日立製作所、2MW級風力発電機用永久磁石発電機において、重量30%減(同社比)を実現する小型・軽量化技術を開発
日立製作所は、2MW級風力発電機用永久磁石発電機において、重量30%減(同社比)を実現する小型・軽量化技術を開発したと発表しました。発電機の回転子に冷却用通風溝を形成することで永久磁石を効率的に冷却し、かつ発電機の小型・軽量化を実現する高冷却回転子構造を採用、電気特性と機械強度のバランスを保つことができる発電機設計技術を開発したということです。
これにより、風力発電システムの軽量化と建設時の作業負荷の低減。現在風力発電用として主に導入されている巻線形誘導発電機(2MW=2,000kW級)と比較して、同レベルの発電効率(97%以上)を保ちつつ、約30%の重量低減を達成できることを確認しました。
風力発電機の設計の分野で、すぐれた日本の発電機の設計と製作技術が発揮されることで、より高い効率や風車の性能の向上が望めるなら、それは世界にとって大きな貢献となる可能性があります。原子力発電への一方的な政策的な傾斜が緩まることで、日本の技術と産業の新しい地平さえ広がるような経過を期待したいところです。
プレスリリース / 日立製作所、2011年10月25日
・風力発電用の永久磁石発電機の小型・軽量化技術を開発
-----image(”今回開発した2,000kW級永久磁石発電機用高冷却回転子”) : 同リリースより
" 巻線形誘導発電機と比較して重量30%減(当社比)を実現株式会社日立製作所(略)は、このたび、風力発電システムの軽量化と建設時の作業負荷の低減などを実現する2,000kW級風力発電用の永久磁石発電機の小型・軽量化技術を開発しました。
今回、発電機の回転子に冷却用通風溝を形成することで永久磁石を効率的に冷却し、かつ発電機の小型・軽量化を実現する高冷却回転子構造を開発するとともに、磁石配置や冷却用通風溝寸法を最適化し、電気特性と機械強度のバランスを保つことができる発電機設計技術を開発しました。本技術を適用した2,000kW級永久磁石発電機を試作、検証した結果、現在風力発電用として主に導入されている巻線形誘導発電機(2,000kW級)と比較して、同レベルの発電効率(97%以上)*1を保ちつつ、約30%の重量低減*2を達成できることを確認しました。*1風車が駆動することにより回転子に入力される100の力に対して発電出力が97以上(発電ロスが3%未満)を実現する発電機
*2日立の風力発電用の2,000kW巻線形誘導発電機との比較
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今回、開発した高冷却回転子構造と発電機設計技術の特長は以下の通りです。1. 高冷却回転子構造
通常、永久磁石発電機の回転子は円筒形状である一方、今回開発した高冷却回転子構造は、永久磁石のN極とS極の磁極間に冷却用通風溝を設けることで、冷却風量を増加させることができるとともに、発電機内部まで適切に冷却風を配分することができます。これにより、回転子内に配置された永久磁石を効率的に冷却することができます。また、通風溝は、永久磁石の発熱(磁石損失)を増加させる磁束を低減する効果があるため、発電機の小型・軽量化とともに高効率化を実現することが可能となりました。
2. 発電機設計技術
永久磁石発電機は、電気特性だけではなく、永久磁石やコイルなどの各部位の温度上昇や回転子の機械強度に対して、技術的な制限値を満たす設計が求められます。このため、電磁界解析・応力解析・熱流体解析を活用した一元化設計技術を開発しました。この設計技術を適用することで、磁石配置や冷却用通風溝寸法の最適化が容易となり、小型・軽量かつ高効率な発電機を設計することが可能となりました。
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なお、本技術は、10月26日から27日に国立大学法人長崎大学で開催される電気学会回転機研究会にて紹介します。
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参考エントリー
・国は、第3次補正予算案に、いわき沖の浮体風力発電所など、再生可能エネルギー関連予算を復興策として盛り込む方針-----ソフトエネルギー、2011/09/20
・注目! 国家戦略室の動き エネルギー・環境会議 コスト等検証委員会-----ソフトエネルギー、2011/10/13
[ カテゴリー : 国内 ]
コメント続き
先週は、月曜日から土曜日までつながり・むくもりプロジェクトに助っ人として福島県にいっていました。日曜日には、同プロジェクトのこれまでの成果を見学しながら、福島県、宮城県、岩手県の3県のいくつかの太陽光発電システムの点検と確認に同行してきました。現地から、このブログを更新するつもりでしたが、諸所の事情から不可能でした。この間10/25日からの話題でどうしても掲載したい話題がいくつかあります。時間をみつけて、なんとかひろっていきたいと思います。今後とも、当ブログ「ソフトエネルギー」をよろしくお願いいたします。
南相馬での9kWpの太陽光発電装置は、10月29日の福島民報に掲載されました。
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上のプロジェクトの担当者の案内で、その後福島、宮城、岩手の同プロジェクトの代表的な支援場所を巡り、この半年以上にのぼる活動の概要を説明してもらいました。貴重な体験でした。その模様は、関係するサイトに後日掲載させていただく予定です。ぐぁんばれ、日本の再生可能エネルギー! 小規模分散型システムのキーワードは、現地で現地の人を支えるエネルギーということだと、再認識できる出張でした(2t)
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コメント
大型風力発電の発展に大いに期待していますが、最近、風車が風を切る音がうるさくて、夜、眠れないという記事を目にします。4km離れても、うるさいそうです。
昨年も、住民グループが加藤登紀子さんに苦情を持ち込み、一緒に民主党に押しかけて、風力発電への助成金を打ち切らせてしまった、という記事も読みました。
昼間の交通騒音は、誰でも我慢していますが、夜もうるさいと、眠れないかも、と、少し同情します。
そこで、提案ですが、4km以内に民家があるような場所では、夜間、午後9時から朝の5時頃まで、風車を止めて、静かな夜を提供してはどうでしょうか?
住民に受け入れられれば、政府の助成金も復活されて、風力発電がますます発展するでしょう。
羽根の止め方は、タイマー式で、自転車のブレーキ様のものや、3等分した軸の切り込みにブレーキを差し込む、など、いろいろ考えられる筈です。
住民の健康のため、日本の再生可能エネルギーの更なる発展のために、この案をご検討くださいまして、実行に移してくださるように、お願い致します。
投稿: 兼綱 寿美子・國章 | 2011/11/04 00:03