産総研、太陽電池モジュール一枚一枚に取り付けることができる、安価なモニター用デバイスを開発
産業技術総合研究所は、太陽電池モジュール一枚一枚に取り付けることができる安価な、モニター用回路を開発したと発表しました。このモニター用回路は、一般的な太陽電池の接続箱内に設置できるコンパクトなサイズ(回路基板の大きさは42 mm×15 mm)で、電力出力線を通して個々のモジュールのデーター「電圧、電流、温度などのデータをデータフレームにして伝送」することを可能にするということです。量産レベルでは、1個200円ほどの価格が想定され、実装されれば、一般住宅から、より大規模な太陽光発電所で、個々のモジュールの発電データーを把握できるので、発電ロスの抑制やメンテナンスに効果的に利用できる注目の技術です。海外でも、ICタグのようなモジュールのIDと発電量の管理を行えるような小型の回路が検討されているのを聞いたことがありますが、安価なシンプルな形態での具体的な製品はまだないかもしれません。
情報は、電力出力線経由で、野外の強いノイズ環境中でも確実にデーターを回収できる手順と規格化が行われているとのことです。単純なことが信頼性を増してくれそうな感じです。
以前から、こうした技術の登場を期待する声は、現場サイドからも聞かれていました。商品化が待たれるデバイスだと思います。太陽光発電の信頼性の向上のためにも、是非、製品化を!
・産総研 : 特許紹介 / 2012年06月01日 安価な太陽光発電パネルモニター装置 - 強いノイズ耐性をもつ野外仕様の電力線通信技術を実現 -
-----image[”図1 太陽光発電パネルモニタリングシステムの全体構成(a)通信子機は、太陽電池パネルの電圧・電流・温度などをモニタリングして送信する(回路基板の大きさは42 mm×15 mm)。(b)通信親機はモニタリングしたデータを一括して受信して蓄積・表示する。”] : 上記、記事より
"国際公開番号 WO2011/158681(国際公開日:2011.12.22)1.目的と効果
太陽光発電システムではコストや工事の手間の増加がなく、野外での劣悪な通信環境に威力を発揮するモニタリング手段が望まれています。そこで効率的なシステム運用に向けて、パネル単位での発電状況モニタリングの実用化を図りました。この発明は、太陽光発電パネルの発電情報を直流電力線で伝送することで、新たな通信ケーブルを敷設しなくても安価なモニタリングが可能です。ノイズに強いスペクトラム拡散方式をベースに、伝送速度の低下を防ぐため、フレーム同期信号を挿入することなくその構成を受信側で識別できる工夫がされています。[適用分野]
● 太陽光発電
● 低速データ通信
● テレメータシステム2.技術の概要
この太陽光発電パネルモニター装置では、信号に拡散符号を乗ずる符号分割多重アクセス方式(CDMA)を応用したノイズに強い通信方式を開発して、太陽光発電パネルの端子箱の中に小型の通信子機を実装しました(図1(a))。これにより、各太陽光発電パネルの電圧、電流、温度などの情報を直流電力線によって、一括してパワーコンディショナー側の通信親機に伝送できます(図1)。電圧、電流、温度などのデータをデータフレームにして伝送しますが、フレームが短いため、各フレームの始まりを示す符号を追加すると伝送効率が低下してしまいます。この発明は、データを伝送するたびに交互にCDMAの拡散符号を切り替えることで、符号を追加することなくフレームの始まりを識別可能にしました。このため、伝送効率の低下を招くことなく、野外でも使用できるノイズ耐性の強い安定した通信が可能になりました。3.発明者からのメッセージ
通信子機は、市販の安価な電子部品で構成して低コスト化し、量産時で200円程度の見込みです。図2に示すように、実際に30枚の太陽光発電パネルに実装して発電状況のモニタリングを行いました。これまでの手法ではパネル単位での不具合を発見することが困難でしたが、この発明の太陽光発電パネルモニター装置は、パネル単位で発電の不具合を検知でき、太陽光発電システムの発電ロスの抑制に有効です。メガソーラーなどの大規模システムへの展開も検討しています。
-----image(”図2 本装置によるモニタリング例
30枚のパネルの発電状況がほぼ同じであり、雲により太陽光が一時的に弱くなる様子がわかる。”) : 同記事より
.......... "
参考
・Solar PV Panel under JNNSM get's enable with Unique ID (UID) through RFID technology-----ECN Magazine,11/24/2010
・Suntechが選んだマイクロ・インバーター Enphase Micro-Inverter-----ソフトエネルギー、2009/04/17
・産業技術総合研究所、民間企業31社と「高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」を設立-----ソフトエネルギー、2009/10/27
参考エントリー
-----Google GreenPost関連サイト内横断検索 : 産総研-----
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・GreenPost - しなやかな技術研究会 2012/6/1-4日版(Naverまとめ利用)
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