大阪ガス、生ごみ“まるごと”バイオガス化を可能にする生分解性ごみ袋とその高速分解方法の技術を開発
大阪ガスが、生ごみを“まるごと”バイオガス化することを可能にする生分解性ごみ袋とその高速分解方法の技術を確立したと発表しました。これにより、ごみ袋もいっしょに分解することにより、エネルギー回収量を約10%増加させることができるということです。
プレスリリース / 大阪ガス、2009年9月16日
・生ごみ“まるごと”バイオガス化を可能にする生分解性ごみ袋とその高速分解方法の技術を確立
-----image(”【システムフロー(概略)】”) : 同リリースより。上 : 従来のバイオガス化システム、中 : 超高温可溶化+バイオガス化システム、下:生ごみ“まるごと”バイオガス化システム
" 生ごみからの再生可能エネルギー回収技術の向上
大阪ガス株式会社(社長:尾崎 裕)は、大阪ガスの独自技術である樹脂改質技術と超高温可溶化※1技術(登録商標:メタソリューション)を活用し、生ごみと生ごみ回収に用いるごみ袋を“まるごと”短時間で分解・発酵し、再生可能エネルギー※2として回収できる高効率バイオガス※3化技術を新たに開発しました。
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このたび当社は、大阪ガスの独自技術である樹脂改質技術により、生分解性プラスチック※4の一種であるポリ乳酸※5を主成分とし、インフレーション成形※6したごみ袋の開発に目処をつけ、また、独自技術である超高温可溶化技術を活用することで、このごみ袋を分解し、短時間でバイオガスとしてエネルギー回収する技術を開発しました。例えば、自治体が回収する生ごみでは乾燥重量の約10%をごみ袋が占めており、ごみ袋もバイオガス化の対象となることでエネルギー回収量を約10%増加させることができます。
これにより、破砕・分別といった手間をかけることなく、ごみ袋で収集した生ごみを“まるごと”バイオガス化することができるようになるため、全国のごみ処理工場で、バイオガス化プラントの採用が進むことが期待できます。
今後は、生ごみ“まるごと”バイオガス化に適したシステム全体の検討を進めるとともに、ごみ袋の機械的強度やシール特性を向上させる等、実用化に向けた取り組みを加速してまいります。
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今回構築した技術の特長は以下のとおりです。
1)生ごみ“まるごと”を可能にするポリ乳酸を主成分とするごみ袋の開発
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2)メタソリューションの活用による生ごみ“まるごと”バイオガス化
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3)ごみ袋のバイオガス化による再生可能エネルギー回収量の増加
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4)バイオガス化残渣の堆肥利用
本技術を用いることにより、バイオガス化工程で発生する残渣は、ごみ袋を含まないものとなり、堆肥としての利用が容易となります。
※1 超高温可溶化: 一般のメタン発酵は30℃(中温発酵)もしくは55℃(高温発酵)で行う。当社の超高温可溶化技術は、80℃(超高温)で有機物を効率的に可溶化する技術である。
※2 再生可能エネルギー: 有限で枯渇の危険性を有する石油・石炭などの化石燃料や原子力と対比して、自然環境の中で繰り返し起こる現象から取り出すエネルギーの総称。太陽光や太陽熱、水力や風力、バイオマス、地熱、波力などがある。
※3 バイオガス: 生ごみ、食品廃棄物等からメタン発酵で得られるガス。主成分は都市ガスと同じメタン。
※4 生分解性プラスチック: 使用状態では従来のプラスチックと同等の機能を有し、使用後廃棄された時は土中または海水中などの微生物により分解され、最終的に水や二酸化炭素になるプラスチック
※5 ポリ乳酸: トウモロコシ等の植物由来の原料から発酵技術により得られる乳酸を重合させたプラスチック。石油由来のプラスチックに比べ、生産から利用までのCO2排出量が大幅に小さいことが特長。
※6 インフレーション成形: 押出機から押し出されたチューブ状の樹脂をまだ軟らかいうちに、口金から吹き込んだ空気でふくらませ、薄いフィルムを作る方法 "
コメント続き
生ゴミからバイオガスを作るという試みは、実際に日本ではどれくらい普及しているのでしょうか? ちょっと調べてみようと思っています。データーなど御存知の方がおられたら是非教えてください。バイオマス資源としての生ゴミ、この資源化が合理的かつエネルギーの回収効率がより高いものがあれば、資源化の道が開けていきそうです。(t_t)
関連
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参考
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