千葉大学公共研究センター、永続地帯2008年版報告書を発表。初の県別の自然エネルギー利用状況などを公開
千葉大学公共研究センターは、永続地帯2008年版報告書を発表しました。これは、2008年3月現在のデータを都道府県単位でとりまとめ、国内の自然エネルギー利用状況を網羅する初の貴重なリポートとなっています。
2007年に千葉大学公共研究センターと環境エネルギー政策研究所の共同研究として公開された2006年版のエネルギー永続地帯は、わが国における自然エネルギーの利用状況を調査し、永続地帯 -Sustainable-Zone-という、地域における分散型電源の利用状況の研究に大きな貢献と視点を提供してくれました。そして今回、2008年の状況をまとめ、さらに県別の自然エネルギー状況を網羅したさらに肉厚の報告書が公開されました。また63ページにわたるPDF版の報告書とは別に、エネルギー永続地帯指標2008年版の市区町村別総合集計表がエクセルデーターとして提供されました。まさに地方における小規模分散型電源の研究と普及に資することが期待できる研究となっています。
プレスリリース / 千葉大学公共研究センター、2009年12月24日
・永続地帯 - Sustainable Zone / 永続地帯2008年版報告書の公表について
-----image : 「永続地帯2008年版報告書 Sustainable Zone2008」表紙
" 千葉大学公共研究センターでは、NPO法人環境エネルギー政策研究所と共同して、2006年より国内の全ての市区町村における自然エネルギーの利用状況調査を実施し、各行政区域内の民生+農水用エネルギー需要のどの程度の割合を自然エネルギーによって賄っているのかを試算した「エネルギー永続地帯指標」を毎年公表して参りました。
今回、2008年3月現在のデータを都道府県単位でとりまとめた「永続地帯2008年版報告書」を公表しました。本報告書は、国内の自然エネルギー利用状況を網羅的にまとめた、初めての資料となります。この資料は、地域における自然エネルギー導入施策に役立てていただけるよう、全都道府県に送付するとともに、永続地帯ホームページ(http://sustainable-zone.org)に掲載しております。この報告書のポイントは以下のとおりです。
(1) 都道府県ごとの自然エネルギー供給の特徴を掲載しました。
自然エネルギー供給量、自然エネルギーの自給率(自然エネルギー供給量/民生・農水エネルギー需要)、自然エネルギーの供給密度(自然エネルギー供給量/面積)、自然エネルギー種ごとの供給量ランキング、域内の自然エネルギー供給割合といった指標を用いて、都道府県ごとの自然エネルギー供給の特徴を記載しました。
(2) 都道府県内の市町村ランキングを掲載しました。
都道府県内の市町村ごとに、自然エネルギー自給率、供給密度、自然エネルギー源別自給率ランキングを掲載しました。
(3) 自然エネルギーの経年変化が明らかになっています。
今般の試算から、自然エネルギー供給は、2007年3月と2008年3月を比較すると2.6%の伸びにとどまっていることがわかりました。年率5%で伸びたとしても、総量が倍増するまでに約14年かかります。年率2.6%なら、倍増までに約27年かかります。現状の伸び率は2020年に1990年比で温室効果ガスの排出を25%削減するという目標に照らすと低すぎます。目標達成に向けて、自然エネルギーに関する導入促進措置を抜本的に強化する必要があります。
本件連絡先 千葉大学法経学部教授 倉阪 秀史
.......... "
関連
・環境エネルギー政策研究所
・「エネルギー永続地帯」2008年度版(確報版)公開-----小水力発電ニュース、2009 年 12 月 24 日
関連エントリー
・千葉大学とISEP、76の市町村がすでに再生可能エネルギーによる発電100%以上を達成している”エネルギー永続地帯”だとのリポートを発表-----ソフトエネルギー、2007/07/18
・内7町「自給自足」 自然エネルギー 道外は55市町村 / クリッピング 北海道新聞-----ソフトエネルギー、2008/10/22
・Sustainable Zone -永続地帯 / おすすめサイト-----しなやかな技術研究会、2008/11/20
コメント続き
今回のリポートでは、「2007年度に比較し、自然エネルギー供給の増加は2.6%にとどまった」(P.2)という指摘など貴重な研究データーが満載です。自然エネルギーの種類別の伸び率も興味深いです。さらに、永続地帯2008年版報告書の都道府県別のデーターは、自治体にとってもそこで各地で暮らす私たちにとっても、地方や分散型電源の可能性を感じさせるに十分な内容です。これまでの化石燃料、輸入燃料に依存したエネルギー消費のあり方から、地方の自然環境の厳しい地域、人口や産業の減少や縮小に悩む地域が、実は低炭素社会への扉を開く大きな可能性を秘めていることを読み取ることができました。
この研究、継続され、2015年から2020年、そしてそれを越えてつみあがるような研究になることを期待しています。もちろん、数字が気候変動とエネルギー問題に関してのわが国のソリューションを語ってくれることを期待しています。(t_t)
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