民主党政権、地球温暖化対策基本法案(仮称)は原発重視、再生可能エネルギーは2020年10%を選択か!?
政府が3月上旬の閣議決定を経て国会に提出予定の「地球温暖化対策基本法案(仮称)」において原発重視、再生可能エネルギーの2020年に供給量の10%以上という目標になるという観測が報道されました。
こうなってくると、温暖化効果ガスの削減目標としてあげている、2020年90年比25%減の圧力は、原子力発電の無理な増設へとつながる可能性が強い。ところが、新設はいろいろ現実にはむずかしいとなると、この10年では、既存原発の無理な運転という、原発推進派さえ望んでいない危険な失策につながってしまいます。
原発の新設については、強引に進めるべきだとする意見の方もおられるでしょうが、既存原発で発生している問題を考えれば、原発も課題の多いエネルギー源なのです。
老朽化、耐震性能で問題のある原発の順次離脱を考えれば、総合的には稼働率すら語るのは無理というものです。
さらに、この地震国です。決定的な原発震災ならずとも、安全を軽視した稼働率アップにつながる動きは、あまりにも危険なかけです。
・温暖化対策:原発、施策筆頭に…基本法案を3月に閣議決定-----毎日jp、
".....政府内で温室効果ガスの「90年比25%減」という目標達成には、発電量の4分の1を占める原発の稼働率向上や新規建設は回避できないとの認識.....
.....再生可能エネルギーの導入目標は、当初案の「20年までにエネルギー消費量の20%程度」は実現可能性などから「供給量の10%以上」に改めた。..... "
関連エントリー
・”
- 温暖化対策:原発、施策筆頭に…基本法案を3月に閣議決定-----毎日jp http://bit.ly/bKpszb ;コメ-原発が中心に、再生可能エネは、供給量の10%以上へと後退。暗澹たる経過だ #climatechangeja #renewjapan #cop16ja posted at 16:54:02
- 「20年までにエネルギー消費量の20%程度」という話が、温対法に入るという話が出たときには、マニフェストが”1次エネルギーの総供給量に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年までに10%程度の水準まで引き上げる。”だったので、お! となり、原発への慎重な姿勢に期待も!だが、、 posted at 17:02:42
- やっぱり民主党政権には、ぶちあげでもいい、どーんといく気迫がなかったということか。温対法、原発重視で、当初なみ。ところで、大型水力は当然この数字には入ってないんですよね! こんなあたりまえのことすら確認したくなる、この流れ。ヤバイ posted at 17:05:41
- 民主党 「地球温暖化対策基本法案」2008/06/04 http://bit.ly/aGkGy5 参考-しなやかな技術研究会(2009/09/01) http://bit.ly/3FhTAJ ; #renewjapan #climatechangeja #cop16ja posted at 17:11:33
今回の報道が現実化するとしてこの時点でいえることは、気候変動問題における国際的な枠組み交渉に関しても、実効ある協調行動でイニシアティブを取ることすら放棄しているのではないかと勘繰れるほどの無策さを露呈したのではないかという気がします。
2020年、25%温暖化効果ガス削減を、まあ高い目標として掲げたまでは良かったが、内実はなかったという懸念があります。資源のないわが国における、エネルギー選択は、国の命運を左右する重大な問題です。簡単に原発を文章に入れたり出したりする政府の姿勢には、驚きと不審を抱きます。
世界中、この気候変動とエネルギー問題において、問題を抱えていない国はないといっていい状況です。
積極的なヨーロッパでも原発を含めた議論があり、2020年20%再生可能エネルギーを目指し、先頭を走っているEUさえも大きな課題の解決を迫られています。さらに、膨大な資金と開発の努力が必要です。これは、なかなか人類にとって困難な問題なのです。解決できないかもしれない課題です。
・European commission : Energy-Energy policy for a competitive Europe
・EU renewable energy policy-----euractiv.com,02 August 2007
関連エントリー ・European Renewable Energy Council- Roadmap 20% by 2020-----自然エネルギー、2008/12/01
さらに世界を見回すと、アメリカも中国も排出量削減枠の表明に慎重な国々でも、協力に再生可能エネルギーを推進していますし、数字も意外に高いものになってきています。2030年に20%風力で賄うこともできるという話が、実際に世界一の風力発電設備量をもつ国になって、結構大変だという話とともに、では地熱、太陽熱、海洋、バイオマスなども組み合わせれば将来のエネルギーの3割から4割は再生可能エネルギーで賄えるという話もアメリカでは聞かれます。
国家100年のヴィジョンを作るには、政権担当1年目には荷が重いということであれば、拙速な結論を急ぐべきではありません。
参考エントリー ・米エネルギー省、2030年に電力の20%を風力で賄うことができるとのリポート、”20 Percent Wind Energy by 2030”を発表-----ソフトエネルギー、2008/05/14・「2020年に20%を再生可能エネルギーで賄う」ってことでいきましょう!-----ソフトエネルギー、2007/07/26
よく政権担当百数十日と日数を対応の未熟さを口にする政権が、こんな大事なことを説明もないまま、ころころ数字を入れ替えるのは、まったくいただけないと思います。無理ならば、さらに慎重な議論へと国民を導くことこそ、リーダーシップだと思います。(t_t)
参考
・環境省 : 地球温暖化国内対策
・環境省地球環境局 : 地球温暖化対策推進法について
平成十年十月九日法律第百十七号 地球温暖化対策の推進に関する法律(e-Gov 法令データ提供システム)
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