スペインのパナボナ型太陽熱発電ステーションアンダソルl号 - Andasol 1が、稼動。さらに2号、3号へと続く
スペインで建設されていたパナボナ集熱型太陽熱発電所、Andasol 1の運転が正式に開始されました。昨年秋より運転実験を重ね、50MWの太陽熱発電所が本格稼動を開始しました。Andasol 1は、直径約5mの円筒のつつを半分にした形状で、内側が鏡面となり、中央にのパイプを集熱し、内部のオイルを400度程度の高温に加熱し、その熱を使って発電するものです。半割りの円筒状の集熱装置は、何十mにも延長され、常に太陽の方向を追尾し最大効率で発電するように設計されています。この発電所の最大の特徴は、昼間に集めた熱をいったんチリ産の溶融塩に蓄熱し、夜間や出力の調整が必要な時にいつでもエネルギーを蓄えることができる点です。そこには、すぐれたすぐれたマネージメントツールも必要だったようです。エネルギーの総合的な管理により、いつでも好きなときに利用したり、計画的に運用することが可能な太陽熱発電所は、ヨーロッパ初ということです。さらに、アンダソル2号、3号の建設に着手し、グラナダから程近い田園地帯が巨大な太陽熱発電所群へと変貌しつつあるようです。
太陽の国、スペインでは、これまでも多くの太陽熱発電所が建設されてきましたが、EUが地中海、そしてアフリカ南部にまで太陽エネルギーによる発電所の建設プロジェクトを進める計画は、EU全体のエネルギーそして安全保障上重要なプロジェクトとして位置づけられてきました。今回の取り組みでもドイツの宇宙計画センターが位置や追尾装置の設計などに協力しているようで、新しいリリースをGerman Aerospace Center (DLR)の発表で見ることができます。
プレスリリース / German Aerospace Center (DLR),1 July 2009
・Andasol 1: The largest solar power station officially inaugurated
-----image(”As well as Andasol 1, the first commercially operated power station of its kind, plans are well underway for a further two solar power station at the same location. Andasol 2 (clearly shown in the above image) is scheduled to come on stream later this year, also rated for a capacity of 50 megawatts. Andasol 3, also with a 50 MW rating, is expected to follow in the course of 2010. Credit: Solar Millennium AG.”) : 同リリースより
" On 1 July 2009 the solar-thermal power station Andasol 1, located in the Spanish province of Granada in Andalusia, was officially inaugurated. At the present time, Andasol 1 is the largest solar power station in the world. Researchers at the German Aerospace Centre (Deutsches Zentrum fur Luft- und Raumfahrt; DLR) were heavily involved in the development of key technologies and identified the most suitable location with the help of various tools, including satellite data. They did this on behalf of Solar Millennium AG, the project development company. In addition, their measuring methods contributed towards the precision design of the parabolic trough collectors.
..........
-----image(”When setting up this system, it is also possible to use high-speed optical measuring processes developed by the DLR for precision production control of the parabolic collectors. Precise and well-aligned parabolic mirrors are able to boost the energy yield by up to 10%, and this makes a key contribution to the cost-effectiveness of a plant of this kind. Credit: Gollmer/Solar Millennium AG.”) : 同リリースより "
関連
・SolarMillennium-----2009-07-01 : Andasol 1 is officially inaugurated
・SENER and Torresol Energy will be present at the 2009 European Future Energies Forum|-----SENER,16/03/2009
・Wikipedia : Andasol solar power station
参考
Andasol Power Plant Salt Storage Solar Millenium - solar thermal parabolic trough plant
(beyondzeroemissions,2009年02月05日)
・Panoramio : Andasol parabolic trough power plant_2-----SolarMillennium
・Google Map : Andasol solar power station
コメント続き
さまざまなタイプの巨大な太陽熱発電所がアメリカ、スペインを中心に、世界中で開発、研究が行われるようになってきました。それほど適地とはいえないドイツでも建設されています。そのエネルギー的な潜在力は、赤道付近の地域では、太陽光発電をはるかにしのぐと言われています。残念ながら日本は、適地でもなければ、太陽熱発電の分野での動きはないようです。ドイツの名は、たびたび太陽熱利用の分野で聞かれるようになってきました。その理由は、サハラからヨーロッパへ電力を引く壮大な計画に積極的にかかわっているからです。このDESERTECが現実味を多少帯びてきたなかで、情報量が増して整理できないくらいです。この情報は、また次の機会へ。(t_t)
・太陽熱発電:独企業、サハラで 欧州需要の15%供給計画-----毎日.jp,2009年7月12日
" 北アフリカのサハラ砂漠などに太陽熱発電施設のネットワークを構築し、欧州の一大電力源とする壮大なエネルギー供給計画「DESERTEC(デザーテック)」が、事業化に向けて動き出す。 "
関連エントリー
・エネルギーは、地中海を経てアフリカからEUへとやってくる?-----ソフトエネルギー、2008/07/30
MEMO
・Participation of Russia in the IEA SolarPACES Program(JAXA)
・www.spainbusiness.jp : Solar Energy
・Solar Energy in Spain-----Technology Review
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