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Applied MaterialsのSunfamの巨大な5.7m2多接合型太陽電池の製造ラインが稼動

 5.7平方メートルという1枚で450Wpの出力の太陽電池の話題を覚えておいでだろうか? 以前、目立たない形だが、Applied Materialsの
薄膜太陽電池のラインを中国企業が次々と導入
しているという話を知り合いの半導体屋さんから聞いて紹介していたが、それはSunfamの大型太陽電池のラインではなかったようです。この、2.2m*2.3mの5.7m2という、とてつもない大きさの太陽電池を世界で始めて作ることになったのは、以下のプレスリリースのように、サンフィルム社のグロシュレールスドルフ施設(ドイツ、ドレスデン近郊)でということでした。

プレスリリース / Sunfilm,Applied Materials,April 20, 2009 (Business Wire版)
サンフィルム社とアプライド マテリアルズ社、世界初の多接合SunFab?製造ラインの認証を受け、太陽電池産業の進展に貢献-----E
Pecvds
-----image[”Sunfilm and Applied Materials announced that the world's first tandem junction SunFab Thin Film Line installed at Sunfilm's Grossroehrsdorf facility achieved factory acceptance. Applied's SunFab Thin Film Line features a PECVD system for depositing critical light-absorbing silicon layers on 5.7m2 glass substrates. (Photo: Business Wire)”] : 同リリースより

" サンフィルム社およびアプライド マテリアルズ社は本日、サンフィルム社のグロシュレールスドルフ施設に世界で始めて設置された多接合薄膜太陽電池製造ラインSunFabが2009年4月14日、工場認可を受けたと発表しました。同製造ラインは、5.7m2の基板を用い、最終的な認可試験で認証を受けました。これは、同ラインが、最大8%の効率を有する太陽電池モジュールの生産に必要な規格、さらに生産率と年間総生産量に関する規格を満たすことを証明するものです。同ラインは、大量生産体制に入りつつあります。
..........
多接合薄膜太陽電池パネルは、結晶シリコン・ウエハーを利用した従来型の太陽電池モジュールに比べ、生産電力1ワット当たりの使用シリコン量が約50分の1で済みます。サンフィルム社では、多接合技術と超大型の5.7m2基板、さらに大量生産システムを組み合わせることで、フル、ハーフ、およびクウォーターサイズのパネルといった、顧客の広範な需要を満たすことができると期待しており、太陽電池発電のコストを劇的に削減することができます。クウォーターサイズの1.4m2モジュールは、最大で115Wp(ワット・ピーク)の電力を生産し、フルサイズの5.7m2パネルは、約450Wpを実現する見込みです。
.......... "

関連
Applied Materials

Sunfilm(E)

Charlie Gay (Applied Materials) - Thin Film Future 2008 - Part 1/3

(solarplaza
2009年04月05日)

Applied Materials / Applied SunFab Thin Film Line
Sunfab5_7sqmm2module
-----image(pop up) : Applied SunFab Thin Film Line Brochures : Applied SunFab Thin Film Line よりキャプチャー画像

関連エントリー
結局太陽電池のコストは、量産能力と電力用太陽電池製造ラインのパッケージ化によるギガワット工場の登場待ちか?-----ソフトエネルギー、2008/10/28

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SOLYNDRA社のチューブ型CIGS太陽電池

 まるで真空型のチューブ型温水器のような形をした太陽電池を知っていますか? SOLYNDRA社ののチューブ型CIGS太陽電池は、まさにそんな形状をした太陽電池モジュールです。下の同社の最初のリリースと動画によりその驚くべきコンセプトが明らかになっています。チューブ型であることにより、下面となる屋根からの反射も含めた360度の発電が可能になる。チューブ間を風が自由に動くことにより、空冷効果が期待できる。さらに、取り付けも簡単で、屋根の上などに簡単にコスト的にメリットが期待できるCIGS型太陽電池を設置することができることなどがメリットとしてあげられています。

プレスリリース / SOLYNDRA,October 7, 2008
SOLYNDRA RESHAPES SOLAR PANELS FOR COMMERCIAL ROOFTOPS

Solyndra Reshapes Solar Panels for Commercial Rooftops

(BusinessWire,2008年10月06日)

" Proprietary panels designed to provide higher electricity output per rooftop and significantly reduced installation costs. Company announces more than $1.2 billion in customer contracts.

Solyndra, Inc. today announced a new solar photovoltaic (PV) system for the commercial rooftop market.
..........
THE NEW SHAPE OF SOLAR
Solyndra's panels employ cylindrical modules which capture sunlight across a 360-degree photovoltaic surface capable of converting direct, diffuse and reflected sunlight into electricity. This self-tracking design allows Solyndra's PV systems to capture significantly more sunlight than traditional flat-surfaced solar panels, which require costly tilted mounting devices to improve the capture of direct light, offer poor collection of diffuse light and fail to collect reflected light from rooftops or other installation surfaces.

Conventional flat PV panels must be mounted at an angle and spaced apart for optimum energy production. The sunlight striking the spaces between the panels is not collected and thus is wasted. Solyndra's panels perform optimally when mounted horizontally and packed closely together, thereby covering significantly more of the available roof area and producing more electricity per rooftop on an annual basis than a conventional panel installation.

COST-EFFECTIVE INSTALLATION
...........

”By eliminating the need for roof-penetrating mounts and wind ballasts, PV arrays with Solyndra panels can be installed with one-third the labor, in one-third of the time, at one-half the cost," said Manfred Bachler, Chief Technical Officer at Phoenix Solar AG, one of the largest solar power integrators in Europe and a Solyndra customer. "For commercial rooftops, PV module installation time can now be measured in days, not weeks. For flat commercial rooftops this is game-changing technology.”
.......... "


Solyndradatasheet1
-----image : Solyndra :
Products
/ the Datasheetより

関連
Solyndra emerges from stealth mode with cylindrical approach to CIGS thin-film photovoltaics-----Solar Server,2009/04/06

Cylindrical Solar Cells Give a Whole New Meaning to Sunroof-----Scientific American,October 7, 2008

コメント続き
 データーシートのスペックによれば、1パネルの大きさは1.82 m x 1.08 mで、直径5cmほどのチューブが40本並んでいます。重さは、31kg。出力は、150Wpから200Wpまでの7種類。電圧は、65.7Vmpから78.3Vmp。このスペックから割り出してみた変換効率は、200Wpのパネルで10%少々です。かりに、直径5cmで長さ1.08mの円筒部分の面積は、40本とすると約6.3平方メートルにもなります。これだけ本来大きなCIGS太陽電池を2平方メートルのモジュールに集約することできると考えることができるかが、この太陽電池の評価が今後どのように判断されるかを分けることになりそうです。本体の価格は、調べがつきませんでしたが、最近政府からの資金調達に成功していますので、一定の評価は受けているようです。(t_t)

プレスリリース / U.S. DOE,March 20, 2009
Obama Administration Offers $535 Million Loan Guarantee to Solyndra, Inc. -----CBS Video

追加情報
オバマ大統領、メキシコ湾原油流出事故をうけて代替エネルギーの重要性を強調、ソリンドラの太陽光発電ユニット製造の新工場も視察-----自然エネルギー、2010/05/27

ソリンドラ Solyndra社の太陽電池、日本上陸か!?-----自然エネルギー、2010/3/15

米Solyndra社、蘭SunConnex社と1億8900万ドルの円筒形CIGS太陽電池の契約-----自然エネルギー、2009/05/10

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ほくでんのメガソーラー&電気自動車導入計画

 メガソーラー、この言葉も日本ではだいぶおなじみになってきました。ほくでん(北海道電力)が、北海道伊達市の同社敷地内に1MWの太陽光発電所、メガソーラーの建設と2009年度には電気自動車7台を導入2020年までに100台程度を導入する計画を発表しました。

プレスリリース / ほくでん、2009年3月 26日
Hokudenmegasolar
-----image : 添付資料「伊達メガソーラー発電所(仮称)」の概要[PDF:204KB]よりキャプチャー画像、[Google マップ]
ほくでんグループの新エネルギーへの取り組み体制とメガソーラー発電の導入、電気自動車の導入について

" ほくでんグループの新エネルギーへの取り組み体制
..........
具体的には、水力発電事業で豊富な経験と実績を有するグループ会社の「北海水力発電株式会社(以下、北海水力発電という)」の事業に、新たに太陽光・風力発電に関する事業を加え、北海水力発電をほくでんグループにおける再生可能エネルギーの中心会社と位置付けます。
..........
メガソーラー発電の導入

メガソーラー発電については、当社は、2020年度までに5千kW程度の導入を目指し検討を進めていますが、このたび、1千kWを当社伊達発電所構内へ設置することとしました。
..........
ほくでんグループは、この1千kWのメガソーラー発電の建設・運転などの経験を通じて、知見を高めながら、残りの4千kW程度についても検討を進めていきます。

電気自動車の導入

電気自動車(プラグインハイブリッド車を含む)の導入については、当社の業務用車両のうち、小型乗用車と軽自動車の約300台を対象に検討を進めてきましたが、積雪寒冷、山間部が多いといった北海道の地域特性を勘案し、検討対象の1/3にあたる100台程度を、2020年度までに順次導入していくこととしました。
 2009年度には電気自動車7台を、一般の事業所の他にとまりん館などのPR施設に1台ずつ導入し、お客さま訪問などの業務や各種イベントで活用する予定です。その後は、車両の更新時期にあわせて順次導入していきますが、自動車メーカーの開発や販売状況などを踏まえ、適宜計画を見直しながら、導入拡大を目指していきます。
 なお、電気自動車100台程度を導入することによるCO2排出量削減効果は、年間約50tとなる見込みです。

【添付資料】

「伊達メガソーラー発電所(仮称)」の概要[PDF:204KB]
「ほくでんエコエナジー株式会社」の概要[PDF:12KB] "

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国内風車活況も、政府の導入促進策なく多用なビジネス展開を阻害

 政府が2010年からの導入を検討している固定価格買取制は、太陽光発電に限定されたもので、しかも検討されている期間も短い。さらに、小水力、風力や地熱、これから世界的に導入が進むと考えられるバイオマスや海洋エネルギーなどは対象になっていない。広く再生可能エネルギーの導入促進を計るためには、総合的なエネルギー政策の中で、麻生首相が言葉では打ち出した2020年に再生可能エネルギー20%という内容を国の長期的なエネルギー政策に組み入れて具体化することが必要です。

太陽光発電の規模を、2020年までに今より20倍に-麻生首相の新エネ拡大策とは?-----ソフトエネルギー、2009/04/14

 結果、この麻生さんの発言の20%は、既存水力もカウントしているらしく。世界的には、2020年再生可能エネルギー10%というのが今後を考える上ではわかりやすいのです。

 こんな状況下でも風が吹く場所では、大型風力発電の建設計画が目白押しの場所があります。

風力発電 淘汰の波 建設ラッシュで風車価格高騰→採算悪化…中小撤退-----MSN産経ニュース、2009.4.22

" 風力発電所を建設する動きが活発化している。風力発電国内3位で独立系の日本風力開発が長崎県佐世保市で国内最大となる風力発電所の建設を計画しているほか、2位のJパワー(電源開発)は北九州市沖合で国内初となる本格的な洋上風力施設の検討に入った。.......... "

 この記事の表題にあるとおり、大手の風力発電の業者は、事業の確立に成功しつつあるようですが、固定価格買取制度のような優遇策が整備されていない状況で、中小の業者はさまざまな困難に直面しつつあるようです。日本の電力事業への中小、地場産業などの参入こそが健全な国の多面的なエネルギー政策をささえる可能性があります。日本の再生可能エネルギーのビジネスの多用な形での発展が、地域振興や自立をささえる仕組みの整備が必要です。

Windfarmrokkasyo
-----image : 風力発電機[むつ小川原ウィンドファーム]

 4月の頭に、六ヶ所村自然エネルギー学校に参加してきました。六ヶ所村に立ち並ぶエネルギー関連施設は、国家石油備蓄基地原子力関連施設、そして立ち並ぶ風力発電群が隣接してたちならぶ、日本のエネルギー政策の縮図とも表現される地域を見学する機会がありました。六ヶ所村で四十数基、野辺地、東通を合わせると100基近い大型風力発電機が立ち並ぶ、風力発電銀座でした。ここでも大企業の運営になる風力発電は事業として成立しつつあるようでした。

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三菱電機「海外独立形システム向け太陽電池モジュール」を新発売

 三菱電機が海外の独立系太陽光発電市場用の多結晶太陽電池モジュールを新たに製造、アジアやアフリカなどの未電化地域向けの売り込みを行うということです。

プレスリリース / 三菱電機、2009年4月8日
三菱電機「海外独立形システム向け太陽電池モジュール」新発売のお知らせ
0408
-----image : 同リリースより

" 三菱電機株式会社(執行役社長:下村 節宏)は、米国の内陸部や新興国の遠隔地等、発電所や送電線などのインフラが不十分な地域で需要拡大が見込まれる独立形太陽光発電システムに適した「海外独立形システム向け太陽電池モジュール」の新製品4機種を4月10日から発売します。

製品名 海外独立形システム向け太陽電池モジュール
価格 条件などにより個別見積もり
発売日 4月10日
形名 セルタイプ 公称最大出力 セル枚数
PV-EE130MF5F 多結晶シリコン 130W 36枚(9×4)
PV-EE125MF5F 多結晶シリコン 125W 36枚(9×4)
PV-EE120MF5F 多結晶シリコン 120W 36枚(9×4)
PV-EE115MF5F 多結晶シリコン 115W 36枚(9×4)

発売の狙い
 太陽光発電システム市場は、地球温暖化防止に向けた二酸化炭素(CO2)排出削減の取り組みなど環境保全意識の高まりを背景に、世界的に急拡大しています。特に米国では、景気対策法による再生可能エネルギー分野の優遇策(グリーン・ニューディール政策)や、太陽光発電システムへの助成制度拡充により、需要拡大の気運が高まっています。当社では、米国の市場規模が2012年までに年間1GW(ギガワット)を超え、その内2割程度が内陸部の街路灯、信号機、スプリンクラー等に電力を供給する独立形システム※1用途になると予測しています。
 また、アジアやアフリカなどでは、発電所や送電線などのインフラが不十分な地域の電力需要に対応するため、独立形システムの導入が進められています。
 当社はこのたび、これら独立形システム向けに115Wから130Wの太陽電池モジュールの新製品を発売します。従来品よりも米国内陸部や新興国の遠隔地等の設置環境に適した仕様で、地域、用途ごとに異なる幅広い要求に応えます。
※1: 太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせ、電力会社の系統と連系せずに電力供給する太陽光発電システム
.....
今後の展開
 当社は太陽電池モジュールの生産体制を2011年度までに年間600MW(メガワット)へ拡大する計画です。
...... "

コメント続き
 日本にも独立系太陽光発電への需要はあるのだが、最大出力追尾型のコントローラーの登場で、連系用のモジュールも独立系に転用可能となったことで、電圧条件さえ満たせばどの太陽電池でも使えるようになった。とはいえ、小さくとも日本にも独立系太陽電池の市場は存在します。海外だけでなく、日本でも販売してほしいと思います。(t_t)

関連エントリー

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太陽光発電パネルのリユース事業のネクストエナジー・リソース。工事事務所のエコ化を推進

 中古パネルの市場を開拓しているネクストエナジー・リソース社は、太陽光発電システムと省エネLED照明を採用した工事現場などで使えるエコ事務所を提案。さらに機能を強化した内容も将来は提案する予定ということで、働く現場の細かいエコ化を推進できそうです。

プレスリリース / ネクストエナジー・リソース、平成21年04月21日
『エコ事務所』パッケージを竹中工務店に提供
太陽光パネルリユースメーカーとコラボで

T_1240270226437
-----image(”エコ事務所外観~太陽光発電パネル”) : 同リリースより

" 竹中工務店に、地球温暖化問題への取組みとして提案
 太陽光発電パネルリユースメーカーのネクストエナジー社とコラボレーションで企画、今後は広く一般向けに展開。

 工事用仮設機材等のレンタル事業を展開する、朝日機材株式会社(本社所在地:東京都墨田区、代表取締役社長:今宮舜一、以下朝日機材)では、太陽光発電パネルのリユース事業を展開するネクストエナジー・アンド・リソース株式会社(本社所在地:長野県駒ヶ根市、代表取締役社長:伊藤 敦、下記「弊社プロフィール」参照、以下ネクスト社)との共同企画により、株式会社竹中工務店(本社所在地:大阪市中央区、取締役社長:竹中統一)の工事現場に、CO2排出の少ない『エコ事務所』(写真参照)システムをリースで提供する。

 今回朝日機材が供給する『エコ事務所』は、通常のユニットハウスに、受電設備の不要な太陽光発電システムと、消費電力の少ない次世代LEDを採用した照明システムをパッケージ化したリース商品。通常の電力と蛍光灯を使用した場合に比べ、1年間で200㎏、森林の面積に換算すると約500m2に相当するCO2削減効果が見込める。  採用される太陽光発電システムは、ネクスト社が運営する『太陽光発電リサイクルセンター』が供給するリユースパネルやリユースバッテリー。同センターにて性能確認の上保証をつけて再商品化されるもので、リユース品の活用で環境負荷を低減した。ネクスト社では、今回と同様な受電設備不要のパッケージを、仮設建築物用やイベント向けにアレンジし、レンタルしている実績を持つ。リユースパネル利用のため、リーズナブルな価格でレンタル可能。幅広い需要の掘り起こしを狙う。  一方、LED照明はエスワイケイ社(本社所在地:神奈川県平塚市、代表取締役社長:林 友則、以下エスワイケイ社)が供給した次世代蛍光管LED『SOULight(ソウルライト)』。従来のLEDに比べCO2排出量が半減、長寿命などのメリットがある。『SOULight』の他にも、次世代照明としての導光板や有機EL照明等を導入したシステムも提案可能とのこと。  また、このパッケージのベースになるユニットハウスは、三協フロンテア株式会社(本社所在地:千葉県柏市、代表取締役社長:長妻貴嗣、以下三協フロンテア)が供給。朝日機材とネクスト社の企画の趣旨に賛同し、協力するに至った。   朝日機材とネクスト社では、今後も屋上緑化・壁面緑化や遮熱フィルムなど断熱効果を高める工夫を盛り込むなど、さらにCO2削減効果の高いシステムへと進化させる計画で、一般のゼネコンへのリースも行なう。朝日機材社代表取締役の今宮は「本件を足掛かりとし、今後も建設業界に対して環境対策の新しい仕組みを提案し続け、広く社会に貢献することを目指す。」とコメントしている。
..........
T_1240270226874
-----image(”エコ事務所内部~LED照明”) : 同リリースより "

コメント続き
 今ふうに言えば、スマート・オフィスやスマート・キャンプといった趣だ。飯場や工事事務所のレンタルやリースの分野に太陽光発電システム、それも中古のリユースモノがでてくるのは、なんとなく現場での取り扱いを考えてもしっくりします。システムの詳細が書かれていないが、連系しているのですか? それとも独立系? 担当者のS様、教えてください。(t_t)

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三井造船が焼酎粕の処理、再利用化を可能にするバイオマス飼料化施設を大分で完成

 三井造船の焼酎粕バイオマス設備としては10基目の施設が大分県の焼酎工場に完成したということです。焼酎の製造過程で不要となるバイオマス資源である麦・米の粕をメタン発酵させ、バイオガスを作り、その燃焼熱により蒸気作り、焼酎粕を濃縮・乾燥し、さらに飼料原料として再利用するということです。大分の三和酒類といえば、”いいちこ”じゃないですか! 愛飲させていただいております。

プレスリリース / 三井造船、2009年04月08日
「三和酒類向けバイオマス飼料化設備」竣工 地球温暖化防止、国内飼料自給率向上に寄与 九州地区に10基目の施設
20090408_ph01-----image : 同リリースより

" 三井造船株式会社(社長:加藤 泰彦)は、三和酒類株式会社(大分県宇佐市、赤松 健一郎代表取締役社長)向け焼酎粕バイオマス飼料化施設建設工事が完了し、このほど竣工しました。

本設備は、農林水産省のバイオマス利活用交付金を活用して建設され、麦焼酎の製造過程で発生する焼酎粕の一部をメタン発酵し、発生するバイオガスにより得られる蒸気を利用して焼酎粕を濃縮・乾燥し、飼料原料として再利用するものです。
..........

三井造船の焼酎粕バイオマス設備の実績
顧客名 完成年月 規模(t/d) 成分
三和酒類 1997年12月 120t 麦
川内酒造協同組合 2003年3月 130t 麦・米
三和酒類 2003年12月 120t 麦
球磨焼酎リサイクリーン 2004年7月 70t 米
西薩クリーンサンセット事業共同組合 2004年10月 200t 麦・米
宝酒造 2006年3月 100t 芋・麦
霧島酒造 2006年10月 60t 芋(脱水ケーキ)
大隅酒造事業協同組合 2007年2月 130t 芋・麦
西都リサイクル協同組合 2007年3月 100t 芋・麦 "

関連記事
九州で10基目の焼酎粕バイオマス飼料化施設が竣工 - 三井造船-----マイコミジャーナル、2009/04/08

コメント続き
 ポリフェノールもできるらしいです。(t_t)

焼酎かす活用 三和酒類にバイオマス施設-----Oita-press,2009年04月09日

" .....年間で約四万五千トンの焼酎かすを受け入れる能力があり、家畜飼料は約八千トンを製造、販売できる。食品棟は焼酎かすのポリフェノールやギャバなどの成分を精製し濃縮。食品素材としてメーカーに販売する。...... "

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欧州EPIAが太陽電池導入量の2008年国別ランキング,日本は6位に転落 / クリッピング Tech-On!

欧州EPIAが太陽電池導入量の2008年国別ランキング,日本は6位に転落-----Tech-On!,2009/03/26

" 欧州の太陽電池振興団体European Photovoltaic Industry Association(EPIA)は,2008年の太陽電池市場についての調査結果を明らかにした。
.......... "

 2008年の太陽光発電の各国の新設導入量がさまざまなところで報道されているが、数字がいろいろあってどれを根拠にしようとかと迷っていました。そこに上の報道、欧州太陽光発電産業協会(European Photovoltaic Industry Association  EPIA)が各国のデーターを発表しということです。2008年度実績は、スペインが2,511MWで断トツ、2位が1,500MWでドイツ、そして日本はというと、アメリカ、韓国、イタリアにも抜かれ、230MWで6位ということでした。230MWといえば、23万kWpです。確かに意外に少ないですねぇ。なお、別の報道によれば日本の太陽光発電の総設備容量は、200MW(200万kWp)ということで、こちらは、ドイツ、スペインに次3位ということです。ランキングはその国の太陽光発電に対する考え方を反映した”国策”の結果です。また、これらのランキング上位の国においては、風力はもちろん、地熱、バイオマス、海洋エネルギーなどの利用の拡大を目指して”数字があがってきて”います。

プレスリリース / European Photovoltaic Industry Association (EPIA),24 March 2009
PRESS RELEASES / 2008: an exceptional year for the Photovoltaic Market

"2008: AN EXCEPTIONAL YEAR FOR THE PHOTOVOLTAIC MARKET
The European Photovoltaic Industry Association (EPIA) presented its annual market
figures to its members on Friday 20 March 2009. The global solar photovoltaic (PV)
market grew to at least 5.5 GW1 in 2008 compared to 2.4 GW in 2007. Spain ranks
first, followed by Germany.
At its 4th Market Potential and Production Capacity Workshop on Friday 20 March in Frankfurt,
EPIA presented its global market analysis and projections for the next 5 years.
In 2008, the global PV market reached 5.5 GW and the installed capacity totaled almost 15 GW
compared to 9 GW in 2007. Spain represented almost half of new installations in 2008 with about
2.5 GW new capacities, followed by Germany with 1.5 GW additional connected systems in the
last year. USA confirmed its trend with 342 MW newly installed capacities, followed by South
Korea which registered 274 MW of PV installations over the year. Italy connected almost 260 MW
while France, Portugal, Belgium and the Czech Republic made good scores confirming Europe’s
global leadership in the deployment of solar PV energy.
“A diversification of the market is taking place with countries adopting appropriate support policies,
this is very good news for the PV industry and the environment” said Dr. Winfried Hoffmann,
President of EPIA, in his concluding speech.
EPIA’s market and production forecasts for the next 5 years were also presented. Given the
current crisis context, high uncertainties over the 2009 market exist. This year, experts believe the
market could reach up to 7 GW, each individual country’s development influencing the final figure.
In particular Spain recently changed its support scheme, setting-up a cap which will limit the
development of the global market in 2009. The PV sector is hoping other markets such as the US,
Germany, France and Italy will pull the demand. Favourable policy frameworks are expected to
further accelerate PV deployment in these countries. In 2013, the global PV market could reach 22
GW if appropriate policies, such as feed-in tariffs, are in place. These figures will be presented in
detail at EPIA’s 3rd International Conference on Solar Photovoltaic Investments on 7-8 April 2009 in
Frankfurt, Germany
.........
Top 10 PV Markets in 2008
Country MW
Spain(*2) 2,511
Germany(*2) 1,500
USA 342
South Korea 274
Italy 258
Japan 230
Czech Republic 51
Portugal 50
Belgium 48
France 46

(*2 Preliminary figures only) "

参考
日本、太陽光発電世界3位に転落 08年、スペインに抜かれる-----47News,2009/04/06

" .....
REN21によると、08年末の太陽光発電の総設備容量はドイツが1位で540万キロワット。2位は1年で急増し230万キロワットに達したスペイン。

 3位の日本は197万キロワットにとどまり、05年にトップの座を奪われたドイツのわずか40%弱と、さらに水をあけられる結果となった。..... "

REN21

コメント続き
 今回のランキングで、目を引いたのはお隣韓国の躍進だ、あまり情報がないが固定価格買取性を導入したことが功を奏したようです。韓国の太陽光発電関連の情報を集めてみたいと思っていはいるのですが、今のところあまりいいソースにであっていません。近くて遠い国なのでしょうか?

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Suntechが選んだマイクロ・インバーター Enphase Micro-Inverter

 日本ではほとんど関心をもたれなかったEnphase社のMicro-Inverterは、Suntechが評価したことで太陽光発電用のインバーターとしてそのユニークなアイディアが評価されちます。Xantrexの前進、Trace社が太陽電池1枚づつに取り付けるDC-ACシンクロナスインバーター、俗にコンセント逆潮流ができる製品を出していましたが、現在さがしても見つかりませんでした。
 さて、Enphase社のMicro-Inverterをみてみましょう。この製品は太陽電池一枚づつに、個別にインバーターを付け、並列接続に接続、個々に最大出力を追求し、1枚づつの発電量の情報を管理できる製品として仕上げられています。
 Enphase Micro-Inverterは、家庭から送電網、発電所までを網羅したスマート・グリッドが注目される中で、急速に今日的な太陽光発電用のインバーターとして存在感をみせはじめています。発電から消費までの、すべての過程での見える化を可能にする技術に組み入れることで、効率化、適切な運用とメンテナンスを可能にできる製品を受け入れる土壌として、Enphase Micro-Inverterを新しいステージに押し上げるかもしれません。通常のインバーターより5 - 25%もシステムの発電効率が上がるという同社のうたい文句が本当だと確認されれば、さらなるチャンスがありそうです。

Enphase

(enphasemarketing,2008年07月16日)

プレスリリース / Enphase Energy,02 Mar 2009
Press releases / Suntech Brings Enphase Micro-Inverter Technology to Its U.S. Authorized Dealer Network [pdf, 40KB]
Productsmicroinverter
-----image : Produdts Micro-inverterより

" Enphase Energy Products Offer Suntech Authorized Dealers Another
Competitive Advantage
 Suntech Power Holdings Co., Ltd. (NYSE: STP), the world's leading manufacturer of photovoltaic (PV) modules announced that it will offer the Enphase Micro-inverter to its rapidly growing network of U.S. Authorized Dealers as part of its commitment to bringing cutting edge technology to customers.
"Enphase Energy has come out with some very impressive inverter technology that will change the way solar is installed. We want to help our Authorized Dealers stay ahead of the curve, which is why we decided to make this available to our customers," said Roger Efird, President, Suntech America, Inc.
In comparison to centralized inverters, Enphase Micro-inverters bolt directly to the solar system racking, reducing installation time and cost. Increased versatility in system size and module positioning enables Suntech Authorized Dealers to capture new business and speed up the installation process. Enphase's Enlighten(TM) monitoring and analysis system also gives unprecedented insight into the
performance of a homeowner's solar system.
''Suntech delivers a top-quality solar module to its Authorized Dealers and their customers. Enphase is committed to partnering with leading solar technologies and as such we are excited to be a part of the offering Suntech is making to its authorized installers,'' said Paul Nahi, Chief Executive Officer of Enphase Energy.
As its Authorized Dealer network grows in the United States, Suntech's goal of making solar more affordable and accessible to a broader spectrum of customers is becoming a reality. Suntech is dedicated to the adoption of advanced technologies that target to help solar become a mainstream form of energy in the United States and across the world.
Suntech will stock Enphase Micro-inverters alongside Suntech modules in its US
warehouses to ensure streamlined ordering for Suntech Authorized Dealers. Initially Suntech has ordered approximately 1 MW of Enphase Micro-inverters.
.......... "

コメント続き
 アメリカでの販売価格は、Enphase Micro-Inverter1台あたり200ドルです。仮に4kWpのシステムで20台使うと、

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米シンクタンクNew Rules Projectが、リポート : アメリカのフィードイン・タリフを公開

 アメリカのさまざまな制度の研究で知られるシンクタンクNew Rules Projectが、デンマーク、ドイツ、スペインで成果をあげてきた再生可能エネルギー導入促進のための固定価格買い取り制度、フィードイン・タリフを検証し、アメリカが採用しつつある複雑なプログラムよりもすぐれているとするリポートを公開しました。

New Rules Project : Energy (Democratic Energy)
/ Report: Feed-in Tariffs in America(April 14, 2009)
Feedin_tarrif_usa
-----image : ”Feed-in Tariffs in America Driving the Economy with Renewable Energy Policy that Works”カバー

関連
Institute for Local Self-Reliance (ILSR) / Obama's Renewable Energy Initiative May Not Bring Power to the People(February 6, 2009)

John Farrell Discusses Upcoming Feed-in Tariff Conference-----New Rules Project News,December 22, 2008

John Farrell at ILSR on "Bringing Renewable Energy Home" at St. Olaf's on January 9, 2009

(etopianews,2008年12月22日)

Report: Rural Power: Community-Scaled Renewable Energy and Rural Economic Development-----New Rules Project News,September 12, 2008

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パワーシフト! アメリカのグリーン・ニューディール。ヴァン・ジョーンズ The Green Collar Economy

 アメリカのグリーン・ニューディールは、国や企業のための大規模な経済振興策と雇用促進だけでなく、まるで70年代の熱狂、グラスルーツ、スチューデントパワーといった動きをもっと”グリーン”にした力強いパワーをもっているという人がいます。そうした話をしてくれる人が必ず触れるのは、Van Jonesさんが書いた「The Green Collar Economy」という本です。まだ読んでませんが、とても今の時代に強いメッセージをおくるもののようです。

Greencollareconomy
-----image : vanjones.netキャプチャー画像

 ここにパワーシフト2009というイベントでのヴァン・ジョーンズさんの声明があります。以前、最初にみた演説にも増してパワフルな内容だと思います。

Van Jones Keynote at Powershift 09

(energyaction,2009年03月10日)

 パワーシフトは、運動ムーブメントと呼ぶべきものになりつつあるようです。

The Global Power Shift

(energyaction,2009年03月06日)

Greenforall-----image : Green for Allサイトキャプチャー画像

Green for All : about

 気候変動とエネルギー問題への答えは面的な動きを必要とします。国家、企業だけでは解決不能です。多くの国民が参加する、できる、そしてそれによって貧困から抜け出し、人間らしい暮らしを得ることができるためのものである必要があるという強烈なメッセージには、びっくりするとともに、アメリカの多面的な社会を強烈に印象付けるものです。

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太陽光発電の規模を、2020年までに今より20倍に-麻生首相の新エネ拡大策とは?

 麻生総理が2020年に太陽光発電の規模を20倍にするとおっしゃったそうです。それは、大変結構ですが、わが国のエネルギー政策を変えるとは一言もいっておられないようなので、もしかすると、風力、地熱、小水力など有望な数ある再生可能エネルギーは現状維持みたいなみため結構、内容最悪みたいな話なのかなぁと勘繰っております。とはいえ、”俺はそんなこと言ってないよ”的なウェイトの話かもしれず、まずはわが国のエネルギーの長期需給見通しでは、新エネルギーは発電量換算で2%となっています。現状1%ということですが総発電量事態が2005年実績の9845億kWHから、2020年の最大導入、努力継続、現状固定の三つのシナリオいずれも増やしているので設備容量は、2005年の56億kWHから212億kWhと15年間で4倍に発電量が増える計算になっています。

資源エネルギー庁 : 「長期エネルギー需給見通し」のとりまとめ

"長期エネルギー需給見通し平成20年5月総合資源エネルギー調査会 需給部会(pdf) -P.29
P.29(ノンブル))設備容量と発電電力量の推移
より
 新エネルギー 2020年設備容量 最大導入、努力継続、現状固定 計上なし
 新エネルギー 2020年発電電力量 217 億kWH 2% 最大導入、努力継続、現状固定
 新エネルギー 2005年発電電力量 56億kWH 1% "

 さて、麻生総理が20倍に増やすといった太陽光発電の設備容量は、2005年が150万kWp弱。2008年度末で200万kWp。それぞれの発電量は、2005年がおおよそ14億kWh。2008年では、約19億というところでしょうか。

 ここまで計算しておいて麻生総理のおっしゃったことを見てみましょう。

麻生総理の演説・記者会見等 : 「新たな成長に向けて」日本記者クラブにて-----首相官邸、平成21年4月9日
/ 麻生総理スピーチ 新たな成長に向けて-平成21年4月9日(ビデオ)

" 2020年には、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を今より倍増して、世界最高水準の20%まで引き上げたいと思っております。
..........
《(1)太陽光世界一プラン》
 その第一として、最も力点を置きたいプロジェクトの一つが、太陽光世界一プランであります。太陽光発電の規模を、2020年までに今より20倍にします。
.......... "

関連記事
2020年に太陽光発電規模が20倍に!?-麻生内閣の未来戦略-----やるぞ! 日本! 自然エネルギーNEWS,2009年04月10日

参考
低炭素社会構築に向けた 再生可能エネルギー普及方策について-----環境省、平成21年2月10日

コメント続き

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東大がチリで天体観測施設と地域にも貢献できる大型太陽光発電所を建設プランを発表

 東京大学が南米のチリの赤外線透明度が高いアタカマ砂漠の高山で計画している先端の大口径望遠鏡への電力供給を主眼に、大型光発電と送電の研究にまで取り組むSolar-TAOプロジェクトが動きだしたそうです。さらに、そして温暖化ガス測定までを含めた研究施設と地域への配電のために必要な技術の研究という異分野の複合的な研究のために建設される太陽光発電所の規模は、なんと約20ヘクタールの土地に2万キロワット程度の太陽光発電所と以下の報道は告げています。びっくりするぐらいの規模です。20MWの太陽光発電所を赤道から2000km程度の場所で高地で温度も低い土地で運用するということとですから、日本とはまったくことなる発電量が期待できそうですね。

Mt_chajnantor-----image : GoogleEarthキャプチャー画像。[Google MapでMt.chajnantor山麓]-----
Mt_chajnantor1

ソーラーパワー、動け大望遠鏡 東大がチリで発電計画-----asahi.com,2009年4月12日
" 東京大が、南米チリ北部のアタカマ砂漠で世界最大級の太陽光発電を始める。14年ごろの観測開始を目指す赤外線望遠鏡の電力をまかなうほか、近くの市にも供給する計画だ。 "

関連
Solar-TAOプロジェクト

東京大学アタカマ天文台 TAO計画

コメント続き
 チリのこの地域、アタカマ砂漠にあるチャナントール高原には、国際的な協力の下に大型の天体観測プロジェクトが行われてきたのですね。

自然科学研究機構 国立天文台 ALMAプロジェクト

 上のサイトのパノラマ写真では、10kWp程度の太陽電池も映像に収まっています。まるで月のような土地で空気も澄んでいるのが写真でもわかります。(t_t)

参考

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出光、薄膜太陽電池材料の開発、風力発電事業へ向けての共同事業に着手

 石油元売の出光が薄膜太陽電池材料の開発、風力発電事業へ向けての共同事業に着手。世界的な再生可能エネルギーの分野への石油関連企業の本格参入の流れはより大きく、力強いものになってきています。

プレスリリース / 出光興産、2009年3月26日
「IZOR」を太陽電池向けの透明電極材料として供給を開始します
090326_il001
-----image(”太陽電池 透明電極材料の分類”) : 同リリースより

" 当社(本社:東京都千代田区、社長:天坊 昭彦)は、液晶パネルや有機ELなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)用の透明電極材料として提供している「IZOR※1」を4月1日から太陽電池向けに供給を開始します。
当社は、独自で技術開発し、産業財産権を有している透明電極材料「IZOR」を1999年から液晶パネルや有機ELなどのFPD向けに販売しています。
..........
当社が「IZOR」の用途拡大をめざす太陽電池は、材料によってシリコン系と化合物系の2つに分類されます。
.......... "

プレスリリース / 出光興産、2009年3月30日
日本風力開発株式会社と出光興産株式会社の「共同事業に関する協定書」締結に関するお知らせ

" 日本風力開発株式会社(本社:東京都港区、社長:塚脇 正幸)と出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:天坊 昭彦)は、風力発電事業を中心とした再生可能エネルギーへの両社の取り組み方針について「共同事業に関する協定書」(以下、「本協定」という。)を締結しましたので、下記のとおりお知らせいたします。
..........
2.本協定の内容
事業化の分野と方針は以下の(1)~(4)です。
(1)国内外における風力発電事業
..........
(2)蓄電池併設風力発電所の運営
..........
(3)O&M※関連事業の協業と事業開発
..........
(4)風力以外の自然エネルギーの導入促進・開発
........... "

参考記事
石油元売り、中東新事業に活路 新日石・リサイクル材 出光・砂漠緑化-----FujiSankei Business i.,2009/1/21

コメント続き
 石油、化学の分野の企業の再生可能エネルギー分野関連の事業への投資はかなり拡大、多様化している印象を世界的に受けます。出光は、リチウムイオン蓄電池の分野でも開発を行っています。

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石川県輪島市で日本初の市民ウインドファーム着工。4月1日より出資募集を開始

 石川県輪島市に、北海道の市民風力発電が独REpower Systems社の2MW風力発電機10基からなるウィンドファームの建設に着工、同時に4月1日より出資募集を開始したということです。

Wajimamonzenwindfirm1-----image : Google Earthキャプチャー画像。[Google Map : 石川県輪島市門前町 サビヤ山]-----
Wajimamonzenwindfarm2

プレスリリース / 市民風力発電、2009/4/1
輪島門前コミュニティウインドファーム着工のお知らせ 日本初の市民ウインドファーム着工・出資募集について
Cwp063
-----image(”輪島門前コミュニティウインドファーム概要図”) : 同リリースより

" 石川県輪島市門前町にて、2010年3月に運転開始を予定している「輪島門前コミュニティウインドファーム」が着工しました。

建設予定地は石川県輪島市門前町。
2007年3月に発生した能登半島沖地震からたくましく立ち上がる輪島市門前町。

地域の資源「風」を活かした「輪島門前ウインドファーム」事業も地域のみなさんとともに「元気な能登」を全国に発信していきます。
..........
有限責任中間法人 輪島もんぜん市民風車
石川県金沢市を中心に活動しているNPO法人市民環境プロジェクトが、市民風車建設のために設立した事業目的法人。同法人の市民風車の総事業費は約5億円。そのうち約半分は補助金でまかなう予定。
※独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構平成19年度地域新エネルギー導入促進事業採択済

ファンド募集について
日本初となる市民ウインドファームを実現するため、
信託会社による新しいカタチの市民風車ファンドの募集が行われます。
それが「自然のちからファンド アースウインド2009」です。

Cwp062
-----image : 同リリースより

2009年4月1日から、合計約30億円の募集を行い、全額を本事業に融資する計画です。
出資は一口50万円(一口以上一口単位)、期間は10年と18.5年の2種類あります。

なお、同ファンドはリスクのともなう投資であり、また申し込みには手数料も必要です。
詳しくは「トランスバリュー信託」または「自然エネルギー市民ファンド」にお問い合わせ下さい。 "


関連情報、記事
トランスバリュー信託

自然エネルギー市民ファンド

「風車団地」10年春稼動 市民風力発電、5000人出資目標-----NIKKEI NET,2009/4/7

国土地理院 : 地図閲覧サービス 2万5千分1地形図名: 門前(七尾) (サビヤ山)

参考エントリー
独REpower Systems、6MWの大型風力発電機のウィンドファーム完成-----ソフトエネルギー、2009/04/02

コメント続き

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自然環境と再生可能エネルギーの開発。わたしたちはどこを守り、どこを開発するのか?

 アメリカの天然資源防衛協議会(NRDC : Natural Resources Defense Council)が、アメリカが風力発電などの開発を行える土地と野生生物の生息環境など守らなければならない地域をGoogle Earthのレイヤーを利用して表示する「CLEAN ENERGY IN THE WESTERN U.S.」(kmlファイル)の提供を行っています。グリーン・ニューディールで新しい送電網の整備や風力発電などの再生可能エネルギーの開発などが行える可能性のある土地の情報の提供とも取れるので、注目される地図となっています。

NRDC WILDLANDS : Clean Energy and Conservation(ENERGY)

 Google Earth用のKMLファイルは、下からもダウンロードできます。

 Google Earth : Earth Outreach KML: Protected Areas and Energy Development

Protectedarearenewableenergy
-----image : Google Earthキャプチャー画像。[Protected Areas and Energy Developmentレイヤーを読み込んで]

 開いたGoogle Earthの画像の地点に表示されたアイコンをクリックすると関連のたとえば、Audubon : MONTANA IMPORTANT BIRD AREASのようなリンクが開く仕組みになっています。NRDCは、石油や石炭の採掘による環境破壊にも早くから取り組み、地域の環境保全にも取り組んでいます。その活動の上に、再生可能エネルギーのクリーンな利用の可能性を高める情報の提示などに積極的に取り組むことになっているようです。

参考動画
NRDC: Wind Power - A Global Warming Solution

(NRDCflix,2007年07月31日)

Voices of the West

(NRDCflix,2007年10月30日)

YouTube : Robert Redford on Saving the Arctic Refuge-----NRDCflix,2006年08月22日 + Robert Redford, Choosing a Different Future

(NRDCflix,2009年03月31日)

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環境省 小水力発電も含む平成21年度地球温暖化対策技術開発事業支援先内定

 環境省は、再生可能エネルギー導入技術実用化開発分野に小水力発電を含む各分野での内定、採択案件を発表しました。日本が目指す環境技術の方向性は気になるところです。

プレスリリース / 環境省、平成21年3月31日
平成21年度地球温暖化対策技術開発事業の採択案件の内定について(お知らせ)

" 環境省では、エネルギー起源二酸化炭素の排出を抑制する、早期かつ広く普及が見込まれる技術の開発(省エネルギー対策又は石油代替エネルギー導入に係るものに限る。)について、民間企業、公的機関、大学等の研究機関から提案を募集し、優れた内容の取組を支援することとしています。
 このたび、平成21年度の地球温暖化対策技術開発事業(競争的資金)の新規採択案件を内定しました。これは、平成21年1月21日から2月20日までの公募期間中に応募のあった事業について、専門家・有識者からなる評価委員会(地球温暖化対策技術検討会技術開発小委員会)の評価及び審査を経て決定したものです。

(1)
事業の目的
 京都議定書目標達成計画においては、地球温暖化対策技術の開発を基盤的施策とし、実用化を促進する技術の開発・実証を進めることとしています。
 このため、基盤的な省エネ・代エネに係る、効果的な地球温暖化対策技術の実用化・製品化について、民間企業、公的機関、大学等の研究機関から提案を募り、優れた提案と確実な実施体制を有する民間企業等に対して支援を行うものです。
(2)
採択を内定した事業
 下記の5分野について公募し、応募のあった70件の事業について、専門家・有識者からなる評価委員会(地球温暖化対策技術検討会技術開発小委員会、別紙3)の評価及び審査を経て、9件の採択を内定しました。
 特に「バイオマス利活用分野」と「水素/燃料電池分野」に該当する課題については、各分野における専門家(技術アドバイザー、別紙3)による事前評価を行うことにより、体制の充実を図りました。
 採択を内定した事業の事業名、代表者の氏名等については別紙1、事業概要等については別紙2のとおりです。
【公募対象分野及び採択件数】

[1]
省エネ対策技術実用化開発分野
(応募件数22件、採択2件)
[2]
再生可能エネルギー導入技術実用化開発分野
(応募件数32件、採択4件)
[3]
都市再生環境モデル技術開発分野
(応募件数 5件、採択1件)
[4]
循環資源由来エネルギー利用技術実用化開発分野
(応募件数 0件、採択0件)
[5]
製品化技術開発分野
(応募件数11件、採択2件)
添付資料
[添付資料] (別紙1)採択内定事業一覧 [PDFファイル 77.5KB]
[添付資料] (別紙2)採択案件の概要 [PDFファイル 140KB]
[添付資料] (別紙3)委員名簿 [PDFファイル114KB] "

コメント続き
 再生可能エネルギー導入技術実用化開発分野に内定した「開放水路用低落差規格化上掛け水車発電システムの開発」は、このところ昔ながらの上掛け水車について興味をもっているので、特に期待したい内容です。(t_t)

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東大先端科学技術研究センターが泥を使った色素増感太陽電池で変換効率10.3%を達成

 NIKKEI Tech-On!で30日に報道された東京大学先端科学技術研究センターが泥を使った色素増感太陽電池で変換効率10.3%を達成したというニュース。10%越えということで、注目してみました。

【化学学会】東大が粘土を使う色素増感型太陽電池,効率10.3%-----Tech-On!,2009/03/30

" 東京大学の研究グループは,クレイ(粘土)を電界質の媒質に利用する色素増感型太陽電池を作製し,10.3%という高い変換効率を確認した。「日本化学会第89春季年会」(日本大学,2009年3月27~30日)で発表した。 "

関連
東京大学 : 瀬川研究室

東京大学 先端科学技術研究センター / 先端をゆく #013 エコエネルギー:次世代太陽電池を研究する

 Tech-On!の記事によれば、泥に似た化学物質は、ゲル化することで液漏れが起こりやすいという色素増感型太陽電池につきまとっていた課題を解決するための電解質を得るために利用されたという。変換効率10%越えを果たすことも珍しくなくなった色素増感太陽電池、世界がしのぎを削るこの技術の明日に期待しましょう。(t_t)

関連エントリー
コスト半分の太陽電池開発へ 新日石が先端研と / クリッピング MSN産経ニュース-----ソフトエネルギー、2008/04/16

革新型太陽電池国際研究拠点について / プレスリリース 経済産業省-----ソフトエネルギー、2008/07/09

参考エントリー

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アメリカの風力と太陽エネルギー関連団体、リポートでグリーンパワー・スーパーハイウェイ建設を訴える

 風力エネルギー協会(AWEA)と、太陽エネルギー産業協会(SEIA)は、Electric Superhighway構想のメリットを訴えるリポート"Green Power Superhighways Building a Path to America’s Clean Energy Future"を発行しました。
 Electric SuperhighwayまたはGreenPower Superhighwayは、アメリカ大陸を高い電圧の送電線網で結ぶことで、送電コストとロスを小さくし、風力発電や太陽光発電で発電した電力を、遠くの州の人口密集地まで送電するという計画です。電圧が765KVということで、765-kilovolt (kV) 高圧送電網とよばれるシステムは、すでに建設が進められています。さらに、立地、建設計画が進められ、米東部を中心に部分的には具体化しそうです。それを全米に張り巡らせることができるか? アメリカの選択に注目です。

吹くか、オバマ風 アメリカの風力エネルギー-----ソフトエネルギー、2009/01/15

 上のエントリーに、資料があります。

プレスリリース / American Wind Energy Association (AWEA),Solar Energy Industries Association (SEIA),February 17, 2009
SOLAR, WIND INDUSTRIES RELEASE WHITE PAPER ON GREEN TRANSMISSION SUPERHIGHWAY

" he American Wind Energy Association (AWEA) and the Solar Energy Industries Association (SEIA) today released a white paper titled “Green Power Superhighways: Building a Path to America’s Clean Energy Future,” detailing current inadequacies of the U.S. electric transmission infrastructure and offering policy solutions to address them.

Inadequate transmission capacity is a significant barrier to renewable energy development in the U.S. Underscoring that fact, SEIA President and CEO Rhone Resch and AWEA CEO Denise Bode held a news conference with reporters today to announce publication of the white paper.

The release of the paper comes at a critical time. President Obama and Congress have made strong commitments to renewable energy as a driver for jobs creation and economic growth, but the nation’s renewable energy resources can not reach their full potential without renewed investment in our transmission infrastructure.
..........
The white paper is available at
http://www.awea.org/GreenPowerSuperhighways.pdf "


Gridsuperhighway
-----image : "Green Power Superhighways Building a Path to America’s Clean Energy Future"カバー

関連記事
[環境CSR]米国、再生可能エネルギー普及に向けた白書を発表-----ecool,2009年03月24日

米エネルギー省、2030年に電力の20%を風力で賄うことができるとのリポート、”20 Percent Wind Energy by 2030”を発表-----ソフトエネルギー、2008/05/14

吹いたオバマ風! グリーン・ニューディールで再生可能エネルギー枠に、投資促進1千億ドル-----ソフトエネルギー、2009/01/27

コメント続き
 765-kilovolt (kV) 高圧送電網の建設を進めるAmerican Electric Power社のサイトの情報によれば、この高圧送電網が中心となってもたらされるAEP Grid Smartプロジェクトにおいては、再生可能エネルギーだけでなく、高効率の火力発電所、徹底的な電力の見える化により無駄をはぶき、発電、送電、給電さらには、家庭の電力の消費や電気自動車の運用システムにまでいきわたったスマートグリッドという概念が語られています。

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独REpower Systems、6MWの大型風力発電機のウィンドファーム完成

 ドイツのRepower Systems社が6MWの大型風力発電機REpower 6M turbineを3基使用のウィンドファームをデンマーク国境近くのWestreに設置したと発表しました。REpower 6M turbineは、直径126mの三枚翼の風力発電機でタワートップまでの高さは、100mに達するということです。

プレスリリース / REpower Systems,03/24/09
First wind farm with REpower 6M turbines fully erected
Joe090320_727_re6m_small
-----image(”The Westre wind farm at the German-Danish border on the verge of its completion. ”) : 同リリースより

" REpower Systems AG (WKN: 617 703) has just completed erection of the first wind farm consisting exclusively of REpower 6M turbines. The three turbines, installed in the Westre civic wind farm close to the German-Danish border, each have six megawatt rated power and a rotor diameter of 126 metres, making them some of the biggest wind turbines in the world. The new turbine was developed by REpower engineers for offshore deployment at a later stage and assembled at the company’s manufacturing centre in Bremerhaven. In the Westre civic wind farm, the first three turbines of this type are to be tested extensively for offshore operation and will also be subjected to a type certification.

In January, the nacelles of the three 6Ms were shipped from the REpower plant in Bremerhaven to Dagebull in Schleswig-Holstein and transported to the construction site from there. The rotor blades, each one 61.5 metres in length, were transported as a wide load directly from Denmark. The hub height of a 6M in the Westre civic wind farm comes to 100 metres: a crane with a boom height of 132 metres assisted in erecting the turbines.
.......... "

コメント続き
 世界最大の大型風力発電機は、Enercon E-126で7MWと考えていましたので、設置状況を調べてみたのですが、もうEnercon社の目立つところではラインナップされていないようです。さらに調べるとE-126は、6 MWと記載されている資料もあります。下のビデオでも6MWとなっていました。いずれにしろでかいということで、今回はおしまい。(t_t)

ENERCON E126 - The World's Largest Wind Turbine

(xeniacolours,2009年01月01日)

関連エントリー

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気候ネットワークと環境エネルギー政策研究所、日本型買取制度の問題点を指摘、国会主導の再生可能エネルギー拡大のための法律を提案

 連日報じられる、太陽光発電への政府のテコ入れ策、しかし長期の研究開発計画には金が回っていないとか、国と都の補助などが矢継ぎ早に発表される中で、生産や営業の現場では市場拡大どころかすさまじい競争と系列化的な市場再編が起こっているなど、問題が噴出しています。業界再編の荒波は中小の事業者に大きなしわ寄せと不安感すらもたらしています。

 国が2010年から打ち出した太陽光発電の日本型買取制度もなぜ太陽光発電だけなのか? なぜ、一度やめた一般住宅用太陽光発電の政策を十分な検討をせずに再度開始しようとするのかなど、多くの疑問を感じる今日このごろでありました。まずは、経済産業省が募集を開始した関連のパブリックコメント、締め切りは2009年4月17日です。みんなの意見を訴えましょう!

『太陽光発電の新たな買取制度』について」に対する意見の募集について-----経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー新エネルギー部新エネルギー対策課

 そして、気候ネットワークと環境エネルギー政策研究所が、日本型買取制度の問題点などを指摘、国会主導の将来に禍根を残さない再生可能エネルギー拡大のための法律を提案するプレスリリースを発表しました。タイムリーな動きに同調し、この機会にわが国の再生可能エネルギーのあるべき姿について、真剣に考えたいと思います。

プレスリリース / 飯田哲也(環境エネルギー政策研究所 所長)、気候ネットワーク代表 浅岡 美恵、2009年3月24日
「エネルギー供給構造高度化法案」は抜本修正が不可欠将来に禍根を残さない再生可能エネルギー拡大の法律を「国会主導」で

" 1 将来に禍根を残さない再生可能エネルギー拡大の政策の導入を

環境エネルギー政策研究所(ISEP)及び気候ネットワークは、気候保護法の制定を求め、その中で、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入及び石炭から天然ガスへの燃料転換などを求めているところである。
 2月24日、二階経済産業大臣の閣議後記者会見で突如、太陽光発電電力の「日本型買取制度」について言及し、3月10日にはその根拠となる法律とされる「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用および化石エネルギー原料の利用の促進に関する法案(エネルギー供給構造高度化法案)」が慌ただしく閣議決定された。この法案は、再生可能エネルギーの利用だけでなく、原子力をあわせ「非化石エネルギー」としてその利用についてと、化石燃料の有効な利用を促進するための措置を構ずることを目的とするものである。また、今回の経済産業省による「日本型買取制度」提案は、上記法案に直接の法的根拠は何らなく、経済産業大臣の判断に委ねるとするものにすぎず、国民・消費者がその費用を負担していく問題について情報提供も議論も不十分である。
 以下にその問題点を指摘し、国会において抜本的修正を求める。

2 「エネルギー供給構造高度化法案」の問題
..........
3 「日本型買取制度」の問題

このように、本法案では何ら明らかにされていないが、経済産業大臣の閣議後記者会見等によれば、法案による措置として、家庭用の太陽光発電設備による発電電力のうち自家消費にかかる電力を除く余剰電量について現在の2倍程度の価格で(但し、既設設備も対象とし、買取価格は将来にわたって逓減)10年間買取ることである。このスキームは、

第1に、買取の対象が家庭用の太陽光発電電力のみであり、風力やバイオマスなどその他の再生可能エネルギーによる発電は含まれていない。
 第2に、家庭用の太陽光発電についても、自家消費分を除いた余剰電力のみである。
 第3に、その結果、家庭用太陽光発電についても、10年の買取期間では投資回収はできず、自治体による補助がある場合でも15年を要することになる。
 第4に、世帯当たり50円~100円の価格転嫁とされているが、既設者への買取りを含めた負担であり、将来的な設置拡大による負担額との区分を明らかにする必要がある。

4 将来の発展性のある再生可能エネルギー買取制度が必要
..........
よって、本法案は、以下のとおり修正されるべきである。

(1)法の目的に、再生可能エネルギーの拡大を明記すること
(2)再生可能エネルギーの種類と対象を明記して、電力供給事業者の買取義務を明記すること
(3)買取条件についての細部についての決定は、設置者及び電力消費者の権利義務の内容にかかるものであり、国民的な議論の上に、国会の承認を要するものとすること
(4)太陽光発電電力については、余剰電力ではなく全発電量とし、買取価格を現状の2倍程度として、20年買い取るとすること
(5)化石燃料の利用においては、国際的削減義務と整合し、石炭から天然ガスへの燃料転換を含むCO2排出削減を基本とするものであること
(6)化石燃料及び再生可能エネルギー、原子力の利用についての政策については環境大臣と経済産業大臣の共管とすること
以上 "

参考
プレスリリース / 資源エネルギー庁、平成21年3月18日
「ソーラー・システム産業戦略研究会」報告書を取りまとめました ~ 「未来型エネルギー社会システム」の実現を目指して ~

やるぞ!日本! : 自然エネルギーニュース

新エネ部会-----壊れたら直そう日記、2009/3/26

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