日立がDIC鹿島工場でバイオマスと風力発電を活用したESCO事業を開始
日立がDIC鹿島工場でバイオマスと風力発電を活用したESCO事業を4月1日から開始すると発表しました。ESCO事業は、エネルギーに関する効率化と再生可能エネルギーなどを利用することで、エネルギーサービス企業側-この場合は日立、エネルギー利用側-この場合はDIC鹿島工場の双方に生まれるメリットを活用する事業の形態です。
さらに、コストだけでなく、温暖化効果ガス削減というグリーンな価値も得ることができるので、今後ますます普及する方法と思われます。
今回の事業では、木質バイオマスボイラーと2.3MWの風力発電機二基などを新設し温暖化効果ガスの削減にも寄与することができるということです。
プレスリリース / 日立、2009年3月25日
・DIC鹿島工場で木質バイオマス*1発電と風力発電を活用したESCO*2事業を開始
-----image(”システム概要図 ”) : 同リリースより
" 年間3万トンのCO2排出を抑制株式会社日立製作所(執行役社長:古川一夫/以下、日立)は、このたび、世界最大手の印刷インキメーカーであるDIC株式会社(以下、DIC)鹿島工場(茨城県神栖市)における設備向けの電力として、木質チップ(木質バイオマス)を燃料とするボイラーと蒸気タービンを組み合わせた木質バイオマス発電設備と、国内最大級*3の風力発電設備によるESCO事業を開始します。今回のESCO事業により、DIC鹿島工場において、原油換算で年間約1万1千キロリットルのエネルギー削減、CO2で換算すると工場全体の年間排出量の約8割である年間3万トンの抑制を実現します。
DIC鹿島工場では、これまで木質バイオマスを燃料とするボイラーとガスタービンを使用して工場内の設備向けの電力の多くをまかなってきました。今回、開始するESCO事業では、既存の木質バイオマスボイラーに加えて、新規の木質バイオマスボイラーと蒸気タービンを組み合わせた発電設備を導入することで、ガスタービンの使用を停止し、余剰蒸気を新たなエネルギーとして有効活用することにしました。さらに、太平洋沿岸に位置する鹿島地区の気候をいかし、国内最大級の風力発電設備2基を導入することにより、一層の省エネルギー化を図ります。
木質バイオマス発電設備と風力発電設備によるESCO事業は、4月1日から開始する予定です。
..........
今回、日立がDIC鹿島工場向けのESCO事業で導入したシステムは以下の通りです。木質バイオマス発電設備
発電用の木質バイオマスボイラーと蒸気タービンを導入し、木質バイオマスを燃料に電力を発生させます。また、余剰蒸気を電力に変換することにより、エネルギーの有効活用が可能です。風力発電設備
太平洋沿岸に位置する鹿島地区の気候をいかし、風力発電を行います。今回設置する風力発電設備2基は、風車の直径71m、ハブ高*564mで発電量2,300キロワットの日本最大級の設備です。*1 再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの
*2 Energy Service Companyの略
ESCO事業者である日立が資金調達および省エネルギー施策を実施し、お客さまはエネルギー削減効果額の一部をサービス料として日立に支払うことで、自己資金なしで省エネルギー施策の導入が可能になります。
*3 2009年3月1日現在、日立調べ
*4 2007年12月20日発表 : 日立製作所ニュースリリース「地球温暖化防止に向けた長期計画『環境ビジョン2025』を策定」
*5 地上から羽根中心までの高さ導入設備
木質バイオマスボイラー : 30t/h×1基
抽気復水蒸気タービン : 4000kW×1基
補助ボイラー : 5.5t/h×6基、2t/h×1基
風力発電設備 : 2300kW×2基
.......... "
参考
・エネルギー環境教育情報センター : エネルギー環境を学ぶ!体験する! 施設見学ガイド / DIC(株) 鹿島工場
コメント続き
もう10年も前にESCO,ESCOと熱心に説いて回っていた友人がいます。Wikipediaによれば、
”サービスを提供する会社は、顧客に省エネシステム等を提供しランニングコストを下げるかわりに、軽減した電気代などの光熱費、水道料金から一定の割合(数年間にわたって50%といったもの)を受け取るビジネスモデルである。提供する会社が顧客の光熱費の削減に失敗した場合でも、顧客には一切負担がかからない。一見、地味なビジネスではあるが、年間億単位の光熱費を支払う大工場などで成功した場合には、収益は莫大な額となる。”-----ESCO事業
とあり、莫大な額という点を強調しておきます。省エネ、再生可能エネルギー、エネルギーの総合的なマネージメントは大工場から一般家庭まで金銭、環境の両面で大きな価値をもっているのです。こうした事例が生まれ、成功することで、社会が確実に変わります。政治がじゃまをせずに、少し促進するだけで、時代が押してくれるのでスピードも増します。
ESCO事業にも注目したいと思います。(t_t)
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