to 413 MW located immediately south of the Columbia River in north-central Oregon.
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・Big Wind: 845 MW Shepherds Flat Wind Farm Marks Opening-----greentechmedia,SEPTEMBER 24, 2012
・世界最大の風力発電事業「シェファード・フラット」への参画について-----伊藤忠商事、2011年4月19日
"伊藤忠商事株式会社(略)は、再生可能エネルギー事業の拡大を目指し、米オレゴン州で建設が進む世界最大の風力発電事業である、シェファード・フラット風力発電事業(845MW)に参画することとなりました。
本件の総事業費は約20億ドル(約1,600億円)で、伊藤忠商事は子会社のティア・エナジー社を通じ、米国住友商事、グーグルとともに、3社で合計約5億ドルの投資を行います。ティア・エナジーは伊藤忠商事が北米で行うIPP事業の為の現地子会社であり、長期的な視点に立った投資を行っております。今後、本件開発を手掛けたケイスネス・エナジー社、GEエナジー・フィナンシャル・サービス社、及び今回新規に共同で権益を取得する米国住友商事、グーグル各社と、これまでの発電分野におけるノウハウを活かし、2012年の完工、その後の安定操業を目指し、尽力して参ります。プロジェクト概要
シェファード・フラット風力発電事業は、アーリントン近郊、オレゴン州の北部中央に位置するギリアム郡とモロー郡にまたがる30平方マイル(約80㎢)の土地をプロジェクト・サイトとし、2012年の完工後は、米国の一般家庭235,000戸以上の家庭に供給可能な電力を提供するとともに、およそ20万台の乗用車が年間に発生させるCO2量と同等の年間150万トンのCO2削減に貢献する事業となります。又、本件の電力は米電力大手のエディソン・インターナショナルの子会社で、カリフォルニアの電力会社であるサザン・カリフォルニア・エディソン社に、20年間の売電契約に基づいて供給されます。この電力供給は、サザン・カリフォルニア・エディソン社が掲げる再生可能エネルギーの利用向上に資するものとなります。
本事業の建設は3つのフェーズからなり、合計338基のGEエナジー社の最新鋭2.5xl風力発電機を設置する風車建設のみならず、総延長95マイル(約152km)の道路敷設、送電グリッドに繋ぎ込む為の総延長167マイル(約267km)の送電線敷設を含みます。ケイスネス・エナジー社では、本件がオレゴン州に年間1,600万ドルの直接経済効果をもたらすと推測しています。GEエナジー社の2.5xl風力発電機は他のモデルより大型で、永久磁石を使って発電を行います。この発電機に用いられている技術は、発電機の効率性、信頼性及びグリッドへの接続性を向上させ、風力発電コストの低減を実現させるものです。当社の意義
伊藤忠商事は、2010年5月に、GEの会長兼最高経営責任者のジェフリー・イメルト氏と当社社長の岡藤正広が東京で面談した際、GEとの間で、「全世界の再生可能エネルギー分野の投資に関する業務提携」の覚書を締結致しました。この覚書に基づき伊藤忠商事はGEエナジー・フィナンシャル・サービス社と米オクラホマ州にて152MWのキーナン・ツー風力発電事業への共同投資を2010年10月に実現し、2010年12月には同発電事業への追加共同投資も行いました。シェファード・フラット風力事業は、伊藤忠商事とGEの間の覚書に基づく継続的かつ世界規模での再生可能エネルギー分野での投資協力を示す、2件目の案件となります。
伊藤忠商事は発電事業分野を注力分野の1つと位置づけ、全世界で事業の拡大に積極的に取り組んでいます。特に北米においては、ティア・エナジーを通じ、全米で15ヶ所以上の発電所の経営や開発に携わっています。またアジア、中近東他地域においても開発を進めている他、日本においても北海道幌延にて2000年より風力発電事業に取り組んでいます。また、伊藤忠商事の北米子会社で、発電所向けに操業と保守のサービスを提供する最大手の会社であるNAES Corporationは、全米を中心に全世界で117ヶ所、総計33,500MWの発電所の操業と保守を行っております。
伊藤忠商事は、今後も再生可能エネルギーを活用する発電資産を含む発電分野への投資機会を積極的に追求して参ります。
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・グーグル、今度は風力発電所に1億ドル出資-----AFP BB News,2011年04月19日
・Shepherding the wind-----Google Official Blog,April 19, 2011
・Wikipedia : Shepherds Flat Wind Farm
参考
Shepherd's Flat Wind Farm to Arlington, OR.
(bigtallbiscuit, 2011/04/25)
・AWEA、2009年風力発電産業に関するリポートを公開。それでも加速するアメリカの風力発電-----ソフトエネルギー、2010/04/27
・アメリカの風力発電の導入量が一目でわかる地図 1999 - 2009 Animated Map / 自然エネルギー-----ソフトエネルギー、2009/07/28
[ カテゴリー : アメリカ ]
・ワールドウォッチ研究所 Worldwatch Institute、風力発電を概観。2011年は、2005年の4倍。世界の43%は中国-----ソフトエネルギー、2012/06/04
[ カテゴリー : 風力 ]
追加情報
・[FT]米風力産業に迫る補助金ゼロの逆風-----日本経済新聞、2012/10/1
".....世界最大の市場は中国で、国内産業の発達につれて、外国企業にはますます厳しい状況になってきた。米国は中国に次ぐ世界第2位の市場だ。設置された発電所の容量で見ると、昨年には中国国外のすべての風力投資の28%を米国が占めた。米国市場は急成長している。調査会社IHSによると、今年は約12.5ギガワット(GW)の発電容量が設置される見込みで、これまで最高だった2009年の10GWを上回る。
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米国市場はPTCに依存してきた。PTCは1992年に導入された税額控除で、それ以来、断続的に実施されてきたが、2005年以降は継続的に利用可能になった。この時期に米国市場は大ブームに沸き、現在送電網につながる風力発電設備の総容量の約85%が設置された。....."
おすすめエントリー
・週刊GreenPost 41号 - しなやかな技術研究会 2012/9/24-27日版
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