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アサヒビール、農研機構九州沖縄農業研究センターと共同で高バイオマス量サトウキビにより、砂糖を確保しつつバイオエタノールを大量に生産できるシステムを開発

 アサヒビールは、農研機構九州沖縄農業研究センターと共同で砂糖・エタノール複合生産を可能とする高バイオマス量サトウキビ「KY01-2044」を開発したということです。この品種と独自の砂糖・エタノール複合生産プロセスにより、現状の砂糖生産量を確保しながら、つまり食料と競合することなく、バイオエタノールを大量に生産できるシステムとすることができるとうことです。今回、実験プラントでの実証に成功し、実用レベルでの検証を行っていくということです。
 バイオ燃料は、作物と競合しないことがその成功の鍵であり、多くを期待されている技術です。今回、アサヒビール、農研機構九州沖縄農業研究センターと共同で開発した技術、『砂糖・エタノール複合生産プロセス』は高バイオマス量サトウキビ新品種を用いて、従来の砂糖生産量を維持したまま、耕作地面積あたり、5倍以上のバイオエタノール生産性が見込めるという画期的なもののようです。

プレスリリース / アサヒビール、2010年04月13日
『砂糖・エタノール複合生産プロセス』を開発!

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-----image(”写真1  「KY01-2044」の草姿 左:「NiF8」、右:「KY01-2044」”) : 同リリースより

" アサヒビール株式会社
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構
九州沖縄農業研究センター

実験プラントでの実証に成功し、実用レベルでの検証へ
ポイント
●製糖用従来品種と比べてバイオマス生産量が50%高く、糖収量が30%多い高バイオ マス量サトウキビ新品種を育成
●高バイオマス量サトウキビを利用することで、現在の砂糖生産量を確保しながら、 食料と競合することなく、バイオエタノールを大量に生産できるシステムを開発

概要
 アサヒビール株式会社と農研機構九州沖縄農業研究センターは、生産力が飛躍的に向上した「高バイオマス量サトウキビ」(製糖用のサトウキビに比べて、1.5倍程度のバイオマス総量)新品種を用いて、砂糖生産量を確保しつつ、低コストで大量のエタノールを生産可能な『砂糖・エタノール複合生産プロセス』を開発し、伊江島の実験プラントで実証しました。また、バガス(サトウキビ搾汁後の繊維性の残渣)を用いて、全ての製造エネルギーを自給するカーボンニュートラル(排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素の量が同じ)なプロセスについても実証しました。
 この砂糖・エタノール複合生産プロセスを実用レベルで検証することにより、南西諸島におけるサトウキビ産業の活性化や地球温暖化ガスの削減効果が期待されます。

研究の背景
 南西諸島の基幹作物であるサトウキビは台風や干ばつの影響を受けやすく、安定多収技術や低コスト栽培技術の開発が求められています。また、生育が旺盛で副産物の有効利用が期待できる高バイオマス量サトウキビの育成と活用法が求められています。
 このような中、環境研究の一環として、アサヒビール株式会社の持つ発酵・エタノール抽出技術と、農研機構九州沖縄農業研究センターの持つ高バイオマス量サトウキビ品種育成技術とを組み合わせ、従来の砂糖生産量は維持しつつ、低コストで大量にバイオエタノールを製造することを目的として、『砂糖・エタノール複合生産プロセス』の共同研究を開始しました。

研究の内容・意義
1.サトウキビのバイオマス生産力を飛躍的に向上させ、従来の製糖用品種と比較して、単位面積当たりの収量(原料茎重)が1.5倍、全糖収量が1.3倍、繊維量が1.8倍となる新しい高バイオマス量サトウキビ品種を育成しました..........

2.伊江島(沖縄県伊江村)の実験プラントにおいて、この高バイオマス量サトウキビ新品種を用いて、従来の砂糖生産量を維持したまま、耕作地面積あたり、5倍以上のバイオエタノール生産性が見込めることを『砂糖・エタノール複合生産プロセス』により明らかにしました..........


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-----image(”資料2”) : 同リリースより

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-----image(”資料3”) : 同リリースより
.......... "

関連
農業・食品産業技術総合研究機構(略称:農研機構)

コメント続き

 昨晩のNHKの番組、クローズアップ現代「夢の植物で新エネルギーを作れ」でもアサヒビールのバイオ燃料についての話題が、筑波大学の渡邉信さんの緑藻からバイオ燃料を作る技術(ようこそ私の研究室へ28(JSTニュース7月号))とともに紹介されました。日本にはすぐれた農業、化学技術の素地があることがわかりました。問題は、そのすぐれた技術を育てあげる技術を我々がもっているかということだと思いました。アサヒビールの技術の今後の世界展開にも注目したいですね。

 酒造各社は、まさにバイオマスエネルギー活用産業として、その技術力を磨いています。こうした技術の裏づけがあると、お酒もおいしく飲めそうですね。(t_t)

参考エントリー
-----ソフトエネルギー、2008/05/09

植物性廃棄物バイオ燃料 米、年間1億3000万ガロンへ / クリッピング FujiSankei Business i.-----ソフトエネルギー、2007/03/13

ライスパワー! 米からエタノール-----しなやかな技術研究会、2007/05/14

-----カテゴリー : 木質、森林/バイオマス-----

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