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European Photovoltaic Industry Association (EPIA)、地中海連合の大規模太陽光発電開発計画 Mediterranean Solar Plan(MSP)の2020年に向けての展望を発表

 フランスが熱心に提唱し、地中海沿岸のヨーロッパおよび中東・北アフリカ諸国で構成される地中海連合(Union
For the Mediterranean)の大規模太陽光発電開発計画 Mediterranean Solar Plan(MSP)について、European Photovoltaic Industry Association (EPIA)が新たに2020年までの展望を記したリリースを発表しました。

エネルギーは、地中海を経てアフリカからEUへとやってくる?-----ソフトエネルギー、2008/07/30

 上のクリッピング記事から約2年、目標とされた20GWという規模での大規模太陽光発電計画へとより具体化した形を取り始めました。2009年からパイロットプランは開始され、数十MWクラスの太陽光発電所の建設を具体化し、その過程で予定を前倒すような勢いで進めたいということのようです。

プレスリリース / European Photovoltaic Industry Association (EPIA),12 May 2010
PRESS RELEASES / PV could significantly overshoot the 20 GW target of the MSP(PDF)

" Gathered together in Valencia for the first of a 2-day high-level conference on the Mediterranean Solar Plan (MSP) within the framework of the Spanish Presidency of the European Union, over 550 participants, including ministers and representatives from the 43 Mediterranean countries, have discussed the potential of solar photovoltaic (PV) electricity in the Mediterranean region. The MSP constitutes one of the major initiatives of the Union for the Mediterranean and its prime objective is to develop 20 GW of renewable electricity capacity by 2020 in the Southern Mediterranean area, as well as the necessary infrastructures for the electricity interconnection with Europe. The conference is intended to enhance and facilitate the implementation of the MSP in terms of infrastructural requirements, policy frameworks and associated financing..
.......... "

 5月に開催された関連の会議には、ヨーロッパおよび中東・北アフリカ諸国(Middle East and North Africa - MENA)から43カ国の参加があったということです。日本にはあまり情報が届きませんが、地中海連合が占める地域の広がりは圧倒的です。

Mediterranean-union.org
Mediterraneanunion_org
-----image:同サイトキャプチャー画像

Wikipediaによると、メンバーには地中海に面していない国も多数参加しています。いよいよ、”エネルギーは、地中海を経てアフリカからEUへとやってくる?という状況”も夢ではなくなりつつあります。計画では、太陽光だけでなく、太陽熱も風力も計画されています。太陽光だけでも、2020年以降、地域を拡大しアフリカの内陸の国まで巻き込んだ大規模な再生可能エネルギーおよび電力網の整備計画へと発展する可能性も大きくなってきました。

関連
Mediterranean Solar Plan ? a win-win opportunity !-----European Renewable Energy Council,Feb 2009

Wikipedia : Union for the Mediterranean

The Mediterranean Union: Dividing the Middle East and North Africa-----globalresearch.ca

コメント続き
 こうなると、ドイツが熱心なデザーテック DESERTEC とのかねあい、政治的な駆け引きもあるようですから、地域的なかぶりも含めて、今後どのように調整されていくのか、ヨーロッパ全体にまで影響を与えるような再生可能エネルギー電力網の建設へとつながっていくのか? 本当にこの地域での開発が強化、具体化しそうなので目が離せない動きになりそうです。

デザーテック DESERTEC がヨーロッパでいよいよ始動。エネルギーは、北は洋上風車から、南は地中海を超えて砂漠からやってくる!-----ソフトエネルギー、2010/01/28

 まあ、国の利害を越え、EUが全体としてのエネルギー問題への解決に向かうとは思いますが、財政やロシアからのエネルギーなどむずかしい問題もかかえているのは確かです。しかし、案外北海沿岸国で先行して勧められると思われるノースシー電力網計画が成功すれば、電力網の整備はより具体的なテーブルでの検討になり、うまく収納されているという楽観的な見方もできます。政治とエネルギー情勢しだいということもあるかもしれませんね。

EU、オフショア風力発電! エネルギーは海を超えてやってくる-----ソフトエネルギー、2009/10/01

 振り返って、日本。ヨーロッパ、アフリカ、中東を巻き込んだ地域の大規模エネルギー開発が意味をするエネルギーを通しての国際協力、国際協調。早期に実現することが、この地域の安定にもつながると思います。しかし、そのためには、まだまだこの地域の国々のさまざまな民主主義的な熟成が必要なようです。しかし、手をこまねく余裕はありません。日本も、再生可能エネルギーを重視した海洋立国としての技術を育てることで、海を超えた相互協力の道ができると考えています。(t_t)

参考動画
Desertec solar energy project

(SolarPVTV,2009年11月03日)



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