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イギリス、スコットランドのオイスター潮流発電装置が秋から実地試験へ

 スコットランドのOrkney Islandsで注目のAquamarine Power (Aquamarine) 社のOyster Wave Power Machine潮流発電装置がこの秋から実地試験が開始されるとが伝えました。

Oyster Wave Power Machine Generates Electricity Onshore; Sea Trials Begin This Autumn-----Green Car Congress,1 August 2009

 こうした新しい分野の再生可能エネルギーの研究開発には、予算化からどれくらい時間がかかるのでしょうか? このAquamarine Power社のOyster Wave Power Machineは、2007年の3月に国の研究開発費の投入が決まりました。ソフトエネルギーの記事の中で、Scottish Executive , 20/02/2007の引用の中に、予算化の記述があります。

Scotland seeks world lead in marine power / プレスリリース Scottish Executive(スコットランドの海流発電計画)-----ソフトエネルギー、2007/03/06

" Aquamarine £0.275 million
Oyster devices are designed to exploit the wave resource in near-shore locations. The near-shore environment is considered to be an optimal location for a device as the waves retain significant power compared to an offshore location but the damaging extreme waves are limited by water depth. This location is considered to reduce the capital and operating costs and hence maximise economic efficiency "

 そして、2年間で基礎研究と実験モデルを作り、いよいよ海中実験へと駒を進める段取りにいたったようです。ここまでの結果がでるまで、国がかんらんでも3年以上の歳月を必要とするという計算になりそうです。

プレスリリース / Aquamarine Power,12 Jun 2009
OYSTERAR WAVE POWER DEVICE WINS INNOVATOR OF THE YEAR 2009
Aquamarine_power_team_with_oyster_l
-----image["Aquamarine Power team with Oyster(R)"] : 同リリースより

" Aquamarine Power (“Aquamarine”) has been celebrated as a leading force in the UK’s renewable energy sector, winning the coveted ‘Innovator Award 2009’ for its market leading OysterR wave energy converter at this year’s British Renewable Energy Awards. "

参考
Many waves make lights work...-----Science Museum,21 September 2007

関連エントリー
スコットランドで世界初の3MWのOWC波力発電所建設計画をスタート-----ソフトエネルギー、2009/02/10

-----カテゴリー : 潮汐力・海流など海洋エネルギー-----

コメント続き

 研究開発から国の予算をつぎ込んでもかなりの年月と努力を必要とします。しかしイギリスでは、年月が過ぎてみると、プロジェクトは現実化ししつあります。イギリス、さらにアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの海洋エネルギーの開発計画はその進捗度を高めています。日本が海洋国家でありながら、この分野への積極的な投資をしていないこととは対照的です。韓国、中国でも波力や潮流のエネルギーを使った発電が実験されています。この分野で、日本の位置、地位を考えるとかなり不安になるのは、私だけでしょうか? まもなく行われる選挙の公約でも、二大政党のエネルギー政策には目新しいものが感じられません。この海洋エネルギーの分野への積極的な投資が見られないのは、風土を考えた政治的な想像力の欠如に思えてなりません。(t_t)

参考
A Low Carbon Best Practice Exchange Interview: Martin McAdam, Aquamarine Power

(LCBPE,2009年07月23日)

Harness the Waves

(NationalGeographic,2009年03月12日)

追加情報
オイスター潮流発電装置 Aquamarine Power社OYSTERAR(R)hydro-electric wave energy converter、実証運転を開始-----ソフトエネルギー、2009/12/02[twitter : greenpost



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コメント

太陽光と風力の変動を(最終的には水素や電池で補うことを前提に)送電の共有と比較的安定供給できそうな水力、地熱、バイオマスで補うことを考えてそのくらいの数字に持っていければ素敵だと思います。
国環研の低炭素転換のロードマップを見た感じ、「省エネ50%」はかなり本気でやらないと難しいようなので、その他のエネルギーとしての波力、それから洋上風力の躍進があるといいなあ、と考えます。
バイオマスでのエネルギー補填は原料の国内生産が前提条件であるべきだと思うのですが、早生樹種やら未利用バイオマスやらの利用だけでエネルギー需要の5%を確保することを目指すなら、かなりがんばらないと海外調達が必要になってしまいそうで心配です。。

投稿: yoh_chan | 2009/08/08 14:08

yoh_chanさん

 コメントありがとうございます。
 各党のマニフェストをぼちぼち読んでみてます。はやり代わり映えしないです。
 となると、政策ではなく、政権交代が自分にとっての争点に、、、、?

 電力に占める割合別にみると、
 水力(既存9%+2%) 11%
 太陽光 4%
風力  6%
地熱 5%
バイオマス 5%
その他 5%

 現状の電力に占める再生可能エネルギーの割合を2020年から2030年の間に上記のような数字(36%)にもっていき、同時に2050年に省エネ半分とすることで、一気に再生可能エネルギー立国にもっていくというのが、私的には”いい感じの数字”なのですが、いかがでしょうか?

 

投稿: t_t | 2009/08/03 22:31

最後の一文はまったく同意です。
日本は風土を考えたエネルギー生産の最適化を図ろうとしていないように見えますね。注目されている海外の事例の模倣ばかりな印象です。エネルギー賦存量の把握と利用可能性、それに基づいた利用計画を示して欲しいと思うのですが。。

投稿: yoh_chan | 2009/08/03 10:22

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