東北電力、京セラ1MWp多結晶、東芝0.5MWpの合計1.5MWpの八戸太陽光発電所の運転を前倒し年内開始へ

　東北電力は、来年1月完成予定だった1.5MWpの八戸太陽光発電所の運転を前倒し年内12月20日の運転開始をアナウンスしました。本来は、2月に同時に計画が発表された2MWpの七ヶ浜の仙台太陽光発電所と同時完成の予定でしたが、震災と電力事情を受けて前倒しによる運転開始となったようです。

　八戸太陽光発電所の1.5MWpの内訳は、1MWpが京セラの多結晶シリコン太陽電池、残りの0.5MWp分が東芝の薄膜太陽電池となっています。ちなみに、続いて開所予定の仙台太陽光発電所の、2MWp分はすべて京セラの多結晶が利用されるということです。

　Googleマップを見るとすでに工事が始まっている様子が見えます。どの段階の写真でしょうか？
　
　なお、東北電力では、2020年までに合計10MWp程度のメガソーラー発電所を建設する予定であるということです。2012年の頭の段階で、八戸太陽光発電所の1.5MWp。さらに仙台太陽光発電所の2MWpと、合計3.5MWpとそろいます。こちらの計画も是非”前倒し”して、取組んでいただきたいところです。

プレスリリース / 東北電力、平成23年11月25日
・八戸太陽光発電所の運転開始時期の前倒しについて

" .....初のメガソーラー発電所である八戸太陽光発電所（出力１，５００ｋＷ）の運転開始時期を平成２４年１月としておりましたが、工程等を精査した結果、平成２３年１２月２０日に前倒しすることといたしました。
..........
今後とも、平成２３年１２月２０日の運転開始を目指し、鋭意工事を進めてまいります。

　なお、八戸太陽光発電所の概要は以下のとおりです。

名称 八戸太陽光発電所
所在地 青森県八戸市大字河原木
出力 １，５００ｋＷ
太陽電池
パネル 多結晶シリコン（１，０００ｋＷ）
薄膜系シリコン　　（２５０ｋＷ）
薄膜系化合物　　　（２５０ｋＷ）
発電電力量 約１６０万ｋＷｈ／年
（一般家庭約５００世帯分の年間使用電力量に相当）
工事開始 平成２３年２月
.......... "

関連
・八戸太陽光発電所、仙台太陽光発電所の新設工事の着工について～当社初のメガソーラー発電所計画が前進～-----東北電力、平成23年 2月25日

-----image : 上記リリースより

・東北電力「仙台太陽光発電所」、「八戸太陽光発電所」メガソーラーシステム向けに京セラ製多結晶太陽電池モジュール計3.0MW分を供給-----京セラ、2011年2月7日

" .....東北電力株式会社が建設する「仙台太陽光発電所」（宮城県七ヶ浜町）に対し2.0MW、「八戸太陽光発電所」（青森県八戸市）に対し総出力1.5MWのうち1.0MWの太陽電池モジュール計3.0MW分を供給します..... "

・東北電力株式会社「八戸太陽光発電所」の発電システム受注について-----東芝、2010年09月27日

コメント続き

　東北電力でんき予報のサイトをみると、2011/12/8のピーク消費は、17:00時の1163万kW。同社の予想最大が17:00時の1170万kWで、ピーク時供給力は、1241万kW、供給予備率6.1%ということでした。原子力発電は、すべて停止中なので、火力発電以外としては、水力発電、そして風力と今回加わる太陽光発電となります。太陽光発電は、原町太陽光発電所の1MWpクラスが来年にも着工予定です。八戸、仙台、そして原町で合計約4.5MWpになります。
　現状は、火力、水力、地熱、風力、そしてこれから稼動する太陽光となります。今年は、震災と福一の過酷事故により計画停電を私たちは経験しました。そのなかで、刻々とみんなの消費量と発電量を比較するという、普通では専門家しか把握していないようなことを、結構な数の人々が注視しました。
　発電と消費。そのバランスが、いかに微妙であるか、初めて気づいた人もいました。果ては、火力発電を意識することから、世界の化石燃料市場の動向までも注目する人もいました。世界の資源、それに依存して私たちの暮らしが成立してきたことを知ったこと。それは、今回の3.11の大震災と津波、さらに追い討ちをかけた現在も続く核汚染と原子力発電所の過酷事故というまさに未曾有の国難の中で、社会の学びの中で多少とも得るところがあったとしたら、人々がエネルギーをこれほどまでに意識した経験というのが、一つあげられるかもしれません。

　とはいえ、この経験からまたほうっておけば、再度の地震などがなければ、風化してしまうかもしれません。
　よく、エネルギーに関心のある人の間で話題になるのは、各発電源の発電量内訳をリアルタイムにエンドユーザーにも見せてくれるしくみができないかということです。今、火力発電はどれぐらい、水力、風力、地熱、そして太陽光発電はどれくらい発電しているのか？　それをリアルタイムに示してくれることです。私たちは、今も電気を電力会社から購入するお客です。お客とサービスを提供する電力会社の利害は、発電源の”内容”により、地域が崩壊するぐらいの停電、核汚染など致命的な問題が生じることが現実となった今、そのサービスの中身を知りたいと思うのは当然な気がします。

　そして、実際に発電量と消費量を、変化する風、太陽光の量により調節するとなれば、より精度の高い、リアルタイムの需給調整が必要となります。ですから、それを一般に公開するというのも、する気にさえなれば、何の障害もなく可能だと思います。

　例えば、スペインの送電企業であるRed Electricaのサイトには、毎日の発電量のバランスがリアルタイムに「Details of the real-time generation structure」として、発表されています。風が吹けば風力の数字があがり、火力が落ちるという具合です。

・Red Electrica : New electricity balance report for the Spanish peninsula
　-　Power demand tracking in real time

　これだと、わかりやすいだけでなく、自分と地域がどんな電力の内容で暮らしているのかが一目でわかります。こうした内容がわかる状況を実現しようとすることで、日本の電力の姿は変わっていくと思います。(2t)

参考
・東北電力でんき予報

・東北電力 : 企業グループ一覧 (発電)

・スペインのTorresol Energy、19.9MWタワー集光型太陽熱発電所 ヘマソラール Gemasolar Plant操業開始-----ソフトエネルギー、2011/10/12

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