火力、風力、太陽光発電-マイクログリッドを東京ガスが実用化へ
最近、マイクログリッド、スマートグリッドなど”新しい”電力網を意味するグリッドに関する情報を耳にする機会が増えています。海外の情報によれば、電力網は、火力、原子力、そして再生可能エネルギーなどを効率よくマネージメントする機能も含み、さらには、各家庭の屋根の太陽電池の発電量までも見込んだ系統全体の運用の効率化を可能にする形に進化する途上にあるらしい、マネージメント=効率化を意味しその性能により他社のシステムと運用益に大きな差がでる。エネルギーのマネージメントがライン管理という新たな分野を開拓しているようです。
ここまでは、電力会社の仕事のように聞こえるが、発電ソースをもつガス会社にとっても、こうした技術は企業の存続をも左右しかねない技術となってきている。オール電化住宅で電力に奪われた顧客を取り戻すには、将来的には地域における電力、ガスの総合的なエネルギー供給・管理技術を手に入れる必要がある。もしそれを手にいれることができれば、国の施策と法律の整備により、地域における総合エネルギー供給事業社としての道も見えてくる。地域のエネルギー事業という分野であれば、肥大した系統の管理をしなければならない電力会社に対抗することが可能になるに違いない。電力寡占ではなく、両者の競合により新しいエネルギーの利用のしかた、政府が好きな本格的なベストミックスもみえてくるかもしれない。
クリッピング / 東京新聞、2008年12月9日
・地域エネルギー合わせ技 火力 風力 太陽光… 『マイクログリッド』東京ガスが実用化へ
" 電力会社の大規模集中発電(原子力、火力など)と小型分散型エネルギー(太陽光、風力、バイオマスなど)を組み合わせ、効率よく運用するシステム「マイクログリッド」の研究が進んでいる。
..... "
東京ガスは以前からマイクログリッドの研究を進めています。新しい情報は見つかりませんでしたので、過去のブックマークをあげておきます。
関連情報
・東京ガス
/ 基盤技術部ホロニックエネルギーグループにおける技術開発の取り組み
プレスリリース / 東京ガス株式会社、平成20年3月31日
・東京大学工学系研究科における東京ガス寄附講座の更新について-ホロニック・エネルギーシステムの実現に向けて-
-----image(pop up ; ”<参考(1)>ホロニック・エネルギーシステムのイメージ”) : 同リリースより
" 東京ガス株式会社(社長:鳥原光憲、以下東京ガス)は、平成17年度から平成19年度までの3年間に開設された東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻(以下東京大学)の「ホロニック・エネルギーシステム学寄附講座」が、平成21年度まで2年間延長されることに伴い、本講座への追加寄附を行い、地球環境やエネルギー安定供給に貢献するエネルギーシステムの実現に向けての研究をさらに促進することとしました。
ホロニック・エネルギーシステム学講座は、気候変動問題への対応、エネルギーの安定供給に貢献する長期的インフラ形成の観点から、分散型エネルギーと集中型電力系統との有機的な調和を目指して、平成17年4月に東京ガスの寄附により開設されました。3年間にわたる研究活動の主要な成果としては、(1)ガスエンジンコージェネレーションと蓄電池との組み合せにより、太陽光や風力等の再生可能エネルギーの導入量を拡大するマイクログリッド制御技術の開発、(2)集中型電力系統の電圧管理や長期的インフラ形成のコスト最適化に寄与する分散型電源の有効性の検証――等があります。これらの成果は、諸学会、シンポジウムを通じて発信された他、エネルギー政策分野の提言等に活用されました。これまでの成果に基づいて、今後は、天然ガスエネルギーと再生可能エネルギー等を融合させた面的利用の実現や更に長期的なエネルギーシステムのグランドデザインに向けて研究を深化させるため、本講座は、新たな研究体制へ更新されることとなりました。具体的にはホロニック・エネルギーシステム学に関連する企業等との連携を更に拡大しつつ、「再開発地域を対象とするエネルギー面的利用システム」や「集中型電力系統と調和する分散型エネルギーネットワーク」に関する研究が取り組まれます。
.........
-----image(pop up ; ”<参考(3)>東京ガス横浜研究所におけるホロニック・エネルギーシステムの実証について.....東京ガス横浜研究所におけるマイクログリッド実証試験”) : 同リリースより "
/ 東京ガス 次世代エネルギー: ホロニック・エネルギーシステム
/ 東京ガス ピピッと!ガス百科 : ホロニックエネルギーシステム
プレスリリース / 東京大学、2005年03月08日
・「ホロニック・エネルギーシステム学寄附講座」(東京ガス株式会社)設置 東京大学工学系研究科における東京ガス寄附講座の開設について -ホロニック・エネルギーシステムの実現に向けて-
/ 東京大学大学院工学系研究科 機械工学選考 ホロニック・エネルギーシステム学(東京ガス)寄附講座 / 研究内容
コメント続き
グリッドでWikipediaをひいてみました。Power Gridでひくと、送電へと行き着きました。
・Wikipedia : Electric power transmission-----Wikipedia : 送電
さらに、Wikipedia : 電力系統という「電力系統(でんりょくけいとう)とは、電力を需要家の受電設備に供給するための、発電・変電・送電・配電を統合したシステムである。」とされる日本独特の表現に着きました。
電力網は、日本中をくまなく電線でむすぶ驚くべきシステム網です。見方をかえれば、このシステムは独自に電力を消費するシステムでもあります。送電の途中でエネルギーは消費されます。遠くの火力、原子力発電所から大都会に電力が送られる過程で失われる電力もまた膨大なのです。
一方で、希薄で日和見的といわれる風力、太陽光発電などの再生可能エネルギーは、エネルギーの地産地消という見方で、マネージメントできれば、有効な地域を担うエネルギー源、産業として新しいシステムを構築できる可能性もあります。ただ日本では、電気は電力会社が供給するという”常識”があるので、地域という枠組みで電力網を作ることは、現状では不可能です。つまり、国家規模の発想の転換が必要なのです。
その時、現在研究が進められている、マイクログリッドやスマートグリッドの価値が問われるような事態になることを望んでいます。(t_t)
参考記事、情報
・北見工業大学 電気電子工学科 電力工学研究室 / 7. マイクログリッド技術
・Smart Grid Backers Push Investment for Job Growth-----Greentechmedia,January 6, 2009
" IBM, Gridwise Alliance say a multi-billion federal investment in smart grid deployment could yield hundreds of thousands of new jobs. "
追加情報
・東京ガスが進める、スマートエネルギーネットワーク。自然エネ+コージェネで地域エネルギーソリューション-----ソフトエネルギー、2010/01/14
・スマートグリッド とりあえずの情報集積場 / ブックマーク-----自然エネルギー、2009/05/30
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