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Renewable Energy World Newsが選んだ、2010年再生可能エネルギー大型プロジェクト

 連日のように世界のあちこちで、再生可能エネルギーに関する大型プロジェクトが話題になっています。再生可能エネルギーの分野には、年に数割の割合でのびている産業も含まれています。これは、他の分野では考えられない成長の状況です。気候変動およびエネルギー問題は、世界の経済にとってマイナスの影響を与えますが、その解決策としてのこの分野は、産業構造の再構築による新たな事業の拡大、そして雇用を確保するための有効策として、評価されています。

 年末、Renewable Energy Worldに、2010年の再生可能エネルギーの世界大型10プロジェクトについての記事が掲載されました。この記事を読んで、浮かんだプロジェクトを本ブログの過去の記事などを参照しながら、概観してみたいと思います。

The Big List: 2010's Biggest Renewable Energy Projects-----Renewable Energy World,2010/12/28

 水力であげられたのは、ベトナムの1,070-MW Nam Theun 2 hydroelectric power projectなどの世界の大型水力発電建設計画。
 洋上風車では、ブログの記事でもとりあげたイギリスのThanet offshore wind farm。陸上風車では、世界では500MW越えのウィンドファームが建設され、建設計画では、中国の10,000 MW Gansu Wind Farm(Wikipedia)などが取り上げられています。いずれも、その規模の大きさで注目されます。
 中国の風力発電業界の勢いは昨日のエントリーをご覧ください。

 さらに記事では、太陽光発電では、97MWのカナダのオンタリオの太陽光発電所 Sarnia PV power plantの名前をあげ、世界一の規模だとしています。Sarnia PV power plantは、何かと話題になるファーストソーラーのプロジェクトです。。
 しかし、2011年以降は大型案件もあり、一位の座は奪われる可能性がありそうです。世界の太陽光発電所ランキングのリストサイトは、以下が定番。

World's largest photovoltaic power plants (ranking 1-50)

 このレコードをもっとも早く塗り替えそうなのは、現代重工業 Hyundai Heavy Industriesのアリゾナでの175MWプロジェクトかもしれませんね。韓国企業のの北米での風力、太陽光発電での売り込み、成約は昨年話題になりました。韓国は、再生可能エネルギーに官民合同で積極的に動いています。今年も耳目を集めそうな動きがいくつかありそうです。

 地熱に関しては、ニュージーランドのNga Awa Puruaが世界最大のプロジェクトとして名前があがっています。こちらは、当ブログでもお伝えしました。

ュージーランド国営 Mighty River Power、単独発電機では世界最大となるヌアワプルア(132MW-富士電機システムズ製)地熱発電所の運用をまもなく開始-----ソフトエネルギー、2010/04/28

 ニュージーランドのNga Awa Purua地熱発電所で利用された発電機は、富士電機システムズ製で単独発電機では世界最大となる132MW発電機ということでした。再生可能エネルギーの総合的かつ多面的な展開では韓国に遅れをとっている日本ですが、発電機や周辺機器では世界最高の技術を保有しています。そのあたりの売り込み、展開は国の評価やバックアップをもっと必要としているという議論もあります。
 地熱に関しては、国内もポテンシャルは高いのですが、普及の障害となる事情があるそうです。ちょっと詳しくまとめられていないのですが、このあたりも日本の地熱に関しての議論も大事だと考えてはいます。情報収集もあまり進んでいません。

 記事では、さらにバイオ燃料。バイオマスを利用した発電が揚げられています。バイオマスについては、最近情報が多少充実してきました。

[ ソフトエネルギー カテゴリー : 木質、森林/バイオマス ]

 イギリスの風力発電の利用拡大にともない、風力の発電の偏りを補うために建設されるバイオマス火力などに注目しています。バイオマス資源にもめぐまれた日本でも有効な組み合わせだと考えています。風力発電に組み合わせて蓄電池という技術は、世界的も注目され、大型蓄電池システムの実証実験が行われていますが、バイオマス火力や、風力と揚水水力や、夜大型冷蔵施設の温度などの温度を下げる形でエネルギーを”蓄える”夜氷、夜水などの技術もあります。希薄で気まぐれとも悪口を言われることもある再生可能エネルギー、自然エネルギーですが、無尽蔵でエネルギーを利用する場所の周囲に遍在すると評価されることもあります。そのデメリットを補い、メリットを最大限にする技術の確立こそが、この分野の技術の肝です。
 便利で安価な化石燃料を都合に合わせて焚けばいいという、これまでの巨大で集中型の技術から、組み合わせ工夫し、エネルギーを利用する場所の省エネ化を図り、その周囲から可能な限りのエネルギーを取り出す努力をする、という繊細かつ狂人な技術の確立が求められています。グリーン・ポストでは、この技術をしなやかな技術と呼んでいます。

イギリスで風力発電と組み合わせて、再生可能エネルギーの信頼性を向上させるバイオマス火力発電所建設へ-----ソフトエネルギー、2010/11/18

独RWE Innogy社、揚水発電所に風力発電所を併設する複合発電施設の開発検討を開始-----ソフトエネルギー、2010/11/29

風力発電で発電し、"冷やす"= 電気の削減 オランダの「大型冷蔵システム運用プロジェクト」-----ソフトエネルギー、2007/03/08

CALMAC社、オフピークの電力で作った夜氷で、昼間に建物を冷やす空調システム IceBank(R)16基をフロリダの高校に導入し10%の省エネを実現-----ソフトエネルギー、2010/04/01

 人が作ったいいリスト記事を参考にすると、なんとなく全体が見えてくる気がします。今回は、この「Renewable Energy WorldのThe Big List: 2010's Biggest Renewable Energy Projects」の昨年末の記事をながめながら、記事を徒然に記事を書いてみました。

 世界のあちこちで、開発されている再生可能エネルギー。しかし、世界のエネルギー消費からみれば、まだまだ散発的です。このバラっとした情報ともみえる動きに、とても力強い流れと意味を感じる時があります。それは、それぞれの出来事を実際の地図の上で場所とその周囲の環境を眺めながら、プロットし、拡大し、その自然環境や地形を眺める時です。
 この技術の質を考えてみる時です。以下のエントリーでも紹介した、インターネット上での地図での情報の共有は、その場の状況を把握するのに大いに役立ちます。(t_t)

Google マップ : しなやかな技術研究会 2-----ソフトエネルギー、2011/01/04

本日のおすすめエントリー

桐生市、群馬大学の一人乗りの電気自動車 μ-tt2 とヤマハの電動バイク ECO3で実証実験に参加-----しなやかな技術研究会、2011/1/19



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