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ローコストな浮体式垂直軸風力発電の可能性。秋元博路教授らの論文が発表された

 日本人の研究者たちが、浮体式垂直軸風力発電機をローコストに実現できる可能性のあるデザインについて研究していることが科学ジャーナル、environmentalresearchweb.orgのサイトに掲載されました。

Floating-axis wind turbine could cut offshore costs-----environmentalresearchweb.org,Nov 28, 2011

Environmentalresearchweb_orgsite
-----image : 上記サイト

 論文は、以下。この論文では今日本で大震災、そして福島第一原子力発電所の事故を請けて、東北沖などでの実証実験が注目されている浮体式浮力発電機についての研究です。

研究論文 / Hiromichi Akimoto1, Kenji Tanaka and Kiyoshi Uzawa,23 November 2011(Environmental Research Letters)
Floating axis wind turbines for offshore power generation----a conceptual study

 浮体式 フローティング洋上風力発電設備への期待は、3.11以降世界的に高まっています。しかし、求められる技術的な課題と割高になるコストからその実現化については、困難を指摘する声も多いのです。海には波があり風がある、嵐の時の海の様相はそこにいなければならないとしたら、想像を絶する過酷な世界です。そんな環境で安定して発電する風力発電機は可能なのか? しかもよりローコストで、、、、

 この論文は、はじめから傾いていて、はじめから海に一部が没しているような不思議なデザインの垂直軸風力発電機の可能性について、科学的な考察を行おうとしています。この論文は、元東京大学大学院工学系研究科環境海洋工学専攻助教授、現KAIST(Korea Advanced Institute of Science & Technology)の研究者である、秋元博路教授と出身校である東京大学の研究者の共著という形で発表されています。このはじめから傾いたような垂直軸の風車は、過酷な環境で運転が可能で、しかも他の方式の5-6割程度のコストで建設できるということです。KAISTの秋元博路教授は、東京大学時代表面効果翼船(WISES)という海上を”飛行する”船のユニークな研究開発で知られる方です。このデザインに説得力を感じたので、クリッピングしておきます。(2t)

関連
Hiromichi AKIMOTO/ Renewable energy

・YouTube : Floating Axis Wind Turbine (浮体式洋上風力発電, FAWT)


参考
KAIST(Korea Advanced Institute of Science & Technology) : Hiromichi Akimoto, Ph.D

海上を時速400kmで走る“新幹線”に挑む秋元博路-----リクナビ NEXT Tech総研、09.04.09

関連エントリー

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東芝、IHI、東京大学、三井物産戦略研究所、新方式水中浮体方式による海流発電システムの開発に着手

 東芝、IHI、東京大学、三井物産戦略研究所は、NEDOが公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に連名で応募し、委託予定先に採択された。これにより、新方式水中浮体方式による海流発電システムの開発に着手すると発表しました。同じく委託先に採択された、川崎重工三菱重工鉄構エンジニアリングなどとならび、わが国の21世紀に入ってからの新しい海洋エネルギー開発への取り組みとして成果をあげることが期待されます。

 新方式水中浮体方式については、参考であげた、東京大学 新領域創成科学研究科 海洋技術環境学 高木健教授研究室の資料に2重反転タービン式海流発電装置の情報があがっています。今回発表されたものとは形状が違いますが、なんとなくアイディアは理解できました。海流発電機は、海底にケーブルで固定され、まるで凧のように海流で舞い上がり、先端のタービンが回転して発電する構造のようです。アイディアとしては、二連のタービンが検討されているようです。

プレスリリース / 東芝、2011年11月28日
「海流発電システム」の開発に着手

Kairyuu_web2
-----image(”図2 水中浮体方式の海流発電システム”) : 同リリースより

" NEDOが公募した「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択
株式会社IHI(略)及び株式会社東芝(略)、国立大学法人東京大学(新領域創成科学研究科 海洋技術環境学 高木健教授)、株式会社三井物産戦略研究所(略)は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に連名で応募し、このたび、「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択されました。
 我が国は、黒潮などの海流が年間を通じて沿岸付近を流れているため、この巨大なエネルギーを利用することにより、自国の自然エネルギーを利用したクリーンな安定電源を新たに構築することができると期待されています (図1)。
 本事業は、この海流エネルギーを有効、かつ経済的に利用するべく、水中浮体方式の海流発電システム(図2)の要素技術を開発するとともに、事業性評価等を実施して将来の海流発電の実用化を目指すもので、本発電方式は下記の優れた特徴を有します。

(1)昼夜や季節による流れの速さ・向きの変動が少ない安定した海洋エネルギーを、長期かつ連続的に利用できることで、年間を通じて安定的な発電が可能で、大きな発電電力量も期待できる。
(2)発電装置を海底から係留し、海中に浮遊させることで、波浪の影響を受けずに安定した水深での 運用が可能となり、船舶の航行にも支障を及ぼさない。また,簡便な係留が可能となることから設置が容易であり、コスト競争力に優れている。
(3)対向回転する双発式の水中タービンを採用するため、タービンの回転に伴う回転トルクを相殺でき、海中で安定した姿勢を保持して、効率的に発電が可能である。
(4)保守整備時には,タービンの向きと浮力を調整することで、必要に応じて海上に浮上させることができるため、メンテナンスや修理が容易である。

 今後、海洋における再生可能エネルギー利用による持続可能なエネルギー社会の実現を目指して、海流発電システムの研究開発を進めてまいります。

Japan_web
-----image(”図1 黒潮の流速分布例”) : 同リリースより
.......... "

関連
東京大学大学院新領域創成科学研究科 / 海洋技術環境学専攻海洋技術政策学分野 高木 健教授 研究室 - 東京大学 : 海洋技術によるグリーン・イノベーション

”2重反転タービン式海流発電装置”

「海流発電システム」の開発に着手 ~NEDOが公募した「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択~-----IHI、2011年11月28日

NEDOが公募した「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択-----三井物産戦略研究所、2011年11月28日

追加情報
「海流発電システム」の実証研究を開始 NEDOによる「海洋エネルギー技術研究開発」の共同研究予定先として-----東芝、2014年12月25日

"..........今回、IHIと東芝の独自の技術である水中浮遊式海流発電システムについて、2017年度までに実海域における発電実証に取り組み、近い将来に海洋エネルギー発電技術を実現して、ゆくゆくは海洋エネルギー産業の新規創出と、エネルギーセキュリティーの向上に貢献することを目指します。

 水中浮遊式海流発電システム(図1)は、対向回転する双発式のタービンを装備した発電装置を海底から係留して海中に凧のように浮遊させるものです。共同研究においては、IHIはタービン、浮体などの製造を行い、かつ幹事会社として全体をとりまとめ、東芝は発電機や変圧器などの電気機器を製造します。
.......... "


参考エントリー
三菱重工鉄構エンジニアリング、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始-----ソフトエネルギー、2011/11/18

川崎重工、海洋エネルギー開発、潮流発電システム開発に着手-----ソフトエネルギー、2011/10/21

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パナソニック、マレーシアに年産300MWのウエハ、セル、モジュールの一貫生産が可能な太陽電池の生産工場を建設へ

 パナソニックは、マレーシアに年産300MWのウエハ、セル、モジュールの一貫生産が可能なHIT太陽電池の生産工場を建設すると発表しました。生産開始予定は、2012年12月で、国内外で予想される旺盛な需要に応えるためということです。

プレスリリース / パナソニック、2011年11月25日
マレーシアに太陽電池工場を新設 ウエハからセル、モジュールまで一貫生産へ

" 2012年 国内トップシェア35%以上をめざす

 パナソニック株式会社は、2011年12月、マレーシアにパナソニック エナジー マレーシア株式会社(所在地:マレーシア ケダ州 クリム ハイテクパーク工業団地)を設立し、太陽電池生産の新たな拠点として、ウエハからセル、モジュールまで一貫生産を行う新工場を建設します。 新工場の年間生産能力は300MWを予定しており、2012年12月より生産を開始します。投資金額は450億円です。

太陽電池市場は、世界的な環境意識の高まりや、日本をはじめ各国における補助金制度・電力買取制度の導入等によって、今後もさらなる拡大が見込まれており、特に、HIT(R)太陽電池の主戦場である住宅用を中心に旺盛な需要が期待されます。

当社は、今回の新工場建設により、太陽電池の生産量を拡大し、市場の要請に応えるとともに、ウエハ、セル、モジュールの一貫生産を実現することで、コスト競争力のさらなる強化を図ります。
さらに、これまでのモジュール販売に加え、蓄電池等を組み合わせたシステム販売や、パナソニックグループの総合力による「まるごとソリューション事業」との連携により、グローバル展開を加速してまいります。

■新会社概要

【会社名】パナソニック エナジー マレーシア株式会社
Panasonic Energy Malaysia Sdn. Bhd.
【所在地】マレーシア ケダ州 クリム ハイテクパーク工業団地
【設立時期】2011年12月(生産開始2012年12月)
【資本金】 9億2,000万リンギット(約225億円)
【出資形態】パナソニック アジアパシフィック株式会社 100%
【事業内容】HIT(R)太陽電池の生産(ウエハ、セル、モジュールの一貫生産)
【建屋面積】約7万平米
【従業員数】1,500名程度
【生産能力】年産300MW
.......... "

関連
パナソニック : 太陽光発電システム

三洋電機 : 住宅用太陽光発電

関連エントリー
パナソニックと三洋電機、資本業務提携。HITパネル太陽電池はどうなる?-----ソフトエネルギー、2008/12/22

パナソニックの三洋電機の買収交渉のゆくえ / 自然エネルギー-国内ニュース-----自然エネルギー、2008/12/02

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ヴェスタス Vestas、累計1000基の3MW風力発電機 V112-3.0MW を販売。1機種1GW越えの快挙

 中国企業の躍進が風力発電の分野でも伝えられる中で、業界で十数パーセントの世界シェアを守りながら世界一の風力発電機メーカーであり続けるヴェスタス Vestasが3MWの風力発電機 V112-3.0 MW を累計1000台以上、総計1GW越えを果たしたと発表しました。

Vestas : Celebrating the 1000MW milestone of the V112-3.0MW(2011/10/17)
Vestas10003mw
-----image : 上記サイト

 この世界No.1風車メーカーのラインナップはすごい。これだけのラインナップをそろえていること自体驚きです。

Vestasturvine_overview
-----image : Vestasサイトより風力発電機ラインナップ-----Turbine OverviewDownload brochures

 そして、今後は陸に加えて海洋への展開、さらなる大型風力発電機への取り組みを強化し、中国、アメリカでの展開を図るということです。さびしいのは、同社の日本語のサイトがいつの間にか閉じられていたことです。風力発電のメインストリームからはずれた感がありました。もっとも、中国が世界戦略の大きな拠点となる中で、日本市場はブランチで十分対応できるという単純な話なのかもしれませんが、、、、(2t)

関連
Vestas / World of Wind
- V112-3.0 MW(オフショア対応モデル、オンラインカタログ)

Vestas chooses Danish Lindo Industrial Park for assembly of a limited number of V164-7.0 MW nacelles-----Vestas、24 Nov. 2011

ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの7MW洋上風車 Vestas V164 offshore wind turbine を発表-----ソフトエネルギー、2011/05/10

参考エントリー
ヴェスタス Vestas、初の浮体式プラットフォーム WindFloat を建設中-----ソフトエネルギー、2011/10/17

スウェーデンのバッテンフォール社、イギリスにおいてVestasのV112-3.0 MW×100基の世界最大の洋上風力発電所サネット Thanet offshore wind farm を完成-----ソフトエネルギー、2010/09/22

参考
Wikipedia : ヴェスタス

Vestas V112-3.0 MW wind turbine shipped to Macarthur project in Australia

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シャープ、PVの自立運転モードとも組み合わせて使える1.4kWhバックアップ電源システムを発売

 シャープは、太陽光発電システム(PVS)の自立運転モードとも組み合わせて使える1.4kWhバックアップ電源システムを発売すると発表しました。今年の3月11日の震災と福島第一原子力発電所のいまも続く過酷事故、それに続く計画停電などを経験した私たちの電力・電力への意識は劇的に変化しました。
 特に太陽光発電システムの自立運転モードの理解は劇的に進みました。しかし、一般の太陽光発電システムは、蓄電池をもたないために、曇天・荒天、そして夜間は電力を利用できません。また、晴天時も太陽光発電の発電電力は、日射量に比例して刻々と変化してしまいますので、安定電源とはなりえませんでした。
 この事態に、さまざまなメーカーからさまざまなバックアップシステムが販売されましたが、まだ本当にユーザーに支持されえる蓄電池を組み合わせたシステムはでていません。

 さて、今回のシャープのシステムは業務用で、鉛蓄電池を利用、容量は2.7kWh(実効値:約1.4kWh)とのことです。価格は、税込み719,040円。最大の売りは、シャープのパワコン(連系用保護装置付きシンクロナスインバーター)を使って、1.4kWの負荷を停電時も含めて常時使えることです。瞬間的な停電や電圧低下にも対応した無停電電源を構成できる点です。
 価格については、蓄電池容量を数倍多くしてほしい気もしますが、業務用という用途であれば、負荷容量を賄い売れば、結構リースナブルなシステムといえるのかもしれません。

プレスリリース / シャープ、2011年11月17日
蓄電池の搭載により、停電時も安心して電力が使用可能 バックアップ電源システムを発売

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-----image : 同リリースより

" 蓄電池の搭載により、停電時も安心して電力が使用可能 バックアップ電源システムを発売

シャープは、蓄電池を搭載し、停電時でも電力を使用できる業務用のバックアップ電源システムを発売します。太陽光発電システム※1の自立運転と組み合わせ、電気機器へ電力を供給するとともに蓄電池の充電も可能です。

本システムは、停電を感知すると瞬時に蓄電池から電気機器へ自動で電力供給を行います。また、瞬間的な停電や電圧低下が発生した場合にも、パソコンやPOSシステムなどの電源をバックアップし、継続運転します。
 最大定格出力は1.4kWの大容量出力で、複数の電気機器を同時に使用できます。例えば、テレビ、照明機器を同時に使用しながら、携帯電話の充電を行うことができます※2。また、エアコンや冷蔵庫など消費電力の大きい電気機器※3を運転させることもできます。

本製品は、平常時は商用電力より蓄電池へ充電を行い、停電時に備えます。停電時は、接続している太陽光発電システムを自立運転モードに切り替えることにより、日中は太陽光で発電した電力を使用でき※4、曇天時や夜間など発電量が不足する場合には、蓄電池からの電力供給に自動で切り替わります。消費電力量を上回る発電量を利用して、蓄電池を充電することもできます。

当社は、ソーラー・エネルギーソリューション・カンパニーを目指して、今後も太陽電池と蓄電池を組み合わせたシステム機器の開発に取り組んでまいります。

品名 バックアップ電源システム
形名 JH-AB01
電池種類 鉛蓄電池
蓄電池容量 実効値:1.4kWh
希望小売価格※5 719,040円 (684,800円) ( )内は税抜価格
受注開始日 11月30日

主な特長

1. 停電発生時、瞬時に蓄電池から自動的に電力を供給

2. 1.4kWの大容量出力で、複数の電気機器を同時に使用可能

3. 太陽光発電システムの自立運転と組み合わせ、電気機器へ電力を供給するとともに、蓄電池の充電も可能

..........住宅用太陽光発電システム。
詳細については、以下のサイト<http://www.sharp.co.jp/sunvista/index.html>をご覧下さい。
※2 接続する電気機器の消費電力合計を1.4kW以内にする必要があります。
※3 電源100V、消費電力合計1.4kW以内。モーター駆動が伴うものや比較的大きなコンデンサが内蔵されているものは、起動時に大電流が流れるため使用できない場合があります。バックアップ電源システム設置時に、接続する電気機器の動作確認テストの実施を推奨します。
※4 お使いのパワーコンディショナの機種および接続する電気機器によって使用できる出力容量が変わります。

※5 価格には設置工事費用は含んでおりません。
..........

111117a2_2
-----image : 詳細より
.......... "

コメント続き

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GSユアサ、2 - 4kWp太陽光発電システム、リチウムイオン蓄電池、そして電気自動車用充電システムなどをパッケージで販売へ

 GSユアサは、三菱自動車などと共同開発してきた、小型電気自動車 i-MiEV の充電システムと太陽光発電を組み合わせたEV急速充電システム「PV-EVシステム」を販売を開始すると発表しました。

三菱自動車、GSユアサなどと4社体制で、電気自動車i-MiEVの使用後のリチウムイオン電池の太陽電池付き充電スタンドでの再利用実験を秋より開始-----しなやかな技術研究会、2010/06/30

 太陽電池は、2 - 4kWp太陽光発電システム程度の規模が想定され、10kWh程度のリチウムイオン電池とパワコン、i-MiEV用の急速充電器などで構成され、太陽光発電システムをのぞいた価格は、1200万円。これに70万円から150万円程度の太陽光発電システムが加わるので、ちょっと個人向きではありません。電気自動車の未来に可能性を感じたり、事業に利用しようとする人向けということでしょうか。

 バランス的には、10kWhの蓄電池なら、4kWpの太陽電池がジャストサイズです。将来リチウムイオン蓄電池の価格が下がれば、自宅用の蓄電池システムとして、購入したいと考えている人も増えているという話も若干はあるようです。太陽電池と蓄電池、そして電気自動車がある暮らし、あとは価格しだいということでしょうか、、、、(2t)

プレスリリース / GSユアサ、2011/11/21
GSユアサ サイト / 太陽光発電と蓄電池を組み合わせて環境負荷を低減した防災対応型EV急速充電システム「PV-EVシステム」の販売を開始(PDF)

Gsyuasaimievcsppv
-----image : 同リリースより

"  株式会社 GSユアサ(略)はこのたび、太陽光発電と蓄電池を組み合わせ、自然エネルギーを利用したEV急速充電システム「PV-EVシステム」の販売を開始いたしました。このシステムは、災害などによる停電時に防災型電源としても利用することが可能です。年間100システムの販売を目標とし、2012年には12億円の売上を目指します。

 機器は太陽電池、リチウムイオン電池、EV用急速充電器を組み合わせたクリーンシステムです。太陽電池で発電した電力をリチウムイオン電池に貯蔵し、蓄えた電力でEVに急速充電を行います。夜間や日照の少ない時は電力会社からの電力を利用し、リチウムイオン電池への充電が可能です。また、発電した余剰電力はパワーコンディショナを介して系統連系により電力会社へ売電することもできます。自然エネルギーにて発電した電力をEVに充電して走行することで、発電からEV走行に至るまで二酸化炭素(CO2)排出量ゼロの実現を可能としました。

 また本設備は、GSユアサが三菱商事株式会社(略)、三菱自動車工業株式会社(略)、株式会社 リチウムエナジー ジャパン(略)と、2011年1月26日より京都市内において電気自動車用リチウムイオン電池2次利用の事業開発のために実証試験をしていたものと同一の設備です。今回の販売に際して蓄電池は2次利用品ではなく、開発を完了している産業用リチウムイオン電池LIM50E-8型モジュールを使用いたします。また、将来的にはリユース品の利用も可能であり、資源の有効利用を通じたさらなる環境負荷の低減が可能となります。

【特 長】
-自然エネルギーの活用によりEV走行における環境負荷を低減
 太陽光発電エネルギーを効率よくリチウムイオン電池に蓄電してEVに急速充電するため、EV走行における二酸化炭素(CO2)排出量を削減することができます。

-系統設備に負担をかけないシステム
 EVへの急速充電はリチウムイオン電池に蓄えられたエネルギーを利用するので系統設備に負担をかけません。

-高圧受電が不要
 急速充電器を設置する場合、契約電力が50kWを超えると高圧受電が必要となりますが、PV-EVシステムは低圧受電 (単相3線)にて急速充電器を設置することができます。

-余剰発電電力を有効利用
 太陽光発電は系統連系されているので、リチウムイオン電池が満充電の場合、施設の照明などに太陽光発電エネルギーを利用できます。

-夜間のEV充電も可能
 夜間など太陽光発電が出来ない場合は系統側よりリチウムイオン電池を充電するため、発電状態にかかわらず急速充電器を使用できます。

-非常(停電)時も使用可能
 ACタイプの急速充電器は停電時に使用できません。PV-EVシステムの急速充電器は、停電時でもEVに急速充電することができます。また長時間停電時でも太陽光発電により、リチウムイオン電池に充電ができ、EVへの継続的な急速充電が可能です。

-ライフラインを守る非常用負荷への給電も可能
 パワーコンディショナの自立運転出力機能により、停電時に照明や防災情報機器に給電することが可能で、ライフラインの維持に大きな役割を果たすことができます。

【発売日】2011年11月21日

【希望小売価格】¥12,000,000-(税別・工事費は含みません)
 注:太陽光電池パネル・架台・接続箱、ならびに設置費用は別途発生いたします

【販売予定台数】 100台/年間

【構成機器】
リチウムイオン電池 型式:LIM50E―8G2-C1 11モジュール
 定格:50Ah 電気自動車用LEV50の対応も可
パワーコンディショナ 型式:LSSA-4.5-S3CE 1台
 定格:単相2線式AC202V,4.5KW
電気自動車用急速充電器 型式:EVC-20KD 1台
 定格:DC入力タイプ,19KW
蓄電池盤 1式
太陽電池・架台・接続箱   
 2kW~4kWの太陽光パネルと組み合わせて使用します。
 設置場所に合わせて個別に設計いたします

*オプションによりデータ計測装置にて充放電状況や発電量等のデータを収集することが可能です。
.......... "

関連
GSユアサ サイト / 2011/01/25 日本初!「電気自動車用リチウムイオン電池2次利用事業開発のための実証試験」を京都市内のローソンで開始

リチウムエナジー ジャパン : LEV50

参考エントリー
開発が進む電気自動車とその充電施設-----自然エネルギー、2009/08/25

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オーストラリアの地熱。同国の石炭火力分の68倍を賄いうるポテンシャルがあるとコンサルタント

 Renewable Energy Magazine の記事によると、オーストラリアの地熱エネルギーは、同国の石炭火力による発電を補うには十分な量、その68倍を賄いうるポテンシャルがあるとコンサルタントが分析したということです。仮にそのポテンシャルの2%程度を利用すれば、現在のオーストラリアの消費電力をカバーしうるということで、同国のエネルギーの将来像を描く上で、注目を集めそうです。

Geothermal could replace coal and gas 68 times over-----renewableenergymagazine.com,16 November 2011

 この分析を行ったのは、豪ヴィクトリア州に本部を置く Hot Dry Rocks社で、同社のサイトではいくつかの地熱関連の地図が公開されています。地熱を利用する上では、Temperature at Depth Mapsがわかりやすいです。

Hot Dry Rocks Pty Ltd / Mapping

/ Temperature at Depth Maps
Hot_dry_rockstemperature_at_depth_m
-----image : 上記サイト

 一方、以前にも紹介しましたが、アメリカのTemperature at Depth Mapsは、GoogleのA Googol of Heat Beneath Our Feetに紹介され、下のURLからGoogle Earth用のKMLファイル(//earth.google.com/gallery/kmz
/geothermal_resource_n.kmz )も入手できます。

A Googol of Heat Beneath Our Feet

Geothermal_resource_temperature_at_
-----image : 上下ともGoogle Earthに同レイヤーを読み込んで表示した図-----
Geothermal_resource_temperature_a_2

 日本は、地熱関連の技術、発電機の技術では世界最高レベルと言われています。ニュージーランドでも実績があります。ニュージーランド、オーストラリア、さらにはカナダやアメリカ、地熱資源の豊富なマレーシアやフィリッピンなど環太平洋地域での地熱の共同開発などを積極的にやってほしいところです。日本の技術の積極利用が地域に貢献できると思います。(2t)

参考エントリー
日本地熱学会、クリーンな安定電源である地熱発電の促進と夏場のピークカット対策、地中熱利用ヒートポンプを提言-----ソフトエネルギー、2011/04/14
Enviro2010geothermal_1
-----上記エントリー「環境省 : 再生可能エネルギー導入ポテンシャルマップ-」より

東芝、ニュージーランドのテミヒ地熱発電所向けタービン、発電機、復水器を受注-----ソフトエネルギー、2011/04/06

ニュージーランド国営 Mighty River Power、単独発電機では世界最大となるヌアワプルア(132MW-富士電機システムズ製)地熱発電所の運用をまもなく開始-----ソフトエネルギー、2010/04/28

Googleが次世代地熱発電に1000万ドル超を投資-----ソフトエネルギー、2008/08/25

[ カテゴリー : 温泉、地熱、地中熱 ]
[ カテゴリー : オセアニア ]

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三菱重工鉄構エンジニアリング、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始

三菱重工鉄構エンジニアリングは、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始すると発表しました。NEDOの「海洋エネルギー技術研究開発(海洋エネルギー発電システム実証研究)」に採択されたもので、2015 年までに1kWh 当たりの発電単価を 40 円以下に抑えることを目標に、高効率波力発電システムの実用化に取り組んでいくというものです。2011~2012 年度は実現可能性調査(FS)を実施し、2013 年度以降、実海域における実証研究を目指すとのことです。

 振動水柱型(OWC : Oscillating Water Column)の波力発電施設としては、スペインのバスク地方のMutriku港にWavegen社の300KWのものが商業運転を今年の7月に開始しています。あと、浮体式のOWC発電機も日本を含めて何カ国かで研究されています。調べてみると、この方式の研究開発の歴史は、国内外ですでに30年以上の積み重ねがるようです。それでも、ようやくここにきて商業運転が開始されているということで、コストや技術的な課題を乗り越える努力が各国でなされているようです。
 日本企業も本格的に取り組むということですから、大いに期待されるところです。

プレスリリース / 三菱重工鉄構エンジニアリング、2011/11/15
同社サイト / 高効率波力発電システムの実証研究に着手(PDF)

Mhibridgeeng_wave
-----image : 同リリースより

" 高効率波力発電システムの実証研究に着手、発電単価 40 円/kWh 目標 三菱重工鉄構エンジニアリング、東亜建設工業と共同で

 三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社(略、三菱重工業が 100%出資)は、東亜建設工業株式会社(略)と共同で、高効率波力発電システムの実証研究に着手した。今回の実証研究は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋エネルギー技術研究開発(海洋エネルギー発電システム実証研究)」に採択されたもの。波の振動を空気の流れに変換する「振動水柱型空気タービン方式」により、2015 年までに1kWh 当たりの発電単価を 40 円以下に抑えることを目標に、高効率波力発電システムの実用化に取り組んでいく。2011~2012 年度は実現可能性調査(FS)を実施し、2013 年度以降、実海域における実証研究を目指す。
 振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムは、波の振動を空気の流れに一次変換し、タービンの回転に二次変換することにより発電する。具体的には「空気室」と呼ばれる空気の出入りのための穴がある底が開いた箱を使う。波のある水面に空気室を設置すると、そこに入る波の運動で空気室内の水面が上下してピストンのような動きとなり、空気の流れが発生。その流れを小さな穴から高速空気流として噴出させることで、タービンを回転させ発電機を動かし発電する。
 MBE と東亜建設は、最も高い効率で水面を上下させることを可能にする、空気室の前面に間仕切り壁(プロジェクティングウォール)を新たに採用し、発電効率の大幅な向上を実現する。加えて、発電装置を後付けユニット構造システムとすることにより、防波堤など既存のインフラ構造物を最大限に利用し、建設や保守にかかるコストを大幅に削減でき
る。こうすることで、発電効率向上と投資コスト低減の両面から、発電単価を引き下げていく。
 島国である日本では、波や潮流・海流が持つエネルギー資源の有効利用に対する研究開発が盛んに行われてきた。特に波の振動から空気エネルギーを作り出して発電する振動水柱型は、装置の構造が単純な点などから実現性に優れている。
 MBE は東亜建設と密接に連携し、高効率波力発電システムの実用化に取り組んでいく。
.......... "

コメント続き

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潮流発電のOpenHydro、クリーンテックベンチャーに贈られる再生可能エネルギー部門賞を受賞

 アメリカ、アトランタに本部を置く
Global Cleantech Cluster Associationが実施した、クリーンテックベンチャーに贈られるGlobal Cleantech Later Stage Awardの各賞の受賞者が発表され、再生可能エネルギー部門賞は、潮流発電のOpenHydroが受賞しました。Global Cleantech Later Stage Awardは、再生可能エネルギー部門賞以外に、太陽エネルギーや風力、さらに、バイオ燃料、省エネビル、水処理などの環境技術関連の企業を4000社以上の候補から選んで毎年選考していこうというものだそうです。
 このところ、潮流発電のOpenHydroの名は各方面、報道などで目にする機会が増えてきていました。この賞の受賞でさらに発展していきそうです。

 もっとも、この賞自体はあまり知られていない賞ですが、一応世界的な規模での選考が行われているようです。将来、この賞が有名になり、日本の企業も候補や受賞者に名を連ねるような環境ビジネスの展開になるかどうかも、見ていきたいです。

プレスリリース / Global Cleantech Cluster Association,November 14, 2011
Global Top 10 are thriving in cleantech industry with innovative technologies and green job creation

" The Global Cleantech Cluster Association, known as the global voice of cleantech, announced its Top 10 winners of the 2011 Later Stage Award Monday night at its awards gala co-hosted by An sTli Ghlas ? The Green Way. The winning companies from North America and Europe represent the world’s leading cleantech clusters in the categories of biofuels, energy efficiency/green buildings, new materials, renewable energy, solar, storage/smart grid, transportation, waste, water and wind energy.

“Our Top 10 winners are truly the best in class and companies to watch,” says Ben Taube, Chairman of the GCCA. “In each category, these companies are making both broad strides in their global industries as well as working closely with their regional cleantech clusters to build sustainable green economies and jobs. We are thrilled to name them the GCCA Global Top 10 for 2011.”

The GCCA Later Stage Award Top 10 winners were selected from an original pool of 4000 eligible companies represented by the GCCA’s 33 member clusters. Each cluster conducted internal evaluations to nominate up to 10 companies in the 10 categories. In total, these member clusters nominated 185 companies for the 2011 Later Stage Award. That number was later narrowed to the Global Top 30 semi-finalists and the Top 10 winners through the evaluation of 28 leading venture capital investors and cleantech serial entrepreneurs, lead by Head Judge Dr. Peter Adriaens of the University of Michigan and CleanTech Acceleration Partners.
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The Global Top 10 Later Stage Award Winners - 2011

Best in Biofuels - Imperative Energy
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Best of Energy Efficiency/Green Buildings - Albeo Technologies
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Best of New Materials - Beneq
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Best of Renewable Energy - OpenHydro
Dublin, Ireland (cluster: An sTli Ghlas - The Green Way)
An Irish tidal energy technology company, OpenHydro’s business is the design and manufacture of marine turbines for generating renewable energy from tidal streams. The company’s vision is to deploy arrays of tidal turbines under the world’s oceans, silently and invisibly generating electricity at no cost to the environment. OpenHydro has a project portfolio spanning the USA, Canada, France, Scotland and the UK’s Channel Islands with utility partners including EDF, Nova Scotia Power and SSE Renewables. For further information please visit .

Best of Solar - Solaris Energy Solutions
Chicago, Illinois USA (cluster: Chicago Clean Energy)
Solaris Energy Solutions provides reliable and advanced solar technology for water/space heating, ventilation systems and photovoltaic electricity generation. As a founding member of the ISEA (Irish Solar Energy Association) and associated members of the German Solar Association, SES see itself at the forefront of helping to make progress towards a sustainable future with the emphasis on renewable energy.

Best of Storage/Smart Grid - PowerGenix
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Best of Transportation - SAM Group
Zurich, Switzerland, (cluster: swisscleantech)
The Swiss company developed, built and launched the electric vehicle Sam EV II. Over 120 vehicles at a net price of EUR 14’000 were sold in several European countries yet. As a forerunner, Sam has a long term strategy in the field of lightweight, energy efficient and affordable electric vehicles.

Best of Waste - Newalta
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Best of Water - Rentricity
New York, New York USA (cluster: NYC Acre)
Rentricity recovers energy from excess water pressure in pipes to produce clean,renewable electricity. Rentricity targets water, wastewater and industrial infrastructure to integrate its Flow-to-Wire configurations. Electricity produced can either be sold into the electric grid or used behind-the-meter.

Best of Wind - Moventas
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関連
Top 10 Global Cleantech Cluster Association 2011 Later Stage Award Winners
Source: Clean Technica (http://s.tt/13Ocv)
-----cleantechnica.com,NOVEMBER 14, 2011

OpenHydro Wins Renewable Energy Award from Global Cleantech Cluster Association OpenHydro-----15/11/11
Seabedmounted
-----image(”All commercial installations will be mounted on the seabed”) : Newsサイトより

アイルランドのOpenHydro社、カナダで1MWの実証用潮流発電所を運用開始
-----ソフトエネルギー、2010/01/21

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IGES調査、東日本大震災および福島第一原発事故後のエネルギー及び気候変動政策に関するアンケート結果を発表。2050年までの段階的な廃止を含めると約83%が日本における脱原発を支持

 地球環境戦略研究機関(IGES)は、東日本大震災および福島第一原発事故後のエネルギー及び気候変動政策に関するアンケートを実施(総回答数710件。回答者の内訳は日本人が61%、日本人以外が39%)、その結果を発表しました。
 日本における原子力発電およびエネルギー政策に関しては、約49%が「1~2年以内」もしくは「2020年まで」に原子力発電所を操業停止して廃炉プロセスに入るべきと回答し、2050年までの段階的な廃止を含めると約83%が日本における脱原発を支持した。原子力発電による電力供給量が減少した場合の対策として、約90%が「再生可能エネルギーによる発電を増やす」を支持した(複数回答可)。一方、約19%が原発をやめるべきではないと回答。
 国内外の意見の差としては、日本人は約66%が原発に「反対」もしくは「どちらかというと反対」と回答したのに対して、日本人以外の回答者は逆に約63%が原発に「賛成」もしくは「どちらかというと賛成」と回答したということです。
 調査数が少ないものの、震災と福島第一の原子力発電所事故が、エネルギー、および原子力政策に与えた影響の大きさが推し量れます。
 代替案としては、原子力発電による電力供給量が減少した場合の対策として、約90%が「再生可能エネルギーによる発電を増やす」を支持したということです。

 これから、再生可能エネルギーの具体的な可能性を開き、毎年少しづつ確実に増やし、2020年、2050年の短期、中期においてエネルギーの担い手となる可能性を増やすことが期待されています。
 

プレスリリース / 地球環境戦略研究機関(IGES)、2011.11.14
東日本大震災および福島第一原子力発電所事故後のエネルギー及び気候変動政策に関するアンケート調査結果

" 2011年7月、財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、東日本大震災および福島第一原発事故後のエネルギー及び気候変動政策に関するアンケート調査を実施しました。日本語および英語の調査票を世界各国に送付し、総回答数710件を得ました(回答者の内訳は日本人が61%、日本人以外が39%)。結果概要は、以下の通りです。

<要約>

日本における原子力発電およびエネルギー政策に関して
-約49%が「1~2年以内」もしくは「2020年まで」に原子力発電所を操業停止して廃炉プロセスに入るべきと回答し、2050年までの段階的な廃止を含めると約83%が日本における脱原発を支持した。原子力発電による電力供給量が減少した場合の対策として、約90%が「再生可能エネルギーによる発電を増やす」を支持した(複数回答可)。
-原発をやめるべきではない」は約19%であった。
-日本人は約66%が原発に「反対」もしくは「どちらかというと反対」と回答したのに対して、日本人以外の回答者は逆に約63%が原発に「賛成」もしくは「どちらかというと賛成」であった。また、女性は原発に「反対」もしくは「どちらかというと反対」との回答が62%で、男性は「賛成」「どちらかというと賛成」と「反対」「どちらかというと反対」が合わせて約50%ずつであった。

日本の気候変動政策に関して
-政府による「2020年までに1990年比25%削減」という中期目標は68%が「維持すべき」と回答した。
-地球温暖化対策基本法案に関しては、法案採択を支持する意見が半数近くを占めた。
-京都議定書第二約束期間への参加に関しては、参加支持が約57%を占めた。25%削減目標や京都議定書第二約束期間への参加など外交に関わる政策では、日本人では賛否が分かれる一方、日本人以外の回答者では25%削減目標支持は85%、第二約束期間への参加は71%が支持した。

日本の気候変動政策と日本における原子力発電の賛否との関係に関して
-「25%削減目標を維持すべき」とした回答者の約58%が日本における原発の利用に「反対」もしくは「どちらかというと反対」と回答する一方で「25%削減目標を修正すべき」とした回答者の約48%が原発に「反対」もしくは「どちらかというと反対」と回答した。
-原発の利用に「反対」と回答した回答者の53-66%が地球温暖化対策基本法案採択を支持した。さらに、原発利用に「賛成」とした回答者の34-40%は法案採択を不支持とする結果となった。
-原発利用に「賛成」とした回答者の34-40%は法案採択を不支持とする結果となった。このように、原発利用に「反対」とした回答者は気候変動政策を支持する傾向がみられた。
(財)地球環境戦略研究機関(IGES)気候変動グループ 2011年11月
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環境省、被災地において再生可能エネルギー事業計画の策定のための各種調査・検討等を行う補助事業を募集

 環境省は、被災地において再生可能エネルギーの導入を加速し、地球温暖化対策に配慮した復興の実現に資することを目的として、事業計画の策定のための各種調査・検討等を行う「平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務」の募集募集を開始。公募の対象は、東日本大震災の被災地(特定被災地方公共団体(168市町村)※に限ります。)における事業で、再生可能エネルギーの資源量、自然条件及び社会条件に関するデータを整備するための調査、関係者との調整、事業計画の策定等。
 また、規模としては、導入しようとする再生可能エネルギーの発電施設の総容量は、概ね1メガワット以上(風力発電施設については、10メガワット以上)であることということです。
 環境省は、公募にあたり東京、仙台で説明会を実施するということです。

プレスリリース / 環境省、平成23年11月11日
平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務の公募について

" 環境省では、被災地において再生可能エネルギーの導入を加速し、地球温暖化対策に配慮した復興の実現に資することを目的として、再生可能エネルギー事業計画の策定のための各種調査・検討等を行う「平成23年度再生可能エネルギー事業のための緊急検討委託業務」を募集します。

1.業務の概要と目的
 再生可能エネルギーの導入は、電力供給量の確保とともに、温室効果ガス排出量の削減及び被災地における地域経済の活性化を同時に実現可能な施策として期待されています。被災地の復興の一環として、スピード感を持って再生可能エネルギーの導入を進めることが重要ですが、事業の実施に当たっては、民間事業者のみでは解決に時間と費用を要する課題が多く存在しています。このため、環境省では、被災地において再生可能エネルギーの導入を加速し、地球温暖化対策に配慮した復興の実現に資することを目的として、再生可能エネルギー事業計画の策定のための各種調査・検討等の実施を支援します。

2.公募期間
平成23年11月11日(金)~12月9日(金)17時必着

3.公募対象業務
 公募の対象となる業務は、再生可能エネルギーを東日本大震災の被災地(特定被災地方公共団体(168市町村)※に限ります。)に導入するに当たり必要となる、資源量、自然条件及び社会条件に関するデータを整備するための調査、関係者との調整、事業計画の策定等です。導入しようとする再生可能エネルギーの発電施設の総容量は、概ね1メガワット以上(風力発電施設については、10メガワット以上)であることを条件とします。その他の条件は別添の公募要領を参照してください。

※ http://www.bousai.go.jp/2011jyosei/sikuchyouson.pdf

4.公募に係る説明会の開催
 以下のとおり、東京都、岩手県、宮城県及び福島県にて説明会を開催します。本業務に応募される方は必ず御参加ください。なお、会場での公募要領の配付は行いませんので、事前にプリントアウトして持参してください。

日時 会場 住所
11月24日(木)
14:00~ 環境省地球環境局
会議室A 東京都千代田区霞が関1-2-2
(中央合同庁舎第5号館23階)
11月25日(金)
10:00~ いわて県民情報交流センター
(アイーナ)会議室813 岩手県盛岡市盛岡駅西通1-7-1
11月25日(金)
13:45~ 環境省東北地方環境事務所
会議室 宮城県仙台市青葉区本町3-2-23
(仙台第二合同庁舎6階)
11月25日(金)
18:00~ 福島県文化センター
1階会議室 福島市春日町5-54
5.応募及び審査方法等
 別添の公募要領を参照してください。なお、本業務の契約締結は、平成23年度補正予算(第3号)の成立を前提とします。

添付資料
公募要領[PDF 261KB]
(様式1)提案書[DOC 92KB]
(様式2)経費内訳書[XLS 46KB]
.......... "

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日立製作所、国立極地研究所より風力発電機利用水素発電システムを受注

 日立製作所は、国立極地研究所より電力を水素に変換して備蓄できる風力発電機利用水素発電システムを受注したと発表しました。この風力発電機利用水素発電システムは、風力発電で得られた電力を水素に変換して備蓄し、必要なときに電力として取り出すシステムで、発電電力の変動が大きい再生可能エネルギーを安定的に供給することができるということです。このシステムは、2011年11月から2012年3月まで、秋田県にかほ市において風力発電機と接続して稼動し、南極昭和基地におけるエネルギー自給率向上のための基礎データ取得に活用される予定だということです。
 秋田県にかほ市の国立極地研究所の風力発電機は、2009年3月に日本飛行機社製の10KW機が、そして、今年の5月には、20KWの垂直軸風力発電機 NWTA-20 が導入されています。

南極用風力発電、にかほで試験へ 国立極地研 / クリッピング 河北新報ニュース-----ソフトエネルギー、2008/11/26

 今回の国内での実証実験は、風力の電気で水を電気分解し水素を製造。水素を有機化合物であるトルエンに固着させ常温・常圧の液体であるメチルシクロヘキサン(Methyl Cyclo Hexane/以下、MCH)の形態で貯蔵。そして、必要な時に貯蔵したMCHから水素を取り出し、水素混合ディーゼル発電機で発電するという水素備蓄、再利用のシステムだということです。
 技術的な内容とともに、効率がどの程度になるのかが気になるところです。

プレスリリース / 日立製作所、2011年11月7日
国立極地研究所より電力を水素に変換して備蓄できる風力発電機利用水素発電システムを受注

1107
-----image : 同リリースより

" 株式会社日立製作所(略)は、このたび、大学共同利用機関 情報・システム研究機構 国立極地研究所(略)より、風力発電機利用水素発電システム一式を受注しました。今回受注した風力発電機利用水素発電システムは、風力発電で得られた電力を水素に変換して備蓄し、必要なときに電力として取り出すシステムで、発電電力の変動が大きい再生可能エネルギーを安定的に供給することができます。本システムは、2011年11月から2012年3月まで、秋田県にかほ市において風力発電機と接続して稼動し、南極昭和基地におけるエネルギー自給率向上のための基礎データ取得に活用される予定です。

現在、南極昭和基地では、ディーゼル発電機で発電した電力を、各種観測機器の運用および生活用の電力源として使用しています。南極観測に必要な物資は、南極観測船「しらせ」により輸送されますが、これらの物資のうち、ディーゼル発電や車両用の燃料が総輸送量の約半分を占めています。今後、さらなる発電燃料消費量の増大に対しては、必要な燃料輸送に限界があるため、将来の燃料不足対策の一案として風力発電や太陽光発電など再生可能な自然エネルギーを利用することが必要となりますが、自然エネルギーは時間や季節による発電量の変動が大きいため、効率的に備蓄し、安定的に再利用(回収)するシステムが望まれていました。

日立はこれまで、風力発電など発電電力の変動が大きい再生可能エネルギーを平準化し、安定的に供給する手段として、電力を水素に変換して備蓄し、必要なときに水素あるいは電力として取り出すことができるシステムの開発に取り組んできました。今回受注した風力発電機利用水素発電システムは、(1)発電電力の変動が大きい風力発電でも効率よく水素生成が可能な「水素製造システム」、(2)生成した水素を有機化合物であるトルエンに固着させ常温・常圧の液体であるメチルシクロヘキサン(Methyl Cyclo Hexane/以下、MCH)の形態で貯蔵する「備蓄システム」、(3)貯蔵したMCHから必要なときに水素を取り出し、水素混合ディーゼル発電機で発電する「回収システム」から構成されています。MCHは、取扱分類がガソリンと同等の第4類第1石油類のため、タンクローリーやガソリンスタンドなど既存のインフラを活用し水素を輸送・貯蔵することができます。さらに、備蓄エネルギー量はタンク容量に比例するため、大容量のエネルギー備蓄が低コストで実現可能です。
.......... "

関連
南極向け風力発電装置を受注-----日本飛行機、2011.05.17
Image007
-----image : 上記サイトより

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GSユアサ、10kW小型汎用太陽光発電用パワーコンディショナを改良し新発売

 GSユアサ、10kWの小型汎用太陽光発電用パワーコンディショナを改良し新発売すると発表しました。さらなる小型化軽量化に加え、太陽電池モジュールの多様な配列パターンに対応するため、直流電圧の入力範囲がDC 0V~600Vまで拡大し、各社の太陽電池への対応力が増しました。現在、10kWの太陽光発電は、学校や病院、さまざまな公共施設での利用の拡大がもっとも進み、かつ防災や非常時に対応した仕様のものへの関心が高まっています。今回改良され、新発売となった三相ラインバックαⅢには、蓄電池を抱える(充電し非常時に利用できる機能)はもっていないようですが、バッテリーメーカーである、GSユアサの開発品であることから早期の対応が期待されるところです。

プレスリリース / GSユアサ、2011/10/26
ニュースリリース / 小型汎用太陽光発電用壁掛型10kWパワーコンディショナを改良「三相ラインバックαⅢ」の販売を開始(PDF)

Gsyuasapv_10kvapc
-----image : 上下とも同リリースより-----
Gsyuasapv_10kvapctable

コメント続き

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シャープ、化合物3接合型太陽電池で世界最高変換効率36.9%を達成

 シャープは、宇宙用太陽電池の技術開発の中で、世界最高変換効率36.9%を達成したと発表しました。2000年から光吸収層を3層に積み重ねて高効率化を実現する「化合物3接合型太陽電池」の研究開発を進め、2009年にはインジウムガリウムヒ素をボトム層として、3つの層を効率よく積み上げて製造する独自の技術を育ててきました。今後は、宇宙での利用のほかに、集光型太陽光発電所や、飛行体、車向け太陽電池などへの応用も期待できるということです。

プレスリリース / シャープ、2011年11月4日
化合物3接合型太陽電池で実現 太陽電池セルで世界最高変換効率36.9%を達成

111104a
-----image : 同リリースより

" シャープは、太陽電池を3つの層に積み重ねた化合物3接合型太陽電池で、世界最高変換効率 ※1 36.9% ※2 を達成しました。

 化合物太陽電池は、インジウムやガリウムなど、2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ変換効率の高い太陽電池で、主に人工衛星に使用されています。
 当社は、2000年から光吸収層を3層に積み重ねて高効率化を実現する「化合物3接合型太陽電池」の研究開発を進め、2009年にはインジウムガリウムヒ素をボトム層として、3つの層を効率よく積み上げて製造する当社独自の技術を実現し、変換効率を35.8%まで高めることに成功しました。

今回新たに、各太陽電池層を直列に繋ぐために必要な接合部の抵抗を低減させることで、太陽電池の最大出力が向上し、変換効率アップを実現しました。

本件は、NEDO※3の「革新的太陽光発電技術研究開発」テーマの一環として開発に取り組んだ結果、産業技術総合研究所(AIST)において、非集光時世界最高変換効率を更新する36.9%の測定結果が確認されたものです。

将来的には、極薄の太陽電池層をフィルムなどに転写することにより、軽量でフレキシブルな太陽電池が可能となります。当社は、今回の開発成果を活かし、今後、集光型はもちろん、宇宙用や飛行体、車向け用途などでの実用化を目指してまいります。

111104a_2
-----image(”太陽光エネルギーと化合物3接合型太陽電池の感度の波長分布”) : 同リリースより

※1 2011年11月4日現在、研究レベルにおける非集光太陽電池セルにおいて。(シャープ調べ)

※2 2011年9月、産業技術総合研究所(世界の太陽電池の公的測定機関の一つ)により確認された数値(セル面積:約1cm2)。

※3 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構。日本の産業技術とエネルギー・環境技術の研究開発およびその普及を推進する我が国最大規模の中核的な研究開発実施機関。
.......... "

関連
シャープ : 太陽電池セルで世界最高変換効率36.9%を達成 発表会レポート

化合物3接合型太陽電池で世界最高変換効率36.9を達成-----NEDO,2011年11月4日

追加情報
シャープ、化合物太陽電池で世界最高変換効率43.5%を達成。集光型太陽光発電(CPV)開発へ-----再生可能エネルギー GreenPost、2012/6/1

参考エントリー
シャープの集光型太陽電池と自動追尾する架台-----ソフトエネルギー、シャープの集光型太陽電池と自動追尾する架台-----ソフトエネルギー、2006/07/21

東大とシャープの研究グループ、量子ドット太陽電池の理論的な変換効率-----ソフトエネルギー、2011/4/25

-----Google GreenPostサイト横断検索 : シャープ-----

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NEDO、メガソーラ建設を支援する「検討支援ツール」を公開

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、大規模太陽光発電システム、別名メガソーラーの建設を支援するために、2006年度から5年間にわたって北海道稚内市と山梨県北杜市で実施したメガソーラの系統安定化技術等の実証研究で得られた知見に基づいてまとめられた資料などを「検討支援ツール」として公開、あわせて各地で説明会を実施すると発表しました。

 説明会は、2011年11月14日(月)の札幌を皮切りに、仙台、川崎、福岡、大阪で順次予定されています。

プレスリリース / 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、2011年10月31日
メガソーラ建設を支援する「検討支援ツール」を公開

" 説明会も全国5か所で開催へ

NEDOは、大規模太陽光発電所(メガソーラ)を建設する際に必要な発電量の予測ツールと、電力設備技術基準に基づく架台の設計支援ツールを作成しました。
 これらの「検討支援ツール」は、2006年度から5年間にわたって北海道稚内市と山梨県北杜市で実施したメガソーラの系統安定化技術等の実証研究で得られた知見に基づいて作成したもので、NEDOのホームページ上で公開するほか、全国5か所で説明会を開催します。
 NEDOのメガソーラ導入支援策としてはこのほか、計画から設計・施工・検査・運用までの一連の手順やスケジュールのポイントをまとめた「大規模太陽光発電導入の手引書(更新版)」を作成、7月28日からNEDOホームページ上で公開しています。
1. 大規模太陽光発電導入の手引書概要

 2006年度から2010年度まで実施した「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」において実施した北海道稚内サイト及び山梨県北杜サイトで得られた知見より、これから大規模太陽光発電(メガソーラ)を導入するにあたって必要な作業をまとめたものです。
 手引き書には、企画の手順、環境性の検討から、設計・施工に必要な用件、運用、維持管理についても稚内、北杜両サイトの事例と共に紹介しています。
 今回、候補地における発電予測量と、架台設計を検討できる「検討支援ツール」が完成しました。検討支援ツールは、太陽電池パネル、傾斜角、アレイ(※)の間隔等を選択し発電電力の予測が出来る予測支援ツールと、電力設備技術基準等に基づく架台の設計支援ツールの2つのツールで構成されています。これらのツールはNEDOホームページ(大規模太陽光発電システム導入の手引書・検討支援ツール )で公開するほか、全国5か所で説明会を予定しています。

アレイ: 太陽電池パネルを架台に取り付け、電気配線した状態のこと。

2. 検討支援ツール説明会
.......... "

関連
NEDO : 大規模太陽光発電システム導入の手引書・検討支援ツール

参考エントリー
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、潮流・海流、波力、海洋温度差などの海洋エネルギー発電システムなどの海洋エネルギー開発の実証研究実施体制を発表-----自然エネルギー、2011/10/21

-----Google GreenPost関連サイト横断検索 : NEDO-----

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フライホィールのBeacon Powerが米連邦倒産法第11章に基づく、会社更生手続きに入ったことを明らかにしました

 このブログでも過去二回にわたって記事として取り上げたアメリカのフライホィールを使った蓄電システムを開発していたBeacon Powerが、米連邦倒産法第11章(Chapter 11 Filing)に基づく、会社更生手続きに入ったことを明らかにしました。アメリカでは、政府支援の再生可能エネルギー関連企業の相次ぐ倒産が話題になっています。世界的な経済の混乱と競争が激化している市場の中で、これからの10年が内外の再生可能エネルギー関連企業にとって、生き残りをかけた激動の時代となっていきそうです。

 とはいえ、Beacon Power経営陣は現状では一人の解雇もなく、減給で経営側と従業員が再建に向けて取り組む姿勢を見せています。ユニークなシステムを開発してきた同社の未来への健闘に期待し、エールを送ります。(追加情報をご覧ください。2t)

プレスリリース / Beacon Power,November 1, 2011
Beacon Power / Statement from Beacon Power on Chapter 11 Filing(PDF)

02
-----image : 同社、ギャラリーより

関連
Beacon Power declares bankruptcy; second loan guarantee recipient to falter-----washingtonpost.com,November 1

Beacon Power社のフライホィールという”蓄電”システム-----ソフトエネルギー、2005/03/24

Beacon Power社のフライホィールという”蓄電”システム 2-----ソフトエネルギー、2009/08/07

参考動画
Beacon Power's "Smart Energy 25" flywheel

(CienciaEnCanoa, 2011/06/03)

追加情報
フライホィール”蓄電”のBeacon Power、復活ののろし。ペンシルバニアで20MWのプラント建設へ-----ソフトエネルギー、2013/08/05

Rockland Capital Completes Acquisition of Beacon Power-----Beacon Power,March 7, 2012

コメ- Rockland Capital により買収。その後、事業展開を続けている。

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Q-Cellsの200,000枚のCIGS太陽電池を使い、わずか2ヶ月で建設された 20.8 MWpのソーラーパークAmmerlandがドイツで完成

 Q-Cellsの200,000枚のCIGS太陽電池を使い、わずか2ヶ月で建設された 20.8 MWpのソーラーパークAmmerlandがドイツで完成したしたということです。CIGS薄膜太陽電池を利用した太陽光発電所としては、世界最大規模です。規模にも驚きますが、もっともびっくりしたのが、たった8.5週、約2ヶ月で完工したというその建設スピードの速さです。
 Q-CellsのCIGS太陽電池を使い、ドイツの再生可能エネルギー企業であるGP-Joule社が、この20.8 MWpのソーラーパークAmmerlandを建設したのは、かつての空軍の飛行場です。GP-Joule社のサイトには、その経歴のわかる大規模太陽光発電所の全景がはっきりと映し出されています。(2t)

プレスリリース / Q-Cells,28.10.2011
Q-CELLS AND MODULE24 DELIVER Q.SMART MODULES FOR WORLD’S LARGEST CIGS THIN-FILM SOLAR POWER PLANT BY GP JOULE

" ・Q-Cells delivers 200,000 CIGS thin-film Q.SMART modules for Solarpark Ammerland
・Module24 and Martin Bucher jointly develop project
・GP JOULE constructs solar power plant in record time of eight-and-a-half weeks
・With a capacity of 20.8 MWp, Ammerland is the world’s largest solar power plant using CIGS thin-film technology
・Today (Friday) sees the plant’s grand opening with Lower Saxony’s premier David McAllister
 
 Q-Cells SE, one of the world’s leading solar companies, has sold approximately 200,000 Q.SMART CIGS thin-film solar modules to the solar company GP Joule, based in the North Frisia area of Germany. Based on this, GP Joule has constructed the world’s largest solar power plant using CIGS thin-film technology, which was constructed in the record time of just eight-and-a-half weeks. The project was developed by the Stuttgart-based project developer Martin Bucher, while the company Module24 selected the premium Q-Cells products for the plant and all the companies involved. Q-Cells provided technical support during the installation phase. Today (Friday) sees the grand opening of the plant, Solarpark Ammerland, in the municipality of Wiefelstede in Lower Saxony. Approximately 100 invited guests will attend the opening; they include Lower Saxony’s premier, David McAllister. Investor of the project is the bank independent investment company Aquila Capital. Information on the volume of the investment is subject to a confidentiality agreement.

The plant was installed on an area of 57ha in Wiefelstede, in the Ammerland district, which had formerly served as a military airbase. With a total capacity of over 20.8 MWp, Solarpark Ammerland will cover the electricity needs of more than 6000 households and save about 11,800 tons of CO2 emissions annually by producing climate-friendly solar energy.
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関連
Solarpark Ammerland-----GP-Joule,29.10.2011

Solarpark_ammerland
-----image : 上記リリース、ダウンロードより。上-施工後。下-施工前の現地のようす-----
Fliegerhorst_oldenburg

Q-Cells Supplies Thin Film Modules to 21 MW Project-----solarbuzz.com,10.28.2011

参考エントリー
ドイツの再生可能エネルギー、初の電力の20%越え! 20.8%を2011年上半期で達成-----ソフトエネルギー、2011/09/05

ドイツの再生可能エネルギー、2010年に電力の17%、総エネルギーに対して11%を達成。さらに、広がる脱原発の動きに注目!-----ソフトエネルギー、2011/05/06

追加情報
Q-Cells、91 MWのヨーロッパ最大の大規模太陽光発電所建設計画を発表-----自然エネルギー、2011/11/04

[ カテゴリー : ドイツ ]

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日立製作所、2MW級風力発電機用永久磁石発電機において、重量30%減(同社比)を実現する小型・軽量化技術を開発

 日立製作所は、2MW級風力発電機用永久磁石発電機において、重量30%減(同社比)を実現する小型・軽量化技術を開発したと発表しました。発電機の回転子に冷却用通風溝を形成することで永久磁石を効率的に冷却し、かつ発電機の小型・軽量化を実現する高冷却回転子構造を採用、電気特性と機械強度のバランスを保つことができる発電機設計技術を開発したということです。
 これにより、風力発電システムの軽量化と建設時の作業負荷の低減。現在風力発電用として主に導入されている巻線形誘導発電機(2MW=2,000kW級)と比較して、同レベルの発電効率(97%以上)を保ちつつ、約30%の重量低減を達成できることを確認しました。

 風力発電機の設計の分野で、すぐれた日本の発電機の設計と製作技術が発揮されることで、より高い効率や風車の性能の向上が望めるなら、それは世界にとって大きな貢献となる可能性があります。原子力発電への一方的な政策的な傾斜が緩まることで、日本の技術と産業の新しい地平さえ広がるような経過を期待したいところです。

プレスリリース / 日立製作所、2011年10月25日
風力発電用の永久磁石発電機の小型・軽量化技術を開発

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-----image(”今回開発した2,000kW級永久磁石発電機用高冷却回転子”) : 同リリースより

" 巻線形誘導発電機と比較して重量30%減(当社比)を実現

 株式会社日立製作所(略)は、このたび、風力発電システムの軽量化と建設時の作業負荷の低減などを実現する2,000kW級風力発電用の永久磁石発電機の小型・軽量化技術を開発しました。
今回、発電機の回転子に冷却用通風溝を形成することで永久磁石を効率的に冷却し、かつ発電機の小型・軽量化を実現する高冷却回転子構造を開発するとともに、磁石配置や冷却用通風溝寸法を最適化し、電気特性と機械強度のバランスを保つことができる発電機設計技術を開発しました。本技術を適用した2,000kW級永久磁石発電機を試作、検証した結果、現在風力発電用として主に導入されている巻線形誘導発電機(2,000kW級)と比較して、同レベルの発電効率(97%以上)*1を保ちつつ、約30%の重量低減*2を達成できることを確認しました。

*1風車が駆動することにより回転子に入力される100の力に対して発電出力が97以上(発電ロスが3%未満)を実現する発電機

*2日立の風力発電用の2,000kW巻線形誘導発電機との比較
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今回、開発した高冷却回転子構造と発電機設計技術の特長は以下の通りです。

1. 高冷却回転子構造
通常、永久磁石発電機の回転子は円筒形状である一方、今回開発した高冷却回転子構造は、永久磁石のN極とS極の磁極間に冷却用通風溝を設けることで、冷却風量を増加させることができるとともに、発電機内部まで適切に冷却風を配分することができます。これにより、回転子内に配置された永久磁石を効率的に冷却することができます。また、通風溝は、永久磁石の発熱(磁石損失)を増加させる磁束を低減する効果があるため、発電機の小型・軽量化とともに高効率化を実現することが可能となりました。
2. 発電機設計技術
永久磁石発電機は、電気特性だけではなく、永久磁石やコイルなどの各部位の温度上昇や回転子の機械強度に対して、技術的な制限値を満たす設計が求められます。このため、電磁界解析・応力解析・熱流体解析を活用した一元化設計技術を開発しました。この設計技術を適用することで、磁石配置や冷却用通風溝寸法の最適化が容易となり、小型・軽量かつ高効率な発電機を設計することが可能となりました。
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なお、本技術は、10月26日から27日に国立大学法人長崎大学で開催される電気学会回転機研究会にて紹介します。
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参考エントリー
国は、第3次補正予算案に、いわき沖の浮体風力発電所など、再生可能エネルギー関連予算を復興策として盛り込む方針-----ソフトエネルギー、2011/09/20

注目! 国家戦略室の動き エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会-----ソフトエネルギー、2011/10/13

[ カテゴリー : 国内 ]

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