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太陽光発電の規模を、2020年までに今より20倍に-麻生首相の新エネ拡大策とは?

 麻生総理が2020年に太陽光発電の規模を20倍にするとおっしゃったそうです。それは、大変結構ですが、わが国のエネルギー政策を変えるとは一言もいっておられないようなので、もしかすると、風力、地熱、小水力など有望な数ある再生可能エネルギーは現状維持みたいなみため結構、内容最悪みたいな話なのかなぁと勘繰っております。とはいえ、”俺はそんなこと言ってないよ”的なウェイトの話かもしれず、まずはわが国のエネルギーの長期需給見通しでは、新エネルギーは発電量換算で2%となっています。現状1%ということですが総発電量事態が2005年実績の9845億kWHから、2020年の最大導入、努力継続、現状固定の三つのシナリオいずれも増やしているので設備容量は、2005年の56億kWHから212億kWhと15年間で4倍に発電量が増える計算になっています。

資源エネルギー庁 : 「長期エネルギー需給見通し」のとりまとめ

"長期エネルギー需給見通し平成20年5月総合資源エネルギー調査会 需給部会(pdf) -P.29
P.29(ノンブル))設備容量と発電電力量の推移
より
 新エネルギー 2020年設備容量 最大導入、努力継続、現状固定 計上なし
 新エネルギー 2020年発電電力量 217 億kWH 2% 最大導入、努力継続、現状固定
 新エネルギー 2005年発電電力量 56億kWH 1% "

 さて、麻生総理が20倍に増やすといった太陽光発電の設備容量は、2005年が150万kWp弱。2008年度末で200万kWp。それぞれの発電量は、2005年がおおよそ14億kWh。2008年では、約19億というところでしょうか。

 ここまで計算しておいて麻生総理のおっしゃったことを見てみましょう。

麻生総理の演説・記者会見等 : 「新たな成長に向けて」日本記者クラブにて-----首相官邸、平成21年4月9日
/ 麻生総理スピーチ 新たな成長に向けて-平成21年4月9日(ビデオ)

" 2020年には、エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの比率を今より倍増して、世界最高水準の20%まで引き上げたいと思っております。
..........
《(1)太陽光世界一プラン》
 その第一として、最も力点を置きたいプロジェクトの一つが、太陽光世界一プランであります。太陽光発電の規模を、2020年までに今より20倍にします。
.......... "

関連記事
2020年に太陽光発電規模が20倍に!?-麻生内閣の未来戦略-----やるぞ! 日本! 自然エネルギーNEWS,2009年04月10日

参考
低炭素社会構築に向けた 再生可能エネルギー普及方策について-----環境省、平成21年2月10日

コメント続き

 現状、エネルギー消費における再生可能エネルギーが10%という認識は、既存水力を10%とカウントしてのことですので、国際的には、新エネルギー 2005年発電電力量 56億kWH 1%が基準ですので、大型水力を再生可能エネルギーにカウントしないという国際的な”数え方”からすると欲意的な首相の姿勢の表れです。現状、新エネ1%と長期エネルギー需給見通しになっています。
 太陽光2020年に今より20倍。まあ、2008年の数字で計算すると、設備容量は、2008年度末で200万kWpの20倍。

 200万kWp * 20 = 4000万kWp。期待される発電量は、400億kWh/yearとなります。先の長期エネルギー需給見通しに照らしてみるとなんと発電電力量の4%に相当する発電量になります。2020年に正味10%の新エネ導入ということですから、残り6%の施策も用意されると期待してよいのでしょうか?

 ところで、前に年間発電量1000億kWhを発電するためにどれだけの面積が必要か? それがほぼ現状の日本の電力消費量の10%にあたるという試みの計算をやってみたことがあります。

年間発電量1000億kWhを太陽光発電所でまかなうにはどれだけの面積が必要か?-----ソフトエネルギー、2009/03/19

 このときの計算では、一辺が27kmの正方形の土地に巨大な太陽光発電所を建設すれば、日本の電力の10%に相当する量をまかなうことができるとしました。そのときの、年間の発電量は1000億kWhでした。今回の400億kWhなら、単純に10分の4とした面積は、一辺が17kmの正方形となります。

17km2
-----image : Google Earthキャプチャー画像。[東京の地図に一辺が17kmの正方形を書いてみました。]

 麻生さんのおっしゃる2020年に太陽光発電20倍という数字から、いろいろと考えてみました。太陽光で約電力の4%ということだと残り6%の施策が気になります。機会ですから、ここで固定料金の買取性の太陽光発電から多くの再生可能エネルギーまで含め、2020年まで実施するとおっしゃっていただけるとお考えが理解できます。是非、このあたりを明確にしていただきたいと思います。(t_t)

追加情報 4/15日
 具体的な数字も発表されていたようですね。

太陽光発電の普及で大停電リスク? 経産省が実証実験-----IT Media News(産経新聞),2009年04月13日

" ...........政府は、地球温暖化対策として太陽光発電容量を平成42(2030)年度に現在の約40倍の5321万キロワットに拡大する目標を掲げている。現在運転中の原子力発電所53基分の計4793万キロワットを上回る規模で、住宅や学校、工場への発電パネルの設置に加え、大規模な「メガソーラー」発電所の整備を進める計画だ。
.......... "

コメント
 ここの計算が4000万kWpでしたが、報道では5321万キロワットだそうです。設備容量です。本来太陽光発電の設備容量は、kWではなく、規格上の最大出力を意味するkWpをつかうべきという人がいます。ソフトエネルギーもその方針です。
 さて、これでも年間発電量は、20数億kWhとなります。ただ設備容量だけくらべて原発を上回るという記述はナンセンスに思えます。原発の年間発電量は、現状でさえ、3000億kWh/yearを軽く越えています。
 最近こうした報道がよくみられるのは、だれか一般が錯覚を起こすことを狙っている人たちがいるということなのでしょうか? 理解できないのですが、、、誰か解説してください。

 このコメントをつけたら、すぐに知人からつっこみが、、、柏崎刈羽がとまっているので、3000億はこえてないよというご指摘でした。調べて、直します。つっこみありがとうございます。(t_t)



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2008年末の日本の太陽光発電容量が世界3位に転落した。これは全く政府の無策というしかない。それは燃料別発電量を見れば一目瞭然だ。ドイツとスペインは1997年頃から目に見えて増えているのに日本はそうではないからだ。... [続きを読む]

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