味の素、液体調味料製造時の残渣をバイオマス燃料として川崎バイオマス発電所に供給
味の素は、液体調味料製造時の脱脂大豆の残渣をバイオマス燃料として川崎バイオマス発電所に供給を開始しました。
この、大豆の植物性タンパク質を分解し、その分解物からアミノ酸を抽出したしぼりかすである残渣のことをヒューマスと呼ぶそうです。このヒューマスは、液体調味料製造過程で食塩や水分を多く含んでいることから、従来は燃料化が困難でしたが、新しい技術の開発に成功し、バイオマス燃料としての利用が可能となったということです。
一方、神奈川県川崎市川崎区の川崎バイオマス発電所は、今年2月から操業を開始したわが国最大、33,000 kWのバイオマス専焼の発電所です。本来、特定規模電気事業者(PPS:Power Producer & Supplier)として、大規模需要家に電力を供給する予定でしたが、東日本大震災後、東京電力からの要請を受け、一般送電網への電力供給を行っているということです。
・住友林業ら三社出資の川崎バイオマス発電所が営業運転を開始-----ソフトエネルギー、2011/02/07
プレスリリース / 味の素、2011年6月22日
・味の素(株)、液体調味料製造時の残渣をバイオマス燃料※1として発電所に供給開始
" 味の素株式会社(略)は、2011年3月より、調味料主力工場である川崎工場(神奈川県川崎市川崎区)の液体調味料※2 製造過程で生成される脱脂大豆の残渣“ヒューマス”※3を、新たなバイオマス燃料として川崎バイオマス発電所(神奈川県川崎市川崎区)に供給開始しました。
なお、川崎バイオマス発電所で発電された電力は東京電力株式会社とその他の企業へ供給されます。※4※1:再生可能な植物由来のエネルギー資源。バイオマス燃料は、植物の成長過程でCO2を吸収するため、燃やしてもCO2フリー(カーボンニュートラル)とみなせる。
※2:大豆の植物性タンパク質を分解して得られる、アミノ酸を主成分とする液体調味料。加工食品の原料として幅広く使用される。
※3:大豆の植物性タンパク質を分解し、その分解物からアミノ酸を抽出したしぼりかす。
※4:東日本大震災後、川崎バイオマス発電所は東京電力株式会社からの要請を受け、電力供給を開始。このヒューマスは、液体調味料製造過程で食塩や水分を多く含んでいることから、従来は燃料化が困難でした。しかし今回、液体調味料製造時のろ過洗浄技術を向上させることで、ヒューマスの食塩濃度と水分量の低下を実現。その結果、バイオマス燃料としての利用が可能となりました。
当社では、環境負荷の低いエネルギーへのシフトが求められている現在、ヒューマスを燃料化して再生可能エネルギーの利用を促進することは、環境保全の観点からも有用な取り組みであると考えています。
今回供給開始する当社のヒューマスの特長は下記の通りです。
●再生可能なエネルギーであり、燃やしてもCO2フリー(カーボンニュートラル)とみなせるバイオマス燃料である。
●同様のバイオマス燃料である生木チップと同等の熱量を有し、また、湿分除去ベースでは石炭並みの熱量を有する。
●川崎工場の生産計画に沿って計画的に生成されるため、安定的な供給が可能。<味の素株式会社 川崎工場 概要>
(1)所在地:神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号
(2)工場長:森 重徳
(3)操業開始:1914年
(4)主な生産品目:「ほんだしR」
「Cook DoR」「味の素R」
各種業務用調味料、各種アミノ酸等
(5)工場従業員数:約600名<川崎バイオマス発電株式会社 川崎バイオマス発電所 概要>
(1)所 在 地:神奈川県川崎市川崎区扇町12番6号
(2)代 表 者:戸川 裕昭
(3)操業開始:2011年2月
(4)発電規模:33,000kW(バイオマス専焼設備としては国内最大)
(5)燃 料:木質バイオマス+ヒューマス
(6)主要設備:発電設備(循環流動層ボイラー、タービン発電機、冷却塔方式)
大気環境設備(排煙脱硫設備、排煙脱硝設備、除塵装置)
排水処理設備
(7)CO2削減効果:年間12万t(22,000世帯分に相当)
(8)発電所従業員数:15名
.......... "
関連
・住友共同電力 / 川崎バイオマス発電事業
-----image : 上記サイト
コメント続き
ヒューマスは、humus。辞書的には、腐植土のことです。どこかで聞いたことがある単語だと思いましたら、園芸の本などでおなじみの単語でした。
このヒューマス、下のサイトには、このように記載されていました。これまでもさまざまな用途への利用が研究されてきたようですね。年間約1万トン程度のヒューマスが発生していたとあります。川崎バイオマス発電所では、年間18万トンの木質系燃料を利用しているとのことですので、決して小さな容量ではないですね。(2t)
・神奈川県畜産技術センター 研究情報 2008年7月「アミノ酸かすヒューマスを利用した家畜ふんの抑臭堆肥化技術」
”ヒューマスとは
ヒューマスは、脱脂大豆を塩酸と苛性ソーダで処理し、圧搾ろ過によりアミノ酸液を分離した後の残さを水で十分に洗浄した搾汁かすです(図1)。
味の素株式会社川崎事業所から年間約1万トン発生し、大部分は有機性廃棄物として処理されていますが、一部は特殊肥料として利用されています。”
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