富士通、富士通グループ初となる、地中熱採熱システムを長野工場に導入
富士通は、富士通グループ初となる、地中熱採熱システムを長野工場に導入し、1月上旬より運用を開始しているということです。このシステムでは、工場敷地内の地中に採熱管を埋め込み、そこで得た地中熱を熱源として24時間稼働しているクリーンルームなどの空調用温水設備への供給に活用するということです。具体的には、工場敷地内の道路の地中に、採熱管を31本を埋め込み地中熱交換器を形成、そこで得た地中熱を熱源としてヒートポンプチラーで温水を製造。この温水を、24時間稼働しているクリーンルームなどの空調用温水設備に供給するということです。温水の熱源として地下水を直接利用するのではなく、熱交換器を使って、地中熱のみを利用しています。採熱管には最新型の波付同軸二重管方式を採用することで、高い採熱性と、さらには柔軟性に優れた素材を利用することにより地震による破損を小さく抑える効果が期待できるということです。
安定性、コスト性に優れた地中熱を利用することで、従来の設備と比較し、燃料使用量を原油換算で年間約47キロリットル(kL)、CO2排出量を年間約120トン(t)削減する効果を見込んでいるということです。
海外の事例を見ていると、工場や学校などの施設でさまざまなタイプの地中熱の利用により、エネルギーの効率的な運用を行っている、または行おうとしている事例を数多くみかけますが、あまり国内での実例や資料が内ないように思います。場合によっては、地熱の発電利用よりも、こうした地中熱の利用を強く奨励する文章もみかけます。少しずつ情報を集めようと考えています。(2t)
プレスリリース / 富士通、2012年1月4日
・富士通グループ初となる、地中熱採熱システムを長野工場に導入
-----image(”地中熱採熱システムの仕組み”) : 同リリースより
" 自然エネルギーの有効活用により燃料使用量、CO2排出量を削減..........地中熱を採熱するシステムを富士通グループで初めて長野工場(長野県長野市)に導入し、1月上旬より運用を開始します。
本システムは、工場敷地内の地中に採熱管を埋め込み、そこで得た地中熱を熱源として24時間稼働しているクリーンルームなどの空調用温水設備への供給に活用します。安定性、コスト性に優れた地中熱を利用することで、従来の設備と比較し、燃料使用量を原油換算で年間約47キロリットル(kL)、CO2排出量を年間約120トン(t)削減すると見込んでいます。
今後、本システムの効果検証と運用ノウハウの取得を行い、富士通グループの拠点への横展開を検討していきます。
富士通グループは、第6期富士通グループ環境行動計画において再生可能エネルギーの利用拡大を推進しており、これまでも、館林データセンターや川崎工場などで太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入しています。このたび、省エネルギー化やCO2排出量の削減、また運用ノウハウの取得を目指し、富士通の施設・管理業務を担う富士通ファシリティーズと共同で、主に当社のプリント基板を製造・開発している長野工場に、安定性、コスト性に優れた地中熱採熱システムを導入します。これまで富士通グループにおける自然エネルギーの利用先は、オフィススペースなどを対象としていましたが、本システムでは製造工場のクリーンルームの空調用温水設備への供給に活用する初めての試みとなります。
地中熱採熱システムについて
本システムは、工場敷地内の道路の地中に、採熱管を31本埋め込み地中熱交換器を形成、そこで得た地中熱を熱源としてヒートポンプチラー(注3)で温水を製造し、24時間稼働しているクリーンルームなどの空調用温水設備に供給します。温水の熱源として地下水を直接利用するのではなく、地中熱のみを利用するのが特長です。また、採熱管には最新型の波付同軸二重管方式を採用することで、採熱性が高く、さらに柔軟性に優れた素材により地震による破損が小さいというメリットがあります。地中熱採熱システムの導入により、従来のガスボイラーシステムによる温水製造と比較して、原油換算で年間約47kL、CO2排出量を年間約120t削減することが可能です。
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注3 ヒートポンプチラー:
ビルや工場などの空調に使用する冷水および温水をつくる電気機器。
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参考エントリー
・JFEエンジニアリング、地中熱空調用汎用ヒートポンプユニット「GeoTOPIA(ジオトピア)」商用化-----ソフトエネルギー、2011/08/24
[ 温泉、地熱、地中熱 ]
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