東芝、IHI、東京大学、三井物産戦略研究所、新方式水中浮体方式による海流発電システムの開発に着手
東芝、IHI、東京大学、三井物産戦略研究所は、NEDOが公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に連名で応募し、委託予定先に採択された。これにより、新方式水中浮体方式による海流発電システムの開発に着手すると発表しました。同じく委託先に採択された、川崎重工や三菱重工鉄構エンジニアリングなどとならび、わが国の21世紀に入ってからの新しい海洋エネルギー開発への取り組みとして成果をあげることが期待されます。
新方式水中浮体方式については、参考であげた、東京大学 新領域創成科学研究科 海洋技術環境学 高木健教授研究室の資料に2重反転タービン式海流発電装置の情報があがっています。今回発表されたものとは形状が違いますが、なんとなくアイディアは理解できました。海流発電機は、海底にケーブルで固定され、まるで凧のように海流で舞い上がり、先端のタービンが回転して発電する構造のようです。アイディアとしては、二連のタービンが検討されているようです。
プレスリリース / 東芝、2011年11月28日
・「海流発電システム」の開発に着手
-----image(”図2 水中浮体方式の海流発電システム”) : 同リリースより
" NEDOが公募した「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択
株式会社IHI(略)及び株式会社東芝(略)、国立大学法人東京大学(新領域創成科学研究科 海洋技術環境学 高木健教授)、株式会社三井物産戦略研究所(略)は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー技術研究開発」に連名で応募し、このたび、「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択されました。
我が国は、黒潮などの海流が年間を通じて沿岸付近を流れているため、この巨大なエネルギーを利用することにより、自国の自然エネルギーを利用したクリーンな安定電源を新たに構築することができると期待されています (図1)。
本事業は、この海流エネルギーを有効、かつ経済的に利用するべく、水中浮体方式の海流発電システム(図2)の要素技術を開発するとともに、事業性評価等を実施して将来の海流発電の実用化を目指すもので、本発電方式は下記の優れた特徴を有します。(1)昼夜や季節による流れの速さ・向きの変動が少ない安定した海洋エネルギーを、長期かつ連続的に利用できることで、年間を通じて安定的な発電が可能で、大きな発電電力量も期待できる。
(2)発電装置を海底から係留し、海中に浮遊させることで、波浪の影響を受けずに安定した水深での 運用が可能となり、船舶の航行にも支障を及ぼさない。また,簡便な係留が可能となることから設置が容易であり、コスト競争力に優れている。
(3)対向回転する双発式の水中タービンを採用するため、タービンの回転に伴う回転トルクを相殺でき、海中で安定した姿勢を保持して、効率的に発電が可能である。
(4)保守整備時には,タービンの向きと浮力を調整することで、必要に応じて海上に浮上させることができるため、メンテナンスや修理が容易である。今後、海洋における再生可能エネルギー利用による持続可能なエネルギー社会の実現を目指して、海流発電システムの研究開発を進めてまいります。
関連
・東京大学大学院新領域創成科学研究科 / 海洋技術環境学専攻海洋技術政策学分野 高木 健教授 研究室 - 東京大学 : 海洋技術によるグリーン・イノベーション
”2重反転タービン式海流発電装置”
・「海流発電システム」の開発に着手 ~NEDOが公募した「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択~-----IHI、2011年11月28日
・NEDOが公募した「次世代海洋エネルギー発電技術研究開発」の委託予定先に採択-----三井物産戦略研究所、2011年11月28日
追加情報
・「海流発電システム」の実証研究を開始 NEDOによる「海洋エネルギー技術研究開発」の共同研究予定先として-----東芝、2014年12月25日
"..........今回、IHIと東芝の独自の技術である水中浮遊式海流発電システムについて、2017年度までに実海域における発電実証に取り組み、近い将来に海洋エネルギー発電技術を実現して、ゆくゆくは海洋エネルギー産業の新規創出と、エネルギーセキュリティーの向上に貢献することを目指します。水中浮遊式海流発電システム(図1)は、対向回転する双発式のタービンを装備した発電装置を海底から係留して海中に凧のように浮遊させるものです。共同研究においては、IHIはタービン、浮体などの製造を行い、かつ幹事会社として全体をとりまとめ、東芝は発電機や変圧器などの電気機器を製造します。
.......... "
海洋エネルギー発電の実現に向け、研究開発を拡充・加速
-潮流や海流、波力など、新たに4テーマを採択- #NEDO http://t.co/3QO4wu0F1w "従来の..13テーマ" #renewjapan #renewmarine pic.twitter.com/oI5Dd7GrFn
— greenpost (@greenpost) December 25, 2014
参考エントリー
・三菱重工鉄構エンジニアリング、振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムの実証研究を開始-----ソフトエネルギー、2011/11/18
・川崎重工、海洋エネルギー開発、潮流発電システム開発に着手-----ソフトエネルギー、2011/10/21
コメント続き
今回の各社による取り組みは、オイルショック以降のわが国の海洋エネルギー開発の新たな潮流として、”かっこたる”発展を遂げることができるでしょうか? 海外では、ドイツのシーメンスや韓国の現代重工業なども力を入れはじめています。あまり情報はありませんが、中国も研究開発を進め早期の実用化を目指しているようです。世界の動き、日本の動きに注目していきたいと思います。(2t)
参考エントリー
・独シーメンス Siemens、再生可能エネルギー部門を強化。水力、風力、ソーラー、そして海洋エネルギーにも注目-----ソフトエネルギー、2011/08/23
・現代重工業 Hyundai Heavy Industries、500KW潮力発電の実証実験に着手-----ソフトエネルギー、2011/08/09
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