JX日鉱日石エネルギー、独自開発の1.2kWのパワコンでマンション向け戸別太陽光発電システムを販売
JX日鉱日石エネルギーが、独自開発の1.2kWのパワコンでENEOS マンション向け戸別太陽光発電システムを全国販売を開始するそうです。
マンション各戸に屋上などに設置した1kWp前後の三洋電機の太陽電池を割り当て、1.2kWの小さなパワコンディショナー(シンクロナスインバーター+保護装置など)を通して個別に系統連系するというものです。これにより個別に昨年11月から開始されている48円/kWh(2010年度)での余剰電力の買い上げプランを利用できるというものです。
この余剰分売電のメリットとして同社が想定している、発電量の半分売電により約4,000円/月のメリットがでると試算しているのが興味深いです。昼間無人になる都会のマンションという想定だと、消費量が多くては難しいメリット出しが成立することもあるかもしれません。
余剰電力のみ電力会社に売れるという制度の限界は明らかですが、現状の制度がそのようであるならば、昼間できるだけ省エネ(不要なものOFF、待機電力をなくし、冷蔵庫などの固定負荷の容量を減らす)することで、マンションでも小規模な太陽光発電を機能させることができるかもしれません。(この考察、引き続きコメント続きをご覧ください。
プレスリリース / JX日鉱日石エネルギー、2010年10月26日
・「ENEOS マンション向け戸別太陽光発電システム」の全国販売開始について
" これが新しい集合住宅のカタチです
.....本日より「ENEOSマンション向け戸別太陽光発電システム」の全国販売を開始しますので、お知らせいたします。
「ENEOS マンション向け戸別太陽光発電システム」は、当社が開発(※1)したパワーコンディショナ(※2)を用いることで、マンション各戸ごとに太陽光発電を可能としたものです。
本システムの導入により、各戸ごとに太陽電池モジュールが割り当てられるので、戸建ユーザーと同様に、マンションユーザーも太陽光発電による余剰電力の10年固定価格買取制度を利用することが可能(※3)となり、各家庭において電力を節約した分のメリットを享受することができます。
これまで、当社社宅での実証試験や市販新築マンションへの先行納入を行ってまいりましたが、このたび、販売体制、施工体制および保証体制が整いましたので、全国での販売を開始するものです。
当社は、マンションへの本システムの導入提案や、家庭用燃料電池「エネファーム」、住宅用エネルギーモニター「エネウインドウ」の販売を通じ、家庭用エネルギー消費におけるCO2削減に貢献してまいります。
※1 三洋電機株式会社との共同開発品。
※2 パワーコンディショナは、太陽電池モジュールで作られた直流電力を家庭で使える交流電力に変換するための装置。安全のため、系統電源停電時にシステムを停止させる機能も有している。
※3 マンショントータルで数百kWになる場合でも、各戸が10kW未満であれば、居住者に対しては太陽光発電による余剰電力買取制度が適用される。記
1.販売開始時期 2010年10月26日
2.販売地域 全国
3.標準販売価格 1戸あたり115.5万円(税込・36戸モデルケース)(※4)
4.特長 (1)マンションでも10年固定価格買取制度に対応
(2)新築・既築、規模を問わず、幅広い物件に対応可能
(3)モニターによる発電量やCO2削減量の「見える化」を実現
5.導入メリット 1戸あたり約4,000円/月(試算値(※5))
6.受注目標 年間4,000戸(3年後の2013年度)
7.商品に関するお問合せ先 -略
※4 太陽電池モジュール・パワーコンディショナ・太陽光発電モニターの合計金額各種付帯設備・工事費は除く)
※5 発電量に対し、半分売電できた場合(東京、真南設置)別添資料
「ENEOSマンション向け戸別太陽光発電システム」の概要(PDF:267.7 KB/1ページ)
-----image : 上記資料より
.......... "
コメント続き
ちょっとこのシステムを考えてみました。
仮に1.05kWpのシステムを導入して、標準的な日射条件で1日平均の発電量は、3.46kWh程度です。半分売電ですから、1.92kWhを電力会社に売る。電力会社の2010年の太陽光発電(10kWp未満)の買い入れ金額は、48円/kWhですから、
1.73*48=83.16円 月にして、2494円。
Tパネル210Wを1枚追加して、1.26kWpとしても、2993円ちょっとです。
JX日鉱日石エネルギーさんの試算では、4000円/月のメリットとなっています。カタログにこうした日射条件の数値データーを記載してくれると助かるのですが、、、
気を取りなおして、この1kWp程度の太陽光発電システムの導入を考えて見ます。計算してもわかるように月のメリットは、価格を考えれば金額ではないということです。金額を気にするならば、余剰電力だけ買い上げるという現行の国の制度を発電分全量を買い上げる制度に変える必要があります。また15年以上などの長期に買い上げ価格を固定(保証)する必要があります。
このシステムで興味深いのは、システムの規模です。日本人の一般家庭では、3人家族で月の9000円程度電気代を払っています。従量平均にして、419kWH/月程度です。一人当たり約140kWh。1日にして、4.6kWh/日。
その一人が消費する電力のすべてを太陽光発電で賄うためには、1.4kWp程度のシステムが必要となります。
このマンションのプラン、ちょうどいいですね。二人暮らしだったら、1kWpのシステムならば、二人の消費半分の消費を賄うシステムになります。三人家族だったら三分の一を賄うシステムです。
まだまだ高い太陽電池です。すべてを太陽電池ではなく、暮らしの電力の一分を賄うシステムとして、利用するという考え方もあるのではないでしょうか。この規模、結構興味あります。日本人は、2050年に少なくともエネルギー消費を半分に、非化石燃料への依存も現在の30倍に増やす必要があると言われます。急に移行するのは大変です。今できるちょうどいい大きさンのプランを、将来を見据えて実行していくことが大切です。そして、政治をそれを支える仕組みに変えるように行動することも必要でしょう。
さらに、このシステムは、0.8kVA最大の自立運転が可能だということです。停電時に自立運転モードに切りかえ、パワコンに付属している(と考えられる)コンセントから太陽電池の発電電力をそのままに、使うことができます。(100V-800W最大)。充電器とバッテリーをベランダにでも置いておけば、非常時にも安心です。(t_t)
参考
・大停電になると、”桶屋”がもうかる?-----ソフトエネルギー、2007/03/15
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