東レ、世界最高レベルの変換効率5.5%の有機薄膜太陽電池を開発
東レが独自の薄膜形成の技術を使った有機薄膜太陽電池を開発、変換効率5.5%を達成し、同時に寿命や劣化の問題の解決に向けた技術のあしがかりを得たようです。今後は、2015年の実用化を目指し、さらなる変換効率の向上に取り組むということです。
プレスリリース / 東レ、2009年3月23日
・有機薄膜太陽電池で世界最高レベルの変換効率5.5%を実現
-----image : 同リリースより
" 高分子科学と有機合成化学の融合により高性能ドナー材料を創出
東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:榊原 定征、以下「東レ」)は、このたび、当社のコア技術である高分子科学と有機合成化学の融合により、有機薄膜太陽電池1)のキーマテリアルであるポリマー系ドナー材料を新たに開発し、有機薄膜太陽電池として世界最高レベル※の変換効率(光を電気に変える効率)5.5%の実現に成功しました。有機薄膜太陽電池の発電層は、光が当たると電子を放出するドナー材料と、放出された電子を受け取って電極(陰極)まで運ぶアクセプター材料の2種類の材料で構成されますが、今回の成果は、独自の分子設計による新規ドナー材料の開発により達成したものです。
今後、2015年頃の実用化に向けて、一層の材料性能向上を目指します。
※学会で発表された公開データに基づく。これまでの有機薄膜太陽電池の変換効率の世界最高値は5.15%とされる。
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1.材料開発の着眼点
......この骨格は酸化に対して安定な分子構造であるため、本材料は大気中での長期間保存においても高い性能を維持することが可能です。
..........
2.新規ポリマー系ドナー材料の開発
.....これに対して東レは、バルクヘテロ構造に適した置換基をポリマー系ドナー材料の側鎖に巧みに組み込んだポリマー分子設計(図1)により、理想的なバルクヘテロ構造を形成させ、JscとVocを両立することに成功しました。これにより、本材料を用いて作製した有機薄膜太陽電池において、変換効率5.5%と、有機薄膜太陽電池では世界最高レベルとなる性能を達成しました(図3)。

-----image : 同リリースより
..........."
コメント続き
世界で開発競争が進む有機薄膜太陽電池、変換効率、寿命や劣化、価格などにめどをつけたとする企業もあちこちで生まれ、各社2010年台のなかばには実用化にこぎつけたいということです。
ただ問題は来年末ぐらいまで続くといわれる世界的な経済危機がこれらの開発投資にいい影響は与えていないようで、再編や開発の遅れなどにつながっていくという見方も業界にはあります。こうした厳しい環境の中で、まるで印刷物を印刷するように作ることができると言われる有機薄膜太陽電池への期待は、再生可能エネルギー全体の中では、まだまだ明るい材料といえる状況です。5年程度での開発の成功、さらには前倒しのブレイクスルーの発生を期待してしまいます。(t_t)
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・住友化学、エネ変換効率6.5%の有機太陽電池セル開発 / クリッピング 日刊工業新聞-----自然エネルギー、2009/02/27
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追加情報
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東レ、世界最高レベルの変換効率5.5%の有機薄膜太陽電池を開発 続報-----自然エネルギー、2009/3/26
https://greenpost.way-nifty.com/k/2009/03/55-f511.html
投稿: 追加情報 続報 | 2009/03/26 13:25