« ドイツの再生可能エネルギー、2010年に電力の17%、総エネルギーに対して11%を達成。さらに、広がる脱原発の動きに注目! | トップページ | ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの7MW洋上風車 Vestas V164 offshore wind turbine を発表 »

林野庁、平成22年度森林・林業白書を公開。バイオマス発電など木質バイオマスエネルギー利用も紹介

林野庁は、平成22年度森林・林業白書を公開しました。白書では、木材の需要は1996年以降減少傾向にあり、2009年には、対前年比19%減の大幅な減少となり。一人当たり木材需要量も、ピーク時の1973(S48)年の半分 0.05 [m3/人]にまで落ち込み。さらに、安い輸入木材への依存が進み、2009年の木材自給率も 27.8%にまで落ち込んでいることが紹介されました。国は、2010年6月に”森林・林業再生プラン”を閣議決定。新成長戦略21 として、国家戦略プロジェクトに位置づけることで、さまざまな需要の喚起、そして木材自給率の向上を図る方針であるとのことです。
 需要の喚起予測の数字を見つけることができていないのですが、今後10年で木材自給率を50%にまで回復させる計画であるとのことです。森林の多面的機能の発揮、雇用創出、山村地域の活性化、低炭素社会構築への寄与などが、この計画に期待されているということです。

 バイオマスのエネルギーとしてのポテンシャルは、4月21日に公開された環境省の再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査には、項目すらなく、ほとんど手付かずといわれる森林バイオマス資源の有効活用について、後日調べたいと考えていましたので、参考になりそうです。

 今回の林野庁の白書は、バイオマス発電など木質バイオマスのエネルギー利用にも言及。第I章の木材需要の拡大-新たな「木の文化」を目指して、の中に木質バイオマスのエネルギー利用という項目が立てられ若干の情報が掲載されています。
 その概要は、H14年の「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS 法) により、石炭火力発電所における木質バイオマスの混合利用が進展。昨年末で全国の十数か所の石炭火力発電所において混合利用が実施、または計画しされているということです。
 木質バイオマスは、発生形態によって、未利用間伐材等、工場残材、建設発生木材3つに分類されているが、未利用間伐材は、収集・運搬コストがかかることから、多くは搬出されず林内に放置されそのほとんどが未利用とのことです。毎年2,000 万立法メートル分があるとのことです。
 
 コスト、手間を考えると現状はやむをえないのかもしれませんが、バイオマス日本を目指すならば、他のチップボイラーやペレットボイラーの普及などとあわせての活用を期待したいところです。

プレスリリース / 林野庁、平成23年4月26日
平成22年度森林・林業白書の公表について

Rinya22biomassp9
-----image("上-p.28、下-p29") : 同リリースより-----
Rinya22biomassp10

" 平成22年度森林及び林業の動向並びに平成23年度森林及び林業施策について、本日、国会提出案件として閣議決定されました。  平成22年度森林・林業白書は、森林の有する多面的機能の発揮と林業の持続的かつ健全な発展を図るために進めている各般の施策を分かりやすく記述しています。 今回の白書は、冒頭のトピックスで、森林・林業の再生に向けた改革について取り上げるとともに、「東日本大震災」による被害や「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の成立等を紹介しています。 また、本編では、第I章の特集章において、公共建築物の木造化、木質バイオマスのエネルギー利用、木材輸出を中心に、木材の需要拡大に向けた取組の現状と課題を紹介しています。 さらに、第II章以降の各章では、地球温暖化対策、森林の整備・保全、林業・山村、林産物・木材産業、国有林野の各分野における主な動向を紹介しています。 ......... "

関連
森林・林業白書 / 平成22年度森林・林業白書

" .....第1部 森林及び林業の動向
第I章 木材需要の拡大-新たな「木の文化」を目指して-.....
第3節 木材需要拡大に向けた最近の動向(PDF:1,329KB)

(1)公共建築物の木造化
(2)木質バイオマスのエネルギー利用
(3)木材輸出
.......... "

農林水産省:バイオマス・ニッポン

農林水産省:環境バイオマス政策

参考
環境省、平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査の結果を公表-----ソフトエネルギー、2011/04/22

コメント続き

 同白書は、震災後に発表されたことで、「宮城県や岩手県等の沿岸部で、地震と津波により、海岸林や木材産業施設等に甚大な被害が発生。災害の復旧・復興に向けて、全力で取り組。」という内容も付け加えられています。
 震災後に発生した大量の瓦礫の処理をめぐって、バイオマス資源として活用することも具体的に検討されているようです。


「ガレキの再生」と「雇用」「地場産業の振興」、組み合わせた復興支援をのぞむ-----BPネット、2011年04月27日
".....「ガレキの再生」と「雇用」「地場産業の振興」、組み合わせた復興支援をのぞむ..... "

 森林資源が豊富な東北、北関東の森林資源、全体の具体的かつ立体的なな今後の取り組みが期待されます。(t_t)

関連エントリー
福島県白河市、白河ウッドパワー大信発電所。現在、フル稼働中-----ソフトエネルギー、2011/04/15

[ カテゴリー : 木質、森林/バイオマス ]

 コンテンツの具体的な内容は以下、

" 平成22年度 森林・林業白書 全文
表紙(PDF:98KB)

平成22年度 森林及び林業の動向

目次(PDF:530KB)

第1部 森林及び林業の動向

はじめに(PDF:412KB)

トピックス(PDF:1,528KB)

1. 森林・林業の再生に向けた新たな取組
2. 「東日本大震災」で森林・林業・木材産業に甚大な被害
3. 「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の成立
4. 生物多様性に関する新たな世界目標・ルールの採択
5. 2011国際森林年
6. 林業・木材産業関係者が天皇杯等を受賞
第I章 木材需要の拡大-新たな「木の文化」を目指して-

第1節 木材の需要拡大の背景(PDF:1,038KB)

(1)木材の供給
(2)木材の需要
(3)木材の需要拡大の必要性
第2節 木材需要拡大に向けたこれまでの取組(PDF:605KB)

(1)住宅分野
(2)住宅分野以外
第3節 木材需要拡大に向けた最近の動向(PDF:1,329KB)

(1)公共建築物の木造化
(2)木質バイオマスのエネルギー利用
(3)木材輸出
第4節 新たな「木の文化」を目指して(PDF:502KB)

(1)木材需要拡大に向けた条件整備
(2)新たな「木の文化」を目指して
第II章 地球温暖化と森林

第1節 地球温暖化の現状(PDF:602KB)

第2節 京都議定書の目標達成に向けた取組(PDF:1,319KB)

(1)森林吸収源対策
(2)森林関連分野のクレジット化の取組
(3)地球温暖化防止に向けた木材利用
第3節 2013年以降の国際的な気候変動対策の枠組み(PDF:510KB)

(1)締約国会議での交渉を継続
(2)森林関連の議論の状況
第III章 多様で健全な森林の整備・保全

第1節 多様で健全な森林の整備(PDF:1,255KB)

(1)森林の機能
(2)森林資源の現状
(3)森林整備の取組
(4)森林における生物多様性の保全
(5)「森林・林業再生プラン」に基づく森林計画制度等の見直し
(6)国民参加の森林づくり等の推進
第2節 国土保全の推進(PDF:1,570KB)

(1)森林の適切な管理の推進
(2)地域の安全・安心の確保を図る治山対策の展開
(3)森林被害対策の推進
(4)研究・技術開発及び普及の推進
第3節 国際的な取組の推進(PDF:684KB)

(1)世界の森林面積
(2)持続可能な森林経営の推進
(3)我が国の国際協力
第IV章 林業・山村の活性化

第1節 林業の現状と課題(PDF:1,865KB)

(1)林業産出額
(2)林業経営の動向
(3)林業事業体の動向
(4)林業労働力の動向
第2節 林業の再生に向けた取組(PDF:1,704KB)

(1)効率的で安定的な林業経営の確立
(2)森林・林業の再生に向けた人材の育成
第3節 山村の活性化(PDF:939KB)

(1)山村の現状と課題
(2)山村の活性化を目指して
第V章 林産物需給と木材産業

第1節 林産物需給の動向(PDF:1,230KB)

(1)世界の木材需給の動向
(2)我が国の木材需給の動向
(3)木材価格の動向
(4)適正に生産された木材を使用する取組
(5)特用林産物の動向
第2節 木材産業の動向(PDF:2,396KB)

(1)我が国の木材産業を取り巻く状況
(2)国産材利用拡大に向けた取組
第VI章 「国民の森林」としての国有林野の取組

第1節 国有林野の役割(PDF:539KB)

(1)国有林野の分布
(2)国有林野に期待される役割
第2節 「国民の森林」としての管理経営(PDF:1,101KB)

(1)管理経営に関する基本計画
(2)国民の生活を守る森林づくり
(3)流域管理システムの下での管理経営
(4)国民に開かれた国有林野
(5)地球温暖化対策の推進
(6)生物多様性の保全
(7)木材の安定供給
第3節 国有林野事業における改革の取組(PDF:532KB)

(1)財務状況の健全化
(2)特別会計見直しの動き
第2部 平成22年度 森林及び林業施策(PDF:368KB)

概説
I 森林の有する多面的機能の持続的な発揮に向けた整備と保全

II 林業の持続的かつ健全な発展と森林を支える山村の活性化

III 林産物の供給及び利用の確保による国産材競争力の向上

IV 森林・林業・木材産業に関する研究・技術開発と普及

V 国有林野の適切かつ効率的な管理経営の推進

VI 持続可能な森林経営の実現に向けた国際的な取組の推進

平成23年度 森林及び林業施策(PDF:383KB)

目次

概説
I 森林の有する多面的機能の持続的な発揮に向けた整備と保全

II 林業の持続的かつ健全な発展と森林を支える山村の活性化

III 林産物の供給及び利用の確保による国産材競争力の向上

IV 森林・林業・木材産業に関する研究・技術開発と普及

V 国有林野の適切かつ効率的な管理経営の推進

VI 持続可能な森林経営の実現に向けた国際的な取組の推進

全文(PDF-1(PDF:6,276KB)、PDF-2(PDF:8,537KB))
.......... "



ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。





・東北関東大震災、福島原子力発電所事故対応サイト : crisis311 #disaster_kit311


greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2---掲示板

[PR]

|

« ドイツの再生可能エネルギー、2010年に電力の17%、総エネルギーに対して11%を達成。さらに、広がる脱原発の動きに注目! | トップページ | ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの7MW洋上風車 Vestas V164 offshore wind turbine を発表 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 林野庁、平成22年度森林・林業白書を公開。バイオマス発電など木質バイオマスエネルギー利用も紹介:

« ドイツの再生可能エネルギー、2010年に電力の17%、総エネルギーに対して11%を達成。さらに、広がる脱原発の動きに注目! | トップページ | ヴェスタス Vestas、翼の直径164mの7MW洋上風車 Vestas V164 offshore wind turbine を発表 »