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国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設の安全確保のため技術基準を制定。福島県沖計画にも適用

 国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設の安全確保のため技術基準を制定し、主な内容を発表しました。この技術基準は、浮体式洋上風力発電施設の安全性検討委員会により検討されてきたもので、4月23日付けで適用可能となります。

 国は、福島県沖での浮体式洋上風力発電所の建設を支援、率先して進める方針のようです。漁業者との交渉が難航しているとも伝えられる計画だけに、今度は環境面や漁業関係者との調整などに関心が移ります。

 発表された内容は、

「浮体式洋上風力発電施設技術基準の制定(適用日:平成24年4月23日)
 浮体式洋上風力発電施設技術基準の概要

①単体での安全確保
・50年間に起こりうる暴風、風浪に耐える構造及び強度
・設計上の仕様期間を踏まえた適切な腐食対策
・風や波により転覆しないこと       等

②非常時の安全確保
・万が一、係留策が一本破断した場合でも、施設が漂流しない係留方法
・地震及び津波の影響についての考慮   等 」

 と簡単なもので、詳細は今後発表されるようです。発表された資料によると、浮体式洋上風力発電施設に係わる国際基準を我が国主導により策定することも考えているとのことです。選考する海外の事例に比べて出遅れて感のある日本ですが、ここにきて福島県沖でのプロジェクトに参加している企業が海外の技術力をもつ企業の買収なども発表しています。海とエネルギーをめぐる我が国の技術は、急速に進化できる可能性があります。その一方で、じっくりと確実に洋上風力発電プロジェクトを進めてほしい気もするのです。
 さて、今後は具体的な設計手法、性能評価方法等を定める設計指針(安全ガイドライン)を平成25年までに策定し、例えば、「50年間に想定される最大風速に耐えること」という基準に対して、収集すべき気象データーの種類、風の影響を評価するために使用可能な計算プログラム、実験の方法等を安全ガイドラインに規定していく作業に入るということです。

プレスリリース / 国土交通省、平成24年4月23日
浮体式洋上風力発電施設の普及促進について - 安全確保のため技術基準を制定 -

" 風力発電については、エネルギー基本計画等によりその推進が位置づけられており、また、東日本大震災を踏まえ、その導入促進に大きな期待が寄せられていることから、今般、浮体式洋上風力発電施設に係る安全性の検討を行い、浮体式洋上風力発電施設の安全確保を図るべく、船舶安全法に基づき構造や設備の要件を定めた技術基準を制定しました。

添付資料
浮体式洋上風力発電施設の普及促進について(PDF ファイル)より

”ポイント
 風力発電については、エネルギー基本計画等によりその推進が位置づけられており、また、東日本大震災を踏まえ、その導入促進に大きな期待が寄せられている。

 特に、洋上は広大な空間と安定した風環境を有しており、かつ遠浅の海域が少ないなどの地形上の制約から、浮体式洋上風力発電のポテンシャルは非常に大きい。

 また、震災復興事業の1つとして、福島沖においても浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業が本年3月より開始されたところ。

 浮体式洋上風力発電施設に係わる安全性の検討を行い、今般、船舶安全法に基づき構造や設備の要件を定めた技術基準を制定したもの。

 加えて、今般制定した技術基準を基に、浮体式洋上風力発電施設の国際標準化を我が国が先導し、関連産業の国際競争力の強化及び浮体式洋上風力発電の普及拡大を促進。

* 内容については、別紙をご参照下さい。 

120423_mlitfloatingwindturbine1

-----image : 別紙(1)

120423_mlitfloatingwindturbine2

-----image : 別紙(2)

120423_mlitfloatingwindturbine3

-----image : 別紙(3)
.......... ”

.......... "

関連
内閣官房総合海洋政策本部

"「浮体式洋上風力発電施設の安全性検討委員会」(2011 年 8 月設置)(座長:東京大. 学 鈴木英之教授)"

国交省/浮体式洋上風力発電施設の技術基準制定/国際標準化も主導へ-----日刊建設工業新聞、4月25日

浮体式洋上風力発電施設を建基法の対象外に-----建通新聞、2012/4/24

" 国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設を建築基準法の規制対象から除外する方針を固めた。船舶安全法に基づく技術基準で安全性が担保されることになったための措置。関係告示の改正案に対する一般からの意見を5月23日まで募集し、6月中旬に施行する。
.......... "

福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業の2015年までの内容と実施体制が発表されました-----ソフトエネルギー、2012/03/07

参考
海上技術安全研究所
/ 浮体式洋上風力発電システム

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