日産自動車、日立製作所そしてオリックスおよびオリックス自動車のV2Gプロジェクト-放電対応EVを用いたEMS、NEDOの蓄電複合システム化技術開発に採択
日産自動車、日立製作所そしてオリックスおよびオリックス自動車が共同で実施する「放電対応EV(電気自動車)を用いたエネルギーマネジメントシステム」が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の蓄電複合システム化技術開発に採択され、国からの補助案件として横浜市の「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」の関連プランとして実施されることになったと発表されました。
各社の担当は、日産自動車がEVの蓄電池から家庭やビル等に放電が可能となる通信制御を含めた技術開発。日立製作所が、太陽光発電と蓄電池を利用したエコ充電システムおよびEVとエコ充電システムを連携させたエネルギーマネジメントの開発。そして、オリックスおよびオリックス自動車が充電スタンド管理センターと連携し、予約・配車を行うEVシェアリングマネジメントシステムの開発を行うということです。
さらに、これらの技術を、家庭・ビルや地域のエネルギーマネジメントシステムと連携させることで、戸建住宅や、集合住宅・ビル、エコ充電スタンドに接続するEVの車載蓄電池や定置型蓄電池を効率的かつ利便性良く運用し、再生可能エネルギーの利用率の向上を図るとともに、地域一帯のエネルギーマネジメントの実用可能性を検証するということです。
日産自動車は、GEと電気自動車(EV)と充電スタンド間で双方向に電力をやり取りし、ゆくゆくは、送電網との電力のやりとりを可能にする「Vehicle to Grid(V2G)」技術を共同研究しています。今回の技術はこのV2Gではないものの、日本の電力会社が導入に消極的と言われるこの技術の萌芽ともなる研究なので、あえてタイトルにはV2Gとしてみました。
・日産とGE,EVを電力網につなげるV2G技術で共同研究-----ECO JAPAN,2010年4月30日
中国の万博でも、V2G小規模なシステムが運用され話題になりました。V2Gはデラウェア州の実験などでは、再生可能エネルギーの不安定さを補うことができるシステムとしてV2Gが取り上げられていますので、この実験の成果にも期待したいところです。
プレスリリース / 日産自動車、
・「放電対応EVを用いたエネルギーマネジメントシステム」がNEDOの「蓄電複合システム化技術開発」に採択
-----image(”今回開発するシステムの概要と各社分担”) : 同リリースより
" 日産自動車株式会社、株式会社日立製作所、オリックス株式会社、オリックス自動車株式会社は、4社共同で推進する「放電対応EV(電気自動車)を用いたエネルギーマネジメントシステム」について、2010年8月31日に、独立行政法人 新エネルギー・産業総合技術機構(NEDO)が支援する「蓄電複合システム化技術開発(*1)」の採択を受けましたのでお知らせします。本技術開発事業は、8月11日に横浜市から経済産業省に提出された「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)(*2)」のマスタープランを実施する関連提案と連携し、横浜市実証グループとして体制を整備して実施いたします。また、日産自動車はNEDOからの指名を受けて「蓄電複合システム化技術開発」の横浜市実証グループの幹事社として取り組んでまいります。
今回共同で推進する技術開発は、EVの車載蓄電池を、将来的に電力貯蔵可能な社会インフラの一つとして、家庭および地域社会で活用するためのものです。各社の役割は以下の通りとなります。なお、4社に加え、開発オブザーバーとして、株式会社日産カーレンタルソリューションが参画します。
【各社役割】
日産自動車:
EVの蓄電池から家庭やビル等に放電が可能となる通信制御を含めた技術開発
日立製作所:
太陽光発電と蓄電池を利用したエコ充電システムおよびEVとエコ充電システムを連携させたエネルギーマネジメントの開発
オリックスおよびオリックス自動車:
充電スタンド管理センターと連携し、予約・配車を行うEVシェアリングマネジメントシステムの開発
これらの技術を、家庭・ビルや地域のエネルギーマネジメントシステムと連携させることで、戸建住宅や、集合住宅・ビル、エコ充電スタンドに接続するEVの車載蓄電池や定置型蓄電池を効率的かつ利便性良く運用し、再生可能エネルギーの利用率の向上を図るとともに、地域一帯のエネルギーマネジメントの実用可能性を検証していきます。今回開発する技術は、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域」として認定された横浜市が推進する「横浜スマートシティプロジェクト(Yokohama Smart City Project:YSCP)」の一部として、今後、同市にて実証を進めていく予定です。
日産自動車、日立製作所、オリックス、オリックス自動車、日産カーレンタルソリューションは、今後もCO2排出削減を支援し、地域社会の環境負荷低減につながるサービスの開発に取り組んでいきます。
.......... "
関連
・「蓄電複合システム化技術開発」に係る委託先の決定について-----新エネルギー・産業技術総合開発機構、平成22年9月1
・「蓄電複合システム化技術開発」に係る公募について-----新エネルギー・産業技術総合開発機構、平成22年6月16日
・「放電対応EVを用いたエネルギーマネジメントシステム」がNEDOの「蓄電複合システム化技術開発」に採択-----日立製作所、2010年9月2日
参考
・【上海万博】中国最大の電力事業者がV2Gを実演,EVと電力網で双方向に電力をやり取り-----Tech-On!,2010/05/03
・洋上風車などの再生可能エネルギーの開発、そして電気自動車を都市作り電力供給計画にまで活用するVehicle-to-Grid (V2G)が米デラウェア州ニューアークで開始-----ソフトエネルギー、2009/01/21
コメント続き
このエントリーをかいていたら、こんなニュースがありました。アメリカ軍は、真剣に脱化石燃料を進めていますが、その一貫として、EVの蓄電池を使ったV2Gのプロジェクトが進められるということです。マイクログリッドの中でのEVの蓄電池活用ということですが、別に軍でなくともアメリカやオーストラリアなどの未電化地域が未だにある広大な国土をもつ国にとっては、移動・輸送のシステムと電力のシステムを融合させる可能性があるシステムとして日本よりもはるかに高い真剣さで研究が進められています。
・REV Awarded Contract to Provide First of Its Kind Ancillary Power Vehicles for US Military TARDEC Program-----Financial Post,2010年8月24日
こうした未電化のリモートエリアは日本には存在しないという人がおりますが、石油がでるわけでもない我が国全体がエネルギー源からみればリモートエリアとみなすことができます。そうみられれば、V2Gも選択肢の一つとなります。(t_t)
参考2
・Wikipedia : Vehicle-to-grid
・トヨタ自動車、日産自動車、三菱自動車工業、富士重工業、東京電力、電気自動車の充電方式などの基準や標準化づくりをするCHAdeMO(チャデモ)協議会を設立。国内外含めて158社・団体が同協議会に参加と発表-----しなやかな技術研究会、2010/03/23
・スマートグリッド とりあえずの情報集積場 / ブックマーク-----自然エネルギー、2009/05/30
追加情報
・東京電力や東芝など、NEDOの研究委託に採択され蓄電複合システム化技術を開発-----ECO JAPAN,2010年9月2日
" 東電と東芝が共同研究体制に加わるのは「リチウムイオン電池システムインターフェース標準化・海外展開の研究開発」と「系統協調デマンドサイド蓄電池システムの研究開発」。前者には、両社と関西電力、日立製作所、三菱重工業、NEC、ソニーエナジー・デバイス、シャープ、明電舎の計9社が参加する。後者は、両社と関西電力の3社による共同研究。 "
ブログ村ランキング参加中。クリックお願いします!
上のバナーをクリックしていただくだけで当サイトの- 評価 -の向上になります。ご協力ありがとうございます。
greenpost(@greenpost) - Twilog-----twitter : greenpost --- グリーン・ポストのおすすめ”本”(amazon.co.jpインスタントストア)-----しなやかな技術研究会のGoogleマップ-----はてなのブックマーク----------掲示板
[テーマ別インデックス]
[PR GreenPostの商品案内のサイトへ PR]
| 固定リンク
« 映画「THE 4th REVOLUTION - EnergyAutonomy(第四の革命 - エネルギーの自立)」 | トップページ | JFEエンジニアリングと三鷹光器、ビームダウンとヘリオスタット集光方式の二方式の太陽熱発電プラントを開発 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント