川崎重工、'09 1月に日本初となる大容量ニッケル水素電池による定電圧フロート充電に成功
川崎重工が'09 1月に日本初となる大容量ニッケル水素電池による定電圧フロート充電に成功したということです。川崎重工の大容量ニッケル水素電池ギガセルは、同社の低床電池駆動路面電車「SWIMO」に搭載され話題になりました。今回、その大容量ニッケル水素蓄電池ギガセルをサーバーなどの施設の無停電電源の蓄電池としての利用に道を開いたということになります。バックアップ電源として従来の鉛蓄電池に対して体積比で50%、重量比で30%低減を実現し、重金属などを含まずリサイクル可能な大容量蓄電池の開発案件として注目されます。
アップするのが遅れましたが、蓄電は大事な技術なので、このアップしておきます。
プレスリリース / 川崎重工、2009.1.27
・日本で初めて大容量ニッケル水素電池による定電圧フロート充電に成功
-----image: 同リリースより
" 川崎重工は、自社開発の大容量ニッケル水素電池「ギガセル※」による定電圧フロート充電に日本で初めて成功しました。定電圧フロート充電とは、電池を常に満充電の状態に保持しておく充電方法で、停電発生時に瞬時に放電を開始することにより、各設備やサーバーなど負荷装置の稼動を維持することができます。このたび当社は、電気通信用施設における実証試験により、「ギガセル」が停電時のバックアップ電源として使用できることを確認しました。
今回の実証試験は、KDDI株式会社の協力のもと、「ギガセル」を同社の評価用基地局に約2ヶ月間設置し、充放電特性の評価試験を行ったものです。その結果、定電圧フロート充電、放電、圧力および温度評価の各試験において問題がないことを確認し、バックアップ電源として従来の鉛蓄電池に対して体積比で50%、重量比で30%低減を実現しました。これにより、当社の「ギガセル」は、同種の電気通信用施設はもとより、情報、金融、病院など、さまざまな分野においてバックアップ電源機能の提供が期待されます。
「ギガセル」は、大容量・高効率の充放電に最適な蓄電池です。本電池は鉛、カドミウムのような有害物を使用せず、電解液が不燃性である水溶液で構成されていることから、環境適合性や安全性に優れており、分解が容易な電池構造でリサイクル性にも優れています。
近年、特に欧州では、環境的観点から有害物質を含有しない電池への代替が推進されており、体積・重量エネルギー密度が優れかつ安全な次世代蓄電池が求められています。当社は、今後とも新たな技術開発に積極的に取り組み、地球環境の改善に貢献していきます。
「ギガセル」仕様(1モジュールあたり)
型式 密閉型ニッケル水素電池
定格電圧 24V(20セル直列)
定格容量 220Ah
エネルギー容量 5.3kWh
外形寸法(L×W×H) 895mm×218mm×350mm
体積 68L
重量 165kg
※「ギガセル」: 川崎重工の登録商標です。
......... "
関連エントリー
・低床電池駆動路面電車「SWIMO」が完成 / プレスリリース 川崎重工-----しなやかな技術研究会、2007/11/28
・「ギガセル」によるピークカット機能を備えた太陽光発電システムを初受注 / プレスリリース 川崎重工-----ソフトエネルギー、2005/11/18
参考
・神戸工場で低炭素エネルギーシステムの実証実験-----日刊工業新聞、2010年03月11日
" 川崎重工業は神戸工場(神戸市中央区)内に建設し、2011年8月にも完成する事務所ビルで、低炭素エネルギーシステムの実証実験を行う。
.......... "
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コメント
evinfoさん
コメントありがとうございいます。
ギガセルの性能については、発表されている内容しか知りませんので、その課題などは把握していません。
充電池の技術は、充放電管理の技術、コントロールの技術とセットで開発されています。この分野は日本は得意な分野だと思います。
研究開発の成功を祈りつつ展望しています。
しな研 t_t
投稿: t_t | 2010/05/10 01:32
いつも拝見させてもらっています。
本件については、川重さんのギガセルが密閉タイプのようなので、長期使用時に電解液枯渇が起きないかが気になります。
投稿: evinfo | 2010/05/07 10:02