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一人あたり2000Wで暮らす生活 エイモリー・ロビンスさんのインタビュー”2000-watt society”

 WorldChangingに、”ソフトエネルギーパス”のエイモリー・ロビンスさんのインタビューが掲載されていました。エコロジカルフットプリントでは、地球上の持続可能な生活を営むために必要な人口一人当たりの土地の面積で表現します。また経済産業省が導入を検討しているカーボンフットプリントはCO2の排出量で表現しています。そして、このインタビューで紹介されているSwiss Federal Institute of Technology in Zurichが提案している「2000-watt society」プログラムでは、W(ワット)を採用し電気やエネルギーを考える上で単位的には非常にわかりやすいと思います。人口一人当たり2000Wのエネルギーでで暮らす生活について、既存の技術でも達成できるとする氏の話は、エネルギー消費と再生可能エネルギーを社会のありかたとして総合的に提案するもので、説得力があります。

Worldchanging Interview: Amory Lovins-----Worldchanging,MARCH 23, 2009

関連
RMI's Approach to Energy

Wikipedia : 2000-watt society

ETH Zurich Energy Science Center /
Energy Use / ASRELEO Final-Report

Davos Open Forum 2007 - Sustainable Energy Consumption

(WorldEconomicForum,2007年07月17日)*長いビデオクリップだが、関連情報は冒頭で語られています。

2000watts.org

societe2000watts.com

コメント続き
 2000-watt societyのアイディアでは、電力だけでなく家庭で利用するエネルギーをすべてを対象とし、

 2000[W]* 24[h]* 365[days] / 1000 = 17520 [kWh /year]

 17520 [kWh /year]をスタンダードな家庭として想定し、先進国は引き下げ、開発途上の国は引き上げることでより平等なエネルギーを指標とした暮らしを提言することのようです。
 ちなみに、日本の家庭で消費される電力、暖房、移動用のエネルギーの総和は、この値の2003年の値では、4,795Wで、年間にすると

 4795[W]* 24[h]* 365[days] / 1000 = 42004.2 [kWh /year]

 42004[kWH/year]で、約2.4倍スタンダードな家庭より多い。スタンダードな家庭と書くとなんとなく誤解しそうなので、別の日本語の表現を考えたほうがいいかもしれない。

Wikipedia : Standard of living

 2000-watt societyの考え方は、エネルギー消費の地域、国ごとの格差や不平等さを理解することにも、さらには現在の省エネ、再生可能エネルギーなどの利用など最新の技術をどう生かしていくのかについて、大きなヒントをもっている。エイモリー・ロビンスさんは、先のインタビューの中で、2000-watt societyは実現可能であり、技術的にはさらなる削減が可能としている。エネルギー効率の向上と再生可能エネルギーは、この分野の中で、自立的で豊かな生活を実現するためのキーとなる技術だと思います。ただ、これらの技術をただ導入すればいいのではないことは、過去の技術を使ってさえ、達成できたとする氏の研究と実践の成果がいまだ、アメリカはもちろん世界にも普及していないことを見ても明らかです。

 これは選択の問題なのだ。とインタビューを読んで感じました。(t_t)

参考
サスティナビリティのための科学的基礎に関する調査 / 報告書 : サスティナビリティのための科学的基礎に関する調査 / P.79 "2000ワット社会"より
" スイスは平均5,000W、欧州全体では6,000W、米国は12,000W、日本は4,795W(2003年値、年間約42,000kWh)の消費量となっている。スイスの5,000Wというエネルギー消費は、年間44,000kWh、石油換算で4,400リットルに相当するという。 "

関連エントリー
テレビ番組 NHK BShi 9/3, BS1 9/20 未来への提言 エネルギー学者 エイモリー・ロビンス - 世界をエコにデザインする-----ソフトエネルギー、2009/08/31

2,000ワット社会 / クリッピング OurWorld 2.0-----しなやかな技術研究会、2009/07/02

INTERVIEW : Lovins on Nuclear(A・ロビンス、原子力を語る) / クリッピング Corporate Knights-----ソフトエネルギー、2006/07/20

カーボンフットプリント制度の基本ルール、経済産業省が表示方法等を発表-----しなやかな技術研究会、2009/03/25



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