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富士経済、2030年の世界の発電・蓄電・給電・変換技術市場を予測するリポートを公開

 富士経済、2030年の世界の発電・蓄電・給電・変換技術市場を予測するリポート「発電・蓄電・給電・変換 先端新技術の将来展望 2012」を公開しました。
 2030年予測として、

洋上風力発電は11年比8倍、3兆875億円 日本企業の技術が重視され市場を拡大
太陽熱発電は同4.2倍、2兆1,600億円 北アフリカ、中東で日本の高い技術力発揮に期待
定置型電力貯蔵システム同8.4倍、1,434億円 柔軟な電力ネットワークの構築に期待

 などの予測が公開されました。また日本の技術が注目される地熱バイナリ―発電では、11年比にして30.8倍の市場規模が予測され、米国(310万kW)、フィリピン(190万kW)、インドネシア(120万kW)が導入をすすめる。また、総発電量に占める地熱発電の割合ではアイスランド(30%)、フィリピン(27%)となる、との予測です。

 日本国内という目で再生可能エネルギーを少しづつ確実に増やす政策を実施しながら、海外においては積極的に技術を生かし、海外の企業とも協力しながら、世界市場での日本の技術力の活躍が期待されます。

 いままさに、2030年のエネルギー利用の姿への関心が高まっていますが、世界経済の動向とともに、このリポートを見ると、次代の産業の可能性があふれていると確信を強めます。

 このステージで日本が活躍していけるのか? これがまさに脱原発という困難な課題に応えるための当為となる建設的な問いかけだと思います。

 まあ、余談ですが、パブコメをだしましょう!

エネルギー政策の三択問題を解く 国の8月12日までのパブコメ対応(Naverまとめ利用)
 

プレスリリース / 富士経済、2012/06/28
世界の発電・蓄電・給電・変換技術市場を予測

"-2030年予測-
洋上風力発電は11年比8倍、3兆875億円 日本企業の技術が重視され市場を拡大
太陽熱発電は同4.2倍、2兆1,600億円 北アフリカ、中東で日本の高い技術力発揮に期待
定置型電力貯蔵システム同8.4倍、1,434億円 柔軟な電力ネットワークの構築に期待

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(略)は、東日本大震災後エネルギーシステムが多様化することに理解が深まり、環境負荷の軽減が期待できる未利用エネルギーを活用した有望エネルギーシステムの世界市場を調査し、将来を予測した。 その結果を報告書「発電・蓄電・給電・変換 先端新技術の将来展望 2012」にまとめた。

 環境問題やエネルギーセキュリティを背景にエネルギー供給のあり方が問われており、従来の大規模・集中システムから、小規模・分散システムへの転換が注目され、これまで実用化されなかった新しいエネルギーシステムの開発に注力する動きが活発化している。この調査では、発電、蓄電、給電、変換、熱・燃料デバイスの5分野47の次世代型の有望エネルギーシステムを対象に市場を調査し、新しい有望エネルギーシステムを提案する。

 東日本大震災によって国内の電力システムは大きく様変わりしたが、基幹エネルギーシステムの代替可能性を検討することは出来ない、と言われている。にもかかわらず世界のこの分野の技術開発と製品化の取り組みは、高機能、新規需要、複合的な価値創りの横断的取り組み、政策提言や法規制の見直しまで多岐にわたる。自然エネルギーはエネルギー密度が低い。新しいエネルギーバリューチェーンに転換するには、洋上風力発電や太陽熱発電などのように大規模化を進めて大出力を目指し、小さなエネルギーを大量に集約して上手く活用する“百万微力”の着想と知恵による新技術システムの構築が求められる。

.◆注目市場
1. 洋上風力発電
       2011年   2020年予測  2030年予測 11年比
洋上風力発電 3,864億円 4兆3,442億円 3兆0,875億円 8.0倍

海上には強く安定的な風が吹くため、稼働率が陸上風力発電の20%と比べて30-40%と高くより安定した電力供給が可能である。20-30年の間は大幅に市場が拡大するが、30年以降は更新需要中心に切り替わると予測する。大型風車を用いた大規模発電所建設によるコストの低減が期待される。

海外では、イギリス、ドイツ、フランス、オランダ、中国、韓国などで洋上風力発電所建設及び計画が進められている。イギリスではGW級の大規模洋上風力発電所を建設中であり、ドイツでも30GW/Hにおよぶ洋上風力発電所の設置計画が進められている。20年の再生可能エネルギー導入目標に向けて大規模発電所の設置がヨーロッパ各国で進められている。政府が中心となって産業育成の国家政策に組み込まれ市場は順調に拡大していく見通しである。風力発電容量世界1位の中国では風力発電所特区を指定して09年より洋上風力発電所の開発を進めている。

国内では、15年までに「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」を行うことが決定している。また、NEDOの支援の下、東京電力も11年より着床式洋上風力発電の実証実験を進めている。大規模な発電所建設には専用作業船、風車の組立設備を持った港の整備、海底ケーブルなどインフラ投資に関して、政府の明確な指針が示されることが必要で、本格的な市場の立ち上がりは15年前後になると見られる。

日本の企業では、三菱重工業が欧州最大手Scottish and Southern Energyと提携、超大型風力発電機の開発を進めている。日立造船、IHI、富士重工業なども浮体式洋上風力発電の開発を進めている。 海外メーカーでは、09年以降プロジェクトの大型化につれ、Siemensが大きなシェアを占めており、欧州におけるGW級発電所建設計画でのプレゼンスを強めていくと見られる。同社は11年に中国で21基の風力発電機を建設するなど積極的な動きを見せている。

2. 太陽熱発電
      2011年   2020年予測 2030年予測 11年比
太陽熱発電 5,200億円 1兆5,000億円 2兆1,600億円 4.2倍
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3. 定置型電力貯蔵システム(SESS)
2011年 2020年予測 2030年予測 11年比
定置型電力
貯蔵システム 171億円 1,257億円 1,434億円 8.4倍
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4. 地熱バイナリ―発電
2011年 2020年予測 2030年予測 11年比
地熱バイナリ―発電 140億円 4,270億円 4,305億円 30.8倍

80℃-150℃で利用されるバイナリー型地熱発電は、地下資源の有効活用により環境負荷が低いことがメリットである。世界の地熱発電の設備容量は10年時点では1,080万kWで、盛んに開発が進められており、15年以降飛躍的に増加すると見られる。米国(310万kW)、フィリピン(190万kW)、インドネシア(120万kW)が多く導入し、総発電量に占める地熱発電の割合ではアイスランド(30%)、フィリピン(27%)となる。

世界最大の導入量を持つ米国では、地熱発電の約18%(58万kW)がバイナリー発電であり、この実績を参考に検討すると15年までの世界の導入量は100万kWになる。今後の地熱発電の拡大に伴ってバイナリー発電も拡大すると見られる。 日本は地熱資源が豊富であるが、導入量は54万kWで、地熱バイナリー発電は2か所で運転されている。 地熱バイナリー発電に取り組むメーカーはJFEエンジニアリング、富士電機、川崎重工業などがある。

地熱発電が盛んな米国では地熱バイナリー発電の稼働実績も多く、ネバダ州では17件(270MW)、カリフォルニア州では11件(300MW)が稼働している。米国の発電設備はOrmat社が90%以上を占め地熱バイナリー発電の有力企業である。同社は発電所の運営管理を請け負うほか発電事業も行っている。またGlobal Geothermal社(米)は地熱発電技術以外に化学プラントや石油精製、セメント工場などにおける排熱を有効利用したバイナリー発電も開発している。

◆調査結果の概要

世界の有望エネルギー技術システム市場
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関連
富士経済 : 発電・蓄電・給電・変換 先端新技術の将来展望 2012

"分散・多様化する次世代の電力需給システムにおいて、自然・未利用・微弱エネルギーと新材料による技術開発が重要となります。発電・蓄電・給電・変換の4つの機能別に47の注目技術・デバイスの現状と今後の可能性を明らかにしています。

刊行日 2012/04/27  ■税込価格 105,000円(本体 100,000円)
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参考エントリー
*浮体式にも注目しています。
浮体式洋上風力発電 Floating Wind Turbine 再生可能エネルギーまめ知識


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