北九州市、九州工業大ら、関門海峡で1.4kW三連垂直軸潮流発電機のテストを実施
読売新聞をはじめ、各紙で北九州市の関門海峡潮流発電設置推進事業が取り上げられました。
・関門海峡の潮流で発電実験、実用化へデータ収集-----読売新聞、2012年3月18日
ということで、下のクリッピング記事を書きました。
・関門海峡で、北九州市や九州工業大が潮流発電機の実験を開始-----再生可能エネルギー GreenPost,2012-03-19
" 記事によれば、実験機は、コンクリート製の台座を含め、高さ6・7メートル、重さは23・7トン置場所は岸壁から約30メートル沖で、満潮時の水深は3・6メートル。最大1・3メートルの潮流があるとのことです。しかし、一般家庭が使う電気の約半分を生み出せるという程度の電力を発生できるということですから、海外の先進、実用化が決まっている潮流発電システムにくらべれば、ほんとうに小さな規模での出発です。 "
今回の実験についての具体的な情報を探していたところ、以下の北九州産業学術推進機構のリリースに、より具体的な内容が記載されていたので、こちらのソフトエネルギーにもクリッピングしておきます。
この関門海峡潮流発電設置推進事業の実施は、九州工業大学(平木研究室)、九州テクノリサーチ、北九州市で、事業費は2千万円。テスト場の桟橋付近の最大流速は、毎秒 1.3m(H22 年度調査より)。実験機最大出力(想定) は、最大流速時 1.4kW。形状は、垂直軸の風力発電機のような形状で、下の図のように3台が組み込まれています。発生電力は、工場内のレンガ倉庫のライトアップに使用する予定だということです。
・関門海峡潮流発電設置推進事業潮流発電実験機の設置工事について-----北九州産業学術推進機構、2012年3月12日
" 北九州市では、平成23年度、九州工業大学(平木研究室)、㈱九州テクノリサーチとともに、ニッカウヰスキー㈱の協力も得て、潮流発電に関する共同研究を実施しています。このたび、潮流発電実験機をニッカウヰスキー㈱門司工場桟橋横に設置することとなりましたのでお知らせします。
今回設置する潮流発電実験機は、(財)北九州産業学術推進機構(FAIS)が実施している低炭素社会の構築を目指した実証・研究開発への支援を受けて開発しました。1.日時
平成24年3月16日(金)8:45~15:00
9:00~ 実験機の台船への積込み開始(小森江3号物揚場)
12:00~13:00 据付け現場まで曳航、台船の固定
13:00~14:00 実験機の据付け(ニッカウヰスキー㈱門司工場桟橋横)
※海上工事のため気象状況により日程変更、時間変更がありえます。2.設置工事概要
潮流発電実験機を、小森江3号物揚場からクレーン付台船に積み込んで運搬し、ニッカウヰスキー㈱門司工場(福岡県北九州市門司区大里元町2?1)の桟橋横に設置する工事参考資料
関門海峡潮流発電設置推進事業[pdf]
”1 関門海峡の潮流について
潮流発電とは、潮の流れをプロペラ等で受け風力発電と同じ原理で発電するもので、潮流の速さと流れる水量によって、どれくらい発電可能なのか等がわかる。関門海峡は潮流の速さが最大で毎秒 4.8m(めかり付近)程あり、国内でも有数の潮流が速い海峡である。平成 22 年度に総務省「緑の分権改革」推進事業を活用し調査を実施し、流速等のデータや法規制等の基礎的調査、実証実験の候補地選定を行った。その結果、流速は落ちるものの、制約の少ないニッカウヰスキー門司工場桟橋が適当との結論を得た。
平成 23 年度、九州工業大学(平木研究室)、㈱九州テクノリサーチ、北九州市の3者で、ニッカウヰスキー㈱の協力を得て、同海域において極めて先端的な潮流発電の共同研究を開始。
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2 ニッカウヰスキー㈱門司工場における実証研究
・桟橋付近の最大流速 毎秒 1.3m(H22 年度調査より)
・実験機最大出力(想定) ※最大流速時 1.4kW
・2 段の垂直軸水車を 2 つ並べて配置し、満潮時に水車部分が全没するよう海底に固定。
・発電状況を確認するほか、メンテナンス頻度やコスト等の課題を整理する。
・発生電力は、工場内のレンガ倉庫のライトアップに使用する予定。
・事業費:計2千万円
①九州工業大学(平木研究室)と㈱九州テクノリサーチが共同で FAIS(財団法人北九州産業学術推進機構)の「平成 23 年度低炭素化技術拠点形成事業『ミニ実証事業』」により1千万円の補助を受け実施。
②本市予算から設置工事費等(1 千万円)を支出。《参考》本事業は以下の関係者の連携により実施している。
・九州工業大学(平木研究室)・・・実験機設計・製作及びデータ分析
・ニッカウヰスキー㈱・・・実験に必要な桟橋等の施設の使用につき協力及びライトアップ用 LED 照明の設置
・㈱九州テクノリサーチ・・・実験機製作の総括
・北九州市環境局・・・・事業の総括、実験機の設置及び広報
・北九州市港湾空港局港湾工事センター・・・海上工事に係る設計・施工
.......... ”グリーンイノベーション研究拠点の形成 学研都市の取り組み[pdf]
潮流発電設置工事 発表資料本文[pdf]
関連
・九州工業大学 : 工学研究院 機械知能工学研究系 准教授:平木 講儒
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分野
宇宙工学、機械力学、流体工学
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今後進めたい研究
『関門海峡での潮流発電』
太陽光発電では日射、風力発電では風量と、気象条件の影響を受けるのに対し、必ず生じる潮流を利用する発電法に注目しています。関門海峡という地の利を活かした自然エネルギの利用をぜひ実現したいと考えています。
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潮流発電とは
潮流発電とは、潮の流れをプロペラ等で受け、風力発電と同じ原理で発電するもので、自然エネルギーの一つです。現在、国内では大学等の研究機関や一部の企業等で実用化を目指した研究、開発がされています。
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関門海峡における潮流発電に関する概要資料
関門海峡における潮流発電について(PDF形式:76KB)
「緑の分権改革」推進事業報告書(関門海峡潮流調査:概要版)(PDF形式:1754KB)
潮流発電実証実験の概要について(PDF形式:1380KB)
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・北九州の水力 九州工業大学 関門橋潮流発電------水で繋がる北九州、訪問日2011年7月13日
参考エントリー
・海洋エネルギー資源利用推進機構、イギリス EMEC のアドバイスを受けながら海洋エネルギー開発のための実証実験場を整備-----ソフトエネルギー、2012/03/13
・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、潮流・海流、波力、海洋温度差などの海洋エネルギー発電システムなどの海洋エネルギー開発の実証研究実施体制を発表-----自然エネルギー、2011/10/21
・川崎重工、海洋エネルギー開発、潮流発電システム開発に着手-----ソフトエネルギー、2011/10/21
・東芝、IHI、東京大学、三井物産戦略研究所、新方式水中浮体方式による海流発電システムの開発に着手-----ソフトエネルギー、2011/11/29
・三菱重工鉄構エンジニアリング、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始-----ソフトエネルギー、2011/11/18
[ カテゴリー : 潮汐力・海流など海洋エネルギー ]
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