« 独イーオン E.ON、デンマークのバルト海にシーメンス 2.3MW90基合計207MWの洋上風力発電所 Rosand IIの運用を開始 | トップページ | 沖縄電力、宮古島マイクログリッドシステムの設置工事を完了。既設の多良間島、与那国島、北大東と合わせて実証実験を開始 »

三井造船、六ケ所村に風力発電設備のメンテナンス強化のための風力発電トレーニングセンター建設

 三井造船、六ケ所村に風力発電設備のメンテナンス強化のための風力発電トレーニングセンターを建設したそうです。
 大型風力発電の頭頂の発電機が収納された箱様の部分をナセルというそうです。nacelleを辞書で調べると、飛行機の機関室と積載部を合わせた部分やさらに気球のつりかごを意味するようですね。風力発電の支柱のタワートップ(頭頂部)の写真でみると箱に見える部分です。

Wikipedia : Nacelle

 今回の施設は、日本で初めての風力発電用のメンテナンス要員育成施設だということです。海外では、さらに大型の実際の大型風車を使っての施設がイギリスなどにあります。日本の風車、いろいろと普及のためには乗り越えなくてはならない壁があります。もちろん技術やメカ二カルな問題だけではありません。しかし、それがもっと必要とされるならば、こうした施設への要求は高まるはずです。

プレスリリース / 三井造船、2010年09月29日
風力発電トレーニングセンターが完成 -拡大する風力発電設備のメンテナンス強化に寄与-

20100929_ph01
-----image : 同リリースより

" 三井造船株式会社(社長:加藤 泰彦)は、JA三井リース株式会社(本社:品川区東五反田、社長:安田 義則氏)から受注した、日本風力開発株式会社(本社:港区新橋、社長:塚脇 正幸氏)グループのイオスエンジニアリング&サービス株式会社(本社:港区新橋、社長:坂東 松夫氏)向けの「風力発電トレーニングセンター」をこのたび引き渡しました。

本施設は、国内で拡大しつつある風力発電施設のメンテナンス体制の確立を目指すために建設された日本で初めての風力発電用のメンテナンス要員育成施設です。

風力発電のメンテナンスは、地上数10mのタワー上のナセル(*)内で行われますが、そのメンテナンストレーニングを行う施設は日本にはありませんでした。これまではメンテナンス要員の代表を海外のトレーニング施設などに派遣し、メンテナンス指導に当たっていました。

現在、日本には風力発電設備が約1700基稼働しており、今後も洋上風力発電などを含め風力発電施設は拡大していくと考えられますが、設置スピードに比してメンテナンス体制はこれから整備していく状況となっており、本施設の稼働がメンテナンスの要員育成や技術向上に役立つと期待されます。

三井造船は、風力発電施設の建設を数多く手がけていますが、今後も拡大が見込まれる風力発電市場に対して、機器メーカーとしての強みを活かし、洋上はもとよりメンテナンス分野にも積極的に取り組んでいきます。

(*)ナセル:風車の一番上にある発電機、増速機等が納められている部分

施設概要
設置場所 青森県上北郡六ヶ所村..........
大きさ 敷地面積 2010.67m2、建築面積 441.51m2、鉄骨造平屋建
特長 研修室と実習室を平行配置し、間仕切りに大きなガラス開口を入れる事で、常に実機を見られる空間構成。訓練室上部に大きなトップライトがありそこから採光を取ることにより昼間は照明を使わない省エネ設計となっている。また冬場の卓越風向きを考慮した屋根の形状になっており、屋根面の雪が飛ばされ積もりにくい屋根形状となっている。
.......... "

関連
三井造船昭島研究所 : プロジェクト / 洋上風力発電

" プロジェクト
マイティホエール(波力発電)
海水中ウラン捕集の海洋実験
飛行船(成層圏プラットフォーム)
MWD(リアルタイム掘削情報探知システム)
メガフロート、エコフロート
SPM(一点係留システム)
TLP(テンションレグ・プラットフォーム)
洋上風力発電 "

コメント続き

 造船、石油の油井、タグボートや運搬船といった既存の産業分野は、いまや欧州の拡大する洋上風車産業を支える一翼をになっているといわれています。中小の事業者も億円規模の事業に加わり、雇用や新たな産業の構築に大きな足がかりをもちはじめています。日本はすでに10年遅れ、韓国を筆頭にアジアの国々の新しい産業への意欲の前に、さらに10年遅れ、産業構造の転換のチャンスをすでに失したという見方もあります。さらなる10年は、2010年までの10年です。今後のことなのに、すでに希望がないと見る人がいるということは、本当に残念なことです。
 この数週間、ヨーロッパの洋上風車、海洋エネルギーの開発について、多くの資料をあたって来ました。その上で感じたことは、欧州の風力発電事業、とりわけ洋上風車と海洋エネルギーへの取り組みは、かなり本気だということです。なかでも、一時は元気がなかったイギリスが技術の確立に重要な、役割を果たすようになってきたことです。

 日本は、海外で大型風車の事業が本格離陸するなかで、自然環境、住民の健康、住民の感情、技術、コスト、日本独自の風車をめぐる風況上の問題を抱えて、すでに大きなつまずきを経験しています。もちろん、市民に愛されている風車もあるのですが、憎まれてさえいる風車もあります。資源のない我が国における再生可能エネルギーの普及において、これは非常に困ったことです。日本人が、愛される風車の作り方、風車の性能を作ることができなかれば、かなり深刻な事態に陥っているように見えます。
 今回、造船会社が再生可能エネルギーに取り組む一貫として、風力関係の技術研修施設を作ることは、大きな一里塚になる出来事になるかもしれないと思い、今回の記事をクリップしました。関係者みなさんの、健闘をお祈りするばかりです。(t_t)



ブログランキング・にほんブログ村へ

ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。





greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost --- グリーン・ポストのおすすめ”本”(amazon.co.jpインスタントストア)-----しなやかな技術研究会のGoogleマップ-----はてなのブックマーク----------掲示板



[テーマ別インデックス]


[PR GreenPostの自然エネルギー関連情報 PR]

|

« 独イーオン E.ON、デンマークのバルト海にシーメンス 2.3MW90基合計207MWの洋上風力発電所 Rosand IIの運用を開始 | トップページ | 沖縄電力、宮古島マイクログリッドシステムの設置工事を完了。既設の多良間島、与那国島、北大東と合わせて実証実験を開始 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 三井造船、六ケ所村に風力発電設備のメンテナンス強化のための風力発電トレーニングセンター建設:

« 独イーオン E.ON、デンマークのバルト海にシーメンス 2.3MW90基合計207MWの洋上風力発電所 Rosand IIの運用を開始 | トップページ | 沖縄電力、宮古島マイクログリッドシステムの設置工事を完了。既設の多良間島、与那国島、北大東と合わせて実証実験を開始 »