NEDO、北九州市沖に洋上風力開発用の風況観測タワーを設置
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、北九州市沖に洋上風力開発用の風況観測タワーを設置しました。NEDOは、沖合における洋上風力発電に関する実証研究を、福岡県北九州市沖および千葉県銚子市沖で行う予定です。北九州沖においては、今回の風況観測タワーによる観測を、10月以降に開始し、平行して今年度内に同海域に出力2MW(2,000kW)級の洋上風車を設置するとのことです。
昨年のリリース発表時のイメージ画像は下のようなものでした。
・電源開発、NEDOと北九州市で洋上風力発電システムの実証共同研究事業を実施-----ソフトエネルギー、2011/08/29 -----image(”洋上風力発電設備(左)と洋上風況観測設備(右)のイメージ図”) : 同リリースより
今回設置された風況観測タワーは、海面からの高さは約85mで10mごとに設置された風の強さを測定することが可能です。さらに、タワーより高い高度や離れた地点の観測もドップラーライダーなどのリモートセンシング技術により可能ということです。また、海底面に海象計を設置し、波高、周期等の計測を行うことができるということです。
海洋において風力発電機に働く力は、風の影響だけでなく、波、そして塩害などの問題があります。わが国の洋上風力発電の開発において必要な観測が始まるということです。銚子沖でも同様の手順で着床式洋上風力発電機の実証実験が行われます。そちらのスケジュールもあわせて発表されています。
プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2012年7月3日
・国内初の洋上風況観測タワー設置完了 ―北九州市沖 洋上風力発電の実現へ―
-----image[”上左-設置場所(福岡県北九州市沖)、下-今回設置された洋上風況観測タワー”] : 同リリースより-----
" NEDOは、沖合における洋上風力発電の実現に向け、福岡県北九州市沖および千葉県銚子市沖において、洋上風力発電の実証研究を行っています。 この度、福岡県北九州市沖において、風速や風向を測定する洋上風況観測タワー(※1)を設置しました。沖合海域において洋上風況観測タワーを設置するのは国内初です。 今後、10月以降に観測を開始する予定であると共に、今年度内に同海域に出力2MW(2,000kW)級の洋上風車(※2)を設置する予定です。 .......... 【参考:用語解説】 ※1 洋上風況観測タワーハブ高さ(海面高さ80m)における洋上風況を計測する観測タワー。 (1)福岡県北九州市沖(全高)海面高さ約85m、支持構造物約22m (構造)鋼管トラス構造 (基礎構造)重力・ジャケットハイブリット式(2)千葉県銚子市沖(全高)海面高さ約95m、支持構造物約25m
(構造)鋼管トラス構造
(基礎構造)重力式※2 洋上風車陸上とは異なり、塩害対策や遠隔モニタリング技術などを搭載した風車。
(1)福岡県北九州市沖(発電容量)2.0MW(2,000kW)
(ハブ高)海面高さ約80m
(ローター直径)約83m(2)千葉県銚子市沖(発電容量)2.4MW(2,400kW)
(ハブ高)海面高さ約80m
(ローター直径)約92m資料
NEDO事業詳細(171KB) 別添1
”(別添1)1.背景
近年、欧州を中心に洋上風力発電の導入が進められています。我が国においても、平野部における陸上風力発電の適地が減尐傾向にあることなどから、今後の風力発電導入には長い海岸線の特徴を活かした洋上風力発電が有望視されています。
一般的に洋上では風況が良く、風の乱れが小さく、また、大型風車の設備運搬が容易となることなどから、安定的かつ効率的な発電が見込まれるとされています。
しかし、これまで我が国において、洋上風力発電を視野に入れた十分な海上高さにおける洋上風況の実測例はありません。欧州においては約 20 年前より洋上風況観測タワーの実測データをもとにした洋上風況の研究が精力的に進められていますが、風況が気象条件、陸地海洋の物理特性に大きく依存することから、我が国と欧州の洋上風況特性に違いがあると予想されるため、我が国においても洋上風況の観測が必要となります。
そのため、我が国の沖合に洋上風況観測タワーを設置し、気象・海象データを取得するとともに、厳しい気象・海象条件に耐えうる洋上風力発電技術を確立することが、我が国における洋上風力発電の導入促進に不可欠です。2.事業概要
(1)事業の目的
本事業は、洋上風況観測タワーと洋上風車を実際に設置することを通じて、洋上風車に係る技術(設計、施工、運転等)の確立、環境影響調査など、洋上風力発電を実施するにあたり必要となる技術の実証を行うとともに、それらの情報を広く一般に公開することにより、国内の洋上風力発電の導入促進に資することを目的としています。
上記の目的を達成するべく、現在、日本海側(福岡県北九州市沖)および太平洋側(千葉県銚子市沖)の沖合において、洋上風況観測タワーおよび洋上風車の実証研究を推進しています。
この度、その第一ステップとして、日本海側の福岡県北九州市沖において洋上風況観測タワーを設置しました。今後、各種計測装置を装備していきます。(2)期待できる効果(洋上風況観測タワー)
今回設置を行った高々度・高精度な洋上風況観測タワーにより、洋上の風況や特性を定量的に評価することができるようになり、風車に作用する風荷重の評価や、風況予測手法の検証が可能となります。
風況観測は、ハブ高さ(※1)となる約 80m までは三杯式風速計や超音波風向風速計で行い、それより高所については、ドップラーライダーなどのリモートセンシング技術(※2) を活用して計測します。
海象観測は、海底面に海象計を設置し、波高、周期等の計測を行います。
今後、約2年間の計測を予定していますが、その測定結果を広く公開することで、洋上風力発電を検討している事業者や風力発電の研究者の方に活用していただき、洋上風力発電事業や洋上風況の研究開発に貢献することを期待しています。
..........
-----image : 同添付書類より【参考:用語解説】
※1 ハブ高さ
ブレードをロータ・シャフトに取り付けている部分はハブと呼ばれ、風車の中心に位置しています。この風車の中心までの高さにおいて風況を観測することにより、発電量などの予測を行うことが可能となります。※2 ドップラーライダーなどのリモートセンシング技術
ドップラーライダーはレーザ光を送信し、大気中の浮遊粒子からの散乱光を受信して、浮遊粒子の移動速度から上空の風向風速を計測する装置です。リモートセンシング技術とは、ドップラーライダー、音波を用いたドップラーソーダを用いて遠隔地点の風向・風速を測定する技術です。
.......... ”
.......... "
関連エントリー
・NEDO、東京電力に洋上風力発電システム実証研究の委託先を決定、銚子沖で洋上風力発電の実証実験を開始-----ソフトエネルギー、2010/05/24
・東京電力と東大、千葉県銚子市沖合で洋上風力発電の開発のための基礎研究を開始-----ソフトエネルギー、2009/08/19
コメント続き
さらに、福島県沖の浮体式と環境省の浮体式があります。日本の洋上風力発電が一気にスタートするという感じですね。是非、成果をお願いします。
参考エントリー
・福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業の2015年までの内容と実施体制が発表されました-----ソフトエネルギー、2012/03/07
-----image(”図1 完成予想図”) : プレスリリース / IHI、2012年3月6日より
・京大、戸田建設ら、環境省の五島沖の浮体式風力発電実証試験の第一段階100kW基によるテストを開始-----ソフトエネルギー、2012/06/14
-----image(”写真1:洋上設置状況写真”) : プレスリリース / 京都大学、2012年6月12日より
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投稿: Parker | 2021/08/24 10:24