岩手県八幡平市と日本重化学工業、地熱エンジニアリング、JFEエンジニアリング、八幡平で地熱発電事業化に関する協定を締結
岩手県八幡平市と日本重化学工業、地熱エンジニアリング、JFEエンジニアリングは、岩手県八幡平市八幡平御在所地域(松尾八幡平地域)における地熱発電の事業化検討に合意し、協定を締結したと発表しました。当地域は、全国でも有数の地熱地帯で、すでに産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、当地域の地熱開発促進の諸調査を終えているとのことです。これらの調査を通して、当地域には最大で20~50MW相当の地熱資源の腑存が想定されているとのことです。
岩手県八幡平市と3社は、その資源としてのポテンシャルの高さから地熱発電可能と判断し、四者は今後、具体的に事業化の検討を進め、関係諸官庁と許認可の取得等について協議を行うということです。
四者は早期に検討を進め、2015年には出力7,000kW級の地熱発電設備により発電事業の開始を目指すとしています。具体的には、地熱流体の熱を用いて低沸点媒体を沸騰させタービンを回し発電するバイナリー発電方式を採用し、産出する地熱流体を全量地下に還元する環境にやさしい地熱発電方式を実現するということです。
八幡平市には、昭和41年に日本で初めて運転が開始され、世界でも4番目の地熱発電所といわれる松川地熱発電所があります。そして、今回建設される運びとなりそうな八幡平の地熱発電所が実現すれば、「東京電力が99年に八丈島で運転を始めたのを最後に新設されておらず、実現すれば、16年ぶりの新規稼働になる(毎日新聞)」となるということです。
プレスリリース / JFEエンジニアリング、2011年7月11日
・岩手県八幡平・地熱発電事業化検討に関する協定の締結について
" このたび、岩手県八幡平市(市長:田村正彦)、日本重化学工業株式会社(略)、地熱エンジニアリング株式会社(略)およびJFEエンジニアリング株式会社(略)の四者は、岩手県八幡平市八幡平御在所地域(松尾八幡平地域)における地熱発電の事業化検討に合意し、協定を締結いたしました。当地域は、全国でも有数の地熱地帯です。四者は、これまでに独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、当地域の地熱開発促進の諸調査を行ってまいりました。これらの調査を通して、当地域には最大で20~50MW相当の地熱資源の腑存が想定されています。その資源としてのポテンシャルの高さから地熱発電可能と判断し、四者は今後、具体的に事業化の検討を進めるとともに、関係諸官庁と許認可の取得等について協議を行ってまいります。
八幡平市は、環境と調和・共生した暮らしや産業の仕組みをつくる中で、再生可能エネルギーの実用性を探り、二酸化炭素排出量削減などの地球温暖化対策に取り組んでおります。
日本重化学ならびに同社グループ会社の地熱エンジは、日本初の松川地熱発電所を立ち上げるなど地熱発電のパイオニアとして、地熱探査や掘削、分析、蒸気生産管理などの資源開発において、国内トップクラスの技術力を有しております。
JFEエンジは、地熱発電分野において、全国18箇所の発電所のうち9箇所で蒸気設備を建設しており、また昨年度にはバイナリー発電※システムも商用化しました。さらに今後は発電事業への参入も視野に入れております。これら各社の強みを活かし、四者は早期に検討を進め、2015年には出力7,000kW級の発電設備による送電開始を目指し、再生可能エネルギーの活用に貢献してまいります。
※ バイナリー発電:地熱流体の熱を用いて低沸点媒体を沸騰させタービンを回し発電する方式。地熱のサイクルと低沸点媒体のサイクルの二つの(バイナリー)サイクルを持つことからバイナリー発電と言う。産出する地熱流体を全量地下に還元でき、環境にやさしい地熱発電方式。
.......... "
・岩手県八幡平・地熱発電事業化検討に関する協定の締結について-----日本重化学工業、平成23年7月11日
・地熱エンジニアリング / 岩手県八幡平・地熱発電事業化検討に関する協定の締結について(2011.7.11)
・平成22年度「地熱開発促進調査(開発可能量調査)」に係る委託先決定について-----NEDO,平成22年6月30日
追加情報
・JFEエンジニアリングら4社共同出資で、岩手県松尾八幡平地域で地熱発電事業へ。調査開始-----ソフトエネルギー、2013/05/24
" 日本最初の地熱発電所
松川地熱発電所は、1966年10月に日本重化学工業(株)が日本で初めて運転を開始した地熱発電所で、以来30年以上も発電を継続しています。多くの地熱地域では、生産井から蒸気と熱水が混じって噴出しますが、松川は蒸気だけが噴出する、我が国では唯一の蒸気卓越型地域です。地熱発電所では、一般の火力発電所のように蒸気を作るための燃料(石炭、石油など)が要らず、発電する際に排出される炭酸ガスも火力発電所の1/20から1/200なので環境にやさしく、また再生可能でもある貴重な国産エネルギーです。松川では発電のほか、温水を造成して地元に供給しています。展示室には実物の夕一ビンがおいてあり、内部の構造がわかるようになっています。
近くには「小岩井農場(ジンギスカン)」、「網張、雫石スキー場」のほか、数多くの温泉があり、年間を通じて楽しむことができます。 "
・JFEエンジニアリング、地熱発電事業推進室を設置-----自然エネルギー、2009/09/04
・米国オーマット社と地熱バイナリー発電設備の業務協定を締結-----JFEエンジニアリング、2010.06.23
-----image : 上記リリースより
"..........オーマット・インターナショナル社(米国)※1と地熱バイナリー発電設備の日本国内での業務協定を締結いたしました。当社は、日本において地熱バイナリー発電設備をターンキーでご提供すると共に、バックアップサービスを行います。
当社では、従来より地熱発電分野において、蒸気・熱水生産設備、熱水還元設備を広くご提供しご好評をいただいてまいりましたが、今回の協定により、日本で初めてバイナリー発電設備を含む生産井坑口から還元井坑口までの一貫地熱発電システムをご提供することが可能となりました。オーマット社の地熱バイナリー発電設備は、以下の特長を有しています。従来のフラッシュ式発電に必要な蒸気(200℃以上)に比較して、低温域(100℃以上)の蒸気・熱水を利用できる。
高温蒸気が使用できる場合には、蒸気タービン発電とバイナリー発電の複合発電を行うことができる。
地熱バイナリー発電設備としては世界最高クラスの発電効率と信頼性を誇り、世界中に1,200MW以上の豊富な納入実績を有している。
空冷コンデンサーを採用することで、地下から取り出した熱流体を全量地下に還元して資源循環できるので環境負荷が小さい。
白煙の発生がなく、寒冷地においても周辺への着氷がない。
単機出力250kWから15,000kW級と、幅広い出力への対応が可能。
..........
※1 オーマット・インターナショナル社は、ニューヨーク証券取引所に上場しているオーマット・テクノロジーズ社の100%子会社。本社=米国ネバダ州。オーマットグループは、地熱および廃熱回収発電設備の設計、製造、販売、現地施工、関連するサービスを行い、更に、その設備の所有、運転を世界各地で行っている唯一の地熱事業垂直統合企業グループです。1966年よりバイナリーサイクルの開発を始め、現在までに65地点、合計1,200MWのバイナリー地熱発電所および蒸気タービンとの複合発電所を建設しています。伊藤忠商事株式会社が日本における営業代理店です。
.......... "
コメント続き
報道によれば、今回の発電予定地周辺にあった温泉施設はすでに廃業していること。さらに予定地は十和田八幡平国立公園の区域外にあるということで、スムーズに建設手続きが進みそうだということです。
・地熱発電所:岩手で15年事業化へ…JFE、八幡平市など-----毎日jp,2011年7月11日
" 地熱発電はこれまで、温泉の枯渇を懸念した温泉業界からの反発もあって、普及が進まなかった。ただ、今回の発電予定地周辺にあった温泉施設はすでに廃業している。予定地は十和田八幡平国立公園の区域外にある。"
八幡平といえば、むかしはバックパッカーの聖地です。日本に貴重なウィルダネスという呼び声も高い土地です。環境との共存に十分に配慮し、わが国の地熱復活の端緒と是非なってください。(2t)
[ カテゴリー : 温泉、地熱、地中熱 ]
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