東京ガス、大阪ガス、東邦ガスのガス三社、太陽熱を冷房に利用する「ソーラー吸収冷温水機」を開発
東京ガス、大阪ガス、東邦ガスのガス三社、太陽熱を冷房に利用する太陽熱を有効活用した業務用の空調システム「ソーラー吸収冷温水機」を開発し、販売を開始する。ソーラー吸収冷温水機の開発は、川重冷熱工業、三洋電機、日立アプライアンスとガスの三社との共同でで行われたということです。同システムは、延床面積4,000m2(3~4階建て)のビルの場合で、太陽熱を組み込まない従来のガス空調システムと比べ、冷暖房に使われる年間の一次エネルギー消費量が約24%、CO2排出量が約21%(約34トン)低減する能力をもつということです。今後、ガス三社は、事務所ビル、学校、病院、工場などにこのソーラークーリングシステムの普及を目指すということです。暖房時は、太陽熱が暖房熱交換器を介して暖房用の温水を製造することで暖房にも対応している。
プレスリリース / 東京ガス、平成22年6月22日
-----image(”図 本製品を使用したシステムの代表例”) : 同リリースより
・太陽熱を冷房に利用する「ソーラー吸収冷温水機」の開発について
" 太陽熱を有効活用した業務用の空調システム
東京ガス株式会社
大阪ガス株式会社
東邦ガス株式会社
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本製品は、太陽熱利用のために専用設計された空調機です。太陽熱を優先的に利用し、雨天の日など天気により熱が不足する時も、ガスで効率良くバックアップすることにより、快適性・利便性を維持しつつ、環境性を追求しました。太陽熱を集める集熱器(以下「集熱器」)と本製品を組み合わせた業務用空調システム(以下、「ソーラークーリングシステム」)は、延床面積4,000m2(3~4階建て)のビルの場合で、太陽熱を組み込まない従来のガス空調システムと比べ、冷暖房に使われる年間の一次エネルギー消費量が約24%、CO2排出量が約21%(約34トン)低減※1します。本年6月から、メーカー三社が本製品の製造※2および販売を行ってまいります。あわせてガス三社は、事務所ビル、学校、病院、工場などのお客さまに本製品を活用したソーラークーリングシステムの普及を目指してまいります。
※1 延床面積4,000m2のテナントビルで、従来のガス吸収冷温水機(冷房定格COP1.0(高位発熱量基準))に対して、集熱器総面積240m2の集熱器と本製品を設置した場合の試算。ただし集熱器の面積とお客さまの空調負荷によって、本システムによる省エネおよびCO2削減効果は異なる。
※2 冷房能力に応じて、川重が8機種、三洋が4機種、日立が17機種をそれぞれ販売開始。
※3 暖房時は、太陽熱が暖房熱交換器を介して暖房用の温水を製造。
詳細説明
1.本製品の主な特長
(1)空調能力を安定確保する機能
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(2)太陽熱を優先的に利用する機能
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(3)太陽熱利用量を最大化する機能
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(4)システム効率を最大化する機能
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(5)冷房COP1.3以上の高効率機器※8
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2.開発の背景
業務用の最終エネルギー消費量の約3分の1は、冷暖房の空調として利用されています。ガス三社は、再生可能エネルギーである太陽熱を有効に利用して、冷房に必要な冷水に変換するソーラークーリングシステムの開発について、2009年度から各社がそれぞれのデモプラント※9による実証を行ってまいりました。
従来のソーラークーリングシステムでは、冷水に変換する機器として、コージェネレーションシステム(以下「CGS」)の廃熱の利用が技術的に確立されている「廃熱利用型ガス吸収冷温水機(以下「ジェネリンク」)」を活用しておりました。しかしジェネリンクは、CGSの安定した高温の廃熱温水を有効利用するように設計された機器であることから、天気によって集熱温度が大きく変動する太陽熱は、温水温度が低下した時に太陽熱が優先利用できなくなるという課題※10がありました。そこで、ソーラークーリングシステムの省エネルギー性向上のために、低い温度の太陽熱でも有効利用できるように専用設計された本製品の開発が望まれていました。
本製品は、ガス三社が行ったソーラークーリングシステムの実証研究ならびに商品仕様の検討結果に基づき、メーカー三社がそれぞれ詳細設計および製造を実施しました。
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-----image(”東京ガス中原ビル(ソーラークーリングシステムのデモプラント)”) : 同リリースより.開発メーカー情報
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関連
・業務用太陽熱利用空調システムの販売開始について-----東京ガス、平成22年6月22日
" ソーラークーリングシステムは、集熱器によって集められた太陽熱を、夏期は太陽熱利用のために開発された専用の吸収冷温水機※1(以下「ソーラー吸収冷温水機」)を用いて冷房に利用し、冬期は暖房熱交換器により暖房に利用するものです。 "
-----image : 同リリースより
コメント続き
年間の一次エネルギー消費量が約24%少なくなるシステムということです。病院、学校、その他の施設への導入が期待されるシステムです。さらに、ビルの設計により効率的なデザインや断熱と組み合わせて、総合的にさらにエコな建物の研究が進むことが期待されます。
東京ガスが、実験している港北NTアースポートビルでは、再生可能エネルギーと都市ガスの融合により、2030年までに、さらなる高効率化やエネルギーの面的利用の推進等により、年間の一次エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることをめざしているとされています。
・東京ガス、港北NTアースポートビルを再生可能エネルギーと都市ガスの融合によるネット・ゼロ・エネルギー・ビルへ改修-----しなやかな技術研究会、2010/02/08
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)は、東京ガスだけでなく、さまざまな企業や国の取り組みも開始されつつあるビルの究極の省エネ・再生可能エネルギー利用プロジェクトです。今後の進展にも注目していきたいと思います。(t_t)
参考
・「ZEBの実現と展開に関する研究会」の報告書公表について-----経済産業省、平成21年11月24日
・ZEBの実現と展開に関する研究会報告書-----経済産業省、2010年2月22日
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