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関西電力、大阪府堺市に10MWの太陽光発電所を建設し、合わせて大型ニッケル水素蓄電池を組み入れた電力需給制御システムの研究を開始

 関西電力、大阪府堺市堺区で実施する10MWの太陽光発電所にてニッケル水素蓄電池などを利用した電力需給制御システムの研究を行うと発表しました。10MWの太陽光発電所に対して、100kWhのニッケル水素蓄電池を加え、需給バランスの平準化などを検証するということです。
 利用されるニッケル水素蓄電池は、川崎重工業製ということです。

プレスリリース / 関西電力、2010年1月29日
蓄電池を用いた電力需給制御システムの研究について

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-----image(”石津川変電所での蓄電池連系イメージ”) : 同リリース、別紙1より

" ..........低炭素社会の実現に向けた取組みの一環として、太陽光発電などの新エネルギーが大量に電力系統に導入された場合に、電力系統の供給信頼度を確保するため、現在建設中の堺第7-3区太陽光発電所(仮称)が連系する石津川変電所(堺市)構内に、蓄電池を設置して行う電力需給制御システムの研究を平成22年度から開始します。
 蓄電池にはニッケル水素電池を採用しますが、供用中の電力系統にこの電池をつなぎ、需給制御の研究を行うのは、わが国の電力業界では初めての取組みとなります。
【研究概要】
期間 : 平成22年度から25年度
※22年度から蓄電池の基本設計に着手し、堺第7-3区太陽光発電所が全て運開する23年度には具体的な検証を開始する予定。

場所 : 石津川変電所(大阪府堺市堺区石津北町30)

内容 : 太陽光の大量導入に対応できる需給制御システムの研究
・堺第7-3区太陽光発電所の運開や家庭用太陽光の普及等により電力系統に大量導入された場合にも、系統全体として周波数を一定に保つための、蓄電池を利用した需給制御システムの研究を行う。
需給制御用としての蓄電池の適性評価および寿命評価
・蓄電池を利用した需給制御システムの研究を通してニッケル水素電池の適性評価と寿命評価を行う。
太陽光の規模に見合う蓄電池容量の評価
・約7万kWの負荷に1万kWの太陽光が連系する石津川変電所で、管内の日射量測定結果も活用し、将来の系統全体の需給制御に必要な蓄電池容量の検討を行う。
.....

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-----text & image(”ニッケル水素電池スタックのイメージ”) : 同リリース、別紙2より

<研究に用いる蓄電池の概要>
[仕 様]
メーカー 川崎重工業株式会社
種類 ニッケル水素
スタック数 48台
定格電圧 576V
定格容量 177Ah
エネルギー容量 約100kWh
出力 250kW※
※インバータを連系した需給制御システムとしての出力

<メガソーラー発電の導入計画>
堺第7-3区太陽光発電所(仮称)
実施体制 : 堺市および関西電力(株)が共同実施
〔普及啓発活動=堺市、建設・運営=関西電力〕
所在地 : 大阪府堺市西区築港新町4丁
面積 : 約20ha
発電出力 : 10MW(1.0万kW)
発電電力量 : 約1,100万kWh/年
運開予定 : 一部運開 平成22年11月予定(0.3万kW)
全部運開 平成23年10月予定(1.0万kW)
◆グリーンフロント堺太陽光発電施設(仮称)
事業者 : シャープ(株)および(株)関電エネルギーソリューションで検討
設置場所 : 大阪府堺市堺区匠町
発電出力 : 最大約18MW(約1.8万kW)、当初約9MW(約0.9万kW)
運開予定 : H23年3月までに
-----text :参考より  "

関連
川崎重工業 / エネルギー設備 / 大容量・新型ニッケル水素電池 ギガセル

コメント続き

 再生可能エネルギーと合わせて利用できる蓄電池の中で、ニッケル水素蓄電池は海外では本命視する専門家もいます。リチウムイオンよりも資源の制約性が低く、コストも安いということです。日本で大型のニッケル水素蓄電池といえば、川崎重工のギガセルという実績を積むことで、さらに注目されるものになっていきそうです。(t_t)

関連エントリー
低床電池駆動路面電車「SWIMO」が完成 / プレスリリース 川崎重工-----しなやかな技術研究会、2007/11/28

二次電池(鉛蓄電池・ニッケル水素電池)と電気二重層キャパシタ併用運転による風力発電における電力安定化装置の実証試験開始について / プレスリリース 川崎重工-----ソフトエネルギー、2007/10/03

“「ギガセル」によるピークカット機能を備えた太陽光発電システムを初受注 / プレスリリース 川崎重工-----ソフトエネルギー、2005/11/18

参考エントリー
三洋電機、自然エネルギーや軽車両で使える大容量のリチウムイオン電池を開発-----しなやかな技術研究会、2009/11/18

大型ニッケル水素電池を用いた次世代電池電源システムの開発に着手 / クリッピング 松下電池工業-----しなやかな技術研究会、2006/06/14

追加情報
ニッケル水素電池を用いた多機能電力貯蔵装置の開発について-----川崎重工業、2010年10月26日

" 関西電力株式会社(以下、関西電力)、日新電機株式会社(以下、日新電機)、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工業)の3社は、このたび、ニッケル水素電池を用いたものとしては初めて、電力ピークシフト、瞬時電圧低下対策、停電対策※3を同時に兼ね備えた「多機能電力貯蔵装置」を共同開発しました。 "



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