東芝、ニュージーランドのテミヒ地熱発電所向けタービン、発電機、復水器を受注
東芝、ニュージーランドのテミヒ地熱発電所向け2基の8.3万キロワット級タービン、発電機、復水器を受注2012年の納品を予定。ニュージーランドの受け入れ先のコンタクトエナジー社は、50年前に建設された、55MWのWairakei Power Stationを運営してきた実績がある。この老朽化しつつあるWairakei Power Stationは、今回建設される、テミヒ地熱発電所 Te Mihi Power Plant の二つの83MWの地熱発電所にその役目をシフトする予定だということです。
コンタクトエナジー社の資料[ www.contactenergy.co.nz/
web/pdf/
environmental/Geothermal_brochure.pdf&pli=1 ]によると、ニュージーランドは、エネルギー総需要の5%、電力消費量の実に7%を地熱発電で賄っている地熱発電所であるということです。先の2月26日のM6.3のニュージーランド大地震、大きな被害がでたクライストチャーチは、復興に10年を要するとされています。同じ地震国であるニュージーランドが、地震国であることの”可能性”を生かすことを選択している地熱、今後ますます注目を集めそうです。ちなみに、ニュージーランドは、核爆弾および原子力発電所に関しては、1987年に核を捨て Nuclear Free Zone 宣言をしています。核武装の傘にも依存せず、核の平和利用といわれる原子力発電所も選択しなかった見識は、同じ火山国として日本の現状に一定のヒントを与えてくれそうです。
・World Nuclear Association : Nuclear Energy Prospects in New Zealand : New Zealand and Nuclear Electricity
" ..........In 1987, the New Zealand Nuclear Free Zone, Disarmament, and Arms Control Act was passede. This was largely a symbolic statement of opposition to nuclear war and weapons testing, and it prevented the visits by nuclear-propelled or nuclear-armed vessels (primarily US ones). The New Zealand Nuclear Free Zone established under the Act does not ban land-based nuclear power plants.Electricity options
In the October 2007, the government published its New Zealand Energy Strategy to 2050, which included a target for renewable sources to provide 90% of electricity generation by 2025.2 However, following the 2008 general election, the new Minister of Energy and Resources announced that the country's energy strategy would be updated3. The draft replacement strategy, published by the Ministry of Economic Development in July 20104, retains the "aspirational, but achievable" target of 90% renewables by 2025. No mention of nuclear power is made in the draft strategy.
.......... "
東芝は、地熱発電所の設備容量では世界の3割をしめるリーディングカンパニーだということです。
プレスリリース / 東芝、2011年04月05日
・ニュージーランドにおける地熱発電所向け発電設備の受注について-----( E )
-----image : Google マップ「Te Mihi Power Plant」より
" .....ニュージーランド・コンタクトエナジー社が建設を予定しているテミヒ地熱発電所のタービン、発電機、復水器を受注しました。2基の8.3万キロワット級地熱タービン、発電電動機、復水器を2012年に納入します。なお、契約は豪州現地法人である東芝インターナショナルオーストラリア社(TIC豪)がマッコーネルダウエル社、エスエヌシーラバリン社、パーソンズブリンカーオフ社によるジョイントベンチャーと行いました。
テミヒ発電所はニュージーランドの北島、タウポ火山帯に位置します。当社のニュージーランドにおける地熱発電所向け設備の受注は今回が初めてで、当社の機器性能が評価され、受注に至りました。納入する製品の設計・製造は当社京浜事業所で行います。
地熱発電は再生可能エネルギーである地下のマグマだまりによって熱せられた熱水と水蒸気を利用する発電方式でCO2の排出量が非常に少なく、また天候や気象条件に左右されることがありません。そのため、近年世界的に地熱発電の開発が進み、現在では世界の地熱発電設備容量は約1000万キロワットに達しています。
当社は、1966年に岩手県松川地熱発電所に設備を納入して以来、北米、東南アジア、アイスランド等世界各国で52台の設備を納入しており、設備容量では世界シェアNO.1です。
今後、当社は性能・信頼性向上などの技術改善を進め、エコリーディングカンパニーとして地熱発電の普及を通して地球温暖化防止に努めていきます。受注概要
1.発電所名:テミヒ発電所
2.電力事業者:コンタクトエナジー社
3.発注者:マッコーネルダウエル社、エスエヌシーラバリン社、パーソンズブリンカーオフ社によるジョイントベンチャー
4.所在地:ニュージーランド 北島オークランドから南に250km タウポ地区
5.納入設備:8.3万キロワットタービン、発電機、復水器2セット
.......... "
関連
・TOSHIBA : Power-generation Systems Geothermal power-generation systems
・Contact Energy / Te Mihi Power Plant
/ Te Mihi technical reports
-----image : 「Project Description - Geothermal Power (3.16MB)-Figure 3.1 -( Te Mihi Generation Cycle-Te Mihi Geothermal Power Project AEE - Project Description)」(PDF,P.8より)
参考エントリー
・ニュージーランドの自然エネルギー-----自然エネルギー、(2010/05/07以降随時更新)
・ニュージーランド国営 Mighty River Power、単独発電機では世界最大となるヌアワプルア(132MW-富士電機システムズ製)地熱発電所の運用をまもなく開始-----ソフトエネルギー、2010/04/28
コメント続き
地熱発電などに利用できる地熱エネルギーのポテンシャルの高い地域。まさにプレート境界の地震の多い国の位置と一致します。
地熱も地震により大きな被害を受けたり、地域への損害を懸念する声もありますが、原子力発電所事故とその核汚染が実際に起きている現状で考えれば、地熱のリスクを再評価すべきだと思います。
ニュージーランドは、2007年に2050年に90%の電力を再生可能エネルギーによって賄う計画を策定し、さらに2010年には、この計画を2025年に前倒しで実施することが可能だという分析を経て、新たなエネルギー戦略を練っているとことです。今回の日本の地震、津波による複合震災による福島原子力発電所の事故はおそらく、この再生可能エネルギーへのシフトの傾向を後押しするものと考えられます。(t_t)
参考
・IEA報告書:ニュージーランドの再生可能エネルギー発電、2009年は73%-----日刊温暖化新聞、2011/4/7
" ★エダヒロのひと言★ニュージーランド、すごいですね! 原子力発電所はゼロです。同国の再生可能エネルギー発電の主役は、水力(6割弱)と地熱(約1割)だそうです。 "
・Nuclear Meltdown and the Geothermal Option-----Pike Research Blog,March 17, 2011
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