積水化学工業、太陽光発電の停電時の自立運転モードの利用実態調査を実施
積水化学工業は、2011年7月13~20日の期間に同社太陽光発電システム導入者を対象に太陽光発電の停電時の自立運転モードの利用実態調査を実施(有効回答:1,118件[震災エリア153、計画停電エリア329、震災・計画停電エリア以外636])し、認知度や利用方法の実態調査を行い、その結果を発表しました。
太陽光発電の自立運転モードには、停電などにより、電力会社から電力が供給されなかった場合、太陽電池が発電している間に専用のコンセントから電力を使用する運転モードのことで、太陽光発電の発電時に、実発電量内で最大約1500W程度の電力を利用できます。過去の震災などでは、いざというときに利用方法がわからなかったといった問題があり、今回の東日本大震災では、各メーカーや国などがその情報の周知に努めてきたという経緯があります。
調査結果によると、自立運転モードは被災エリアで67%、計画停電エリアで33%が実際に利用。自立運転の稼動時間は、震災地は6割が3時間以上、計画停電エリアは1~2時間。利用された負荷(家電など)は、震災エリアでは携帯電話が1位で83%、次いで炊飯器51%、テレビ40%。一方、計画停電エリアの1位はテレビ26%、次いで携帯電話24%、冷蔵庫22%。震災エリアは、炊飯器・電気ポットの利用が高いのが特徴で、食と通信に多く利用。計画停電エリアではテレビ、携帯電話、冷蔵庫がほぼ同じ比率で使用されたということです。
また、評価する意見が多数寄せられた一方、大型テレビが映らなかったケース、炊飯器も1升だと炊けなかった、大型テレビが映らなかったケース、炊飯器も1升だと炊けなかった事例などが報告され、さらには、蓄電池がないために昼間の発電時にしか使えない点などの指摘や要望が寄せられたということです。
今回の調査のような実態調査をもっと大きな数や規模で調査する必要があるのではと思います。また、被災地でどの程度の家屋への被害で、システムが稼動したのか、しなかったのかといった本質的な調査結果も知りたいところです。
プレスリリース / 積水化学工業、2011年8月18日
・太陽光発電 停電時の自立運転モードの利用実態調査
" ご近所の手助けができ、繋がりが深まった等のコメントが多数積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(略)は、このほど「太陽光発電システム(以下PV)自立運転モード※1の利用実態調査」を行いました。東日本大震災では地震発生直後に各地で停電、また関東エリア(一部地域を除く)では一時期計画停電を余儀なくされましたが、停電時に見直されたのがPVの自立運転モードです。電力会社からの電力供給が止まっても、PV住宅は晴天時、日中に自立運転モードに切り替えれば、発電した電力を使うことができるからです。テレビを見ることができれば情報を的確につかむことができるし、炊飯器や電気ポットが使えれば食事をつくることもできるということで、停電時のPVの自立運転機能が見直されました。
当社はPVについてはこれまで10万棟を超す実績があるトップランナー。PVの自立運転モードについて、震災エリア、計画停電実施エリア、その他エリアに分けて、その認知度、使用実績、使用した感想などを聞いたのが今回の調査です。
また、今回のアンケートで210件のコメントが寄せられています。「自立運転モードのおかげで非日常を日常のように振舞え、それが安心につながった」や「自立運転モードの活用で、携帯電話の充電やおにぎり配り等で近所に貢献し、繋がりが深まった」といったものが多くありました。※1 自立運転モードとは:停電などにより、電力会社から電力が供給されなかった場合、太陽電池が発電している間に専用のコンセントから電力を使用する運転モードのこと。
■調査結果のポイント
●自立運転モードの使用経験 被災エリア67%、計画停電エリア33%
PVの自立運転の使用実績は全体では22%ですが、被災地エリア67%(宮城・岩手に限ると94%)、計画停電エリア33%で、停電時に役立っています。自立運転機能の使い方については全体で80%が知っていました。
●停電時に使用した機器 被災エリアは通信と食に特化
停電時に自立運転モードで動かした機器は、震災エリアでは携帯電話が1位で80%、次いで炊飯器51%、テレビ40%に対し、計画停電エリアはテレビが1位で26%、次いで携帯電話24%、冷蔵庫23%。震災エリアは通信と食、計画停電エリアでは炊飯器の利用は1割にも満たないなど、エリアによって使い方の違いが鮮明です。
●自立運転の稼動時間 震災地は6割が3時間以上、計画停電エリアは1~2時間
自立運転の稼働時間は、震災エリアは「3時間以上」が60%、「2~3時間」15%。計画停電エリアは「1時間以内」39%、「1~2時間」29%で、PVの自立運転機能は必要に応じて使われたことを物語っています。
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調査結果の概要
1.PVの自立運転モードの認知度
●「使い方を知っている」は8割
PVには自立運転モードがあり、万が一停電した時には晴天時、日中であれば自立運転機能を活用して電力(最大1,500Wまで)を使うことができますが、当社のおひさまハイムFAN会員の80%が使い方を知っていました。停電経験エリアの方が認知度は高く、震災エリア93%、計画停電エリア88%、2つのエリア以外74%で、長時間停電を経験したエリアの方が認知度は高くなっています。
2.自立運転モードの使用経験
●震災エリア67%、計画停電エリア33%
PVに自立運転モードがあることは8割が知っているものの、使用実績となるとエリアによって大きく異なります。「使ったことがある」は震災エリア67%※2、計画停電エリア33%、2つのエリア以外ではわずか5%です。停電経験がないエリアは、使用実績が極端に低くなっています。※2 宮城県、岩手県に限ると94%と高くなっています。
3.自立運転で使用した機器と時間
●自立運転で動かした機器のエリア特性
震災エリアでは停電時に自立運転モードで動かした機器は、携帯電話が1位で83%、次いで炊飯器51%、テレビ40%。一方、計画停電エリアの1位はテレビ26%、次いで携帯電話24%、冷蔵庫22%。震災エリアは、炊飯器・電気ポットの利用が高いのが特徴で、食と通信に多く利用。計画停電エリアではテレビ、携帯電話、冷蔵庫がほぼ同じ比率で使用されていました。2つのエリア以外では、冷蔵庫39%、携帯電話32%、テレビ13%。停電を想定し電力の大小で使える機器を試してみたのではないかと推測することができます。
●震災エリアの稼働時間 6割が3時間以上
自立運転の稼働時間について、震災エリアでは長時間停電したこともあって稼動時間も長く、「3時間以上」が60%。計画停電エリアで一番多いのは「1時間以内」の39%、「3時間以上」はわずか10%で、1~2時間の使用が大半です。計画停電エリアと震災エリアでは必要度に大きな差があったといえます。
●震災エリアで使われた機器
震災エリアで多かった稼働時間3時間以上の人が使用した機器は、携帯電話83%、炊飯器54%、テレビ42%で、必要機器を絞って使っていたことが読み取れます。一方、計画停電エリアで一番多い1時間以内の人が使用した機器は、1位携帯電話32%、2位電気ポット20%、3位テレビ15%で、実験的にいろいろな機器を使ってみたという方が多かったといえそうです。
4.自立運転モードを使用しての感想
●ポジティブコメントが多数
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関連
・環境省 : 太陽光発電の使い方に関するパンフレット-太陽光発電の賢い使い方
参考エントリー
・家庭用太陽光発電(系統連系)の自立運転方法(停電対応)について 1-----ソフトエネルギー、2011/03/16
・家庭用太陽光発電(系統連系)の自立運転方法(停電対応)について 2-----ソフトエネルギー、2011/04/02
コメント続き
太陽光発電システムにバッテリーを設備することが震災以降急速に加速しています。停電がめったになかった日本が、震災以降急速に必要性が生じ、まさに各家庭が自主防災の必要性に備える必要がでてきたからです。関東地方では、夏の計画停電は実施されずにすみましたが、電力が本当に不足しているのかなど、日本の電力の実態についての正確な情報の入手となると未だ道半ばです。さらに日本の電力の状況について正確な状況の把握を国民全体ができるような体制が不可欠です。
太陽光発電の自立運転モードを生かして、必要な負荷を非常時に使えるシステムにいては、小社では、照明と通信機器程度を満たすのであれば、高価なバッテリーを導入するよりも、充電器と必要な量のバッテリーと小型のインバーターを導入することをお勧めしています。大型のバッテリーにいては、本当にお勧めできる商品の登場にはまだしばらく時間がかかると思います。(2t)
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