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高高度、ジェットストリームを風力発電に! 初の本格的な研究が発表されました

 飛行機の飛行の安全を考えると常識的には実現しそうもない、、、などという余計な前置きは置いておいて、、、、

 アメリカで、数千メートル上空を吹き抜ける風から、さらに上空、高度10000m付近を吹き抜けるジェットストリーム(ジェット気流)を風力発電に使う可能性、過去の気象データーを細かく分析したエネルギーの存在量の本格的な研究がアメリカで発表されました。先の前置きはおいておいて、確かに日本、東京上空でもこの気流が吹き、他のニューヨーク、サンパウロ、ソウル、メキシコシティなどの大都市の6マイル(9.6km)上空にもこの”エネルギー資源”が存在する、吹いているということです。意外な風力資源が存在すると考えるとユニークな研究です。
 研究を発表したのは、アメリカ政府の援助を受けたスタンフォード大学らの研究者で、すでにこの高高度の風に目をつけて開発されているカイト型といわれる風力発電システムも論文の中で紹介されています。

Global Assessment of High-Altitude Wind Power
[Molecular Diversity Preservation International (MDPI),26 May 2009 ]

" Abstract: The available wind power resource worldwide at altitudes between 500 and 12,000 m above ground is assessed for the first time. Twenty-eight years of wind data from the reanalyses by the National Centers for Environmental Prediction and the Department of Energy are analyzed and interpolated to study geographical distributions and persistency of winds at all altitudes. Furthermore, intermittency issues and global climate effects of large-scale extraction of energy from high-altitude winds are investigated. "

関連記事
Study Maps Best Spots for Harnessing High-Altitude Winds-----NewYork Times,June 16, 2009

Is the Sky the Limit for Wind Power?-----Carnegie Institution of Washington,JUNE 15, 2009

“We found the highest wind power densities over Japan and eastern China, the eastern coast of the United States, southern Australia, and north-eastern Africa,” said lead author Archer. “The median values in these areas are greater than 10 kilowatts per square meter. This is unthinkable near the ground, where even the best locations have usually less than one kilowatt per square meter.”

参考動画
Sky WindPower FEG simulation

(pvandeginste,2008年11月10日)
Sky_windpower
-----image : 上記動画よりキャプチャー画像

KiteGen (kite wind generator)

(Proxima8,2006年12月27日)

参考
Sky Windpower

KiteGen

コメント続き

 風力発電の発生するエネルギーは、風速の三乗に比例します。いわゆる”三乗則”です。つまり、風速ば2倍になれば、風力発電で得られるエネルギーは8倍に、逆に1/2になれば、1/8になってしまいます。研究では、例えタワートップまで100mもある巨大な風力発電機でも1kW/m2程度の発電量になるのに対して、高高度のものはその10倍ものエネルギーを発生させる可能性がある”資源量をもっている”ということは、忘れずに覚えておきたいと思います。将来石油が枯渇して、航空燃料が枯渇する事態になれば、空は航空機からカイト型風力発電機へと席を譲られる可能性もありますから。(t_t)


追加情報
Googleが、自律凧型空中風力発電システムのMakani Wind Power社を買収-----ソフトエネルギー、2013/06/27



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