昭和シェル石油、ソーラーフロンティア、新潟県の雪国型メガソーラーで計画比約120%増の発電量を達成
昭和シェル石油は、その子会社であるソーラーフロンティアのCIS太陽電池を利用した、新潟県の雪国型メガソーラーで計画比の約120%増の発電量を達成したことを発表しました。
新潟市東区平和町の旧新潟製油所跡地に設置された太陽電池は、ソーラーフロンティア製の80WCIS太陽電池12,528枚、合計1,000kW。つまり1MWpのメガソーラー設備です。同地区は、当然のごとく冬季に曇りが多く、しかも降雪対策も必要とあって、日射条件以上に不利な状況が想像されました。しかし、同社によると、雪国における太陽電池の設置最適傾斜角の追求により、降雪時においても雪の滑落性能が高く十分な発電実績を記録することに成功したということです。
結果、太陽電池のCIS太陽電池の特性もあいまって、計画比約120%の発電を記録しているということです。
雪国においても実績をあげることが可能ということは、今後のメガソーラーの用地を考える上でも朗報になりそうです。
プレスリリース / 昭和シェル石油、2011/08/03
・新潟雪国型メガソーラー 年間発電量目標を早くも達成!
-----image(”新潟雪国型メガソーラー 積雪時の様子”) : 同リリースより
" 新潟県と昭和シェル石油株式会社(略)は、新潟県の補助事業、ならびに一般社団法人新エネルギー導入促進協議会の「地域新エネルギー等導入促進事業」を活用した雪国型メガソーラー(大規模太陽光発電所)の運営を2010年8月31日に開始し、年間発電量目標値の100万kWhを40日あまり前倒しとなる本年7月25日に達成いたしました。
..........
当施設では、昭和シェル石油株式会社の100%子会社であるソーラーフロンティア株式会社(略)が生産するCIS太陽電池を使用しております。CIS薄膜太陽電池は、他の量産レベルの薄膜系太陽電池に比べて高い変換効率を実現しており、さらには、実際の使用条件下においても優れた発電量(kWh)が期待できるという特長をもっています。これは、設置後の発電量が規格に比べ上昇するという光照射効果や、温度による影響を受けにくいためシリコン系太陽電池に比べて幅広い気候条件で高い発電能力を発揮できることによるものです。【レビュー】
降雪や、冬季に曇り空の多い新潟でも、高い発電性能が確認された。雪国における最適傾斜角検証 - 太陽電池パネルの設置角度を20度と30度の2種類設置→降雪時に雪の滑落の観点からは30度の方が良いが、平時においては大きな差はない。
積雪対策のため太陽電池パネル設置の高さ - 地上1mの高さから太陽電池を設置→当該地域においては、降雪時の滑落した雪の高さに鑑みても十分な高さといえる。【新潟雪国型メガソーラー 交流発電量実績】
2010年9月~2011年7月 交流発電計画 85万kWh (新潟市内平均日照時間 1,428時間)
2010年9月~2011年7月 交流発電実績 103万kWh (新潟市内日照時間 1,474時間)
計画比約120%と順調に進捗しており、降雪時においても雪の滑落性能が高く十分な発電実績を記録
-----image : 同リリースより新エネルギー財団では、1995年4月から2005年3月までの10年間の都道府県別kW当たりの年間発生電力量を発表しています。当資料によれば、全国47自治体のkW当たりの年間平均発生電力量は990.02kWh/年であり、1kWでは約1,000kWhの発電がおこなわれたことがわかります。新潟県を見てみると、863.46kWh/年 となっており、全国平均に比べて約13%低い実績となっています。
一方、新潟県と共同で取り組んでいる新潟雪国型メガソーラー(1,000kW)の年間発電量については、これまでの実績から110万kWh/年強を見込んでおり、全国平均を上回る結果が予測されます。
-----image : 同リリースより注:新潟雪国型メガソーラーの平均値は10年9月から11年7月までの11カ月の平均になります。
【新エネルギー財団資料】http://www.solar.nef.or.jp/josei/h18-07.pdf【新潟雪国型メガソーラー 概要】
所在地: 新潟県新潟市東区平和町15
(昭和シェル石油株式会社 「新潟石油製品輸入基地」構内 旧新潟製油所跡地)
発電規模: 1,000kW
運営開始日: 2010年8月31日
年間発電目標: 100万kWh
使用パネル枚数: 12,528枚
.......... "
関連
・ソーラーフロンティア-昭和シェル石油の100%子会社
/ 2011年8月3日新潟雪国型メガソーラー 年間発電量目標を早くも達成!(PDF)
MEMO
・低炭素社会づくり実証プロジェクト発表会の開催について~海の森づくり、克雪型太陽光発電、温泉熱・雪氷冷熱利用のご紹介~ -----北海道経済産業局、平成23年1月14日
-「太陽光発電セミナー」の開催結果について
" .....雪国の太陽光発電は本当に不利なのか.....
『克雪型太陽光発電システムの実証試験結果』
講師:積雪の影響を受けない太陽光発電システムの開発・実証委員会副委員長((財)北海道電気保安協会理事・事業本部長) 三輪 修也 氏
資料「克雪型太陽光発電システムの実証試験結果」(PDF形式/2,824KB)
『積雪地の太陽光施工事例の紹介』
講師:一般社団法人 北海道エコエネルギー技術協会 監事((株)Mr.ルーフマン 代表取締役) 秋山 信介 氏
資料「積雪地での太陽光施工事例の紹介」(PDF形式/4,699KB)
『道内太陽電池メーカーの取組とご提案』
講師:伊藤組モテック(株) 技術顧問 北村 外幸 氏
資料「道内太陽電池メーカーの取組とご提案」(PDF形式/3,111KB)
.......... "
コメント続き
日本でメガソーラーがある程度の勢いをもって(菅首相の再生可能エネルギー2010年代+10%のような)、再生可能エネルギーの普及においてその一翼を担うことができるかどうかは、法案や制度の整備にかかっています。この国が、海外への化石燃料を毎年二十兆円以上かけて買い続け、それを補うためにさらに海外からウランを買い、目途の立たない技術と原発立地のためのあらゆる促進策としての金のばらまきを続け、結果当初から地震国日本での原発の運用に警鐘を鳴らす声をきかずに現在の危機を招いたことを考えれば、明らかにある程度強いリーダーシップとそれを裏付け、確実に数十年以上かけて、再生可能エネルギーという産業を育成することが必要です。
しかし、産業界も官僚、そして主導権をもつべき政治家、そしてわれわれ国民も十分な意志を表明する”材料”にかけているように見えます。
もういちど、福島原子力発電所の事故のような過酷事故を経験しないと、舵を切れませんか? もしそれがいつでも起これば、日本が再起する道はさらに困難になるリスクについては、だれが責任を取るのか、現在の福島の事故と核汚染の責任、対応が現状のように不十分なままでは、次の一歩もおぼつかない。生存のためにさえ、本気の議論をさける政治、そしてそれをゆるしてきたわれわれの今の姿を考えると、なんともやりきれない日々です。
再生エネルギー特別措置法案、決まることはきまりそうですが、十分ではない形、手足をもがれた形での決定になってしまうかもしれませんね。ならば、来年以降、どこかでエネルギー問題を争点にこの国の未来を問う機会がどうしても必要です。 ふんばろう、日本!(2t)
・再生エネルギー特別措置法案審議入り-----ソフトエネルギー、2011/07/14
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