JFEエンジニアリング、福島県土湯温泉における温泉バイナリー発電の事業化調査に着手
環境省の第三次補正予算による、再生可能エネルギー事業計画の策定のための各種調査・検討等を実施する平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務に、湯遊つちゆ温泉協同組合、JFEエンジニアリングなどの福島県土湯温泉における温泉バイナリー発電の事業化調査が採択され、調査が実施されるとのことです。
土湯温泉は、東日本大震災と原子力発電所事故の影響で地域経済を支える観光産業が大きな影響を受け、早期復興による地域経済の活性化が期待されています。
今回の調査では、投入した高温流体の成分や流量を変動させることなく回収できるため、温泉の効能や湯量に影響をもたらさないバイナリー発電により、源泉から噴出する約150℃を活用し、新たな温泉発電の実現に向けての調査が行われます。将来的には1000kW級の地熱発電所も視野に、土湯温泉の電力需要を全て賄える規模の発電事業の実現を目標とするということです。
プレスリリース / JFEエンジニアリング、2012年01月27日
・福島県土湯温泉における温泉バイナリー発電の事業化調査に着手
-----image(”温泉発電の仕組み”) : 同リリースより
" 湯遊つちゆ温泉協同組合(略)、有限会社宝輪プラント工業(略)およびJFEエンジニアリング株式会社(略)の申請者三者は、このたび、環境省より「平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務(以下、本業務)」を受託し、福島県福島市土湯温泉町における温泉バイナリー発電の事業化へ向けた調査業務に着手しました。土湯温泉では、東日本大震災と原子力発電所事故の影響で地域経済を支える観光産業が大きな影響を受けており、早期復興による地域経済の活性化が急がれています。こうした中、地域復興と安心して住み続けられるまちづくりのために設立された土湯温泉町復興再生協議会(略)は「土湯温泉町復興再生計画」を策定し推進しております。一方、環境省では、被災地において再生可能エネルギーの導入を加速し、地球温暖化に配慮した復興を目的として調査検討を実施しています。
本業務は、その施策のひとつとして、温泉の未利用分の熱エネルギーを使う温泉発電を導入し、エネルギー地産地消のモデル地域づくりの実現を目指すものです。本業務においては、湯遊つちゆ温泉協同組合が所有する源泉から噴出する約150℃の温泉資源を利用し、環境負荷の低いバイナリー発電設備※を用いた発電事業を目指して、調査・調整を実施します。
湯遊つちゆ温泉協同組合は、本業務の全体とりまとめ及び地域社会との調整を行います。有限会社宝輪プラント工業は、土湯温泉をはじめ各地の源泉坑井の建設・保守・管理に携わってきた知見を活かし、坑井利用計画および資源量調査を主導します。JFEエンジニアリング株式会社は、再生可能エネルギー分野における数多くの実績を活かし、温泉発電設備の設計・検討を担当します。
三者は、本業務の成果を基に、概ね2年後に500kW級の発電事業の開始を目指します。また、将来的には1000kW級に拡大することで、土湯温泉の電力需要を全て賄える規模の発電事業の実現を目標としています。
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-----image(”上-土湯温泉、下-源泉”) : 同リリースより-----
※バイナリー発電設備
高温流体の熱を用いて低沸点媒体を沸騰させタービンを回し発電する設備。高温流体のサイクルと低沸点媒体の2つの(バイナリー)サイクルを持つことからバイナリー発電という。投入した高温流体の成分や流量を変動させることなく回収できるため、温泉の効能や湯量に影響をもたらさない。
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関連
・平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務の採択案件について(お知らせ)-----環境省、平成24年1月13日
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.....平成23年度第三次補正予算により、 再生可能エネルギー事業計画の策定のための各種調査・検討等を実施.....平成23年11月11日から12月9日までの公募期間に応募のあった44件の提案について審査を 行った結果、8件を採択.....
湯遊つちゆ温泉協同組合 福島県福島市 地熱(温泉熱)
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-----image : 上記リリースより「添付資料 120113採択提案者一覧[PDF 27KB]より平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務 採択提案者一覧」
・“温泉発電”の参入相次ぐ エネルギー地産地消、低コストが魅力-----Sankei Biz,2012.2.6
・福島第1原発:土湯温泉、地熱発電導入で街再興目指す-----毎日jp,2012年1月30日
追加情報
・土湯温泉で温泉バイナリー発電設備を受注 ~石油天然ガス・金属鉱物資源機構による地熱発電で初の債務保証対象事業に採択-----JFEエンジニアリング、2014年5月22日
・経産省、福島県と大分県の地熱バイナリー発電2案件にJOGMEC経由の初の債務保証を決定-----ソフトエネルギー、2014/04/03
参考エントリー
・2/22まで 環境省、温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)案に対する意見を募集-----自然エネルギー、2012/02/07
・環境省、松之山温泉における87kWバイナリー温泉発電設備の実証施設の開所式を実施-----ソフトエネルギー、2011/12/19
・川崎重工と九州電力、250KW小規模地熱バイナリー発電設備実証試験を開始-----ソフトエネルギー、2011/09/01
・岩手県八幡平市と日本重化学工業、地熱エンジニアリング、JFEエンジニアリング、八幡平で地熱発電事業化に関する協定を締結-----ソフトエネルギー、2011/07/19
・新潟県松之山温泉でバイナリー地熱発電の実証研究が行われます-----ソフトエネルギー、2010/04/23
・環境省、平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査の結果を公表-----ソフトエネルギー、2011/04/22
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