« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »

再生可能エネルギーの固定価格買取制度、議論まとまる。委員会報告書作成へ2

追加情報

経済産業省、再生可能エネルギー特別措置法の施行に向けた主要論点についてパブリックコメントを募集開始-----自然エネルギー、2012/05/16


再生可能エネルギーの固定価格買取制度、経産省が既存分組み入れを検討!? 日経報あり-----自然エネルギー、2012/04/30

固定価格買い取り制度 FIT(Feed-in tariff) 再生可能エネルギーまめ知識(Naverまとめ利用)

 当初のエントリーは以下、


 7月1日からの導入が決まっている再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の”買取価格”と”期間”などを議論してきた、経済産業省 調達価格等算定委員会は、4月27日、本日第七回会合を開きました。

 会合は終わり、記者会見も終了した模様です。このあとは、委員会案が経済産業大臣に提出され、パブリックコメントを経て、5月中には決定という手順になるようです。資料が公開されています。

経済産業省 : 審議会 調達価格等算定委員会
/ 調達価格等算定委員会(第7回)‐配付資料

" 議事次第(PDF形式:65KB)
資料1 委員名簿(PDF形式:87KB)
資料2 平成24年度調達価格及び調達期間 に関する意見(案)(PDF形式:1,675KB)
別添 調達区分・調達価格・調達期間についての調達価格等算定委員会案(PDF形式:151KB) "

 一番話題になる部分、”価格”と”期間”は、以下、

120427tyoutatu7pvwggeohydro
-----image(上-”太陽光、風力、地熱、中小水力”、下-”バイオマス”) : 4/27発表 調達区分・調達価格・調達期間についての調達価格等算定委員会案より-----
120427tyoutatu7biomass

 バイオマス調達区分の調達価格・調達期間の字面と価格をながめると、それだけで可能性を感じてしまうのは、ちょっとマニアックな感想かもしれませんね。

 ガス化(下水汚泥) 40.95円 
【メタン発酵ガス化バイオマス】

 ガス化(家畜糞尿) 40.95円 
【メタン発酵ガス化バイオマス】

 固形燃料燃焼(未利用木材) 33.60円 
【未利用木材】

 固形燃料燃焼(一般木材) 25.20円 
【一般木材(含 パーム椰子殻)】

 固形燃料燃焼(一般廃棄物) 17.85円
 【廃棄物系(木質以外)バイオマス】

 固形燃料燃焼(下水汚泥)  17.85円 
【廃棄物系(木質以外)バイオマス】

 固形燃料燃焼(リサイクル木材) 13.65円
【リサイクル木材】

  *いずれも外税。調達期間 20年
 
 暇をみて全体を表にまとめようと思ってはおります。

関連エントリー
固定価格買い取り制度 FIT(Feed-in tariff) 再生可能エネルギーまめ知識(Naverまとめ利用) *資料を更新しました。パブコメ書く人は参考にしてください。推薦資料あれば、Twitter : @greenpost宛に情報ください。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度、議論まとまる。委員会報告書作成へ-----自然エネルギー、2012/04/26

経済産業省 調達価格等算定委員会 #fitjapan #politicsjp #renewjapan-----自然エネルギー、2012/04/11

おすすめエントリー
GreenPost - しなやかな技術研究会 2012/4/27-30 GW拡大版

続きを読む "再生可能エネルギーの固定価格買取制度、議論まとまる。委員会報告書作成へ2"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

イベント5/25-26 全国小水力利用推進協議会・小水力発電実務研修会

-----イベント案内より-----(要事前申込、定員あり)

" 本年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が施行されます。小水力発電もこれによって一層開発が促進されることが予想されますが、小水力発電の推進の為には、事業システム、技術や経済性の改善が不可欠です。
今回、会員の他、各地で小水力発電の普及に取組んでいる方、自治体、建設事業者、コンサルタントの皆さんを主な対象者として、実務研修会を開催いたします。是非ともご参加下さい。

概要・申込書(PDF)

主催 全国小水力利用推進協議会
http://j-water.jp/
対象 設置者、自治体、建設事業者、メーカー、コンサルタント等
日時 平成24年5月25日(金)~26日(土)
両日とも9:30より16:30まで
会場 東京セミナー学院
(東京都豊島区西池袋5-4-6東京山陽信用金庫ビル内)
h t t p : / / w w w . a n c e s . j p / m a p . h t m l
定員 40名
  事前申込先着順
申込先 全国小水力利用推進協議会
 (略)
受講料 全国小水力利用推進協議会・正会員:16,000 円、一般:24,000 円
 (1 日だけ参加の場合は半額)
......... "

詳細、お問い合わせはイベント案内をご覧ください。

関連
全国小水力利用推進協議会

おすすめのエントリー

続きを読む "イベント5/25-26 全国小水力利用推進協議会・小水力発電実務研修会"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設の安全確保のため技術基準を制定。福島県沖計画にも適用

 国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設の安全確保のため技術基準を制定し、主な内容を発表しました。この技術基準は、浮体式洋上風力発電施設の安全性検討委員会により検討されてきたもので、4月23日付けで適用可能となります。

 国は、福島県沖での浮体式洋上風力発電所の建設を支援、率先して進める方針のようです。漁業者との交渉が難航しているとも伝えられる計画だけに、今度は環境面や漁業関係者との調整などに関心が移ります。

 発表された内容は、

「浮体式洋上風力発電施設技術基準の制定(適用日:平成24年4月23日)
 浮体式洋上風力発電施設技術基準の概要

①単体での安全確保
・50年間に起こりうる暴風、風浪に耐える構造及び強度
・設計上の仕様期間を踏まえた適切な腐食対策
・風や波により転覆しないこと       等

②非常時の安全確保
・万が一、係留策が一本破断した場合でも、施設が漂流しない係留方法
・地震及び津波の影響についての考慮   等 」

 と簡単なもので、詳細は今後発表されるようです。発表された資料によると、浮体式洋上風力発電施設に係わる国際基準を我が国主導により策定することも考えているとのことです。選考する海外の事例に比べて出遅れて感のある日本ですが、ここにきて福島県沖でのプロジェクトに参加している企業が海外の技術力をもつ企業の買収なども発表しています。海とエネルギーをめぐる我が国の技術は、急速に進化できる可能性があります。その一方で、じっくりと確実に洋上風力発電プロジェクトを進めてほしい気もするのです。
 さて、今後は具体的な設計手法、性能評価方法等を定める設計指針(安全ガイドライン)を平成25年までに策定し、例えば、「50年間に想定される最大風速に耐えること」という基準に対して、収集すべき気象データーの種類、風の影響を評価するために使用可能な計算プログラム、実験の方法等を安全ガイドラインに規定していく作業に入るということです。

プレスリリース / 国土交通省、平成24年4月23日
浮体式洋上風力発電施設の普及促進について - 安全確保のため技術基準を制定 -

" 風力発電については、エネルギー基本計画等によりその推進が位置づけられており、また、東日本大震災を踏まえ、その導入促進に大きな期待が寄せられていることから、今般、浮体式洋上風力発電施設に係る安全性の検討を行い、浮体式洋上風力発電施設の安全確保を図るべく、船舶安全法に基づき構造や設備の要件を定めた技術基準を制定しました。

添付資料
浮体式洋上風力発電施設の普及促進について(PDF ファイル)より

”ポイント
 風力発電については、エネルギー基本計画等によりその推進が位置づけられており、また、東日本大震災を踏まえ、その導入促進に大きな期待が寄せられている。

 特に、洋上は広大な空間と安定した風環境を有しており、かつ遠浅の海域が少ないなどの地形上の制約から、浮体式洋上風力発電のポテンシャルは非常に大きい。

 また、震災復興事業の1つとして、福島沖においても浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業が本年3月より開始されたところ。

 浮体式洋上風力発電施設に係わる安全性の検討を行い、今般、船舶安全法に基づき構造や設備の要件を定めた技術基準を制定したもの。

 加えて、今般制定した技術基準を基に、浮体式洋上風力発電施設の国際標準化を我が国が先導し、関連産業の国際競争力の強化及び浮体式洋上風力発電の普及拡大を促進。

* 内容については、別紙をご参照下さい。 

120423_mlitfloatingwindturbine1

-----image : 別紙(1)

120423_mlitfloatingwindturbine2

-----image : 別紙(2)

120423_mlitfloatingwindturbine3

-----image : 別紙(3)
.......... ”

.......... "

関連
内閣官房総合海洋政策本部

"「浮体式洋上風力発電施設の安全性検討委員会」(2011 年 8 月設置)(座長:東京大. 学 鈴木英之教授)"

国交省/浮体式洋上風力発電施設の技術基準制定/国際標準化も主導へ-----日刊建設工業新聞、4月25日

浮体式洋上風力発電施設を建基法の対象外に-----建通新聞、2012/4/24

" 国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設を建築基準法の規制対象から除外する方針を固めた。船舶安全法に基づく技術基準で安全性が担保されることになったための措置。関係告示の改正案に対する一般からの意見を5月23日まで募集し、6月中旬に施行する。
.......... "

福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業の2015年までの内容と実施体制が発表されました-----ソフトエネルギー、2012/03/07

参考
海上技術安全研究所
/ 浮体式洋上風力発電システム

おすすめエントリー
第2回小水力発電アイデアコンテストが、三重県いなべ市で開催されます-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-26

再生可能エネルギーの固定価格買取制度、議論まとまる。委員会報告書作成へ-----自然エネルギー、2012/04/26

GreenPost  2012/4/26版-----しなやかな技術研究会

続きを読む "国土交通省は、浮体式洋上風力発電施設の安全確保のため技術基準を制定。福島県沖計画にも適用"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

JFEスチール、KELK、北大の研究グループ、製鉄所の連続鋳造設備の未利用廃熱を利用した10kWの熱電発電技術の実証へ

 JFEスチール、KELK、北海道大学(エネルギー・マテリアル融合領域研究センター)の研究グループは、JFEスチールの東日本製鉄所(京浜地区)において、連続鋳造設備の未利用廃熱を利用した10kWの熱電発電技術の実証実験を開始すると発表しました。

 熱電発電技術は、異なる金属または半導体に温度差を設けると電圧が発生する「ゼーベック効果」を利用して作られたサーモ・モジュール(ペルチェ素子)を使って熱から電気を生み出す技術です。今回の実証実験では、KELKが開発した、世界最高クラス性能(出力密度1W/cm2)の熱電変換モジュールを用いて、24時間創業する製鉄所のスラブからの輻射熱という、未利用の排熱を利用し発電を行うということです。

 KELKは2009年1月より世界最高効率の熱電発電モジュールの製造販売を行っていて、すでにコマツの粟津工場において、熱処理炉に熱電発電モジュールを使用した発電システムを設置し、2012年3月までに約13,000時間の実証発電試験を行い、工場内の照明に利用しているとのことです。
 今回の製鉄所での実証発電試験は初めての試みを通して、将来的には、100kWクラスでの実用化の目処をつける計画だということです。

プレスリリース / JFEスチール、2012年4月19日
廃熱を利用した熱電発電技術の研究開発を開始

201204192
-----image(”【図2】連続鋳造設備への熱電発電システム設置イメージ”) : 同リリースより

" .....このたび、株式会社KELK(略」)、国立大学法人北海道大学(エネルギー・マテリアル融合領域研究センター、略)と共同で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の省エネルギー革新技術開発事業として、2011年度に採択された「製鉄プロセスにおける排熱を利用した熱電発電技術の研究開発」を開始しました。

 熱電発電技術は、異なる金属または半導体に温度差を設けると電圧が発生する「ゼーベック効果」(図1参照)を利用して熱から電気を生み出す技術で、発電時のCO2排出が全くないクリーンな発電です。本研究開発では、KELKが開発した世界最高クラス性能(出力密度1W/cm2)の熱電変換モジュールを用いて、製鉄所の未利用排熱からの発電を試みます。24時間操業の製鉄所には排熱が常に存在するため、熱電発電は昼夜・天候によらず、年間を通して安定した電力を安価に得られる可能性があります。本技術を様々な工場排熱に適用すれば、省エネルギーやCO2排出の削減に効果を発揮するものと期待されます。

 2012年度内に当社東日本製鉄所(京浜地区)の連続鋳造設備に最大出力10kWの熱電発電システムを設置(図2参照)し、スラブからの輻射熱を利用した発電の実証試験を実施します。発電性能や耐久性を確認するとともに、システムのLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)評価も行い、最終的には100kWクラスでの実用化の目処をつける計画です。
.........

201204191
-----image(”【図1】「ゼーベック効果」概念図”) : 同リリースより
.......... "

関連
<熱電発電技術>製鉄所で初めての実証発電試験開始 NEDOプロジェクト「製鉄プロセスにおける排熱を利用した熱電発電技術の研究開発」

090128
-----image(”写真は熱電発電モジュール”) : 上記リリースより

"..........
 本研究開発では、製鉄プロセスに影響を与えず、発電出力を最大化・安定化する熱と電力の制御がポイントとなりますが、KELKは熱電発電モジュールの他、熱交換器の開発と提供、電力変換システムの設計等を主に担当します。

 KELKは2009年1月より世界最高効率(*1)の熱電発電モジュールの製造販売をしています。コマツの粟津工場では、熱処理炉に熱電発電モジュールを使用した発電システムを設置し、2012年3月までに約13,000時間の実証発電試験を行い、工場内の照明に利用していますが、今回、製鉄所での実証発電試験は初めての試みとなります。

 熱電発電技術は、発電時にCO2が排出されないため、クリーンなエネルギーとして近年注目を集めています。今後、本研究技術の成果を、様々な工場排熱に適用することで、電力不足の解消やCO2排出の削減に大きな効果を発揮するものと期待されます。

(*1:高温側280℃、低温側30℃の動作条件における変換効率において。KELK調べ。2012年4月現在。)
.......... "

北海道大学 大学院工学研究院附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター / 新聞・報道一覧

おすすめエントリー

続きを読む "JFEスチール、KELK、北大の研究グループ、製鉄所の連続鋳造設備の未利用廃熱を利用した10kWの熱電発電技術の実証へ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

再生可能エネルギーの全量買い取り制度の設計、最終段階へ

追加情報

再生可能エネルギーの固定価格買取制度、議論まとまる。委員会報告書作成へ2-----ソフトエネルギー、2012/04/27

*委員長案が正午ごろにでたようです。

* ニコ生終了。4/25日のお昼ごろから記者会見ということです。報道を待ちましょうかね。

 当初のエントリーは以下、


本日(4/23に記事を書きました。)になって、固定価格買取制での買い取り価格の注目の議論について、次々に報道がありました。日経が以前から詳しく扱っているので日経の記事でみると、まず16日の記事。再生可能エネルギーの関連団体が要望する買い取り価格などの条件がまとめられています。当然、この記事が「さじ加減」と表現した調整がされるものと考えていました。

再生エネ、買い取り価格決定前夜 「さじ加減」を注視-----日本経済新聞、2012/4/16(表で要件が整理されています。)

 ところが、本日午後の2時の報道(日経でも何報か目にあたります。)で、一番注目もされている太陽光発電が例としてあげられ、ほぼ4/16日に報道された関係各団体の要望がそのまま認められるということでびっくりしました。

 太陽光発電は税込み42円 買い取り価格、経産省調整-----日本経済新聞、2012/4/23 2:02

" 7月に始まる再生可能エネルギーの全量買い取り制度の詳細を詰めている経済産業省の「調達価格等算定委員会」は太陽光で発電した電気の買い取り価格を1キロワット時あたり税込みで42円とする方向で調整に入った。専門家の間には30円台後半が適正との声もあったが、発電事業者の要望に沿った高めの価格とし、再生可能エネの普及を促す。
.......... "


 太陽光発電協会が、「メガソーラーなど非住宅用太陽光発電」枠としての希望として上げた数字は以下で、ほぼそのまま認められるということなのです。

”発電事業者が要望する買い取り条件や収益率

事業者・団体 太陽光発電協会
電源の種類、規模など メガソーラーなど非住宅用太陽光発電
買い取り価格(1キロワット時当たり、円) 42
買い取り期間(年)20
IRR(内部収益率、税前、%)6 ”-----2012/4/16、日経報道より

 もとより、再生可能エネルギーの大々的な普及が必要と考えていますが、問題はターゲットとタイミングをどう評価しているのか? という肝心要の話が見えないのです。または、私がこの経過から理解できないことが問題なのです。

 メガソーラーなど非住宅用太陽光発電が大々的に採用されることは、必要ですが、海外の各国の経験も踏まえて、また太陽電池の価格や今後の研究展望のタイムテーブルをにらみながら、国民にわかりやすい制度設計が必要だと考えています。
 太陽光発電の例で言えば、いつまでにどのくらい、短時間で、中期で、長期の2030年、2050年でどれくらい。また、途中で問題が発生したときに、先行者利益も保障しながらも、ぎりぎり国民の負担を軽減する見直しをどのタイミングで行うのか?
 そのあたりの議論が、最終的にわかりやすい形で発表されることを、政治に求めたいと思います。

 次回の経済産業省 調達価格等算定委員会は、明日25日に開催されます。以前はニコ生でも放送されましたが、今回は取りまとめに向けた議論が非公開となっていますので、なさそうです。

関連
第6回 調達価格等算定委員会-開催通知-----通商産業省、2012年4月20日

" 開催概要
日時 平成24年4月25日 10:00~12:00
場所 経済産業省別館11階 1120会議室
議題 これまでの議論の整理 【公開】
取りまとめに向けた議論 【非公開】
.......... "

通商産業省 : 調達価格等算定委員会

資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー : 再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する検討状況

経済産業省 調達価格等算定委員会 #fitjapan #politicsjp #renewjapan-----自然エネルギー、2012/04/11

関連報道
太陽光電力購入、42円軸に 1キロW時、経産省調整-----朝日新聞、2012年4月23日

" 7月から始まる自然エネルギーの固定価格買い取り制度で、住宅用と業務用の太陽光発電は1キロワット時あたり42円での買い取りを軸に調整していることが23日わかった。発電事業者側の希望におおむね沿う水準で、経済産業省の「調達価格等算定委員会」が25日にも案を.......... "

太陽光買い取り、1kw時当たり42円案が有力-----SankeiBiz、2012.4.23

" 太陽光発電協会(東京)は、消費税を含めず同42円とするよう要望していた。政府は税込みで価格を示す意向だが、42円で決着すれば、業界側の要望に近い水準になる。
......... "

太陽光買い取り42円で調整 事業者側の希望に沿う-----ANNニュース、04/23

"7月から始まる再生可能エネルギー全量買い取り制度で、経済産業省の専門委員会は、太陽光発電を1キロワットアワーあたり42円で買い取る方向で調整しています。

 現在、経産省の「調達価格等算定委員会」が詳細を詰めていて、25日に開催する委員会で原案が提出され、委員会の了承を経て枝野経済産業大臣が最終決定します。
.......... "

参考
Germany Slashes FIT Subsidies in an Effort to Rein in Solar Power Installations-----Renewable Energy World,2012/02/23(AFP BB News 2012年04月07日

コメント続き

続きを読む "再生可能エネルギーの全量買い取り制度の設計、最終段階へ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アジア最大のメガソーラー タイ Lopburi 太陽光発電所 73MWp

 最近日本でも、さまざまなところで話題の大規模太陽光発電所 メガーソーラー。今、設備規模でアジア最大は、タイにあります。タイ Lopburi 太陽光発電所 73MWpです。

 情報をまとめてみました。

アジア最大のメガソーラー タイ Lopburi 太陽光発電所 73MWp

関連
シャープ、タイ王国において73MWpの大規模太陽光発電所建設を受注-----ソフトエネルギー、2010/07/05

参考
話題の大規模太陽光発電所 メガーソーラー 世界一とアジア一の規模の発電所はどこに?-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-24

世界最大のメガソーラー ウクライナ PEROVO 太陽光発電所 100MWp-----自然エネルギー、2012/04/23

Top 10 World's Largest Solar PV Power Plants-----SolarPlaza

pvresources : World's largest photovoltaic power plants - ranking

追加情報
シャープ、タイ王国で東南アジア最大の太陽光発電施設約84MWp を完成-----ソフトエネルギー、2013/06/12

続きを読む "アジア最大のメガソーラー タイ Lopburi 太陽光発電所 73MWp"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

足利市、公共施設の屋根を太陽光発電用に貸し出します。ユニークな「屋根貸し」事業を開始

 以下に情報をアップしました。

足利市、公共施設の屋根を太陽光発電用に貸し出します。ユニークな「屋根貸し」事業を開始-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-22

 7月1日開始される、固定価格買取制度を足がかりに、未利用な日射条件のいい土地の活用と再生可能エネルギーによる電力の確保という二つのメリットを強調したプロジェクトが自治体や民間に広がっていきそうです。

 今回の足利市の計画のように比較的小さな規模の太陽光発電事業の展開は、かなり面白そうです。10から100kWpまでの”キロソーラー”、メガソーラーに対して小規模ながら地場的な展開が期待でそうです。

おすすめエントリー
しなやかな技術研究会 GreenPost 2012/4/23

続きを読む "足利市、公共施設の屋根を太陽光発電用に貸し出します。ユニークな「屋根貸し」事業を開始"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

グリーン・ポストの関連ブログやTwitterの情報をまとめる試み始めました

ここのところ、Naverまとめ、というサービスを使ってみています。

 通常、ブログは土日はできるかぎりお休みというこれまでの状況なのですが、土日でもネットは見ているわけです。当然気になるニュースがたくさんあります。いままでは気になっても、明日に送り月曜日以降のコンテンツに反映させるということでした。しかし、ちょっとした手間でメモ以上のことができるなら、、、、

 そんなことも考えて、4/20のまとめに手を加えて、この土日に使ってみています。お時間があれば、是非チェックしてください。

しなやかな技術研究会 GreenPost 2012/4/20-22

 昨日、日曜日にはグリーン・ポストの新ブログに以下の栃木県足利市の屋根貸し企画の記事もアップしました。
 おそらく、このソフトエネルギーブログの読者にも関心が高い話題だと思いましたが、あえて新ブログのほうの記事にしてみました。
 記事全体をまとめる何かがほしいとはじめたのが、上のまとめサイトです。ご利用いただければ幸いです。

・おすすめエントリー
足利市、公共施設の屋根を太陽光発電用に貸し出します。ユニークな「屋根貸し」事業を開始-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-22

コメント続き

続きを読む "グリーン・ポストの関連ブログやTwitterの情報をまとめる試み始めました"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

富士電機、メガソーラー用パワーコンディショナー「PVIシリーズ」、1MW用 PVI1000F-3/1000を発売

 富士電機は、メガソーラー用パワーコンディショナー「PVIシリーズ」の1MW用 PVI1000F-3/1000を発売すると発表しました。直流入力電圧範囲は、DC1000Vで大きさは、W6050×D2400×H2830mm。メガソーラー用のインバーターの実物はまだお目にかかったことがないので、どこかで拝見したいものです。

 それにしても、富士電機、先日の話題のように地熱といい、小水力、そして今回の太陽光発電まで、幅広く対応されています。原発から再生可能エネルギーへのシフト、どんどん大きくなっていき、次代の日本の産業の一翼を担う姿に是非注目してください。

プレスリリース / 富士電機、2012年4月17日
メガソーラー用パワーコンディショナーの発売について

2012041301
-----image : 同リリースより

" 富士電機株式会社(略)は、メガソーラー用パワーコンディショナー「PVIシリーズ」を発売しますのでお知らせ致します。

1.発売のねらい
再生可能エネルギーの供給源として、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設が世界各地で計画されています。今回発売するパワーコンディショナーは、当社が得意とするパワーエレクトロニクス技術を活かし、高効率・大容量を実現しており、メガソーラーに最適な仕様となっております。
今後、日本国内をはじめ、市場が急拡大している中国やインド、東南アジアにも積極的に展開し、メガソーラーの普及に貢献していきます。

2.特長
(1) 世界最高効率を実現
独自技術である新3レベル変換回路を適用し、スイッチング損失とフィルタ損失を大幅に低減。これにより、世界最高効率98.5%を実現し、エネルギーロスを最小限にしました。
※【ご参考:「新3レベルIGBTモジュール」の発売について】
(2) 工事期間を短縮し、建設費用を削減
スイッチギア、変圧器など基本となる周辺機器と一体化したシステムであり、基本となる機能はパッケージ化されています。また、容量1000KWを実現したことで、メガソーラーに必要なパワーコンディショナーの設置台数を抑えることができます。
これらにより、現地据付工事・組立作業の短縮、工事・建設費用の削減を実現します。
(3) 防塵・防水仕様
メガソーラー向けなど屋外使用のため、防塵・防水性に関する規格IP54を取得しています。

3.基本仕様
型式 PVI1000F-3/1000
直流入力電圧範囲 DC1000V
定格出力容量 1000kW
出力電圧 AC3φ3W6.6KV
準拠規格 IEC62109-1
寸法(mm) W6050×D2400×H2830

4.販売目標
2015年度100億円

5.発売開始時期
即日
..........  "

参考エントリー
日本電機工業会(JEMA)の電機工業技術功績者表彰最優秀賞、富士電機のNZのナ・アワ・プルア地熱発電所が受賞-----ソフトエネルギー、2012/04/17

富士電機、300平方メートル対応のフレキシブルな9.72kWp防草シート一体型太陽電池を発売-----ソフトエネルギー、2011/12/09

-----Google GreenPostサイト内検索 : 富士電機-----

おすすめエントリー
足利市、公共施設の屋根を太陽光発電用に貸し出します。ユニークな「屋根貸し」事業を開始-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-22

しなやかな技術研究会 GreenPost 2012/4/20-22 土日に稼動する、しな研初のコンテンツです!

2012 - 4月のクリッピング-----自然エネルギー

続きを読む "富士電機、メガソーラー用パワーコンディショナー「PVIシリーズ」、1MW用 PVI1000F-3/1000を発売"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

住友電工、横浜製作所において200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)および5MWhの大型蓄電池などのEMSの実証運転へ

 住友電工は、200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)、および世界最大規模のレドックスフロー電池5MWhを開発し、横浜製作所において実証システムの建設に着手し、7月より運転を開始する予定だと発表しました。
 住友電工は、昨年6月から同社大阪製作所において、集光型太陽光発電装置(CPV)を含む複数の自然エネルギー発電装置と小型レドックスフロー電池(蓄電池)等を直流電力ケーブルで連結したマイクロスマートグリッドシステムの実証試験を実施。全体をエネルギーマネジメントシステム(EMS)によって管理、見える化することで、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーと、照明や家電製品など比較的小規模な電力負荷を使った電力制御の実証実験を行ってきたということです。

 そのうえで、今回横浜製作所に、200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)、および世界最大規模のレドックスフロー電池5MWhを設置、より本格的な実証実験を行うことになったということです。
 200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)は、発電素子にレンズ等で集光させた高密度の太陽光を入射させることによって、小面積の発電素子でエネルギー変換をする太陽光発電装置で、さらにパネルの薄型化・軽量化を実現した7.5kWpのユニット28基で構成されています。設置されれば、国内最大の集光型太陽光発電装置(CPV)となります。
 レドックスフロー電池5MWh(容量 1MW×5 時間)は、バナジウム等のイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されます。レドックスフロー電池は、電池としてのエネルギー密度が低いものの、場所の面積を気にしない大型の蓄電設備としては、サイクル寿命が長く(Wikipediaによると、サイクル寿命が1万回以上)、正極と負極の電解液が同じ物質であることから、メンテナンスが容易で、発火性の材料を用いていないことなどのメリットがあります。さらに、常温運転が可能なことから安全性も高い蓄電池だということです。不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用に加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用に適した蓄電池だということです。

 200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)と5MWhの大型レドックスフロー蓄電池、そしてEMS(エネルギーマネージメントシステム)の総合的な開発は、大型システムでは不可欠です。実証実験の成果に期待し、海外展開も含めた同社の開発に注目しましょう。

プレスリリース / 住友電気工業、2012年4月17日
横浜製作所における大規模(メガワット級)蓄発電システムの実証運転について-----( E )

Rendering
-----image : 同リリースより

" 当社は、世界最大規模のレドックスフロー電池と、国内最大規模の集光型太陽光発電装置等から構成されるメガワット級蓄発電システムを開発し、このほど当社横浜製作所(横浜市栄区田谷町 1)において、実証システムの建設に着手し、本年 7 月より運転を開始する予定です。
 当社では、昨今のエネルギーを取り巻く状況に鑑み、再生可能エネルギーの活用による分散型の電力システムへの期待がますます高まるものと考え、これらに関する電力変換・制御技術、発電・蓄電技術などの研究開発を進めています。
 昨年 6 月からは、当社大阪製作所において、自社開発の集光型太陽光発電装置(CPV)を含む複数の自然エネルギー発電装置と小型レドックスフロー電池(蓄電池)等を直流電力ケーブルで連結したマイクロスマートグリッドシステムの実証試験を実施しています。本システムは、エネルギーマネジメントシステム(EMS)によって、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーと、照明や家電製品など比較的小規模な電力負荷を管理し、特に一般消費者の視点側から、安定的且つ効率的な電力制御を実現するものです。

  一方、工場や企業などの大規模需要家における再生可能エネルギーの積極的な活用や省エネルギーに対する社会的要請も増しています。こうした大規模電力システムにおける機器やシステムの開発、製品化を加速するべく、メガワット級の容量、出力を有する、レドックスフロー電池、CPV を組み合わせた大規模蓄発電システムを開発し、横浜製作所で実証運転を行うこととしました。

1.メガワット級蓄発電システムの概要
 本システムは、再生可能エネルギー源としての合計 28 基の CPV(最大発電量 200kW)と夜間電力や CPV 発電電力を貯蔵するためのレドックスフロー電池(容量 1MW×5 時間)から構成され、外部の商用電力系統とも連系します。後述のエネルギーマネジメントシステムによる、①レドックスフロー電池の充放電制御による工場の受電量の一定化、②天候に左右される CPV 発電量をレドックスフロー電池で補う ことによる太陽光発電の計画運用等について検証を進めていきます。

また一般的な蓄電池の機能として、横浜製作所におけるピークカット運用(最大 1MW のデマンド抑制)や予め設定したデマンドスケジュールとなるよう、電力負荷に応じた放電量の調整も行う予定です。

W2
-----image : 同リリースより

2.本システムを構成する機器・装置等について
(1)レドックスフロー電池(容量 1MW×5 時間)
 レドックスフロー電池は、バナジウム等のイオンの酸化還元反応を利用して充放電を行う蓄電池であり、充放電を行う入出力部と金属イオン電解液を蓄えるタンクから構成されます。
 充放電を頻繁に繰り返しても電極や電解液の劣化は殆どないため長寿命であり、正極と負極の電解液が同じ物質であることから、メンテナンスが容易で、発火性の材料を用いていないことや常温運転が可能なことから安全性も高い蓄電池です。不規則で変動の激しい充放電運転に適し、貯蔵電力量の正確な監視・制御が可能なことから、夜間の余剰電力の活用に加え、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの有効活用に適した蓄電池と言えます。

(2)CPV(合計 28 基、最大発電量 200kW)
 CPV は、発電素子にレンズ等で集光させた高密度の太陽光を入射させることによって、小面積の発電素子でエネルギー変換をする太陽光発電装置です。発電素子に特殊な化合物半導体材料を用いていることから、発電効率が市販のシリコンパネルに比べて約 2 倍であり、また集光パネルを地面から高い位置に設置する構造であり、パネル下のスペースも活用できるなど、次世代の太陽光発電装置として期待されています。
 今回使用する CPV は、マイクロスマートグリッド実証システムの 7.5 倍の出力(7.5kW/基)であり、一層のパネルの薄型化・軽量化を実現しています。

(3)エネルギーマネジメントシステム(EMS)
 EMS は本システムにおいて CPV28 基の発電量を監視するほか、商用電力系統、CPV、レドックスフロー電池、事務所・工場間の電力フローを監視する役割を担います。必要な情報は光通信ネットワークによって収集され EMS サーバに集中管理され、今後、実証試験を予定している所内ピークカット運用やデマンドスケジュール運転にも対応予定です。
.......... "

追加情報
住友電工、集光型太陽光発電装置(CPV)を製品化。2基約30kWpのシステムを宮崎大学に設置-----ソフトエネルギー、2014/03/27

住友電工、200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)および5MWhの大型蓄電池などの実証運転を開始-----ソフトエネルギー、2012/07/30

メガワット級大規模蓄発電システム-----住友電気工業 広報誌 SEI WORLD、2012年 09月号(vol. 420)


関連
マイクロスマートグリッド実証システムの開発について ~再生可能エネルギーをスマートに管理し、無駄を少なく効率的に利用~-----住友電気工業、2011年6月15日

Prs921
-----image : 同リリースより

" 太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備と蓄電池を直流(DC)で連系させたマイクロスマートグリッド実証システムを開発し、大阪製作所(大阪市此花区島屋1-1-3)で、構内試験を開始しました。
 今回開発したマイクロスマートグリッド実証システムは、4種類の発電装置と蓄電池を直流で連系させ、自然由来の不安定なエネルギーと、電力の需要を高度に管理することで、安定的且つ効率的に、各種設備や機器(負荷)に電力を供給することを可能にします。
.......... "

未来型電力ネットワーク「マイクロスマートグリッド実証システム」を開発-----住友電気工業 広報誌 SEI WORLD,2011年 07月号(vol. 406)

電力貯蔵用レドックスフロー電池-----住友電気工業 技術論文集 SEI テクニカルレビュー July 2011 No.179

Sumitomo Electric Industries : Power System R&D Laboratories

Wikipedia : レドックス・フロー電池


参考動画
住友電工のマイクロスマートグリッド

続きを読む "住友電工、横浜製作所において200kWpの集光型太陽光発電装置(CPV)および5MWhの大型蓄電池などのEMSの実証運転へ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヴェスタス Vestas、世界で総計50GW、46000基を越える風力発電機を設置したと発表

 世界一の風力発電機メーカーであるヴェスタス Vestas、その30年の歴史に大きなマイルストーンを刻んだことを発表しました。

 世界で総計50GW、46000基を越える風力発電機を設置したと、、、、

 今、中国企業による買収話で揺れる同社ですが、その果たした役割、功績は偉大なるものです。70カ国におよぶ国々での展開、20000人以上の労働者を雇用する同社の今後が、より世界にとって、同社関係者にとって、少しでも実り多いことを願ってやみません。

プレスリリース / Vestas,17 Apr. 2012
Vestas reaches 50GW of installed capacity

2006_cn_1_ope_image
-----image : 同リリースより

"A New Milestone for Wind Energy: Vestas and its customers reach 50GW of installed capacity.

As the world’s energy mix is being reshaped, a significant milestone has been achieved: Vestas has reached an installed global capacity of 50GW of wind energy, a result of years of hard work with our customers and partners, and a significant milestone for the maturing wind industry.

Fifty GW amounts to more than 46,000 turbines, close to a fifth of total global capacity, and generates enough clean energy to power 19 million European households, saving the world from 55 million tonnes of CO2 emissions every year.

Reaching 50GW has only been possible through the commitment and vision Vestas employees has shown in collaboration with our customers, suppliers and investors over the last 30 years.

The threshold was passed in the first quarter of 2012, with the completion of the Knäred wind project in Laholm Municipality in Southern Sweden. Knäred is a 20MW project from Vestas key account E.ON, and features 10 V90-2.0MW turbines which provide enough energy for approximately 10,000 Swedish households.

“Renewables are a cornerstone of E.ON’s business strategy” says Mark Porter, E.ON’s Onshore Director for Northern Europe. “We have invested over EUR7 billion in renewables during the past five years and we will invest a further EUR7 billion over the next five years. Knäred is an excellent example of our focus on delivering high quality onshore wind farms”.

Driven by innovation
Vestas CEO Ditlev Engel says the 50GW milestone clearly demonstrates the capability and maturity of the wind industry.

“When the wind industry kicked off over thirty years ago, no one could have predicted the speed of the tremendous technological breakthroughs which drove the growth of Vestas and the wind energy industry overall,” he says. “The wind industry today provides a sustainable, reliable and competitive energy source for millions of people around the world. Vestas is proud to have been an industry pioneer, and to have put over thirty years of our knowledge, experience and passion into reaching an installed base of 50GW that are making a real difference for our planet and its people.”

“On behalf of everyone at Vestas I want to say thank you to our customers, suppliers, investors and everyone who has worked together with us to reach this historic milestone.”

From the late 1970s, when Vestas started to produce wind turbines, wind energy has gone from being perceived as an alternative energy source to a mainstream energy and part of the modern energy mix. The output of wind turbines has increased substantially as technological innovations have driven increases in productivity and reliability. Wind energy has steadily become increasingly competitive with fossil fuels as the entire industry works to bring down the cost of energy for customers.

During 2011, Vestas delivered wind turbines to its 69th country, reflecting the expanding global scope of wind energy and the shift in government policy to encourage clean renewable energy and the jobs and investment it generates.

About Vestas
Every single day, Vestas wind turbines deliver clean energy that supports the global fight against climate change. Wind power from Vestas’ more than 46,000 wind turbines currently reduces carbon emissions by approximately 55 million tons of CO2 every year, while at the same time building energy security and independence.

Today, Vestas has delivered wind energy in close to 70 countries, providing jobs for over 20,000 passionate people at our service and project sites, research facilities, factories and offices all over the world. With 66.9 per cent more megawatts installed than our closest competitor, Vestas is the world leader in wind energy.
.......... "

関連
Vestas reaches 50GW of installed wind power capacity and 46,000 wind turbines-----REVE,april 18, 2012

Wikipedia : ヴェスタス

関連エントリー
世界一の風力発電機メーカー、ヴェスタスが中国企業に買収! ???-----自然エネルギー、2012/04/16

ヴェスタス Vestas、累計1000基の3MW風力発電機 V112-3.0MW を販売。1機種1GW越えの快挙-----ソフトエネルギー、2011/11/25

巨大化する洋上風力発電機。ヴェスタス Vestas V164-7.0 MW-----自然エネルギー、2011/05/10

ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの7MW洋上風車 Vestas V164 offshore wind turbine を発表-----ソフトエネルギー、2011/05/10

ヴェスタス Vestas、初の浮体式プラットフォーム WindFloatはこうして軽快に作られる! / YouTubeから-----自然エネルギー、2012/03/14

-----Google 関連サイト内検索 : ヴェスタス-----

続きを読む "ヴェスタス Vestas、世界で総計50GW、46000基を越える風力発電機を設置したと発表"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本電機工業会(JEMA)の電機工業技術功績者表彰最優秀賞、富士電機のNZのナ・アワ・プルア地熱発電所が受賞

  日本電機工業会(JEMA)は、第61回電機工業技術功績者表彰の最優秀賞は、富士電機株式会社の『トリプルフラッシュシステム採用による単機容量世界最大の地熱発電設備(ニュージーランド国 ナ・アワ・プルア地熱発電所)』が受賞したと発表しました。
 受賞理由には、「ほとんどの地熱発電プラントがシングルフラッシュ(1段階汽水分離)あるいはダブルフラッシュシステム(2段階汽水分離)を適用しているところを、熱水配管の閉塞を引き起こすスケール析出の課題を解決して、トリプルフラッシュ(3段階汽水分離)システムを採用し、地熱流体の持つエネルギーを余すところなく利用し最大出力147MWという単機容量世界最大の地熱発電設備を実現させた。」と書かれています。

 地熱の蒸気でタービンをまわし、さらに蒸気を分離した後の熱水を減圧することで蒸気を得るサイクルをさらに2度繰り返すのが、トリプルフラッシュ(3段階汽水分離)という方法で、より効率的な地熱エネルギーの利用が可能になるということです。
 ちなみに、地熱発電の地熱利用サイクルには、このフラッシュサイクルの他に、バイナリーサイクルがあり、こちらは地熱蒸気で直接タービンを回転させるのではなく、地熱流体を熱交換器に導き、二次作動流体であるイソブタン、または水とアンモニア混合流体などの低沸点媒体を利用して発電する方法があります。バイナリーサイクルは、地熱流体を全量地下へ還元することができるので、環境に与える影響を少なくできます。また、システムが小型化できることもあり、バイナリーサイクルのほうが日本向きという話も聞いたことがあります。
 ニュージーランドのナ・アワ・プルア地熱発電所では、なぜこのトリプルフラッシュシステムが採用され、高い評価を得ているのかについては、調べられませんでした。

 ところで、Nga Awa Purua Geothermal Power Stationは、今回の発表では、ナ・アワ・プルア地熱発電所。グリーン・ポストの記事では、ヌアワプルア地熱発電所としてきました。当初の富士電機システムズのリリースの表記に合わせてきたためです。本当のところ、発音的にはどちらが近いのでしょうか? ニュージーランドの先住民マオリ族の社会でも、この地熱発電所の貢献が評価されていることから、先日以下のエントリーも書きました。地元に愛される地熱発電所ということも、今後の地熱開発に重要な点だと思います。動画を紹介しているので、是非下のエントリーもご覧ください。

人に愛される、世界一の地熱発電所- ニュージーランド ヌアワプルア 132MW-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-13

Img_2
-----image(”ナ・アワ・プルア地熱発電所の地熱発電プラント”) : 富士電機ホールディングス 2010年5月17日リリースより


プレスリリース / 日本電機工業会、2012.04.13
平成24年度(第61回)電機工業技術功績者表彰を行いました

" 一般社団法人 日本電機工業会
平成24年度(第61回)電機工業技術功績者表彰 受賞者決定

一般社団法人 日本電機工業会(以下JEMA)は、本日、4月13日11時より経団連会館にて平成24年度「電機工業技術功績者表彰」を行います。今回の最優秀賞には、富士電機株式会社の『トリプルフラッシュシステム採用による単機容量世界最大の地熱発電設備(ニュージーランド国 ナ・アワ・プルア地熱発電所)』が選ばれました。
JEMAは、昭和27年以来毎年1回この「電機工業技術功績者表彰」を実施しており、重電機器・白物家電機器の両分野で新製品・新技術などの優れた成果を挙げた功績者を表彰して参りました。今年度で第61回目を迎えます。
..........
平成24年度(第61回)電機工業技術功績者表彰の受賞概要
【最優秀賞】
『トリプルフラッシュシステム採用による単機容量世界最大の地熱発電設備(ニュージーランド国 ナ・アワ・プルア地熱発電所)』 (富士電機株式会社)

地熱発電は、地中に存在する熱エネルギーを蒸気や熱水のかたち(地熱流体)で取り出し、発電に利用するものである。そのため、石油などの化石燃料を燃焼させて蒸気を発生させる火力発電に比べてCO2の排出量が極めて少なく、地球温暖化防止の観点で優れた発電方式である。また、風力・太陽光など他の再生可能エネルギーとは異なり、天候や気象条件に左右されること無く安定的に利用することが可能である。一方、資源採取許認可で、地熱流体の採取量は通常制限されている。そのため、一定の地熱流体の流量からより多くのエネルギーを取り出し、発電するシステムの提供が求められている。

 ほとんどの地熱発電プラントがシングルフラッシュ(1段階汽水分離)あるいはダブルフラッシュシステム(2段階汽水分離)を適用しているところを、熱水配管の閉塞を引き起こすスケール析出の課題を解決して、トリプルフラッシュ(3段階汽水分離)システムを採用し、地熱流体の持つエネルギーを余すところなく利用し最大出力147MWという単機容量世界最大の地熱発電設備を実現させた。本設備の稼動により、化石燃料による発電量を削減し、CO2の排出量削減、地球温暖化防止に貢献した。

【優秀賞】
■ 重電部門 優秀賞
『世界初,カラーイメージインテンシファイアの開発と実用化』
(株式会社東芝)
■ 家電部門 優秀賞
『新興国への省エネエアコン普及を促進する電解コンデンサレスインバータ技術の
開発』
(ダイキン工業株式会社)
■ ものづくり部門 優秀賞
『世界初,発電用ガスタービン動翼の再生技術の開発・実用化』
(株式会社東芝)

【優良賞・奨励賞】
上記各賞のほか、「優良賞」8件、15名、「奨励賞」55件、107名が選ばれました。
.......... "

関連
日本電機工業会 : 表彰事業

ニュージーランド国営 Mighty River Power、単独発電機では世界最大となるヌアワプルア(132MW-富士電機システムズ製)地熱発電所の運用をまもなく開始-----ソフトエネルギー、2010/04/28

参考
Wikipedia : 地熱発電

続きを読む "日本電機工業会(JEMA)の電機工業技術功績者表彰最優秀賞、富士電機のNZのナ・アワ・プルア地熱発電所が受賞"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

環境省、平成24年度風力発電等アセス先行実施モデル事業と風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデル事業案件を発表

 環境省は、平成24年度風力発電等アセス先行実施モデル事業として、北海道宗谷郡猿払村及び枝幸郡浜頓別町の20,000~50,000KW、北海道せたな町の30,000~60,000kW、岩手県葛巻町の50,000~100,000kW、滋賀県高島市今津町周辺の20,000~30,000kWの4案件を採択したと発表しました。
 この事業は、改正環境影響評価法の全面施行前に、配慮書段階の環境影響評価手続に先行的に取り組む事業者が記載事項の検討等を行うことを支援することで適正な環境配慮とともに、迅速な事業の実施を促進するものだということです。

 また環境省は、風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデル事業(情報整備モデル地区における地域固有環境情報整備事業)実施のための、地域と採択された受託事業者を発表しました。
 この事業は、選定した情報整備モデル地区において風力発電所建設のための環境アセスメントを環境省が率先して行う事業で、立地ポテンシャルや貴重な動植物の生息・生育の有無等を勘案し、動植物・生態系等の環境基礎情報を収集・整理するというのものです。集められた情報については、データベースを整備し、提供されるということです。
 この事業により、質が高く効率的な環境影響評価の実施が期待されています。

 なお、地熱についても、同様の事業が計画されています。

プレスリリース / 環境省、平成24年4月9日
平成24年度風力発電等アセス先行実施モデル事業の採択について

" 環境省では、風力発電所及び地熱発電所の設置等の事業について、改正環境影響評価法の全面施行前に、配慮書段階の環境影響評価手続に先行的に取り組む事業者が記載事項の検討等を行うことを支援することにより、適正な環境配慮と迅速な事業の実施を促進する「平成24年度風力発電等アセス先行実施モデル事業」を実施しており、このたび、平成24年度委託業務の募集を行いました。

 その結果、御応募いただいた風力発電事業6件のうち、4件を採択することとしましたので、お知らせします。

1.業務の概要と目的
 東日本大震災を契機として、低炭素社会の構築に貢献し、自立分散型で災害にも強い風力発電等の再生可能エネルギーの役割が、これまで以上に重要になってきており、今後、風力発電所等の急速かつ大幅な増加が見込まれています。
 環境省では、風力発電所及び地熱発電所の設置等の事業(以下「風力発電等事業」という。)について、改正環境影響評価法の全面施行(平成25年4月1日)前に、計画段階配慮書(以下「配慮書」という。)段階の環境影響評価手続に先行的に取り組む事業者が、配慮書に記載する事項の検討等を行うことを支援するモデル事業を実施することにより、風力発電等について質が高く効率的な環境影響評価の実施を促進し、適切な環境配慮がなされた風力発電等事業の着実な導入に貢献します。

2.公募対象事業
 公募の対象となる事業は、国及び地方公共団体を除く事業者が実施する風力発電等事業で、改正環境影響評価法に準じて、計画段階配慮事項の検討、配慮書に記載する事項の検討、配慮書についての一般及び関係地方公共団体からの意見の聴取の方法の検討等、配慮書段階の環境影響評価手続を行う上で必要な検討を先行的に実施するモデル的な取組です。風力発電等事業については、総出力が原則として1万kW以上で、本業務終了後に配慮書段階の環境影響評価手続に着手する予定のものであって、具体的な計画を有する等の実現性のある事業であることを条件としました。

3.選定結果
..........
添付資料
【別紙】採択事業一覧[PDF 31KB]
”事業実施計画地
計画地の概要
総出力
提案者

北海道宗谷郡猿払村及び枝幸郡浜頓別町
オホーツク海に面した臨海部の平地
20,000~50,000KW
三洋テクノマリン株式会社

北海道せたな町
北檜山太櫓周辺
標高130~150m程度のなだらかな丘陵地
30,000~60,000kW
株式会社東洋設計

岩手県葛巻町
袖山牧場周辺
標高1,100~1,200メートルの山々が連なる牧野
50,000~100,000kW
株式会社東洋設計

滋賀県高島市今津町周辺
標高700~900mの山々が連なる稜線上
20,000~30,000kW
株式会社環境総合テクノス ”
.......... "

プレスリリース / 環境省、平成24年4月9日
平成24年度風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデル事業(情報整備モデル地区における地域固有環境情報整備事業)の実施について

" 環境省では、風力発電所及び地熱発電所について、立地ポテンシャルや貴重な動植物の生息・生育の有無等を勘案して選定した情報整備モデル地区において、動植物・生態系等の環境基礎情報を収集・整理し、これらの情報についてデータベースの整備・提供等を行うことにより、質が高く効率的な環境影響評価の実施を促進する「風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデル事業」を実施しています。

 今回は、平成24年度の10箇所の情報整備モデル地区について、環境基礎情報を収集・整理する受託者を決定しましたのでお知らせします。
1.業務の概要と目的
 東日本大震災を契機として、低炭素社会の構築に貢献し、自立分散型で災害にも強い風力発電等の再生可能エネルギーの役割が、これまで以上に重要になってきており、今後、風力発電所等の急速かつ大幅な増加が見込まれています。
 環境省では、風力発電所及び地熱発電所(以下「風力発電等」という。)について、地方公共団体等と連携しながら、立地ポテンシャルや貴重な動植物の生息・生育の有無等を勘案して選定した情報整備モデル地区において、現地調査等を行うことにより、風力発電等における環境影響評価手続に活用できる動植物・生態系等の環境基礎情報を収集・整理し、これらの情報についてデータベースを整備し、広く提供等を行うことを通じて、風力発電等について質が高く効率的な環境影響評価の実施を促進し、適切な環境配慮がなされた風力発電等の着実な導入に貢献します。

2.環境基礎情報を収集・整理する受託者について
 平成24年度に環境基礎情報を収集・整理する風力発電に係る情報整備モデル地区については、風況等の事業採算性、環境影響、自治体の意向等を踏まえて選定した10か所の情報整備モデル地区について、現地調査等により環境基礎情報の収集・整理を実施する受託者を決定しました。(別紙参照)
 今後は、受託者などによる現地調査等を実施するとともに、全国的な既存資料の収集・整理及びデータベースの整備・提供を実施する事業、並びに地熱発電を含めた情報整備モデル地区における事業の実施について実施していきます。

添付資料


1204_env_gowind
----image : 「【別紙】情報整備モデル地区一覧 [PDF 39KB]」より
.......... "

関連エントリー
環境省、国立・国定公園内における地熱開発の取扱い、および温泉資源の保護に関するガイドラインを発表-----自然エネルギー、2012/03/28

環境省、東北を中心に自然エネルギーの候補地の野生生物の生息状況などを調べたデータベースを5年で整備-----自然エネルギー、2012/02/27

おすすめエントリー
NAVERまとめ、って知ってました?-----再生可能エネルギー GreenPost,2012-04-16

しなやかな技術研究会 GreenPost 2012/4/16

続きを読む "環境省、平成24年度風力発電等アセス先行実施モデル事業と風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデル事業案件を発表"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

NTT、非常に薄いGaN系半導体薄膜素子を低コストで作製する技術を開発。太陽電池、LEDへ応用も期待

 日本電信電話株式会社 NTTは、非常に薄いGaN系半導体薄膜素子を低コストで作製する技術を開発したと発表しました。GaN系半導体は、無線通信やパワーエレクトロニクスで使用される高出力電子デバイス、信号機・照明などに使用される可視光デバイスなどの半導体材料として広く使われてるものの、既存の製造工程では薄膜素子を効率よく形成することに難がありました。今回、NTTが開発した手法では、成長用基板からGaN系半導体薄膜素子である2μm(0.002mm)厚といった非常に薄い、薄膜素子をより低コストで効率よく剥離し、別の基板に貼り付けることを可能にしました。

 この技術を応用すれば将来、窓に透明な薄膜素子を貼り付ける事で、太陽光に含まれる紫外線のみを遮断する事が可能となり、遮断した紫外線で発電する太陽電池の開発が可能になったり、非常に薄い(0.2mm厚)LEDの作製も可能となるということです。さらにこの技術により、剥離する薄膜素子の面積を大きくする事で、大面積の薄膜素子上に別の材料を積層し、新たな機能を持つ薄膜素子を大量生産するといった応用研究の道も開けると期待されています。

 この研究成果は、英国科学雑誌「Nature」4月12日号に掲載されています。

Layered boron nitride as a release layer for mechanical transfer of GaN-based devices-----Nature Communications,11 April 2012

プレスリリース / NTT、2012年4月11日
半導体デバイスの利用範囲を大きく広げる世界初のGaN系半導体剥離プロセスを開発

120411nttfig8
-----image[”窓や乗り物に貼り付けて使う太陽電池への応用(図8 )”] : 同リリースより

"紫外光を有効活用できる太陽電池、薄い発光ダイオード(LED)作製などへの適用に期待

 日本電信電話株式会社(略)は、現在発光ダイオード(LED)などに広く使用されている窒化ガリウム(以下GaN)系半導体薄膜素子※1を成長用サファイア基板※2から簡単に剥離するプロセスの開発に成功しました。
 今回の技術を用いることにより、2μm(0.002mm)厚といった非常に薄いGaN系半導体薄膜素子を低コストで作製することが可能になります。本技術により、可視光を透過し紫外線のみを効率よく吸収する特性を持つ太陽電池の開発や200μm(0.2mm)程度の薄い発光ダイオード(LED)の作製など、GaN系半導体薄膜材料の応用範囲が大きく広がることが期待されます。
 なお、本成果は、英国科学雑誌「Nature」4月12日号に掲載されます。

1.研究の背景
 GaN系半導体は、無線通信やパワーエレクトロニクスで使用される高出力電子デバイス、信号機・照明などに使用される可視光デバイスなどの半導体材料として広く使われています。
 現在、これらの様々なデバイスは、成長用サファイア基板(以下、成長用基板)上に積層したGaN系半導体薄膜素子(以下、薄膜素子)を加工して作られています。成長用基板は、薄膜素子を積層および加工する際の土台となるものであり厚みが0.5mm程度必要となる事から、薄い太陽電池や薄いLEDを作製しようと試みても、成長用基板の厚みがLED全体の厚みとなってしまう問題がありました。そのため、加工後に成長用基板から薄膜素子をきれいに剥離し、別の基板に貼り付ける(図1 )ことが可能となれば、利用範囲が大きく広がると考えられ(図2 )、世界中で研究が盛んに行われています。
 NTTの物性科学基礎研究所では、グラファイト(2010年にノーベル物理学賞の対象となったグラフェン※3が積み重なったもの)と同じ層状の結晶構造を持つ窒化ホウ素(以下、BN)に着目し、成長用基板から薄膜素子を剥離し別の基板に貼り付ける研究を行ってきました。

2.研究の成果
 NTTの物性科学基礎研究所で長年にわたり開発・蓄積してきた窒化物半導体薄膜に関する積層技術をベースに、MeTRe法(メートル法:Mechanical Transfer using a Release layer)という成長用基板から薄膜素子を剥離する方法を世界で初めて開発しました。(図3 )。
 MeTRe法を用いると、剥離後の結晶面を綺麗に保つ事が可能となるため、従来から提案されている転写方法(図4 )と比較した場合、剥離後に表面を削って平らにする工程が不要となります。また、剥離する為の大規模装置や薬剤も不要となる為、作製時間および作製コストの大幅な削減が期待されています。
 今後、窓に透明な薄膜素子を貼り付ける事で、太陽光に含まれる紫外線のみを遮断する事が可能となり、遮断した紫外線で発電する太陽電池の開発が可能となります。また、非常に薄い(0.2mm厚)LEDの作製(図5 )も可能となります。さらには、剥離する薄膜素子の面積を大きくする事で、大面積の薄膜素子上に別の材料を積層して新たな機能を持つ薄膜素子を大量生産するといった応用研究の道も開けると期待されています。

120411nttfig5

-----image[”非常に薄い(0.2mm厚)LEDの作製(図5)”] : 同リリースより

3.技術のポイント
..........

4.今後の展開
 今回の成果により、成長用基板から薄膜素子の品質を保持したまま簡単に剥離することが可能となります。今後は剥離する薄膜素子の面積を大きくすると共に、窓や乗り物に貼り付けて使う太陽電池への応用(図8 )や既存デバイスの特性改善などの実証に取り組んでいきます。

用語解説
※1GaN系半導体薄膜素子
 窒化物半導体のうち、GaN、AlN、InNおよびそれらの中間の組成を持つAlxGa1-xN、InxGa1-xNの総称を「GaN系半導体」という。GaN系半導体の薄膜を積層・加工して機能をもつ素子に仕上げたものをGaN系半導体薄膜素子という。
※2成長用サファイア基板
 原子配列を揃えて積層した薄膜結晶を支えるサファイアの単結晶。
※3グラフェン
 1原子層の厚さの炭素原子からなるシートで、蜂の巣のような六角形の格子に炭素原子が並んで結合している物質。この物質の中では、電流を運ぶ電子やホールが室温でも散乱されにくい性質を示すことなどから次世代デバイス応用へ向け近年盛んに研究されている。
※4バッファー層
 結晶の上に別の結晶の薄膜を積層する場合、その物質同士の結晶構造の違いや原子の配列の違いにより積層できない場合がある。この問題を、両方の物質の中間の性質を持つような物質を間に挟むことで解決する方法があり、本役割を果たす層をバッファー層と呼ぶ。
※5ウルツ鉱型構造
 結晶構造を表す名称の1つで、AlN、GaN、InNをはじめとする窒化物半導体の多くが本構造をとる。
※6ぬれ性
 固体素材の表面に液体がどの程度馴染み易いかを表す指標・用語。馴染み易い場合、平らな薄い膜状に広がりやすい。馴染みにくい場合、液滴を作り広がりにくくなる。
.......... "

関連
Layered boron nitride as a release layer for mechanical transfer of GaN-based devices-----Nature Communications,11 April 2012

NTT物性科学基礎研究所 / ニュースリリース

半導体:NTT研が新製造方法 極薄で低コスト化へ-----毎日新聞、2012年04月12日

参考エントリー

続きを読む "NTT、非常に薄いGaN系半導体薄膜素子を低コストで作製する技術を開発。太陽電池、LEDへ応用も期待"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

津市の青山高原ウインドファーム、最大規模のウィンドファームの評価

風力発電「適地」で特例-----中日新聞、2012年4月11日

" 津、伊賀両市と中部電力の子会社が出資する第三セクター「青山高原ウインドファーム」(津市)の風力発電施設の増設計画で、県は十日、両市にまたがる青山高原への増設を許可した。増設されれば全国最大規模の風力発電拠点になる見込みだが、地元住民や環境団体は「自然破壊につながる」と反発している。 "

 青山高原一帯にある既存51の内訳は、第三セクターの青山高原ウィンドファーム-JFEエンジニアリング製 0.75MWが20基、津市(競売中)の久居榊原風力発電-オランダ・ラガウェイ社製0.75MWが4基、シーテック社の ウインドパーク美里-ガメサ・エオリカ製2MWが8基、そして同じくシーテック社のウインドパーク笠取-日本製鋼所製2MWが19基の合計となっています。中型から大型まで出自の違いさまざまな風力発電機が並んでいます。

 そして、増設予定は、青山高原ウインドファーム分として新たに2MWの大型風力発電機を40基増設ということです。三重県が許可したと報道されていますので、実現しそうですが、地元と野鳥の会の反発とも報道されています。また、年間平均風速7.6m/sというデーターも気になります。微気象の影響がある風力発電機です。これから県のアセスメントなどの情報を探してみます。

 これから作られる風力発電機は、当然発電量の期待値はもちろん、実際の発電量もリアルタイムで公開などして、成功例として積み上げられる風車になってほしいです。今日から、完成すれば国内最大クラスともいわれる風力発電所の今後に注目していきたいと思います。

関連
青山高原ウインドファーム
/ 風力発電施設

" 発電規模
  最大出力…15,000kW

風力発電機
  750kW×20基
  JFEエンジニアリング製
           多極同期発電機
  ローター直径…50.5m
  タワー高さ…50m

送電線
  77kV特別高圧線…約5.8km

その他設備
  航空障害灯…5基
  管理棟…1棟
  変電所…1ヶ所
  開閉所…1ヶ所
  管理道路…約2.3km "

津市 : 久居榊原風力発電施設の概要

" 750キロワット×4基(津市所有)
オランダ・ラガウェイ社製LW50/750 "

 - 津市久居榊原風力発電施設の売却に係る条件付一般競争入札[申込期間 平成24年3月27日(火曜日)~4月10日(火曜日)]

久居榊原風力発電施設(新エネルギー財団記事)

" ......久居市は、市内の青山高原に定格出力750kWの風力発電機4基からなる総出力3,000kWの風力発電施設を設けました.......... "

*久居市は津市に合併

シーテック : ウインドパーク美里 ウインドパーク笠取

" ウインドパーク美里
2,000kW×8基 ガメサ・エオリカ社(スペイン)製

ウインドパーク笠取
2,000kW×19基
日本製鋼所製 "

三重県次世代エネルギーパーク : (株)青山高原ウィンドファーム

青山高原ウインドファーム風力発電増設事業に係る環境影響評価書をご覧いただけます。-----三重県、平成23年2月28日
- 環境アセスメント

"対象事業の規模
敷地面積約56ha
風力発電所出力80,000kw(2,000kw×40基)"

おすすめエントリー

次代のエネルギー政策にとって重要な議論がここにある

資源エネルギー庁 審議会 : 総合資源エネルギー調査会 基本問題委員会 #politicsjp-----自然エネルギー、2012/04/12

参考
環境省 : 風力発電施設と自然環境保全に関する研究会

"環境省と資源エネルギー庁が主催する「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会」に関する情報を掲載します。

◇風力発電施設と自然環境保全に関する研究会の設置について
◇メンバー名簿
◇議事次第・資料・議事要旨
(資源エネルギー庁のホームページにも同じものが掲載されています。)

第1回  平成19年3月30日  
第2回  平成19年5月10日
第3回  平成19年5月29日
第4回  平成19年6月12日

◇論点整理 [PDF 16KB]
 研究会において挙げられた主な論点をとりまとめました。

◇報道発表資料
07.02.05 「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会」について
07.03.19 風力発電施設と自然環境保全に関する研究会(第1回)の開催について
07.04.16 風力発電施設と自然環境保全に関する研究会(第2回)の開催について
07.05.14 風力発電施設と自然環境保全に関する研究会(第3回)の開催について
07.05.29 風力発電施設と自然環境保全に関する研究会(第4回)の開催について
07.08.02 「風力発電施設と自然環境保全に関する研究会 論点整理」について
.......... "

続きを読む "津市の青山高原ウインドファーム、最大規模のウィンドファームの評価"

| | コメント (1) | トラックバック (0)

京セラ、IHI、みずほCB、鹿児島で国内最大70MWpの太陽光発電事業を7月着工予定で進めると発表

 京セラ、IHI、みずほコーポレート銀行は、鹿児島で国内最大70MWpの太陽光発電事業を7月着工予定で進めると発表しました。IHIの所有地である鹿児島県鹿児島市七ツ島2丁目の、面積は約127万㎡(東京ドーム27個分)の建設予定地に、
京セラ製多結晶シリコン太陽電池、70MW分約29万枚を設置する計画だということです。この発電能力は、昨年(2011年1~12月)日本国内に出荷された産業用太陽電池の約4割弱に相当する容量に匹敵する設備容量だということです。

 この事業において、京セラグループは太陽電池モジュールの全てを供給するとともに、施工ならびに保守・管理の一部を担当し、IHIは土地の貸与のほか、事業運営に取り組み、みずほCBはプロジェクトファイナンスのスキーム検討を担当する予定だということです。

 桜島を望む、鹿児島湾に総投資額にして約250億円の巨大太陽光発電プロジェクトが計画されました。


より大きな地図で しなやかな技術研究会 2 を表示

 今後の予定は、2012年6月に特別目的会社設立し、固定価格買取制がスタートする2012年7月には着工するということです。

プレスリリース / IHI、(京セラ、みずほコーポレート銀行)、2012年4月10日
京セラ・IHI・みずほCBがメガソーラー発電所建設に向けて協力 国内最大※1 鹿児島での太陽光発電事業に関する基本合意 発電能力70MW、総投資額約250億円のプロジェクト

_1
-----image(上-”完成予想図”、下-”鹿児島市七ツ島メガソーラー発電所(仮称)建設予定地”) : 同リリースより-----
Ihimegasolar

" 京セラ株式会社(略)、株式会社IHI(略)、株式会社みずほコーポレート銀行(略)の3社は、CO2削減を始めとする地球環境保護に貢献するため、鹿児島県鹿児島市七ツ島に、国内最大※1となる70MWの太陽光発電(メガソーラー)事業の事業性を検討することについて、本日、基本合意いたしました。

 建設予定地は、IHIの所有地である鹿児島県鹿児島市七ツ島2丁目で、土地面積は約127万㎡(東京ドーム27個分)です。総投資額は約250億円の計画で、本年7月の着工を目指してまいります。
 太陽電池モジュールは、全て京セラ製多結晶シリコン型の高出力製品を使用し、70MW分約29万枚を設置する計画です。この発電能力は、昨年(2011年1~12月)日本国内に出荷された産業用太陽電池の約4割弱※2に相当する容量となります。
 年間発電電力量は約79,000MWhとなる見込みで、一般家庭の年間消費電力量約22,000世帯分※3に相当し、また年間約25,000t※4のCO2削減に貢献する予定です。
..........
 本事業において、京セラグループは太陽電池モジュールの全てを供給するとともに、施工ならびに保守・管理の一部を担当し、IHIは土地の貸与のほか、事業運営に積極的に取り組んでいきます。また、みずほCBはプロジェクトファイナンスのスキーム検討を担当する予定です。
 今後、鹿児島七ツ島メガソーラー発電事業を行う特別目的会社を設立する計画で、京セラが筆頭株主となる予定です。なお、IHIのほか、事業の趣旨に賛同いただいたKDDI株式会社、株式会社九電工、株式会社鹿児島銀行、株式会社竹中工務店等は、出資会社として協力していただける予定です。
..........
■太陽光発電事業計画の概要
事業名称 鹿児島七ツ島メガソーラー発電事業(仮称)
参加企業 京セラ㈱、㈱IHI、㈱みずほコーポレート銀行、
KDDI㈱、㈱九電工、㈱鹿児島銀行、㈱竹中工務店 の予定
発電能力 太陽光発電システム 70MW

*発電した電力は、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、九州電力に売電することを想定しています。

建設予定地 鹿児島県鹿児島市七ツ島2丁目
土地面積 約127万㎡ (東京ドーム約27個分)
総投資額 約250億円の予定
今後の予定 2012年6月 特別目的会社設立、2012年7月 着工 予定

*本概要は、特別措置法に基づく買取価格等の条件により、計画の見直しを行う可能性があります。
..........
※1 2012年4月9日時点 正式公表ベース
※2 JPEA(一般社団法人太陽光発電協会)の日本における四半期ごとの太陽電池出荷量の推移より算出
※3 1世帯当り3,600kWhで算出 出典:電気事業連合会「電気の広場」
※4 一般社団法人太陽光発電協会「表示に関する業界自主ルール」に基づいて算出
※5 京セラ調べ
※6 電気事業連合会「計画公表済みのメガソーラー設置発電」より算出 (2011年12月現在)
※7 文部科学省「スクール・ニューディール構想」による採用実績校 京セラ調べ (2011年12月現在)
※8 民間金融機関が総コスト1千万米ドル以上の大規模なプロジェクトファイナンスに参加する場合に、プロジェクトが地域社会や自然環境に与える影響に十分配慮して実施されることを確認するための枠組み
.......... "

関連
国内最大 鹿児島での太陽光発電事業に関する基本合意-----京セラ、2012.04.10

みずほCB / 2012年4月10日京セラ・IHI・みずほCBがメガソーラー発電所建設に向けて協力  国内最大 鹿児島での太陽光発電事業に関する基本合意(PDF/385KB)

追加情報
京セラ、IHI、70MWpの鹿児島七ツ島メガソーラー発電所を稼動-----ソフトエネルギー、2013/11/05

京セラの太陽光発電、タジキスタン共和国の病院に160kWp設置。鹿児島七ツ島メガソーラー発電所 70MWpの工事を開始-----ソフトエネルギー、2012/10/15

京セラら、鹿児島に70MWpの太陽光発電事業を行う事業会社を設立。完成は2013年秋の予定-----再生可能エネルギー GreenPost、2012/8/1


参考エントリー
日本でも100MWp前後の超大型太陽光発電所が計画される時代になりました-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-11

ソフトバンク、苫小牧東部地域の約480ヘクタールの未利用地に34万キロワットの世界最大の太陽光発電所建設へ-----自然エネルギー、2011/11/18

続きを読む "京セラ、IHI、みずほCB、鹿児島で国内最大70MWpの太陽光発電事業を7月着工予定で進めると発表"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

大阪市、咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画を策定。マイクログリッドに関する多様な実証実験。産業育成も

 大阪市は、咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画を策定、平成24年度から平成26年度までの実施計画を発表しました。咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画は、大阪・関西に環境・エネルギー産業が集積する強みを活かして、家庭やオフィスにおけるエネルギーの面的利用とITによる制御技術、介護ロボットの導入など医療・介護・健康分野での最先端技術の導入を検討、咲洲地区において環境先進都市の未来が体感できるスマートコミュニティの構築を図るということです。
 
 電力に関しては、鉄道インフラ(軌道空間)上に自営網(電力線・熱導管)を整備し、超小型下水バイオマス発電、太陽光発電、ガス発電などの利用により、大都市にふさわしいエネルギー需給システムの実現。また、熱利用に関しても電力と共に、供給設備やエネルギーマネジメントシステムの技術開発を進めスマートコミュニティの実現を推進するということです。
 さらに、産学官連携による技術開発を促進するとともに、ロボットテクノロジー、スマートモビリティなどの新産業の創出を国内外での展開を視野に充実する考えということです。
 

エネルギーネットワークシステムの構築に必要な熱・電気の供給設備やエネルギーマネジメントシステムの技術開発を進め、スマートコミュニティの実現を推進します。大阪市の咲洲地区において、エネルギーに関するさまざまな試みから、産業育成にまで取り組む意欲的なプロジェクトを計画しているようです。

プレスリリース / 大阪市、2012年4月3日
「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画」を策定しました

1
-----image : 同リリースより

" 大阪市では、エネルギーの有効利用と、エネルギー関連技術の開発による新産業の創出及び海外展開を目標とした「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画」を策定しました。

 本事業は、関西イノベーション国際戦略総合特区における中核事業に位置付けられおり、本市としても積極的にサポートしていく方針です。
1 背景・目的
 東日本大震災以後、大阪・関西でも電力需給の逼迫が続いており、エネルギーの安定供給の確保が喫緊の課題です。また、地球温暖化対策を進め持続可能な社会を構築するために、環境保全と経済発展の両立を図る必要があります。
 大阪市では、大阪・関西に環境・エネルギー産業が集積する強みを活かして、家庭やオフィスにおけるエネルギーの面的利用とITによる制御技術、介護ロボットの導入など医療・介護・健康分野での最先端技術の導入を検討しており、咲洲地区において環境先進都市の未来が体感できるスマートコミュニティの構築を図るための実証事業計画を策定しました。

 ※本事業の計画策定に当たっては、国土交通省の平成23年度先導的都市環境形成促進事業の補助を受けています。

2 目標
 地区・街区レベルにおける先導的な環境負荷削減策としてエネルギーの面的利用を促進し、咲洲地区において電気や熱の双方向需給などエネルギーに関する新たな事業創出をめざし実証に取り組みます。
 また、実証事業により得られた技術をパッケージ化し、輸出モデルを創出することで海外展開を図り大阪・関西の経済発展をめざします。

3 実証事業期間
 平成24年度から平成26年度まで(予定)

4 計画概要
● 鉄道インフラ(軌道空間)上に自営網(電力線・熱導管)を整備し、施設や駅などを結ぶエネルギーネットワークの構築を図ります。
● エネルギーネットワークシステムの構築に必要な熱・電気の供給設備やエネルギーマネジメントシステムの技術開発を進め、スマートコミュニティの実現を推進します。
● 産学官連携による技術開発を促進するとともに、ロボットテクノロジー、スマートモビリティなどの新産業の創出を図ります。

5 今後の進め方
 平成24年度から、詳細調査・設計の後、平成25年度からインフラ整備やシステム開発に着手し、平成26年度から運用を開始する予定です。
 また今後、参画を希望する事業者で構成される協議会を立ち上げ、実証事業を推進していく予定です。


6 実証事業計画の内容
(1)分散型エネルギー供給拠点と融合EMS(エネルギーマネジメントシステム)

1.鉄道インフラを利用したエネルギー供給インフラの構築
  鉄道インフラを利用することにより、エネルギー供給インフラの整備に係るイニシャルコストの削減を図ります。また、施設や駅等を自営網(電力線、熱導管)で接続することにより、地域や施設が保有する電源、熱源の共有化を図り、エネルギー融通をめざします。

2.複数の施設を対象としたエネルギーマネジメントシステムの構築
  咲洲地区内の施設が保有する電源、熱源の共有化とエネルギー需給の制御により、地域のエネルギー消費量の最少化やピークカットを行うエネルギーマネジメントシステムの構築を図ります。

3.自立・分散型発電システム、蓄電・蓄熱システム導入・開発
  咲洲地区内の既存の電源や熱源を活用した自立・分散発電システムの導入を図ります。また再生可能エネルギーである太陽光発電システムや蓄電池の導入、未利用エネルギーとして有望な下水バイオマス発電などのシステム開発を図ります。

(2)ロボットテクノロジー、スマートモビリティ等の新産業の創出
  咲洲地区内で特区制度を生かして、介護・医療分野でのロボットテクノロジーの活用やモビリティ分野でのタウンコミューターなどの新たな産業創出、製品化をめざします。

(3)国際戦略総合特区としての海外展開モデルの構築
  国際戦略総合特区として規制緩和や補助制度を最大限に活用し、鉄道を利用したエネルギーネットワークを中心としたスマートコミュニティの構築を行います。また、事業モデルをパッケージ化し、アジアをはじめ海外への事業展開を図ります。

〔期待される効果]
  熱源機器の最高効率運転や下水バイオマス発電などの導入によるCO2の削減が見込めるとともに、エネルギーコストの削減により企業進出が加速することが期待できます。
2
-----image : 同リリースより "

関連
大阪市 : 夢洲・咲洲地区まちづくり推進協議会

おすすめエントリー

続きを読む "大阪市、咲洲地区スマートコミュニティ実証事業計画を策定。マイクログリッドに関する多様な実証実験。産業育成も"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東大とオーストリア・ヨハネスケプラー大学のグループ、世界最薄かつ最軽量の有機太陽電池の実現に成功

 東京大学、電気系工学専攻 染谷隆夫教授、関谷毅准教授およびオーストリア・ヨハネスケプラー大学の共同研究チームは、厚さ1.4μmという極薄の高分子フィルム上の上に、有機溶剤にp型半導体とn型半導体をブレンドして溶解したインクを用いて有機半導体薄膜を均一に形成するプロセス技術を確立、高効率な有機太陽電池を作製することに成功しました。この成果は、Nature Communications誌のオンライン版で公開されました。

Ultrathin and lightweight organic solar cells with high flexibility-----Nature Communications,03 April 2012

 この有機太陽電池は、自在に曲げることも、ゴム基板上へ貼り付けることで、伸縮自在な太陽電池を作ることも可能です。
曲げ半径35ミクロンに折り曲げても、エネルギー変換効率 4.2%を維持しつつ機械的にも壊れないということです。実際に人間の髪の毛(半径は100ミクロン程度)に巻きつけることもできるといいます。300%伸縮させても電気的・機械的な特性が劣化しない伸縮自在な太陽電池が実際に作られました。ここから、薄いフィルム状の太陽電池が私たちの身近なところで活躍し、または宇宙空間で折りたたんだ太陽電池膜を展開し宇宙船などで利用するなど、その画期的な製品としての特長を生かした未来も想起できます。

 この有機太陽電池1gあたりの発電量は10Wに相当し、この値はあらゆる太陽電池と比較しても最軽量、最薄、最柔軟な太陽電池だということですから、太陽電池が直面する材料の資源的な制約にも解決の目処がたつ可能性もあります。
 当面の実用化は、その特性から携帯や小型機器の電源などのエネルギーハーベストの分野での実用化が図られていくのでしょう。そして、その先の未来には、次世代の太陽電池を利用した新しい暮らし方も待っている可能性もあります。期待しましょう。
 
プレスリリース / 東京大学大学院工学系研究科 、科学技術振興機構 、2012/04/04
世界最薄かつ最軽量の有機太陽電池の実現に成功:電気系工学専攻 染谷隆夫教授、関谷毅准教授 / 世界最薄かつ最軽量の有機太陽電池の実現に成功(PDF)

120404_someya_solarcells1
-----image(”独自に開発した有機薄膜成膜技術を用いることで極薄プラスティックフィルム(厚み 1.4 マイクロメートル)上に高効率な有機太陽電池を作製することに成功しました。薄く柔らかいため、ゴム基板上へ貼り付けることも可能です。その結果、伸縮自在な太陽電池を実現できました。(a)太陽電池の断面模式図。(b)細さ 35 マイクロメートルの直径を持つ髪の毛に有機太陽電池を巻き付けた写真。(c)有機太陽電池を伸縮自在なゴム基板上に貼り付けて、圧縮歪みをかけた写真。(d)ゴム基板上においた有機太陽電池を先の細いガラスパイプで下から引き延ばした写真。(e)ゴム基板上においた有機太陽電池の電子顕微鏡写真。”) : 同リリースより

" 研究成果の概要 有機半導体を用いた太陽電池は、印刷手法など液体プロセスによって高分子フィルムの上に容易に製造できるため、大面積・低コスト・軽量性を同時に実現できると期待されています。しかし、ガラス基板上と同程度の高エネルギー変換効率を有する有機太陽電池を柔軟性に富む薄膜の高分子フィルム上に液体プロセスを用いて作製することは困難であり、その解決策が求められていました。 東京大学大学院工学系研究科の染谷教授や関谷准教授らは、有機溶剤に p型半導体とn型半導体をブレンドして溶解したインクを用いて、厚さ 1.4 マイクロメートルという極薄の高分子フィルムに、有機半導体薄膜を均一に形成するプロセス技術を開発し、世界で最薄かつ最軽量の有機太陽電池を高分子フィルム上に作製することに成功しました(図1)。この有機太陽電池 1g あたりの発電量は 10W に相当し、この値はあらゆる太陽電池と比較しても最軽量、最薄、最柔軟な太陽電池です(図2)。また、この超薄型の有機太陽電池は、曲げ半径35ミクロンに折り曲げても、エネルギー変換効率 4.2%を維持しつつ 機械的にも壊れません。さらに、この薄型有機太陽電池を応用して、300%伸縮させても電気的・機械的な特性が劣化しない伸縮自在な太陽電池を実現しました。 太陽電池の超軽量化・超薄型化に達成されたことにより、今後、太陽電池の携帯用情報通信機器への応用や、身に着けても重さを感じさせないヘルスケアや医療用デバイス用の電力供給源など新たな用途が拡大するものと期待されます。本成果は、4月4日午前0時(日本時間)に Nature Communications 誌のオンライン版で公開されました。 .......... 今後の展開  太陽電池の超軽量化・超薄型化に達成されたことにより、今後、太陽電池の携帯用情報通信機器への応用が促進されると期待されます。また、このような軽量・薄型の有機太陽電池をコンパクトに詰め込み、宇宙に打ち上げてから大きく広げて使う電力供給源、身に着けても重さを感じさせないヘルスケアや医療用デバイス用の電力供給源など新たな用途が拡大するものと期待されます。

(参考) 本研究は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(ERATO)の研究領域「染谷生体調和エレクトロニクス」(研究総括:染谷隆夫 東京大学 教授、バイオ印刷グループリーダー関谷毅 東京大学 准教授)、ヨハネスケプラー大学リンツ校(Martin Kaltenbrunner 博士、Siegfried Bauer 教授、Niyazi Serdar Sariciftci 教授)との共同研究として行われました。

120404_someya_solarcells2
-----image : 同リリースより
.......... "

関連
東京大学工学系研究科 電気電子工学専攻 物理工学専攻染谷・関谷研究室

科学技術振興機構(JST)

JKU-Forscher entwickeln leichteste Solarzellen der Welt-----Johannes Kepler Universitat,04.04.2012

東大、世界最薄/最軽量級の有機薄膜太陽電池の開発に成功-----マイナビニュース、2012/04/06

Ultrathin Solar Cells for Stretchable Applications-----Photonics.com, April 6, 2012

参考
世界初、滅菌できる柔らかい有機トランジスタの作製に成功-----東京大学、科学技術振興機構、平成24年3月7日

"体内に埋め込めるデバイス開発に道
研究成果の概要
国立大学法人 東京大学(総長 濱田 純一)大学院工学系研究科の染谷 隆夫 教授[付記1]と関谷 毅 准教授を中心とした研究チームは、独立行政法人 科学技術振興機構(理事長 中村 道治)の課題達成型基礎研究の一環として、高温の滅菌プロセスに耐え得る柔らかい有機トランジスタ注1)を高分子フィルム上に作製することに世界で初めて成功しました。
.......... "

東京大学 工学部ガイド : 染谷隆夫教授 電気電子工学科

続きを読む "東大とオーストリア・ヨハネスケプラー大学のグループ、世界最薄かつ最軽量の有機太陽電池の実現に成功"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フジプレアム、ミサワホームの既築住宅向けに世界最軽量の太陽電池215kWp、8.2kgをOEM供給

 ユニークな独自製法で、モジュール重量の大半を占めているガラスの重量を半減、さらに十分な強度も確保した結晶系の太陽電池を販売しているフジプレアムは、今回ミサワホームの既築住宅向けに、この世界最軽量の太陽電池「希 のぞみ」(215kWp、8.2kg)をOEM供給すると発表しました。既築住宅では、太陽光発電システムを屋根にのせると、重量増に対する補強等の必要性があるとのことです。軽量な太陽電池を利用することでこの問題を解決し、新築住宅に比べ普及が遅れているとされるこの分野への進出を計るということです。

 ミサワホームによると、導入費用は、1kWあたり税込56.7万円(税抜54万円)。取付け工事費は含み、足場工事や売電メーター、カラーモニターなどはオプションとなり別途。

 価格は若干高い気がしますが、これまで屋根の強度の問題で取り付けられなかった人には、受け入れられる中々ヒットしそうな市場という気もします。それに工事作業員の腰にもやさしいという点は、グッドですね。

プレスリリース / フジプレアム、2012年04月04日
ホームページ / フジプレアム超軽量太陽電池「希 のぞみ」を採用したミサワホームオリジナル太陽光発電システムを共同開発(PDF)

Fujipreampv
-----image : 同リリースより

" フジプレアムがリフォーム用太陽光発電システムをミサワホームに OEM 供給

フジプレアム株式会社(略)は、ミサワホーム株式会社(略)と超軽量太陽電池モジュール「希」を使ったオリジナルの太陽光発電システムを共同開発し、4 月よりOEM 供給いたします。
 この超軽量太陽電池モジュール「希」は本年 3 月からフジプレアムが販売を開始しているもので、表面ガラスに 0.8 ㎜の超薄の化学強化ガラスを採用し、高効率の結晶系シリコン太陽電池モジュール(スーパーストレートタイプ)としては従来タイプの半分以下の重量と世界最軽量(当社調べ)を実現しております。また、当社のコア技術である精密貼合技術により、国際標準・規格を作成・普及する国際機関である IEC の規格に基づいた「TUV認証」を取得しており、高品質を確保しております。
 このたび、フジプレアムとミサワホームはこのモジュール「希」の特長を最大限活かし、既築住宅向けのオリジナル太陽光発電システムを開発、4 月 10 日より発売いたします。
 これまで既築住宅への設置については、太陽光発電システム重量増に対する補強等の必要性の問題から、新築住宅に比べ普及が遅れておりましたが、モジュールの超軽量化によりこの市場への導入が一気に進むことを期待しております。
.......... "

関連
超軽量のリフォーム用 オリジナル太陽光発電システムを発売
-----ミサワホーム、2012.04.04

" ○据置き型太陽電池モジュールとしては世界最軽量(※1)
○軽量化メリットを活かしリフォーム用として既築住宅への普及を拡大
○オリジナル製品ならではの安心施工と長期保証

ミサワホーム株式会社(略)は、フジプレアム株式会社(略)製の超軽量太陽電池モジュールを採用したオリジナル太陽光発電(PV)システムを同社と共同開発し、既築住宅用に4月10日から全国(多雪地域を除く)で販売します。
..........
オリジナルPVシステムの導入費用は、1kWあたり税込56.7万円(※3)(税抜54万円)となります。
ミサワホームでは今回の発売により、既築住宅においてもPVシステムの普及率を向上させ新築住宅と同様にスマートハウス化を推進していきます。

※1)据置き型結晶系の太陽電池モジュール(スーパーストレートタイプ)において(フジプレアム調べ)。
※2)フジプレアムの単結晶太陽電池モジュール従来品(フレーム含む)に比べて。
※3)取付け工事費を含む。足場工事や売電メーター、カラーモニターなどのオプション代は別途。
.......... "



フジプレアム、極薄強化ガラス採用の軽量太陽電池モジュールを開発。結晶系、215Wp-8.2kg !-----ソフトエネルギー、2011/12/07

おすすめエントリー
再生可能エネルギー

[備忘録] 太陽光発電、太陽電池 #renewsolar #pv #renew2012-----自然エネルギー、2012/04/06

続きを読む "フジプレアム、ミサワホームの既築住宅向けに世界最軽量の太陽電池215kWp、8.2kgをOEM供給"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ホンダ Honda、埼玉県と共同でソーラー水素ステーションと燃料電池車 FCXクラリティの実証を開始

 ホンダ Hondaは、埼玉県と共同で進めている実証実験の一環として、日本初の高圧水電解システムを適用したソーラー水素ステーションを埼玉県庁内に設置するとともに、新たに外部給電機能を装備した燃料電池車 FCXクラリティの運用試験を開始したと発表しました。
 詳しいスペックは公開されていませんが、報道などの数値をみるとロスの次世代ソーラー水素ステーションに準じたもののようにですね。高圧水電解システムの採用によりコンプレッサーが不要になるということでシステムの小型化簡略化が計られています。システムは、24時間で1.5kgの水素を製造でき、この1.5kgの水素は、FCXクラリティが約150km走行することができる量に相当するということです。
 さらに今回の、FCXクラリティの外部給電機能は、一般家庭が使用する約6日分の電力を供給(9kW連続7時間以上)することができ、電源車としても使用できる仕様になっている点がロスのシステムにはない新しい仕様のようです。

 ただ、設備された太陽光発電システムについては、太陽光と商用電源を併用すると書かれているだけで、設備容量が書かれていません。太陽電池と商用電源で1.5kgの水素を製造するのに必要な電力が書かれていれば、水素ステーションの内容も想像できるのですが、、、、

プレスリリース / Honda,2012年03月27日
埼玉県庁敷地内に、ソーラー水素ステーションを設置~給電機能を装備した「FCXクラリティ」を埼玉県に納車~

4120327
-----image(”ソーラー水素ステーション&FCXクラリティ”) : 同リリースより

" Hondaは、埼玉県と共同で取り組んでいる実証実験の一環として、日本初の高圧水電解システムを適用した「ソーラー水素ステーション」を埼玉県庁敷地内に設置し、本日、上田 清司 埼玉県知事と檀原 雅 岩谷産業株式会社 取締役副社長、山本 芳春 Honda取締役常務執行役員の出席のもと、オープニングセレモニーを行いました。
また、一般家庭のおよそ6日分の使用電力を供給できる、最大出力9kW※の外部給電機能を装備した燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」を新たに開発し、埼玉県に納車しました。

今回は環境省の委託を受け、将来の低炭素社会の実現に向けた産官共同の実証実験として、水素の製造から、貯蔵、供給までのプロセスにおいてもCO2を一切排出しない、日本初のソーラー水素ステーションを設置しました。Honda独自技術である高圧水電解システムにより、水素の製造と圧縮を一体化することでコンプレッサーが不要となり、小型・低騒音化を実現。将来は家庭用水素供給装置としての普及を目指し、水素エネルギーの効率的な管理と有効活用の可能性を検証していきます。
なお、このソーラー水素ステーションは、太陽光と商用電源を併用し、24時間で1.5kgの水素を製造します。この1.5kgの水素は、FCXクラリティが約90マイル(約150km)走行することができる量に相当します。
このソーラー水素ステーションを拠点に、外部給電機能を装備したFCXクラリティを公用車として活用することによって、実際の都市環境下でのCO2削減効果の検証を行い、また、緊急時における移動可能な発電設備としての実用性を検証します。

Hondaはかねてより、化石燃料の代替、排出ガスの削減、地球温暖化への影響の低減という観点から、燃料電池を将来の究極のクリーンパワーととらえ、積極的に開発を行っています。

※ Honda測定値
.......... "

関連
Honda 次世代に向けた取り組み : 水素の製造供給システム

Honda、家庭用 次世代ソーラー水素ステーションの実証実験開始-----Honda,2010年01月28日

Hondasolarstation_ros
-----image : 上記リリースより

".....2001年よりロスアンゼルスセンターで稼働してきた従来型のソーラー水素ステーションは、高圧水素の製造のために、水電解装置および水素圧縮コンプレッサーが必要だった。一方、次世代ソーラー水素ステーションは、Hondaの独自技術である高圧水電解システムにより水素の製造と圧縮を一体化することで、コンプレッサーが不要となり、小型・低騒音・低コスト化を実現し、家庭用水素供給装置としての可能性を広げた。また、従来に比べ水素製造システム効率も25%※向上している。
これにより、8時間で約0.5kgの水素が供給され、燃料電池電気自動車「FCXクラリティ」が30マイル(約50km)走行できる。....."

HONDA : FCXクラリティ主要諸元(日本仕様)

「次世代ソーラー水素ステーション」実証実験を開始します ~埼玉県・本田技研工業(株)で共同実験~-----埼玉県、2012年3月26日

ホンダ、埼玉県庁にソーラー水素ステーション-----carview.co.jp,2012年3月28日

県庁に次世代ソーラー水素ステーション-----埼玉新聞、2012年3月28日

関連エントリー
Honda、埼玉県庁にソーラー水素ステーション」を設置し、燃料電池車 FCXクラリティの10kW以上の外部出力電源機能などの実証実験を実施-----しなやかな技術研究会、2011/04/22

ホンダ Hondaの太陽光発電と水素製造装置による燃料電池車への水素充填システム-----自然エネルギー、2010/07/27

コメント続き
 ここからは、また勝手な数値で予想してみます。

続きを読む "ホンダ Honda、埼玉県と共同でソーラー水素ステーションと燃料電池車 FCXクラリティの実証を開始"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Solarbuzz、世界の太陽光発電の現状と2012年度を分析。2012年は13%増にとどまる低い水準との予測も

 昨日のQセルズ Qcellsの破綻についてのエントリーは、なにかのツボにはまってアクセス数がいつもの倍近くになりました。関心の高さにびっくりしました。ただ、ドイツ国内、海外ではすでに死に体だったQcellsについては、簡単な報道が行われただけで、すでにドイツの状況も織り込み済みのようです。
 
 さて、気になる世界を牽引してきたドイツのこの太陽光発電に関する業績の世界市場に与える影響も踏まえた、世界の太陽光発電についてのリポート、分析がSolarbuzzより出されました。第1四半期は、ドイツの政策調整への期待から前期比35%減の前年比146%増となり、6.9GWだったということです。一方、2012年下半期は欧州需要が上半期に比べて27%減少する見通しで、Solarbuzzのアナリストの一人は、

「2012年各四半期の予測によればQ4'12には生産量の削減が必要で、結果的には2012年末までの出荷量は前年比13%増にとどまることになりそうだ」

 と低い水準を予測しています。
 
 また世界市場を席巻する中国や台湾、その他地域のメーカーの生産量シェアはQ4’10の69%からQ4’11には78%に上昇しているが、Q4’12のシェアは79%で今後は穏やかな伸びに留まる見通しとのことです。新興太陽電池メーカーの勢力拡大も一段落、業界再編の時期となりそうです。

プレスリリース / Solarbuzz,2012年 4月2日
Q1’12の太陽光発電世界需要は前年比146%増、ドイツの政策調整への期待から

120402_expectations__of_policy_adju
-----image(”図1: 太陽電池の生産量・需要・在庫レベルの四半期推移予測-出典: NPD Solarbuzz Quarterly”) : 同リリースより

" PVメーカーはQ1~Q3の需要に沿って2012年出荷増を計画

 欧州の流動的な政策環境が追い風となって2012年初めのPV(太陽光発電)市場は好調な需要を記録、PVメーカーの年間出荷量増加への下地が整った。NPD Solarbuzzの最新刊Solarbuzz Quarterlyが明らかにしている。

ドイツでのPV奨励政策引き締めの延期などにより、Q1'12の世界需要は前期比35%減ながら前年比では146%増と大幅に拡大し6.9GWに達する見込みとなった。一方、2012年下半期は欧州需要が上半期に比べて27%減少する見通しで、例年と異なる動きを示すことになると見られている。

PV産業の最終市場収益はQ4'11に世界全体で354億ドルに到達しQ4'10以来の最高レベルを記録したが、Q4'12には出荷量の減少と価格の下落により220億ドルまで落ち込むと予想されている。今から1年前には出荷と生産の両面で楽観的過ぎる見通しが立てられており、Q1'11~Q3'11の需要が世界的に脆弱だったため、昨年はPVチェーン全体で価格が崩壊する結果となった。

NPD SolarbuzzアナリストのMichael Barkerは「大手のセル/モジュールメーカーは2012年出荷計画を前年比23%増としており、昨年同時期の2011年出荷計画が同40%増だったことを考えるとかなり低い。2012年上半期に見込まれている需要の伸びがこれらメーカーの出荷増加計画の裏付けとなるだろう。しかし、2012年各四半期の予測によればQ4'12には生産量の削減が必要で、結果的には2012年末までの出荷量は前年比13%増にとどまることになりそうだ」と述べている。

Solarbuzz Quarterlyによると、中国や台湾、その他地域のメーカーの生産量シェアはQ4’10の69%からQ4’11には78%に上昇しているが、Q4’12のシェアは79%で今後は穏やかな伸びに留まる見通しである。川上企業のモジュール在庫日数はQ4’11末時点で前期より24%減少したが、これは最終四半期に一部メーカーで生産が減少し出荷が増えたことによる。Q4’11の需要急騰の恩恵を得たのはおもに川下企業で、その在庫日数は81%も減少している。

垂直統合型の欧米や日本のメーカーはQ4’11で粗利益率が3四半期連続マイナス、一方で中国のファーストティアメーカーの粗利益率平均は前期の12%からQ4’11には7%に下がっている。Michael Barkerは「大手PV企業の財務状況は厳しく、これまで以上の大幅な価格下落を吸収する柔軟性はすでにない。これ以上の利益縮小を防ぐために、需給バランスを注意深く見極めることが必要になるだろう」と結んでいる。
.......... "

関連
Solarbuzz : プレスリリース

参考
German Stocks Little Changed Before U.S. Factory Report‎-----Bloomberg,Apr 4, 2012

参考エントリー
[ カテゴリー : 太陽電池 ]

[ カテゴリー : ドイツ ]

・GreenPostの過去のつぶやきから

続きを読む "Solarbuzz、世界の太陽光発電の現状と2012年度を分析。2012年は13%増にとどまる低い水準との予測も"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

Q-cells 堕つ! ドイツの太陽電池大手のQセルズが経営破綻

 日経が”独太陽電池大手が破綻 中国勢との価格競争で Qセルズ Q-cells、11年12月期の最終赤字920億円”と伝えました。1999年に創業され、ドイツの太陽光発電産業を担ってきた、まだ若い企業でした。2008年に世界シェアNo.1を取るも、2009年に赤字に転落。中国勢の低価格攻勢に敗れてという文脈が報道されます。国内市場の急激な変化(FIT価格の値下げ)もその将来に大きな陰を落としました。ドイツの有名どころで残った企業を探すほうがむずかしいと言われるぐらい、他のメーカーの倒産も続いていました。

独太陽電池大手が破綻 中国勢との価格競争で Qセルズ、11年12月期の最終赤字920億円-----日本経済新聞、2012/4/2

BBCも伝えました。

Solar panel maker Q-Cells to file for bankruptcy-----BBC News,2 April 2012

 従業員は、2000人あまり。最終損益が8億4600万ユーロ(約920億円)で法的整理の手続きに入るとのことです。以下、Qセルズ Q-cellsのリリース。

プレスリリース / Q-Cells,02 April 2012
Q-CELLS SE FILES FOR INSOLVENCY PROCEEDINGS

" Q-Cells SE will file for insolvency proceedings on Tuesday, 3 April 2012, at the competent Insolvency Court in Dessau.

Against the background of the final ruling of the Frankfurt Higher Regional Court in the Pfleiderer case on March 27, 2012, the company had come to the conclusion that no going concern prognosis is given anymore.

Following an intensive review of alternative concepts for the implementation of the financial restructuring, the Executive Board has reached the conclusion that a going concern of the company cannot be restored on a sufficiently secure legal basis. Therefore the filing for insolvency proceedings is legally necessary.

The Executive Board and the preliminary insolvency administrator will work together to secure the continuity of the company within the insolvency proceedings.
.......... "

関連
ロイター 個別銘柄情報 : Q Cells SE (QCEG.DE) (Xetra)

Bankruptcy concerns confirmed as Q-Cells cancels bondholder restructuring plans-----pv-tech.org,02 April 2012

Q-Cells Falls to Record as Company to File for Insolvency-----bloomberg,Apr 3, 2012

Solarkonzern Q-Cells ist insolvent(ドイツ語)-----diepresse.com,02.04.2012

"..Auch Deutschlands größter Hersteller , Solarworld , kämpft mit der derzeitigen Situation . "(そうだ、ドイツにはまだSolarworld社がある、、、)

参考
German Stocks Little Changed Before U.S. Factory Report‎-----Bloomberg,Apr 4, 2012

-----European Energy Exchange:(電気のお取引内容)

コメント追加
Q-cellsがこうなって、なんかだから自然エネルギーは役に立たないなどというツィートをみかけたので、EEXをご紹介。そこに流れる血がどんな血で、どのように役立つかをユーザーも把握できるシステムオペレーターが日本にも必要かと。もちろんそれを可能にするしくみが必要。
 ある方から、死に体でったQ-Cellsの整理の報に大げさなタイトルをつけたのが悪いとのお叱りをいただきました。とはいえ、一度はトップをとった企業ですと応えると、そうかもしれないと納得されました。なんにせよ、非常に高い関心(数)をいただくエントリーとなっています。ちょっと驚きです。

Germans Revise Solar PV Tariffs for 2012 and Set New Degression Schedule-----Renewable Energy World,2012/04/02

関連エントリー
ドイツの自然エネルギー / おまとめサイト #renewgermany120404-----自然エネルギー、2012/04/04

Qセルズ Q-Cells、ドイツのヨーロッパ5年連続No1の生産量を誇る太陽光発電事業者、本格的に日本市場へ”上陸”-----ソフトエネルギー、2011/04/28

太陽光発電で世界最大手の独Qセルズ、4~6月は営業赤字 / クリッピング NIKKEI NET-----自然エネルギー、2009/07/15

独Qセルズの1―6月、純利益2.1倍・太陽電池世界2位 / クリッピング NIKKEI NET-----ソフトエネルギー、2007/08/20

太陽電池世界2位、独「Qセルズ」日本進出 / クリッピング NIKKEI NET-----ソフトエネルギー、2007/07/02

太陽光発電、のびるドイツ、日本を急追するアメリカ、さらに、、、-----しなやかな技術研究会β、2007-06-25

コメント続き

続きを読む "Q-cells 堕つ! ドイツの太陽電池大手のQセルズが経営破綻"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

NEDO、太陽光発電の発電量把握のための日射量データベースなどをバージョンアップ。Web版も公開

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、太陽光発電の発電量把握のための日射量データベース、および閲覧ツールを公開しました。今回公開されたバージョンは、データベースの統計期間を更新、また地点、方位、傾斜角等を選択すれば、日射量データをより容易に表示することが可能になりました。さらに、これまでのダウンロード版に加えWEB版も公開され、より簡単に情報を得ることができるようになりました。

 太陽電池の取り付け地点での、方位、傾斜角については、最大の日射量を受ける内容を把握できるなど、太陽光発電を設置する際のおおよその日射量を把握することができるので便利です。ただし、実際の発電量については、太陽電池の実発電量のデータにより補正したり、公開されている発電効率からおおよその発電量を別途計算する必要があります。簡易でもいいので、計算式を公開していただきたかったです。

 
プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2012年3月30日
日本各地の太陽光発電量推定をより正確・容易に 日射量データベースをリニューアル

Nedopvpowera
-----image : 日射量データベース閲覧システム WEB版サイトより。上下とも-----
Nedopvradmap

" NEDOは、ホームページで公開している「日射量データベース(※)」を3月30日付でリニューアルしました。  このデータベースは、日本の800以上の地点における任意の角度、方位での月別、時間別の日射量を把握することができるものです。(1)太陽光発電システムの設置・施工事業者がパネルを取り付ける場合の発電量を推定するためのツール、(2)学生などが自分の住む場所や日本全体の日射量を学習する手段などとして広く活用されています。  今回のリニューアルでは、日射量のデータを最新のものに更新したことで、最近の気候を反映したより実態に即した発電量を推定することができるようになりました。また、より操作・利用しやすいように表示方法を変更しました。さらに、これまではデータベースを利用するためには一旦ダウンロードする必要がありましたが、今回のリニューアルではWEB上でも直接容易に使えるようになりました。

日射量データベース閲覧システムのサイト

本データベースは、一般財団法人日本気象協会に委託した事業の成果です。

1.日射量データベースのリニューアル内容
(1)データベースの統計期間の更新
 統計期間を最近のものに更新しました。これにより、より実態に即した日射量を把握することができるようになりました。
年間月別日射量データベース(MONSOLA-11) 1961年~1990年 ⇒ 1981年~2009年
年間時別日射量データベース(METPV-11) 1990年~2003年 ⇒ 1990年~2009年
(2) 表示方法の変更
 これまでは、年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)と年間時別日射量データベース(METPV-11)は、全く別のデータベースとなっていましたが、今回のリニューアルにより、どちらかのデータベースで地点、方位、傾斜角等を選択すれば、そのままもう一方のデータベースでも同地点、同条件の日射量データを容易に表示することが可能になりました。

(3)WEB機能の追加
 これまでは、本データベースを利用するためには、一旦、ダウンロードを行う必要がありましたが、インターネット上で直接データベースを操作することが可能な機能(WEB機能)を追加し、より使いやすくなりました。

(4)データ収録地点の増加
 データ収録地点数を増やし、よりきめ細かい地点の表示ができるようにしました。

年間月別日射量データベース(MONSOLA-11) 801地点 ⇒ 837地点
年間時別日射量データベース(METPV-11) 836地点 ⇒ 837地点

2.データベースの詳細について
(1) 年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)(統計期間:1981年~2009年)
 年間、月間通して得られる日射量を把握するためのデータベースです。これを用いることにより、太陽光発電モジュールへの方位角別、傾斜角別の月間総日射量を表示でき、年間・月間発電量を推計するのに役立ちます。

100485104
-----image(”年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)の画面表示例”) : 同リリースより

 また、本データベースの日射量データを日本地図上にマップ化したものを表示することができ、月別及び年平均の日射量の地理的分布を把握することができます。

100485115
-----image(”年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)の画面表示例”) : 同リリースより

100485112

-----image(”全国日射量マップの画面表示例”) : 同リリースより

(2) 年間時別日射量データベース(METPV-11)(統計期間:1990年~2009年)
 1日における時間別の日射量を把握するためのデータベースです。これを用いることにより、各時間の方位角別、傾斜角別の日射量が算出でき、方位別・傾斜別の発電量の推計に役立ちます。その他、降水量や気温等も把握することができます。

100485111
-----image(”年間時別日射量データベース(METPV-11)の画面表示例”) : 同リリースより

3.日射量データベース閲覧システムの利用案内

 本データベースはWEB版とダウンロード版があります。詳細については以下のサイトをご覧ください。
"http://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html"target="_blank">日射量データベース
.......... "

関連
日射量データベース
- 日射量データベース閲覧システム WEB版

コメント続き
 設置する太陽電池の日発電量は、以下の式でおおよそ計算できます。あくまでも目安です。

続きを読む "NEDO、太陽光発電の発電量把握のための日射量データベースなどをバージョンアップ。Web版も公開"

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2012年3月 | トップページ | 2012年5月 »