« イベント 7/13 自然エネルギー協議会 第1回総会 Ustream中継 | トップページ | 菅首相、脱原発へ”歴史的”会見。そして、今日再生エネルギー特別措置法案審議入り(予定) »

IHI ら、神戸大学 榎本 平教授らの高効率藻類バイオ燃料の開発技術を活用した新会社 IHI NeoG Algae の設立へ

 IHI そして ネオ・モルガン研究所(NML)、さらに神戸大学のベンチャー企業、ジーン・アンド・ジーンテクノロジー(G & GT)は、IHI NeoG Algae(アイエイチアイ ネオジー アルジ)社を合同会社として設立し、藻類バイオ燃料事業に関する技術開発を共同で実施することに合意したと発表しました。会社設立は平成23年8月上旬を予定、IHI はこの事業の推進のため、当初2年間で4億円の投資を行うということです。

 この藻類バイオ燃料事業とは、神戸大学 発達科学部の榎本 平教授の指導のもとで、独自の品種改良を重ねて、燃料生産に適した性質を持つように開発された藻----リリースによれば、榎本藻(えのもとも)----の燃料生産性を最大限に発揮できる培養法を使い、世界中で開発が進む藻類を利用したバイオ燃料の生産に向けての開発事業です。
 榎本藻(えのもとも)は、燃料を生産する緑藻(りょくそう)であるボツリオコッカスの一種ですが、一般的なボツリオコッカスに比較して一ヶ月間で約1000倍の量に増殖する能力を、雑菌等の他の生物が混在する環境でも培養が可能となる堅牢性を備えているということです。生産される燃料は重油に相当する高い品質であることが確認されているということです。

プレスリリース / IHI,2011年7月7日
藻類バイオ燃料の研究開発合同会社の設立 ~燃料生産能力が最も高い藻の開発に成功、実用化を目指す~

110707
-----image(”左:榎本藻の培養特性試験/右:種藻培養設備”) : 同リリースより

" 株式会社IHI(以下、IHI)と有限会社ジーン・アンド・ジーンテクノロジー(以下、G&GT)および株式会社ネオ・モルガン研究所(以下、NML)は、IHI NeoG Algae(アイエイチアイ ネオジー アルジ)合同会社を設立し、藻類バイオ燃料事業に関する技術開発を共同で実施することに合意いたしました。なお、会社設立は平成23年8月上旬を予定しており、IHIは本事業の推進のため、当初2年間で4億円の投資を行います。
 
 藻類は、水中に生息している植物の総称であり、主に光合成によって増殖します。その一部には育成の過程において燃料を生産するものがあります。藻類は成長する際にCO2を吸収し、また増殖が速いという特徴を有しているため、原油や食糧の価格高騰と地球温暖化を同時に解決するソリューションとして、藻類を利用したバイオ燃料生産に対する注目が高まっています。

 このたび、神戸大学発ベンチャーのG&GTが、現時点で明らかになっている藻類の中で、燃料生産能力が最も高い藻(以下、榎本藻(えのもとも))の保有を明らかにしました。榎本藻は国内で発見された特殊な藻をベースに、G&GTの顧問である榎本 平教授の指導のもとで、独自の品種改良を重ねて、燃料生産に適した性質を持つように開発された藻です。さらに、G>は榎本藻(えのもとも)の性能を最大限に発揮できる培養法の開発にも成功しました。

 榎本藻(えのもとも)は、燃料を生産する緑藻(りょくそう)であるボツリオコッカスの一種となりますが、一般的なボツリオコッカスに比較して一ヶ月間で約1000倍の量に増殖します。また雑菌等の他の生物が混在する環境でも培養が可能となる堅牢性を有しているだけでなく、生産する燃料は重油に相当する高い品質であることが確認されています。

 藻類バイオ燃料は、ジェット燃料や重油としての利用が見込まれることから、世界各国で盛んに研究開発が進められています。IHIは、従前より生物培養に関する研究開発を行い、基盤技術を蓄積して参りました。また、バイオプラントにおいて、多数の設計・施工実績を有しております。NMLは、様々な微生物を利用した医薬品、化学品、食料品生産のプロジェクトで豊富な実績を有するベンチャー企業です。また、微細藻類の研究においても国内トップクラスの経験とノウハウを有しています。このたびの榎本藻(えのもとも)の開発を機に、三社が一体となるIHI NeoG Algaeは、榎本藻(えのもとも)の大量培養によるバイオ燃料の製造を目指し、今後は、培養スケールアップ、藻体からの油分分離・回収、藻のさらなる能力向上等の技術開発を進めて参ります。
 IHI NeoG Algae 代表 藤田 朋宏は、次のように述べております。
「藻類バイオ燃料に対する期待と投資が世界中で高まっています。我々は、食糧を燃料に変換する方式ではなく、太陽のエネルギーで二酸化炭素を燃料に変換する光合成によって、食糧を使わなくても高速で増殖する榎本藻(えのもとも)を用います。プロジェクトを推進するために、世界トップクラスのプラント技術を保有する企業と世界で活躍するバイオテクノロジーのベンチャー企業が一つの器でゴールを目指す体制を整えることができました。
日本発の技術を磨きあげ、日本経済の為に貢献するだけでなく、数十年、数百年先を見据えて地球環境を守り改善することを目標にし、今後世界を変えるための技術を作り上げていきます。」 

<IHI NeoG Algae 概要>
商   号 : IHI NeoG Algae合同会社 (アイエイチアイ ネオジー アルジ)
設   立 : 平成23年8月上旬予定
資 本 金 : 2億6,000万円
代表社員 : 藤田 朋宏
事業内容 : 藻類由来バイオ燃料の基礎研究および実証研究
所 在 地 : 神奈川県川崎市(NML本社内)
出 資 者 : IHI、G&GT、NML、藤田朋宏
........... "

関連
ネオ・モルガン研究所
 -IHI NeoG Algae合同会社

3-7-4 重油(藻原油)産生藻類Botryococcus braunii培養プラント化のため非無菌・完全無機培地の開発-----CiNii - NII論文情報ナビゲータ (2010-08-02)

" We developed complete inorganic culture medium , making the non -aseptic culture of Botryococcus braunii possible . "

・Wikipedia : ボツリオコッカス・ブラウニー

参考
榎本教授が遺伝子増殖の新試薬キットを開発しました-----神戸大学、2005/04/12

コメント続き

 世界中で油を”産む緑藻”の研究が行われています。今年の2月のWiredVisionの以下の記事では、「藻類のボトリオコッカスから取れるオイルは1リットル当たり155円、閉鎖系のリアクター培養ですと800円にもなり、原油の数倍から10倍」という記述があります。

オーランチオキトリウムが、日本を産油国にする(1)-----WiredVision,2011年2月25日

 そして、今回の発表では、「一般的なボツリオコッカスに比較して一ヶ月間で約1000倍の量に増殖」とあります。神戸大学 発達科学部 榎本 平教授の研究は、「高増殖性・高重油生産性を有する重油生産藻類Botryococcus brauniiの開発に関する研究や遺伝子クローニング技術の開発」だということです。

 数字だけみると、かなり、かなりいい数字に思えます。当然数年後のより実用段階の高い未来では、それは原油をしのぐ”油”となる可能性があります。(2t)

追加情報
藻からのバイオ燃料。未来を救うか? 藻、緑藻情報 / おまとめサイト-----自然エネルギー、2011/07/14



ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。





・東北関東大震災、福島原子力発電所事故対応サイト : crisis311 #disaster_kit311


greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2

[PR]

|

« イベント 7/13 自然エネルギー協議会 第1回総会 Ustream中継 | トップページ | 菅首相、脱原発へ”歴史的”会見。そして、今日再生エネルギー特別措置法案審議入り(予定) »

コメント

榎本平教授の藻に極似した石油藻の技術が完成したので、資金と土地の提供をトランス・アルジ(株)から私の会社に申し入れがあります。今日の榎本教授のTV放送を拝見しトランスアルジ(株)技術を疑わざるをえません

投稿: 砂田 杲洋 | 2013/08/02 16:00

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: IHI ら、神戸大学 榎本 平教授らの高効率藻類バイオ燃料の開発技術を活用した新会社 IHI NeoG Algae の設立へ:

« イベント 7/13 自然エネルギー協議会 第1回総会 Ustream中継 | トップページ | 菅首相、脱原発へ”歴史的”会見。そして、今日再生エネルギー特別措置法案審議入り(予定) »