東大とシャープの研究グループ、量子ドット太陽電池の理論的な変換効率を75%にする仕組みを解明
これまで、理論的な変換効率は60%以上といわれてきた量子ドット太陽電池の研究において、さらに高い変換効率75%を達成する仕組みについての研究論文が発表されました。
発表したのは、東大とシャープの研究グループで、4/25日付での米物理学会の アプライド・フィジクス・レターズ Applied Physics Lettersの98巻に掲載されたということです。梗概は無料で読めますが、読んでもわからなそうなのでやめました。
いずれにしろ、2020年ころから現実モードに入ると予測されていた量子ドットで、さらに工夫することで、より大きな可能性が開けたということのようです。量子ドット、マルチジャンクション、新しいナノテクなど、また勉強するものが増えそうです。
・Effect of cavity mode volume on photoluminescence from silicon photonic crystal nanocavities-----Applied Physics Letters,Volume 98 / Issue 17,25 April 2011
" Shigeru Nakayama, Satomi Ishida, Satoshi Iwamoto, and Yasuhiko Arakawa
Institute of Industrial Science, The University of Tokyo, 4-6-1, Komaba, Meguro-ku, Tokyo 153-8505, JapanAbstruct
We experimentally investigated photoluminescence (PL) from silicon photonic crystal nanocavities with different mode volumes at room temperature. The integrated cavity mode intensity, which was estimated from the observed PL signal by considering extraction and collection efficiencies for each cavity mode, increased as the cavity mode volume decreased. This result suggests that smaller cavities have larger mode emission efficiency per volume than that for larger cavities at room temperature.
.......... "
関連
・東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構長
生産技術研究所 : 荒川・岩本研ホームページ / グリーンエレクトロニクス・フォトニクス - 高効率量子ドット太陽電池の開発
" ..理論的に予測される変換効率の上限は、集光条件下で63%、非集光条件下で47%..MOCVD法によりInAs量子ドットを含むGaAs太陽電池..シャープとの共同研究 "
・東京大学生産技術研究所(Institute of Industrial Science, the University of Tokyo)
・東大、量子ドット太陽電池の理論変換効率75%に-----日刊工業新聞、2011年04月25日
・注目の新技術「量子ドット太陽電池」 理論的な変換効率は60%超-----ECO JAPAN,2010年1月18日
追加情報
・東大・シャープ、フレキシブルな量子ドット太陽電池を試作-セルの変換効率10%-----日刊工業新聞、掲載日 2012年3月24日
・【応物学会プレビュー】非集光の量子ドット型太陽電池でセル変換効率18.7%、東大とシャープが最高値を更新-----nikkei BPnet,2012年03月15日
"..東京大学 ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦氏(同機構長 兼 生産技術研究所 教授)および田辺克明氏(同機構 特任准教授)らはシャープと共同で、非集光時に18.7%、2倍集光下で19.4%のセル変換効率を備える量子ドット型太陽電池を開発した。.."
コメント続き
高い効率は、集光条件下のもののようですね。昨日のエントリー、Soitec社のConcentrix Solarと同じような集光型太陽光発電システムとして使われるのでしょうか? 以前からシャープのソーラーソーラートラッキングシステムの開発が行われているとの話もありました。10年後に実用化されているか? そうした開発中の技術なのでしょうが、こうした研究がどんどんでてきてくれると、いろいろと話題的にも元気になれそうです。研究者、開発者のみなさま、がんばってください。(t_t)
・シャープの集光型太陽電池と自動追尾する架台-----ソフトエネルギー、2006/07/21
参考
・EU PVSEC 量子ドット太陽電池の変換効率を8.54%に,筑波大学 / クリッピング Tech-On!-----ソフトエネルギー、2007/09/05
・コスト半分の太陽電池開発へ 新日石が先端研と / クリッピング MSN産経ニュース-----ソフトエネルギー、2008/04/16
・Wikipedia : 量子ドット
ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。
・東北関東大震災、福島原子力発電所事故対応サイト : crisis311 #disaster_kit311
greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost
---しなやかな技術研究会のGoogleマップ2---掲示板
[PR]
| 固定リンク
« シェブロン Chevron、ニューメキシコで独Soitec社のConcentrix Solar、1MWの集光型太陽光発電所の運用を開始 | トップページ | Qセルズ Q-Cells、ドイツのヨーロッパ5年連続No1の生産量を誇る太陽光発電事業者、本格的に日本市場へ”上陸” »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント