環境省「温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン」で2050年に太陽光発電140倍などを構想
選挙前のこのタイミングで、環境大臣名で出された温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン。読んで複雑な感想を持ちました。政府環境省が公式に発表したヴィジョンとは、提言なのか、願望なのかそれとも公約なのか、よくわからない。2050年に80%削減というヴィジョンは、2020年へ向けての自民党の政策の延長であると考えるしかないが、絵に描いた餅のような政策を積み上げ、将来の経済回復を前提としている以上、2020年から先の行方は神のみぞ知るというのが実体でしょう。
とはいえ、現環境大臣のヴィジョンです。あえて可能だという提言と捉えて読んでみました。2050年80%削減の基本的な考え方としては、省エネ4割、そして、火力発電所への炭素貯留(CCS)の整備、再生可能エネルギーと原子力に7割置き換えることで0.6*0.3=0.18 --->強引に2割りとし80%削減ということらしい。経済発展・技術志向のA案と地域重視・自然志向のB案が示されています。
再生可能エネルギーに関しては、一次エネルギー供給に占める割合がA案で28%、B案で40%(いずれも大規模水力を含む)とし、太陽光発電の発電容量をA案で2005年の120倍、B案で140倍、風力発電の発電容量をA案で2005年の14倍、B案で17倍などとしている。太陽光発電を重視している点はこれまでの政府の姿勢と変わらず、まったく顧みるところがない。
あと、原子力はいずれの案でも一次エネルギー供給に占める割合26%としている。
環境省発表、2009/8/14
・温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョンについて 環境大臣斉藤鉄夫
" G8ラクイラ・サミットの成果等を受け、斉藤環境大臣は、我が国が2050年までに温室効果ガスを80%削減することは可能であり、達成すべきであるとの考えを示し、国民への問題提起を行うため、本ビジョンを発表いたしました。我が国が世界に先駆けて低炭素社会を構築し、環境技術で国際的優位性を確保するとともに、先進国として地球全体の問題に責任を果たすため、我が国の将来目標や対策・施策のあり方について、国民全体での議論を進めてまいります。
温室効果ガス2050年80%削減のためのビジョン [PDF] "
コメント続き
政権選択ともいわれる選挙前に出たこのビジョン、一トピックス程度の重みしか感じられず、机上の数字ではこの国の未来がまったく見えないことに変わりがない。こんな報道がありました。
・新エネ電力供給、初の目標未達に “ぶれる”政策が普及の妨げ-----イザ!、2009/08/15
現状はこんな感じなんですかねぇ。2020年、2050年のヴィジョンを早期に作ることを政権に期待して、賭けのように投票するしかなさそうです。それが、各党のマニフェスト読んでみた、現時点の感想です。(t_t)
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