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経済産業省、オバマ大統領訪日日程にあわせ、日米クリーン・エネルギー技術協力を公表

 みなさんはオバマ大統領の演説をどうお聞きになっただろうか? アメリカ本国ではその以前ほど高い支持率を誇るわけではないが、それでも世界の期待を一身に負うその影響力を感じることができた内容だったと思います。
 さて、このオバマ大統領の訪日のタイミングで日米のクリーン・エネルギー技術協力に関する覚書の交換が行われたということです。

プレスリリース / 経済産業省、平成21年11月13日
日米クリーン・エネルギー技術協力について
Cleanenergyjapanusa2009
-----image(”米国DOE国立研究所とDOC国立標準・技術研究所との研究協力”) : 同リリース添付資料「別添5 日米クリーン・エネルギー技術協力」より

" 本件の概要
2009年11月13日(金)に鳩山総理大臣とオバマ米大統領による日米首脳会談において、日米クリーン・エネルギー技術協力に関する合意がなされました。

担当
通商政策局 米州課
産業技術政策局 産業技術政策課国際室
資源エネルギー庁国際課

公表日
平成21年11月13日(金)

発表資料名
日米クリーン・エネルギー技術協力について(PDF形式:122KB)
「日米クリーン・エネルギー技術協力について
2009年11月13日(金)に行われました鳩山総理大臣とオバマ米大統領による日米首脳会談において、日米クリーン・エネルギー技術協力に関する合意がなされましたので、お知らせいたします。
1.鳩山総理大臣とオバマ米大統領は、日米首脳会談において、世界的なエネルギー安全保障及び気候変動という課題への解決策を提供するため、技術研究開発分野における既に強固な協力的取組を一層拡大するという日米両国の意思を確認しました。そして協力を強化する当面の共同取組分野に関するファクトシートを発表しました。
2. 経済産業省と米エネルギー省は、クリーン・エネルギー技術に関する共同研究を加速することで合意しました。そして両首脳が発表したファクトシートに基づき、重点的に共同研究を行う分野を特定し、「クリーン・エネルギー技術アクションプラン」としてまとめました。
3. 経済産業省と米エネルギー省は、このアクションプランに基づく活動をモニターし、新しい研究プロジェクトをアクションプランに加えます。双方はこの協力を、それぞれの国が個別に活動して達成できることより多くのことを、分担し、それゆえより低コストで、かつより迅速なペースでなし遂げることにより、必要とされる科学を進歩させる機会としてとらえています。クリーン・エネルギー研究に関するこのように強化された協力を通して、我々はクリーンかつ供給の安定した世界のエネルギーの未来に向かって、共同して進歩を加速することができると考えています。」

別添1 ファクトシート(PDF形式:138KB)
「別添 1
ファクトシート日米クリーン・エネルギー技術協力(仮訳)
鳩山内閣総理大臣とオバマ大統領は2009年11月13日に東京において会談した。両首脳は、エネルギー研究開発における世界の二大投資国として、世界的なエネルギー安全保障及び気候変動という課題への解決策を提供するため、技術研究開発分野における既に強固な協力的取組を一層拡大するという日米両国の意思を確認した。両首脳は、協力を強化する当面の共同取組分野として以下を発表した。
. 研究開発協力、情報・知見の交換及び研究者の交流、ワークショップ及び会議、並びに標準化研究における協働を通じた、日米国立研究所間の共同活動の加速
. 沖縄とハワイにおいて、エネルギー面の自立を可能にするためにそれぞれ進められている、マイクログリッド実証を含むクリーンエネルギープロジェクトの成果を評価し、これらの島嶼が互いに経験及び知見を共有することを支援する活動を展開するタスクフォースの設置
. スマートグリッド分野における、実証プロジェクトからの情報及び経験の共有並びに標準の開発を通じた協力の深化
. 二酸化炭素回収・貯蔵技術に関する、起こり得るリスクを予測し緩和するためのモデル作成、試験及びデータ共有、並びに、新たな回収手法、シミュレーション手段及びモニタリング手法の開発を含む協力
. 原子力エネルギーについて、核不拡散、安全及び核セキュリティを確保する方法による原子力平和利用の世界的な普及に両国が重要な役割を担うことを認識しつつ進められる、先進的核燃料サイクル技術、既存施設の効果的利用及び耐震安全性向上技術などを含む連携の強化
. 基礎研究、再生可能エネルギー、省エネルギービル及び次世代自動車を含む追加的な分野における研究開発及び展開面での協力的取組の拡大
. エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)、国際エネルギー機関(IEA)、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)、国際省エネルギー協力パートナーシップ(IPEEC)、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、なかんずく、2010年に日本が、2011年に米国がそれぞれ議長を務めるアジア太平洋経済協力(APEC)を含む、多数国間の枠組みにおけるエネルギー問題及び共同プロジェクトの形成に関する緊密な協力」

別添2 Fact Sheet(PDF形式:41KB)
別添3 アクションプラン(PDF形式:277KB)
別添4 Action Plan(PDF形式:128KB)
別添5 日米クリーン・エネルギー技術協力(PDF形式:1,001KB) "

コメント続き

 発表されたアクションプランに帰された内容のリストは、

基礎科学-人工光合成、太陽光から水素を生成する色素増感太陽電池、ナノテクノロジーを利用した革新的エネルギー貯蔵または変換デバイス、水素吸蔵材料、燃料電池、エネルギー関連材料の計算科

二酸化炭素回収・貯留-モデル化調査およびデータ共有、プロジェクト形成(CCS技術)、プロジェクト形成、シミュレーション手法とモニタリング

省エネルギーおよびスマートグリッド技術-省エネルギービル技術、沖縄-ハワイ実証プロジェクト、電気自動車、スマートグリッド

その他の再生可能エネルギー技術-集光型太陽電池(CPV)システム(一基は日本製、もう一基は米国製)について、日本に設置された(曇りの環境下の)システムと、米国に設置された(晴天の場所の)同様なシステムを比較する実証、先進バイオ燃料のための生物化学的および熱化学的変換プロセスの研究開発

原子力-既存施設の有効活用、ガス冷却炉技術、原子力発電所の耐震安全性高度化のための先進的シミュレーション、廃棄物のガラス固化に関する研究開発、液体金属冷却高速炉のナトリウム中検査用センサー開発

 以上。慾意的すぎると思ってなんどか読み返したが、やはりリストの最後の原子力へのエネルギーの傾注度合いが大きいようです。クリーンエネルギーとしての原子力、そんな文脈により予算とプロジェクトが動いていること。日本は、原子力発電を推進し、地震国であるにもかかわらず、さらに拡大しようとしている事実を私たちは日々忘れてはいけないと思いました。(t_t)



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コメント

yutakarlsonさん

 コメントありがとうございます。ブログ、拝読しました。
 オバマ大統領の演説の内容の影響もさることながら、本来大統領がしたかった政策について、a.実現できそうなものかできたもの、b.圧力なども含めたさまざまな理由で実現が困難になってきた政策、c.実現がほぼ困難政策という視点でながめています。オバマさんは、御自身とその周囲が情報発信に熱心なので、そうした情報が非常に多い大統領なので、それほど時間がかからずにある程度の評価は可能かと考えています。
 あと、オバマさんの選択と政策が日本の市民生活に与える影響についても興味があります。国レベルの政治力のぶつかりあいという視点だけでなく、それが私たちの市民生活にどのような影響を与えるかについて、生活者の目で見ていくこと、そして意見を表明することが意味があると思っております。
 今後ともよろしくお願いいたします。

 しな研 t_t

投稿: t_t | 2009/11/17 13:52

■米、アジアに積極関与 オバマ大統領都内で演説―隠れた意図を読み取ろう!!

こんにちは。私のブログでもオバマの演説をとりあげました。こういう演説を聴いて、そのまますべて額面どおり受け取る人は、余程人が良い人か、それともコミュニケーション能力がない人だと思います。このような演説は、どうしても、あたりさわりのないものになってしまいますが、その中でも、現在のタイミングとか、オバマ大統領の考え、現在の世界状況や、アメリカ国内、日本国内など勘案して何を意図しているのか探るべきです。ただし、私は国際政治に関しては、門外漢であり、私の稚拙な分析を披瀝するために掲載したわけではありません。私は、このようなことをすることにより、よりコミュニケーション能力が磨かれ、普段の仕事にも役に立つと思います。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。

投稿: yutakarlson | 2009/11/16 14:20

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