« 再生可能エネルギーに関する内閣府行政刷新会議の規制緩和内容、まもなく閣議決定か? | トップページ | オムロン、利用太陽電池を問わず太陽光発電システムの発電量と異常の検知をサポートする事業を開始 »

シャープと新日鉄マテリアルズ、太陽電池用多結晶シリコン原料製造販売の共同事業会社、NSソーラーマテリアルの解散を発表

 ウォールストリートジャーナルは28日、「台湾の電子機器受託製造最大手、鴻海グループに自社株10%近くを譲渡し、筆頭株主に迎えるとのシャープの決定は、かつて業界を支配していた日本の電子産業がいかに凋落したかを浮き彫りにするものだ」と伝えた。

日本電子産業の凋落浮き彫りに-台湾企業のシャープ出資-----ウォールストリートジャーナル、2012年 3月 28日

 液晶での世界市場での日本企業の苦戦、そして、、、、。昨年末の時点では、まだシャープの大型液晶の可能性が報じられていたと記憶しているし、中小液晶だって、国内のジャパンディスプレイ連合に追い上げられていたり、海外での業績の悪化が知られていたとしても、、、。まだ期待を持っていたので、驚きました。

 今回の報道を聞いて、やっぱりー、という気持ちとともに、世界市場に挑む太陽電池メーカーとしての今後にも考えがおよびました。太陽電池事業は今後どうなっていくのだろうか? そして、28日に、以下の発表が行われました。

 シャープは、新日鉄マテリアルズとともに、太陽電池用の多結晶シリコン原料製造販売事業に、共同事業会社、NSソーラーマテリアルを設立し取り組んできたということです。両社は、2012年9月末に製造を中止し、2014年3月末を目途に会社を解散することを発表しました。
 また、冶金法による多結晶シリコン原料製造技術については、評価する海外メーカーもあることから、設備及び特許を含む技術は売却していく予定とのことです。
 単結晶、多結晶太陽電池に取り組んできたシャープ。今後のラインナップへの影響が気になります。非結晶系への展開はどうするのでしょうか?

 太陽光発電事業での、今後の展開に注目し、期待もしています。日本企業の太陽電池メーカーの凋落ということもあって、あまり最近はシェアのデーターも追っかけていませんでした。すぐにわかるWikipediaのデーターでは、2010年の太陽電池セル製造シェアトップ10に入っているのは、8位にシャープ3.1%。10位に京セラ2.7%となっています。あとは、ほぼ中国、台湾です。

 今年、数年は国内市場は拡大するでしょうが、その次5年後、10年後にどうなるか、、、。どの業界も大変な状況です。

プレスリリース / シャープ、2012年3月28日
NSソーラーマテリアル株式会社の解散について

" 新日鉄マテリアルズ株式会社(以下、「新日鉄マテリアルズ」)、シャープ株式会社(以下、「シャープ」)他は、太陽電池用多結晶シリコン原料製造販売を目的とした共同事業会社であるNSソーラーマテリアル株式会社(以下、「NSソーラーマテリアル」)について、2012年9月末に製造を中止するとともに、2014年3月末を目途に会社を解散することといたしましたので、お知らせいたします。

1.背景・経緯
新日鉄マテリアルズ及びシャープは、製鉄プロセスでの冶金技術を活かした、低廉な多結晶シリコン原料の製造販売を目的にNSソーラーマテリアルを2006年に設立し、運営してまいりました。しかしながら、多結晶シリコンは、世界市場の7割を占める欧州が債務危機を抱え、需要が停滞するとともに、中国等の能力増強により大幅な需給ギャップが生じたため、昨年半ばから市況が急落し、当分の間は回復が見込めない状況にあります。こうした中で、事業継続を図るべく、徹底したコスト低減等をおこなってまいりましたが、収益確保の可能性は極めて厳しいと判断し、株主間でNSソーラーマテリアルでの太陽電池用多結晶シリコン原料製造を中止し、会社を解散することで合意に至りました。
 なお、これまでの開発・操業を通じて確立した、冶金法による多結晶シリコン原料製造技術については、評価する海外メーカーもあることから、設備及び特許を含む技術は売却していく予定です。
2.今後の予定

2012年9月末に生産終了。2014年3月末を目途に会社解散を予定。
3.業績への影響

上記措置に伴い、両社は2012年3月期決算において、事業整理損失を見込んでおります。

【参考】NSソーラーマテリアル株式会社の概要

本社所在地 福岡県北九州市戸畑区中原46-59
..........
設立年月 2006年6月30日
資本金 310百万円
事業内容 多結晶シリコン原料製造販売事業
.......... "

関連
鴻海グループとの戦略的グローバル・パートナーシップの構築について-----シャープ、2012年3月27日

シャープ : 太陽電池モジュール

新日鉄マテリアルズ

・Wikipedia : 太陽光発電の市場動向

関連エントリー
ソフトバンクグループのSBエナジー、京都市2.1MW×2基、群馬県榛東村2.4MW、徳島県2.8MW×2基メガソーラー建設計画を発表-----ソフトエネルギー、2012/03/06

シャープ、ACコンセントおよび太陽電池からの充電に対応した500Whリチウムバッテリー搭載のバックアップ電源用システムモジュールを開発、発売-----ソフトエネルギー、2012/02/02

シャープ、化合物3接合型太陽電池で世界最高変換効率36.9%を達成-----ソフトエネルギー、2011/11/07

追加情報
シャープ、イタリア現地合弁会社で5ヶ所の合計約14.4MWの大規模太陽光発電所を稼動-----再生可能エネルギー GreenPost、2012-04-12

-----Google GreenPostサイト内検索 : シャープ-----



ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。





greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2

[PR]

|

« 再生可能エネルギーに関する内閣府行政刷新会議の規制緩和内容、まもなく閣議決定か? | トップページ | オムロン、利用太陽電池を問わず太陽光発電システムの発電量と異常の検知をサポートする事業を開始 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: シャープと新日鉄マテリアルズ、太陽電池用多結晶シリコン原料製造販売の共同事業会社、NSソーラーマテリアルの解散を発表:

« 再生可能エネルギーに関する内閣府行政刷新会議の規制緩和内容、まもなく閣議決定か? | トップページ | オムロン、利用太陽電池を問わず太陽光発電システムの発電量と異常の検知をサポートする事業を開始 »