宮崎大学、ビームダウン式太陽集光装置を導入しお披露目。CPVや高温太陽集熱による水素製造などの開発へ
宮崎大学は、新潟大学との間で共同研究契約を結び、宮崎県の支援により、三鷹光器株式会社が開発したビームダウン式太陽集光装置を木花キャンパスに設置しました。今回導入された、ビームダウン式タワー型太陽集光装置は、80基のへリオスタット(各10枚の凹面反射鏡)の800個の円形鏡により太陽の動きを追尾しながら中央のタワーに太陽光を集光するさせ、さらに直下の一点に集光する(ビームダウン)ことができる装置です。敷地の広さは東西60m、南北60m、中央タワーの高さは15mでビームダウン式としては国内最大級で、世界最高レベルの集光度を誇るものであるということです。
今後、集光型太陽光発電や太陽炉で太陽電池の原料となる金属シリコンを製造する研究や、太陽熱による水素製造に関する新潟大学との共同研究などが予定されているということです。
三鷹光器は、ビームダウンとヘリオスタット集光方式の二方式の太陽熱発電プラントを開発しています。今回は、両方の技術を融合したもので、今後の運用が注目されます。
・JFEエンジニアリングと三鷹光器、ビームダウンとヘリオスタット集光方式の二方式の太陽熱発電プラントを開発-----ソフトエネルギー、2010/09/06
開所を記念された講演では、以下のような題目の内容が示されています。
・宮崎大学工学部 西岡賢祐 准教授「ビームダウン式タワー型太陽集光装置を活用する超高効率太陽電池
の開発について」
" 太陽光を集光し超高効率太陽電池に照射することにより,単位面積当たりの発電量を増やし半導体使用量を大幅に削減できるため,低コスト化が可能となります.ビームダウン式タワー型太陽集光装置を利用した超高効率太陽電池の開発について "
・新潟大学工学部 児玉竜也 教授(新潟大学工学部化学システム工学科応用化学コース) 「高温太陽集熱による水素製造について」
" 太陽熱の化学燃料化により,エネルギー貯蔵やエネルギー消費地への輸送等が容易となります.ビームダウン式タワー型太陽集光装置による高温太陽集熱を熱源として利用し,新潟大学が開発した水熱分解技術開発した 等により水素を製造する化学燃料製造技術の原理および製造プロセスについて講演します."
宮崎の強い日射を利用したこれらの研究開発の今後に期待しています。
プレスリリース / 宮崎大学、2012/07/26
・平成24年度 / ビームダウン式太陽集光装置完成式典及び太陽熱エネルギーの講演会の開催について(PDF)
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ビームダウン式太陽集光装置完成式典 平成24年8月6日(月)14:30~15:00
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宮崎大学 ビームダウン式太陽集光装置
Beam Down Solar Concentrator
概要
宮崎大学は新潟大学との間で共同研究契約を結び、宮崎県の支援により、三鷹光器株式会社が開発したビームダウン式
太陽集光装置を木花キャンパスに設置しました。敷地の広さは東西60m、南北60m、中央タワーの高さは15mで、80基のへリオスタットが太陽を追尾し、1基あたり10枚の凹面反射鏡を動かし、800枚の凹面反射鏡からの太陽光を1つのスポットに集めます。
ビームダウン式は、へリオスタットにより反射された太陽光を中央タワー上部の楕円鏡で再び反射し、下に向かって太陽光を集める方式です。宮崎大学に設置された装置は、ビームダウン式としては国内最大級で、世界最高レベルの集光度を誇ります。この装置で高密度に集光された太陽光を熱に転換することで高温が得られることから、太陽炉で太陽電池の原料となる
金属シリコンを製造する研究や、太陽熱による水素製造に関する新潟大学との共同研究などが計画されています。
-----image : 前後とも、同リリースより-----
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関連
・宮崎大学 西岡研究室 /
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宮崎大学キャンパス内に、宮崎県と県内企業・宮崎大学・新潟大学・三鷹光器等の産学官が連携し、「ビームダウン式太陽熱集光装置」を完成させました。
本装置は直径4.3mの楕円鏡を上部に取り付けた高さ16mのタワーと88基のヘリオスタットより構成されています。ヘリオスタット1基は直径50cmの凹面鏡10枚より成り、太陽をセンサ方式で精密に追尾しタワー上部の楕円鏡の第一焦点に集光させ、楕円鏡で反射した太陽光を、楕円鏡の第二焦点に集光するよう制御されています。
集めた太陽光は熱に変換され、水素エネルギー等の新エネルギーの製造に活用する予定で、宮崎県の豊富な日照条件を活かした次世代エネルギーの開発が期待されています。
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・自然科学系の児玉竜也教授らが開発した「水熱分解水素製造装置」を利用した実証試験が行われます-----新潟大学、
・新潟大学工学部トピックス : 2009年度 / 日本エネルギー学会誌への研究室紹介
"化学システム工学科の児玉・郷右近研究室の紹介記事が、日本エネルギー学会誌2009年88巻10号に掲載され、研究室の概要や主な研究活動が紹介されました。研究室紹介(PDF[ http://www.eng.niigata-u.ac.jp/topics/image/091026.pdf ])
”新潟大学工学部化学システム工学科応用化学コース児玉・郷右近研究室
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図5 内循環流動層によるソーラー水熱分解
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参考エントリー
・JFEエンジニアリング、タワー集光型太陽光発電システム CPV の実用化に目処。ヘリオスタットの写真を公開-----ソフトエネルギー、2011/08/05
・集光型太陽光発電 CPV / 自然エネルギーの世界-----自然エネルギー、2010/07/15より更新中
おすすめエントリー
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・自然エネルギー関連情報 / 2012 - 8月 GreenPost
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