神戸市、大阪ガス、神鋼環境ソリューション、日本初のバイオガス都市ガス導管注入実証事業を開始
昨年、我が国初の自治体と企業が行う下水処理場で発生したバイオガスを都市ガス導管注入実証事業を開始すると発表がありました。神戸市の東灘の下水処理場において発生したバイオガスを大阪ガスの都市ガス導管に注入する画期的な実証事業となります。
・神戸市、神鋼環境ソリューション、大阪ガス、神戸市東灘の下水処理場における日本初のバイオガス都市ガス導管注入実証事業を発表-----ソフトエネルギー、2009/10/21
神鋼環境ソリューションは、「こうべバイオガス」の高度精製設備を建設・運営などを担うということです。この事業が成功し、評価されるならば、下水処理場はエネルギー工場となる画期的な事業です。
プレスリリース / 神戸市、平成21年10月12日
・神戸市東灘の下水処理場において日本初のバイオガス都市ガス導管注入実証事業を行います-----http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2010/10/20101012301501.html
"神戸市(市長:矢田 立郎)、株式会社神鋼環境ソリューション(社長:青木 克規、以下神鋼環境ソリューション)、大阪ガス株式会社(社長:尾崎 裕、以下大阪ガス)は、このたび、神戸市東灘処理場内に建設していたバイオガスを都市ガスとして活用するための設備が完成したため、発生するバイオガス「こうべバイオガス」の都市ガス導管への注入を開始いたします。
都市ガス仕様に精製した下水汚泥由来のバイオガスを、直接都市ガス導管に供給する試みは日本初であり、本事業を通じて運営方法や経済性を検証し、「再生可能エネルギーであるバイオガス活用の神戸モデル」を示すことで同様事業の普及促進やバイオマス資源の有効利用につなげていきます。
バイオガスとは、下水汚泥や食品残渣などの有機物が発酵して発生するメタンを主成分とする可燃性ガスで、未利用の再生可能エネルギー源であることから地球温暖化対策の一つとしてその有効利用が期待されています。
神戸市と神鋼環境ソリューションは平成16年度より、神戸市東灘処理場で発生したバイオガスを精製し、天然ガス自動車の燃料として利用する「こうべバイオガス」の運用を行っています。「こうべバイオガス」は、メタン成分97%以上を占める高品質なガスですが、バイオガスのさらなる活用を目指し、平成20年度より、3者で大阪ガス「バイオガス購入要領」にて定める基準に基づき都市ガスとして活用することを検討してまいりました。昨年度より、「バイオガス等未活用エネルギー実証試験補助金」を活用し、「こうべバイオガス」に含まれる微量成分(酸素、二酸化炭素等)の除去や、熱量を調整するなどの設備を整備し、大阪ガスの供給する都市ガスと同等の品質に精製する試運転を行ってきました。そして、この度、所定の基準を満たす事が確認できたため、都市ガス導管への注入事業を開始いたします。
事業中は、運営の効率化や都市ガス導管へ供給するための技術の確立に向け、3者が協力して1・都市ガス注入の安定性確保、2・設備運営データの取得及び解析、3・事業収支および採算性の評価、4・技術課題の検討および改善、5・運用・維持管理体制の確立などの課題の解決に取り組んでまいります。
東灘における取組みは、地域のバイオマスから発生したバイオガスを高度に精製し、都市ガスの製造所を通すことなくそのまま都市ガスとして供給するもので、これにより、都市ガスの製造所との距離に制約を受けることなく、下水処理場等で発生するバイオガスを余すことなく有効利用することができるようになります。さらには、都市ガスとともに供給することで、再生可能エネルギーの供給安定性という課題を完全にクリアーすることができる試みです。
また、神戸市で発生した下水汚泥を活用し、再生可能エネルギーとして神戸市民が使用する、循環型社会のモデルとして、その効果が期待されます。
本事業を通じて、人類が存続する限り枯渇しない資源であるバイオガスの都市ガス利用を実証し、低炭素・循環型社会の構築に貢献していきます。事業の概要
1.事業の目的
東灘処理場で発生するバイオガス(消化ガス)を都市ガスと同等の品質に精製し、都市ガス事業者の導管網を通じて都市ガスとして供給すること。2.参加者と役割(別紙参照)
神戸市:「こうべバイオガス」の供給等
神鋼環境ソリューション:「こうべバイオガス」の高度精製設備の建設・運営等
大阪ガス:高度精製されたバイオガスの買収、都市ガスとしての供給等3.期間
経済産業大臣の採択事業者となった(社)都市ガス振興センター「バイオマス等未活用エネルギー実証試験費補助金」の交付決定日(平成21年10月19日)から平成33年3月31日まで。4.本事業によるCO2削減効果
本事業で導入されるバイオガス量は当初約80万立法メートル(45メガジュール/立法メートル)、約2千戸の家庭が1年間に使うガス量に相当し、これによるCO2削減量は約1,200トン-CO2/年。
..........
〈CO2削減前提条件〉
1・ガス導管への供給量を80万立方メートル/年(45メガジュール/立法メートル)、家庭用月平均1戸当たりガス使用量を33立方メートル(平成13年4月から平成18年3月末の5年間の平均月間使用量)として計算
2・CO2削減量は、都市ガスの代替としてガス導管に供給する80万立法メートル/年(45メガジュール/立法メートル)に都市ガスの温室効果ガス排出係数2.29キログラム-CO2/立法メートル(45メガジュール/立法メートル換算)を乗じた数値から高度精製に必要な電力、熱量調整用LPGによるCO2排出量を差し引いた数値
.......... "
関連
・日本初、神戸市東灘処理場において、下水道バイオガスである「こうべバイオガス」の都市ガス導管注入を開始します-----大阪ガス、2010年10月12日
・神鋼環境ソリューション / 2010.10.12 日本初、神戸市東灘処理場において、下水道バイオガスである 「こうべバイオガス」の都市ガス導管注入を開始します
参考エントリー
・東京都下水道局、清瀬水再生センターの下水汚泥ガス化炉の運用開始へ-----ソフトエネルギー、2010/07/28
"下水汚泥を蒸し焼きにして可燃性のガスを生成し、施設内で熱源として有効利用し、残りを発電し電力としても利用する"
追加情報
神戸市、下水処理場汚泥で発電 メタンガス燃料に-----47News http://t.co/3elb3KPSDv "..エナジーバンクジャパンと共同..バイオガス発電..出力は350キロワット.." #renewjapan #renewbiomass #biogas #兵庫
— greenpost (@greenpost) January 29, 2014
・神戸市、大ガスとメガソーラーとバイオガス利用した発電事業-----日刊工業新聞、2013年04月9日
".....2013年9月に着工し、12月の稼働を目指す。事業名は「こうべWエコ発電プロジェクト=イメージ」で、神戸市の同処理場で汚泥から精製したバイオガスと太陽光パネルなどの設置場所をエナジーバンクジャパンが利用する....."
・神戸市、東灘処理場で汚泥と洋菓子残渣+木質系でバイオガス「KOBEグリーン・スイーツプロジェクト」実証実験開始-----ソフトエネルギー、2011/08/02
参考
・生ごみ“まるごと”バイオガス化を可能にする生分解性ごみ袋とその高速分解方法の技術を確立~生ごみからの再生可能エネルギー回収技術の向上-----大阪ガス、2009年9月16日
コメント続き
都市における下水処理は、一大事業です。下水処理は、個人宅の浄化槽から、中小浄化槽、さまざまな規模の下水道および処理事業として、人口密度、対象の面積や環境に合わせて日本が先進国の暮らしを実現するために確立した多くの技術の集大成である上下水道事業の重要な一部です。
今回、下水処理がバイオガス発生源となることで、エネルギー事業となる画期的な段階に達したことは本当に喜びとすることです。是非、高い評価を得ることができる事業として成功されることを!(t_t)
参考エントリー
・JFEエンジニアリング、中国で食品残渣バイオガス発電システムを初受注-----ソフトエネルギー、2010/10/12
[ カテゴリー : バイオガス/メタン ]
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